最近では、加入している医療保険を放置せず、保障を見直す動きも出てきました。
記事を読んでくださっている皆さんも、加入している医療保険の見直しを検討していることでしょう。
医療保険の見直し=保障の最適化・保障の追加と考えている人も多いですが、実は正しく見直すことで保険料を減らし、固定費の節約にもつながるんですよ。
この記事では、初めて医療保険の見直しを検討されている方向けに、ベストな見直し方や見直しのタイミングについて、徹底的に解説していきます。
目次
医療保険の見直しを考えるべきは30代以降がベスト
医療保険の見直しを考えるべきタイミングは、30代以降です。
理由は以下の4つです。
加入してから時間が経過している
30代以降は医療保険に初めて加入してから、期間が空いていますよね。
医療保険に限った話ではないですが、加入時は年齢に応じたリスクに備えて、保障を選んでいます。
しかし加入から期間が空いている以上、年齢ごとのリスクも変化していきます。
20代の頃に初めて加入した場合、収入保障や女性特約など特約を付けて、万一の入院手術に備えている人が多いでしょう。
年齢が上がるにつれて収入も上がっていきますし、必要になる保障も変わっていきます。
変化の多い年代に差し掛かるため、30代以降は医療保険の見直しに向いているといえるのです。
30代以降に重要なライフイベントが集中している
30代以降は人生の中でも、特に大きなお金の動くイベントが起こりやすいタイミングであるといえます。
晩婚化が進んでいることから、30代以降に結婚や出産を経験する方もいます。
また子供の進学のタイミングで、学費や習い事の費用もかさんでいきます。
また離婚をするカップルも多いことから、独身に戻る可能性も十分にあります。
大きなお金が動きやすく、人生の分岐点になる出来事が起こりやすい年代になります。
医療保険は収入の状況や家族構成を元に、保障内容を選択していく保険です。
大きなお金が動きやすく、家族の人数の変動も起こりやすいタイミングですから、保険の見直しが重要になるのです。
定期保険の更新通知書が届き始めるタイミング
30代以降は、若いうちに加入した定期保険の更新通知書が届き始めるタイミングにもあたります。
若いうちは命にかかわるような脳卒中や心臓病などに罹患するケースが少ないため、健康上のリスクが少ない年代としても知られています。
医療保険では健康リスクの少ない若い世代ほど、保険料を安くする傾向にあります。
定期保険の保険期間は10年からと、まとまった期間で設定されることがほとんどです。
30代以降は若いころに加入した医療保険の、更新通知が届き始めるタイミングにあたります。
更新のタイミングだと、キリよく他の安い保険に切り替えやすくなるので、見直しのベストタイミングといえるのです。
いわれるがまま加入した保険が多い年齢
30代以降で医療保険に加入している人の中には、保険の営業にすすめられた保険にそのまま加入している方も多いです。
営業からすすめられる保険だと「専門の人が言うんだし問題ないか」と、なんの疑いもなく加入してしまう人が多いです。
しかし保険の保障内容をよく確認せずに加入してしまうと、無駄な保障にお金を払い続けるなんてこともあります。
若いほど安い保険への選択肢が増える
若いうちに医療保険を見直して、先々を考慮した保障内容に変更する際は、他の年代よりも選択肢が増えます。
上述したように、医療保険は健康リスクが少ないほど、保険料が安くなる仕組みになっています。
一方で死亡リスクの高い疾病にかかっている場合や、生活習慣病が疑われる場合は、保険への加入を断られてしまうこともあるんです。
医療保険の見直しをして、他の保険へ切り替えたほうが安いとわかっていても、年齢が上がるにつれて加入を断られてしまう可能性も上がっていくんです。
若いうちに見直しをしておけば、選択肢が豊富にある中で見直しを進めていけます。
医療保険の見直しで固定費の節約も可能
医療保険の見直しを進めていくことで、固定費の節約にもつながっていきます。
みなさんが加入しているのは、医療保険以外にも生命保険、火災保険、自動車保険と多岐にわたります。
家計の6%を保険料に費やすことになりますが、必要な保険に加入しようとすると、どうしても予算オーバーになってしまいます。
医療保険を見直して無駄を省くことで、家計の予算内に保険料を納めることも可能です。
また同時に他の保険の見直しも進めておくことで、さらなる節約に期待が持てます。
