生命保険はいったん加入していればそのまま放置してしまいがちですが、加入期間中に思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
保険料が高い、長期加入が一般的なこともあり、トラブルの発生件数は非常に多いんです。
この記事を読んでいる方は、生命保険で何らかのトラブルに巻き込まれて困っていることと思います。
そこで今回は生命保険でトラブルに巻き込まれたときにどこに相談すべきか、また対処法も徹底的に解説していきます。
目次
生命保険の契約ではトラブルが起こりがち
生命保険は長期で契約し、万一加入者が死亡した時の保障を行うために加入します。
自動車保険や火災保険とは異なり、保険会社の営業さんから加入するのがメジャーなため、以下のようなトラブルが起こりやすいといわれています。
- 新規契約時の担当者の説明不足
- 保障内容が申込内容と異なる
- 健康告知の引受審査内容が納得いかない
- 勧誘行為がしつこい
- 保険金の支払いが遅れている
以下で詳しく解説します。
新規契約時の担当者の説明不足
生命保険を新規契約するときには、保険の契約内容や決まり事が書かれた「約款(やっかん)」をもとに、担当者から説明が行われます。
保険は一種の金融商品であるため、約款の内容や告知内容、契約の更新に関する情報まで、事細かに説明して加入者から納得してもらう必要があります。
約款はかなりの文量がありますので、読むのが面倒くさいと感じる方も多いため、目を通しれないことも多いことでしょう。
いざ保険会社から更新手続きなどの通知が来たときに、聞いたことのない内容が書類に記載されていて驚いてしまう方もいるんです。
保険を販売する担当者には、加入者に疑問が残らないように説明する義務がありますから、保険契約関係でトラブルが生じた場合には担当者に責任があることが多いです。
ですが契約書にサインしてしまった時点で、保険の説明に納得したことになるので、担当者が苦情を受け付けてくれなかったりはぐらかされてしまうこともあります。
生命保険の営業が信用できない!信頼できる相談相手を見つけるにはどうしたらいい?
保障内容が申込内容と異なる
加入して保険証券を確認してみたり、いざ保険の保障を使おうと思ったときに、加入したはずの商品の保障内容でないこともあるようです。
「納得して加入したはずなのに、全然別の保障に加入させられてた」と不満を感じてしまうんです。
担当者が自分の思い通りの保険に加入させようとして発生することもあるようです。
健康告知の引受審査内容が納得いかない
生命保険加入時には、加入者である皆さんの健康状態を把握して、保険契約を引き受けてもらえるかを審査します。
担当者からは「この健康状態なら大丈夫」と言われていたのにもかかわらず、いざ保険に加入して引受の状況を見てみたら聞いていた話と違っていた…、なんてことも。
当初聞いていた健康告知の予想と引受審査の内容が異なることに納得がいかないケースで、トラブルに発展することもあります。
勧誘行為がしつこい
生命保険会社は多くの営業を雇って、ノルマや成果報酬型で保険加入者を続々と増やしています。
営業は売り上げをあげるほど、自分の給与と評価が上がっていきますから、加入してもらおうと熱心に勧誘行為をおこないます。
中には熱くなりすぎて加入をしつこく行う営業もいます。
勧誘行為がしつこいからやめてほしいと伝えても、対応してくれないこともあるため、トラブルに発展しやすくなります。
保険金の支払いが遅れている
生命保険の保険金支払いが遅れることもよくあるトラブルです。
保険金を申請したのにも関わらず、支払予定日になって口座を見てみたら、まだ振り込みされていなかった…なんてことも。
実際に学資保険の祝い金の支払予定日になって、口座を確認してみたら何も入っていなかったなんて事例もあります。
担当者が手続きを忘れていたり、苦情を言いつけてもはぐらかされてしまうこともありますが、本来受け取れるはずのものが支払われないのは何ともおかしい話ですよね…。
生命保険でトラブルになったときの対処法
生命保険で上記やそのほかのトラブルになったときには、以下の対処法を試してみてください。
- 冷静になってトラブルの内容を検討する
- 担当者に問い合わせて事実確認を取る
- 生命保険協会の苦情受付状況を確認してみる
