生命保険と一口に言っても、様々な種類の特約や保障内容が用意されています。
「生命保険って保険金も高額だし、複数加入したら1社からしか保険金が下りないんじゃないか」と不安になったそこのあなた。
実は生命保険は保険金の上限金額こそ定められているものの、複数の保険に加入すること自体何の問題もありません。
ですがいくつかの条件や加入上注意すべき点ももちろんあります。
この記事では生命保険へ複数加入することを希望している人向けに、複数加入でも保険金は全額支払われるか、また加入時の条件やポイントを徹底的に解説していきますs。
目次
生命保険は別々の会社で複数契約を持っていても問題なく保険金は支払われる
生命保険は別々の会社で複数の契約を持っていても、保険金は問題なく支払われます。
損害保険は実損填補といって、被害に遭った分や修理に必要な金額だけを保険金として支払われます。
一方で生命保険は契約した保険金額が支給されますので、複数契約を持っていたとしても、各保険会社で契約した金額は額面通りに支給されます。
もちろん医療保険に加入している場合で、ほかに生命保険に加入していたとしても、同様に保険金は問題なく支払われますので安心です。
生命保険に複数社で加入するときは保険金に条件が付けられる
上述したように、生命保険に複数社で加入しても、1社のみと保険金支払の企業が限定されることはありません。
ただし、複数社で加入するときには、保険金に以下の条件が付けくわえられます。
- すべての契約を合算した金額に上限がある
- 年齢・職業・年収を総合的に見て契約できる金額が変わる
以下で一つずつ確認していきます。
すべての契約を合算した金額に上限がある
生命保険に複数社で加入した場合には、上限金額が課されます。
すべての契約を合算した金額をみて、上限金額に達していないかを確認されます。
生命保険に分類される保険の契約状況を保険会社が調査して、自社で契約できる保険金額を算出します。
仮に上限金額が3000万円だった場合、A社で1500万円の保険金を契約していた場合は、残りの保険会社では1500万円しか契約できません。
複数社の保険を契約する前には、現契約で契約している保険金額を把握しておくといいでしょう。
年齢・職業・年収を総合的に見て契約できる金額が変わる
実は生命保険に複数加入する場合、年齢や年収、職業を確認され、契約できる保険金の上限金額をどの程度にするかを設定しています。
年収が低いのにも関わらず、高額な保険金を複数社で契約していると、保険金殺人が起こるリスクがあるためです。
また職業によっても、加入者の死亡リスクは違います。
サラリーマンや公務員であれば、危険な現場で仕事をすることはありませんが、とび職や大工さん、消防士など危険な場所で作業を行う人はその分亡くなる可能性も高くなりますよね。
高年齢で高額な保険金を契約していると、死亡するまでの日数が少ないので、保険金を受け取る可能性が他の加入者よりも高くなります。
複数加入していても生命保険会社では、加入者を公平かつモラルリスクの無いように扱いますので、契約できる保険金額にも上限が設けられているのです。
15歳未満の子供に保険をかけるなら1000万円が上限になる
「年齢も低いし死亡リスクの少ない子供なら多額の保険金が掛けられるんじゃないか」と思いますよね。
15歳未満の子どもを被保険者として保険金をかけるのであれば、複数保険に加入する際には1000万円が上限として設定されています。
過去には子供に多額の保険金をかけて、自分の私欲のために子供を殺して保険金殺人をおこなった親もいました。
子どもに対して保険を掛けられるのはだけですので、万が一のことがないように保険金に上限を設けているんです。
子どもが被保険者の場合の保険金上限額は、親が契約した保険だけではなく、祖父母が孫のためといって被保険者に指定している保険も合算されます。
死亡保障付きの学資保険も生命保険としてカウントされる可能性がある
「学資保険は生命保険じゃないから複数加入しておいても上限額はない」と思われがちですが、学資保険には親の死亡時の保険料支払いを免除する死亡保障がついています。
死亡保障がついている以上生命保険としてカウントされますので、子どもの保険金の上限額に含まれていきます。
加入している学資保険が、生命保険としての扱いかを確認しておくことをおすすめします。
保険会社で情報を共有しているので複数社加入は隠し通せない
別々の生命保険会社で加入するなら、他社での契約はバレないんじゃないかと思いますよね。
保険加入時には、加入者の情報が登録されている、一般社団法生命保険協会を通して、ほかの保険契約がないかを確認します。
国内の生命保険会社なら、新規加入者の情報を登録しているので、情報照会が行われれば一発でバレてしまいます。
複数の保険に加入している情報も登録されていますので、「保険金額の上限をなくしたい」からといって、黙って加入しても指摘されてしまいます。
生命保険に複数加入する3つのメリット
生命保険に複数加入するメリットは、以下の3つです。
- 保険商品ごとに対応するリスクを分散できる
- 万一保険会社が倒産したときに保障を得られる
- 生命保険料控除を最大減に活用できる
以下で詳しく解説していきます。
保険商品ごとに対応するリスクを分散できる
生命保険といっても対応できるリスクは様々です。
子どもの学資保険ももちろんのこと、貯蓄目的に活用して老後の資金形成にも役立てられます。
保険会社ごとにどこまでを保障するかの範囲も異なりますので、保障を受けたいリスクをカバーできないこともあります。
1社では対応しきれないリスクを分散できるので、家庭に必要な保障をスキなく用意できます。
万一保険会社が倒産したときに保障を得られる
保険会社=大企業のイメージがありますので経営が傾く心配はないように思われますが、実際に保険会社が倒産した事例もあるんです。
複数の保険会社で保険に加入していれば、万一保険会社が倒産した時に他の保険で保障を得ているので、安心です。
「え?保険会社が倒産するイメージなんて全くつかない」って方もいますよね。
保険会社は加入者から受け取った保険料を、安定した金融資産で運用して利益分を利率に応じて加入者に還元します。
しかし不況やリーマンショックのような金融危機が発生すると、金融資産価値が暴落してしまう可能性があります。
既に加入者に対しては利率を指定していますから、保険金を契約通りに支払わなければなりません。
ですが金融資産で利益を出せないとなると、保険会社としては保険金を支払うたびに赤字になります。
受け取る保険料よりも支払う保険金額が大きくなっていくことで、倒産につながっていきます。
いつ不況になるか金融危機になるかはわかりませんから、保障を分散させておいて倒産しても別の保険で対応できるんです。
保険会社が倒産したら保険契約はどうなる?保険料は返ってくるの?