ただし必要以上に削りすぎてしまうと、後々損をすることにもつながります。
医療保険の見直しで損をしないためのポイント6つ
保険の見直しを行う上で、損をしないためにみなさん気を付けるべきポイントは、以下の6つです。
健康保険や高額療養費制度でカバーされる金額を知る
医療保険を見直す前に、健康保険や高額療養費制度でカバーされる金額を把握しておきましょう。
医療保険では入院・手術に対して給付金が受け取れますが、健康保険適用の治療であれば窓口負担を3割に抑えられます。
またひと月の窓口負担が8万円を超える場合、超過分を払い戻ししてもらえる「高額療養費制度」もあります。
医療保険の見直しをおこなう際には、給付金額を決めなおすこともあるでしょう。
健康保険でどの程度負担してもらえるかを把握した上で、適切な給付金額を決めていきましょう。
更新時に上がる保険料の金額を知る
定期保険の更新時に上がる保険料の金額も、把握しておきましょう。
終身保険であれば加入した年齢の時の保険料のまま、加入を継続できます。
しかし定期保険の場合は、更新のタイミングの年齢の保険料に、再計算されてしまいます。
現在定期保険に加入中であれば、更新時にどの程度まで保険料が跳ね上がるかを確認しておきましょう。
仮に更新で保険料が上がることが分かった場合は、他の保険に切り替えるあるいは加入し続けたい期間に応じて、保険の加入方法を変えてみてください。
短期入院でも保障されるか
加入している医療保険が短期入院でも保障されるかを確認しておきましょう。
最近では医療の進歩により、1日2日程度の入院で済む場合や、症状によっては日帰りで済む場合もあります。
しかし医療保険の中には、給付金の支払われない免責期間を設けている商品もあります。
仮に免責期間が5日間に設定されていると、入院してから5日以降の医療費が保険金の支払い対象になります。
せっかく保険に加入していても、短期入院の保障が得られないのは不満になりやすいです。
加入している医療保険の入院給付金の支給期間を調べて、短期入院に対応していない場合は他の保険への切り替えも検討してみましょう。
先進医療特約はつけたままにしておく
医療保険を見直す時には、特約を外すことを検討される方もいるかもしれません。
ただし先進医療特約は付帯したままにしておくのがベターです。
先進医療特約と聞くと、保険料が高くなるイメージがありますが、実際のところ費用はひと月数百円程度と安く保障を得られます。
先進医療特約とは、入院手術時に受ける健康保険適用外の治療に対して、一定の給付金を受け取れる制度になります。
先進医療は一回だけで百万円以上かかることもあります。
ジュースを数本我慢するだけで、万が一の時の保障を得られます。
もちろん金額に上限はあるものの、すべて自分で支払うよりは負担は大幅に違います。
注意!がん保険の先進医療特約との重複に注意
医療保険の中でも、がんの治療に特化している「がん保険」があります。
がん保険はがんと診断されたときの診断一時金や、手術費用を保障してもらえる保険として知られています。
がんは放射線治療をメインに行いますが、中には最新の治療を用いて完治を目指すこともあります。
実際に最新の抗がん剤を使用している知り合いは、一回の投与につき健康保険適用で30万円かかると嘆いていたほどです。
ただしがん保険の先進医療特約は、がん治療のみに特化しているので、その他の治療には活用できません。
医療保険に先進医療特約を付帯するときは、がん保険にも同じ内容の特約が付帯されていないかを確認したうえで、どちらかに絞るなどの対応を心がけましょう。
医療保険とがん保険両方に加入するメリット・デメリットを解説します
掛け捨て型の終身保険へ切り替え
将来も医療保険への加入を継続したい場合は、掛け捨て型の終身医療保険への加入を検討しましょう。
医療保険にも生命保険と同じように、終身型の保険が用意されています。
もちろん保険料の中に貯蓄分が含まれている、貯蓄性の高い終身医療保険もあります。
しかし貯蓄性が高いと保険料が高くなってしまいます。
ですが、医療保険には貯蓄性の身を取り払った、掛け捨て型の終身保険があります。
貯蓄分が保険料に含まれていないので、保険料が相対的に安くなります。
保険料を極力抑えて、保障が一生涯で手に入るので、加入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
医療保険の終身型って加入すべき?メリット・デメリットから徹底解説します!