- 専門箇所に相談する
以下で詳しく解説していきます。
冷静になってトラブルの内容を検討する
生命保険でトラブルになってしまうと、冷静さを欠いてどうしたらいいかわからなくなってしまいます。
特に学資保険金や医療保険など使い道が既に決まっているお金だと、なおさらですよね。
トラブルになったらとりあえず、落ち着いて冷静になって何が原因でトラブルになってしまったのかを検討しましょう。
担当者に問い合わせて事実確認を取る
保険加入にあたって加入手続きを担当した相手に問い合わせて、事実確認を取りましょう。
複数の保険契約を担当しているため的確な答えは得られない可能性もありますが、事実確認を取るだけでも少しは活路を見いだせるかもしれません。
その場で保険会社に連絡をとって、トラブルの内容を確認しても羅得ることもあるので、ダメ元で聞いてみましょう。
生命保険協会の苦情受付状況を確認してみる
一般社団法人生命保険協会では、自社団に寄せられた苦情を生命保険会社ごとに公開しています。
日本にある生命保険会社であれば基本的に加盟していますので、ご自身が加入されている保険会社を選択して、どんな苦情が集まっているかを確認しましょう。
主な事例や改善の取り組み経過なども確認できるので、担当者に連絡したり保険会社の窓口に連絡したりする前に、把握しておくといいでしょう。
専門箇所に相談する
すべての営業さんがトラブルに対処できるのであれば問題ないのですが、中には「対応が面倒くさい」とおざなりな対応をしてくる人もいます。
トラブルに誠実に対応してくれなくて、問題解決に時間がかかるのであれば、専門箇所に相談して解決策を聞いてみましょう。
生命保険のトラブルの相談を対応してくれる機関
「専門機関に相談するって言っても、どこに相談したらいいかわからない!」なんて方もいることでしょう。
生命保険のトラブルの相談をするのであれば、以下の機関のいずれかを利用してみてください。
- 生命保険会社のコールセンター
- 生命保険会社本社の相談窓口
- 全国各地にある生命保険相談所
- 生命保険協会の裁定審査会
- 国民生活センター
- 金融庁の金融サービス利用者相談室
以下で一つずつ詳しく解説していきます。
生命保険会社のコールセンター
生命保険の担当者に相談しても一向にトラブルが解決されないのであれば、生命保険会社のコールセンターに相談してみましょう。
公式サイトに記載されている番号に連絡すれば、簡単に接続されますので気軽に連絡できます。
ただしコールセンターで対応できる内容には限りがありますので、踏み込んだ内容を相談するには向かないこともあります。
ですが保険会社のコールセンターのスタッフは、きちんと電話対応の教育を受けたうえで実務に当たっていますし、基本的な苦情への返答や対応は身についています。
生命保険会社本社の相談窓口
生命保険会社は基本的に本社に相談窓口を置いています。
クレームや苦情専門の窓口がありますので、電話かメールで連絡を取ってみましょう。
基本的に生命保険会社は他の行政機関でトラブル解決を行うのではなく、自社で解決するように注力しています。
今後のサービス改善はもちろんのこと、ほかの行政機関に苦情が集まってしまうと運営体制を疑問視されてしまい、調査や指導の対象になってしまうため丁寧に対応してくれることがほとんどです。
全国各地にある生命保険相談所
相談窓口に連絡してもトラブルの根本的解決につながらなかった場合、全国各地にある生命保険相談所の利用も検討してみてください。
生命保険相談所とは、一般社団法人生命保険協会が運営する、生命保険に関連するトラブルの対処を請け負ってくれる機関のことです。
保険業法で設置が定められており、問い合わせたトラブルの内容について相談や事実確認の紹介などを経たうえで、解決のための支援を行ってくれます。
相談に当たって伝えた個人情報は、トラブル解決目的以外に使用されることはないので、ほかの保険会社から勧誘の連絡が来ることはありません。
全国50か所に拠点がありますので、どの地域に住んでいても基本的に利用可能です。
生命保険協会の裁定審査会
生命保険相談所に相談しても、根本的な解決にいたらなかった場合には、生命保険協会の運営する裁定審査会を活用できます。
裁定審査会を利用することで保険会社側に直接トラブルの解決依頼を送るだけではなく、トラブルの解決のために中立的な立場から対応してくれます。