生命保険料控除を最大減に活用できる
生命保険加入者には、確定申告時に1年間で支払った生命保険料を申告することで、住民税や所得税の控除が受けられます。
複数社で保険に加入していれば、その分保険料の負担割合も大きくなりますよね。
生命保険料控除は支払った生命保険料の総額に応じて適用されますので、支払った保険料が高いほど控除される金額も大きくなります。
もちろん上限金額が設けられているため、無限に控除されるわけではないのですが、節税対策にも利用できるので一石二鳥です。
学資保険で節税!一般生命保険料控除手続きの流れと注意点を紹介します
生命保険に複数加入する3つのデメリット
生命保険に複数加入するデメリットは以下の3つです。
- 単純に保険料がかかる
- 保険の契約維持管理が面倒くさくなる
- 受取人を管理しないとトラブルに発展する可能性もある
以下で詳しく解説していきます。
単純に保険料がかかる
生命保険に複数加入すると、単純に保険料が多くなり、負担が増大します。
生命保険料の中には、保障に対して支払う純保険料と、保険会社の運営費や管理費の含まれる付加保険料に分かれています。
1社で契約した生命保険であれば、付加保険料は1社分で済みます。
ところが複数社で契約してしまうと、契約先分の付加保険料が保険料に含まれることになります。
保険料を抑えたい方は、1社にまとめて特約を付けて、保障を手厚くする方を選択したほうが良いでしょう。
保険の契約維持管理が面倒くさくなる
複数社で保険を契約していると、保険の契約維持管理が面倒くさくなります。
バラバラのタイミングで更新や保険料に関する書類が送付されてくるので、どの契約で対応したかがわからなくなります。
また万一保険金を請求する際には、請求される書類を契約分用意しなければなりません。
証明書を複数枚発行する必要もでてくるので、契約管理が苦手な方には向いていません。
受取人を管理しないとトラブルに発展する可能性もある
複数社で契約した生命保険の受取人を、バラバラに設定してしまう人も中にはいます。
受取人を明確にして誰に渡すのかを把握して、家族内に周知指定置かないと、保険金受取時にトラブルに発展する可能性があるのです。
「家族だから大丈夫」と思う方もいますが、お金が絡んでくるといくら血のつながりがあってもこじれてしまうこともあります。
複数社で契約する場合にあも、誰に保険金を渡すのかを明確にしておく必要があります。
生命保険に複数加入するときのポイント
これから生命保険に複数加入するときには、以下のポイントを踏まえてから手続きを進めましょう。
- 保障をどう分散するかを事前に確認しておく
- 保険の契約者や受取人をあらかじめ決めておく
- 保険に詳しい人に相談してみる
以下で詳しく解説していきます。
保障をどう分散するかを事前に確認しておく
冒頭でも紹介したように生命保険に複数加入するメリットは、保障を分散して家庭にあった保障をカスタマイズできる点にあります。
そのためご家庭で、どんな保障が必要かを話し合ったうえで保障をどう分散するかを、事前に確認しておきましょう。
保険の契約者や受取人をあらかじめ決めておく
家族内で保険の契約者や受取人を分散することもあるでしょう。
しかし誰が契約して誰が受取人かがわからないと、保険金請求の時に面倒なことになりかねません。
複数契約するときは契約を誰がして誰が受取人になるのかも、よく家庭で話し合っておきましょう。
保険に詳しい人に相談してみる
ファイナンシャルプランナーや保険会社に勤務していない限り、保険の知識を得る機会は少ないでしょう。
もしも自分で判断がつかないときは、保険に詳しい人に相談してみるのも一つの手です。
保険に詳しい人に相談することで、自分では気づけなかった保障の穴にも気づける可能性があります。
また無駄に保険料を支払わらないように、アドバイスをもらえることもあります。
ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもいいでしょう。
ですがファイナンシャルプランナーに相談する料金を抑えたい!という場合には、無料の保険相談窓口を利用してみましょう。
以下の記事で当サイトがおすすめする無料の保険相談窓口を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【2020年最新版】無料保険相談窓口おすすめランキングTOP10
生命保険に複数加入するときは保障をどう分散するかを確認してからにしよう
いかがでしたか?
生命保険は複数加入していても、各契約ごとに保険金が支払われます。
ですが契約できる保険金額の上限がありますので、各保険で希望した金額で契約できない可能性があります。
複数加入することでリスクの分散化や保険会社の倒産リスクにも対応できます。
これから複数社への加入を検討されている方は、何を保障したいのか、どう分散するかを考えたうえで契約手続きを進めていきましょう。