FPなど専門家へ相談を検討する
自己判断で保険の保障を見直すのは怖いな…という方は、FPや保険相談窓口など、専門家への相談を検討してみましょう。
「この保障はいらないから解約しよう」と安易に判断してしまうと、本当に必要な保障を削ってしまうこともあるためです。
また自分一人で保険の約款や保障内容を確認して見直そうとすると、時間も手間もかかってしまいます。
家事をやって仕事もしながら保険の分析をするのは、正直しんどいですよね。
無料で保険のプロに相談できるサービスもありますので、近くに利用できる店舗があれば、積極的に活用していきましょう。
【2020年最新版】無料保険相談窓口おすすめランキングTOP10
注意!医療保険の見直しで気を付けるべき4つのポイント
医療保険の見直し時には、以下の4つのポイントにも注意しておきましょう。
節約のために保障を削ると必要な保障までなくなる
節約したいからと言って、保険の保障内容を削りすぎてしまうと、必要な帆所までなくなってしまう恐れがあります。
医療保険の保険料を決めるのは、保障内容の手厚さです。
しかし最低限のラインを越えてしまうと、実際に医療保険を活用するときに、保障が足りないことにも発展しかねません。
保障内容を必要最低限は確保した状態で、保険の見直しを進めていきましょう。
切り替え先が決まってから解約する
医療保険を見直して、他の保険に切り替えようとするときは、切り替え先が決まってから今の契約を解約するようにしましょう。
保険を解約したその日に他の医療保険に申し込んだとしても、新契約がすぐに効力を発するわけではありません。
保険会社に書類が届いてから、契約が効力を持ち始めるまでには時間を要します。
申請の内容や健康告知審査の内容によっては、保険への加入を断られることもあります。
切り替え先が決まってから、解約手続きをとるようにしましょう。
定年後の保障が得られる保険を選ぶ
現在の生活に合った保障だけではなく、定年後の保障が得られる保険を選ぶようにしましょう。
定期保険の満期が定年前に来てしまうと、更新の際に保険料が高くなってしまう可能性があります。
最近では定年後に再就職する人も増えていますが、現役時代よりも収入はダウンしてしまいます。
定年後に高い保険料を支払い続けるのは、正直難しいですよね。
定年後の保障が安定的に得られる保険を選ぶようにしましょう。
見直しを見送りすぎると見直しの選択肢が減る可能性も
「今は見直ししなくてもまぁいいや」と後回しにしてしまう方は、意外と多いです。
ただし現時点で見直しの必要性がある状況で、面倒臭いと見直しを見送りすぎてしまうと、見直しの際の選択肢が狭まってしまう可能性があるのです。
年齢があがるにつれて、選べる保障内容や健康状態も変わります。
後回しにした時点で保険の切り替えができない事態になることもあり得ます。
見直しを少しでも考え始めたのであれば、早めの行動をとることをおすすめします。
医療保険の見直しをして保障のスリム化を図ろう
いかがでしたか?
医療保険の見直しは保障のスリム化だけではなく、固定費のスリム化にも役立ちます。
しかし注意点や見直し時のポイントを把握しておかないと、損になってしまうこともあり得ます。
きちんとポイントを抑えたうえで利用するようにしましょう。