弁護士や消費生活相談員が審査員として在籍していますので、信頼性も保たれます。
裁定審査会を利用する費用は無料です。
また事情聴取は基本的に書面で行われるため、原則として審査員と面会する必要はありません。
どうしても面会が必要な場合には、生命保険相談所からオンライン会議ツールを用いて相談できますので、遠方まで移動する必要はありません。
迅速に解決できるように手助けしてくれますので、ぜひ活用してみてくださいね。
国民生活センター
国民生活センターは名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
生活をするうえで必要な衣食住に関連する相談や、金融関連の相談にも乗ってもらえる窓口で、独立行政法人によって運営されています。
相談事例や判例も公式サイトで掲載されているほか、ADRといった裁判を立てずに紛争を解決する手続きも対応してくれることもあります。
構成な立場から対応してくれるので、気になる方はぜひ一度利用してみてください。
金融庁の金融サービス利用者相談室
生命保険は分類上金融商品として扱われるので、金融庁の管轄内です。
金融庁では保険制度や保険の商品に関する質問やトラブルに対応できる、金融サービス利用者相談室を設けています。
電話やファックス、サイト上や文書での問い合わせが可能です。
ただし、保険会社との契約上のトラブルの場合は保険会社とよく話し合うように求められることもあります。
より踏み込んだ対応を求めるなら、生命保険協会の相談サービスを利用してみることをおすすめします。
生命保険でトラブルに巻き込まれないためには?
生命保険のトラブルに巻き込まれないためには、以下の3ちのポイントを把握しておきましょう。
- 担当者から提案された保険をよく確認する
- 保険に関する知識をつけておく
- 信頼できる担当者から加入する
以下で詳しく解説していきます。
担当者から提案された保険をよく確認する
営業担当者から提案された保険をうのみにせずに、約款にきちんと目を通して確認しましょう。
営業担当者=プロの認識である人が多いですが、やはり説明力には力量差があるので、営業といえど一概に正しいとは言えないためです。
担当者から提案された保険でも、時間がかかったとしてもきちんと約款に目を通して、疑問点を完全になくしたうえで契約書類にサインしましょう。
契約書類にサインした後で「この話は聞いたていなかった」と申告しても、抗議が通らないこともありますので、確実に記入できるようにしておきましょう。
保険に関する知識をつけておく
営業担当者はプロですから、相手の質問に対する切り返しが非常にうまいです。
うまく質問をかわされてしまったり、乗せられて知らずに加入したりしないように、加入する保険に関する知識をつけておきましょう。
保険に関する知識をつけておくことで、本質的に保険の内容を理解したうえで説明を受けられます。
ネット上だけではなくファイナンシャルプランナーの資格の勉強をしながらでも学べるので、加入したい保険が見つかったら少しずつ勉強していきましょう。
信頼できる担当者から加入する
生命保険は長期的に見ると高額な保険料を支払うことになります。
加入手続きを請け負ってくれる担当者が、信頼できるかどうかを見極めたうえで加入を決定しましょう。
営業さんが信用できない場合には、担当者の変更を依頼してみたり、切り口を変えて保険相談窓口を利用してみることもおすすめです。
保険相談窓口では複数の保険会社の中から適切な保険を提案してもらえるだけでなく、保険の契約手続きまで一括で担当してもらえます。
無料で利用できるので、お近くの保険相談窓口の利用も検討してみてください。
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生命保険のトラブルに巻き込まれたらすぐに対処しよう
いかがでしたか?
生命保険は契約内容が複雑だったり保険の保障内容の確認が面倒であるため、トラブルに発展する可能性が非常に高いです。
放置すればするほどこじれやすくなってしまうので、発覚次第すぐに対処することが重要です。
担当者との話し合いで解決できないようであれば、専門機関を活用してトラブル解決のために相談してみましょう。