住宅購入時には住宅ローンを組んで、長期的に数千万円を返済していく方がほとんどです。
住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険に加入して、万が一亡くなったときに備える必要があります。
一般的に死亡時に残債が免除になるのですが、最近ではがん診断時に残債が免除になる「がん診断」も登場しています。
住宅ローンを組むときにがん団信に加入を進められても、本当に加入すべきかどうか判断がつかないこともありますよね。
今回は住宅ローンにがん団信を付けるべきか迷っている方向けに、がん団信に加入するメリット・デメリットについて徹底的に解説していきます。
目次
住宅ローンのがん団信とはがん診断時に返済が免除になる保障のこと
住宅ローンのがん団信とは、がん診断時に返済が免除になる保障のことを指します。
一般的な団体信用生命保険は、加入後に万が一亡くなった場合に残された家族がローン返済に困らないように加入する者です。
がん団信はそれよりもさらに保障範囲が広くなり、がんと診断されたときに住宅ローンの残債が免除になります。
日本の国民病とまで言われているがんは、年々生存率も上がってはいるものの、2人に1人が罹患するとまで言われています。
がんにかかった場合には職場に復帰するまでに時間がかかりますから、その間の収入が減少する可能性が見込まれます。
住宅ローンの返済に苦しむことがないように、事前に加入しておくことをおすすめします。
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住宅ローンにがん団信を付ける3つのメリット
住宅ローンにがん団信を付けると、以下の3つのメリットがあります。
- がん診断時に残債が免除になるので治療費以外の負担が減る
- 医師の診断が出た時点で免除になるのでわかりやすい
- がん専用保険に加入するより保険料が安い
以下で詳しく解説していきます。
がん診断時に残債が免除になるので治療費以外の負担が減る
がん団信は、がん診断時に残債が免除になるので、治療費以外の負担が減ります。
がんの治療には長期的な放射線治療や投薬治療を行いますので、毎月医療費がかさみます。
体調によっては完全に仕事に復帰することが難しいので、収入が減ってしまいます。
がんの診断結果があれば、住宅ローンの残りの支払いが免除になるので、治療費が増えた分ローン返済の負担が減る仕組みになっています。
通常の団体信用生命保険は、死亡時や高度障害状態ではないと保障が適用されませんので、家系にがん患者がいる方にはおすすめの保険です。
医師の診断が出た時点で免除になるのでわかりやすい
がん団信の保障の適用条件は、医師の診断が確定して証明書が発行されたタイミングです。
通常の生命保険だと、保険会社が事実かどうかを確認する手間がかかりますので、確実にもらえるかは断言できません。
しかしがん団信は医師の診断が出たタイミングと、明確に規定されていますので、自身でも適用になるかの判断がつきやすいメリットがあります。
免除のタイミングが明確になっていることで得られる安心感は、非常に大きいでしょう。
がん専用保険に加入するより保険料が安い
がん専用の保険に加入するよりも、保険料は比較的安く抑えられます。
またがん保険はがん診断時の医療費に対応している保険ですから、保険金の金額も微々たるものです。
がん専用の保険に加入して得られる保険金額と、診断時に残債が免除になる金額を比較してみると、支払った保険料に対して保険金額ががん団信の方が高くなることが多いです。
住宅ローンにがん団信を付ける4つのデメリット
住宅ローンにがん団信を付けるデメリットは、以下の通りです。
- 加入後にがん団信を追加できない
- 住宅ローンの完済時に保障が無くなる
- がん診断時の治療費は支給されない
- 上皮内がんなど保障されないがんもある
以下で詳しく解説していきます。
加入後にがん団信を追加できない
がん団信は住宅ローンを組むときにしか、加入できない保険です。
そのため後から必要になっても加入できないため、注意が必要です。
住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入するタイミングで、きちんと判断しておかないと、後から後悔することになります。
団体信用生命保険の保険料は、住宅ローンの金利に上乗せして支払うので、後から変更が効かないため加入時にきちんと話を聞いておくことが重要です。
住宅ローンの完済時に保障が無くなる
がん団信はあくまで住宅ローンの返済期間に保障が適用されますので、住宅ローンの返済が完了した後には、保障が無くなります。
上述した通り、がん団信はがん保険とは異なり、住宅ローンの残債をカバーする保険ですので医療費の保障は受けられません。
今後の医療費を考えて保障を付けたいのであれば、医療保険やがん保険に別口で加入することをおすすめします。
がん診断時の治療費は支給されない
上述した通り、がん団信はがん診断時に治療費は支給されない保険です。
放射線治療や抗がん剤の服用が長期的にわたったとしても、あくまで住宅ローンの返済分が免除になるだけですので、治療に活用することはできません。
がんの治療費は症状ごとに異なりますので、団信加入時には想像がつかないことも多いでしょう。
身内にがんにかかったことがある人が多い場合は、医療保険も同時に加入することも検討しましょう。
上皮内がんなど保障されないがんもある
がん団信は、がん保険と同様に上皮内がんにかかった場合には、保障が使えません。
上皮内がんとは粘膜の浅い部分に発生しているがんのことで、がんが転移する箇所にまで浸潤していないため、切除で全快することが多いです。
がんにかかったからと言って、すべて保障されるわけではありませんので、事前に何が対象になるのかを確認しておくことが重要です。
がん団信を断られてしまったときの対処法
がん団信は他の団体信用生命保険と同様に、加入時には告知審査があります。
過去の通院・手術歴から職業まで、幅広い項目について申告が必要になります。
もちろん規定されている基準を満たしていないと判断される場合には、がん団信の加入を断られることになります。
がん団信を断られてしまった場合には、以下の対処法を取るようにしましょう。
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他の金融機関で加入できないかを確認する
団信は金融機関ごとに提携しているところが異なりますから、他の金融機関で加入できないかを確認してみましょう。
金融機関ごとに告知内容を判断しているので、他のところで申請してみると案外通ることもあります。
もしも不動産会社で指定されている金融機関がある場合には、団信の審査に通れなかったことを伝えて、他の金融機関に申し込みたいことを伝えてみましょう。
いくつか試してみて、加入できるところはないかを探してみましょう。
普通の団体信用生命保険に加入する
がん団信ではなく、普通の団体信用生命保険への加入も検討してみましょう。
がん団信でなくとも、普通の団体信用生命保険であれば、加入できることもあります。
普通の団体信用生命保険にも申請できないか、窓口で確認してみてください。
ワイド団信の加入も検討する
どうしても団体信用生命保険に加入できなかった場合は、ワイド団信への加入も検討してみてください。
ワイド団信とは、告知事項が緩和されている団体信用生命保険のことを指します。
健康告知事項が少ない分、告知で引っかかる要素が多い方でも加入できる可能性は十分にあります。
もちろん保障される幅が大きい分、保険料も高くなりますので、注意が必要です。
ただし何も団信に加入しないよりかは安心ですので、告知で断られたときは一度検討してみてください。
万が一がんにかかったときに備えてがん団信への加入も検討しよう
いかがでしたか?
万が一がんにかかってしまった場合に備えて、がん団信に入っていれば毎月の負担である住宅ローンの返済も滞りなく行えます。
加入するメリット・デメリットをよく確認した上で、団信契約時前に判断を付けるようにしましょう。
また告知でひっかかる可能性を既に感じている方は、がん団信ではなく複数の団信を検討したり、ワイド団信も調べてみることをおすすめします。
住宅ローンは生涯の中でも特に大きい負担ですから、後悔することのないような判断をしていきましょう。