住宅ローンを組む際に、団体信用生命保険に加入することが義務付けられていることがあります。
しかし糖尿病などの持病があることで、加入を断られてしまう可能性があるのが現状です。
糖尿病は色々な疾患を引き起こすリスクがあることが、加入を断られてしまう一番の原因であることをご存じでしょうか。
今回は糖尿病がある場合に団体信用生命保険するときの条件や注意点についてお話していきます。
目次
団体信用生命保険は住宅ローン加入時に必須
住宅を購入する際に、ローンを組んで購入する人がほとんどです。
住宅ローンは一般的に数千万円になることが多いので、ローンを組むのに「団体信用生命保険」に加入することを義務付けています。
団体信用生命保険への加入は、原則どこの銀行でも義務付けられているので銀行によって差があるということはありません。
つまり、団体信用生命保険に加入できないと住宅ローンを組むことが出来ない可能性があるということです。
万一債務者が亡くなったときの保障を得るため
各銀行が、住宅ローンを組む際に「団体信用生命保険」への加入を義務付けているのには「万が一債務者が死亡した場合の保証」を得るためです。
住宅購入には数千万円の資金が必要で、ローンを組んで購入することが一般的です。
しかも数千万円という金額を30年など長期間かけて返済していくため、いつまでも健康で返しきれるとは限りません。
万が一債務者が死亡した場合に住宅ローンの返済が不要になるため、債務者も銀行側も保証を得るためにも「団体信用生命保険」への加入を義務付けているのです。
原則どの銀行でも加入が義務付けられている
団体信用生命保険への加入は、原則どの銀行でも加入を義務付けているので銀行で住宅ローンを組む人は加入する必要があります。
「加入厳しそうだから地方銀行なら・・」ということではないので、知っておきましょう。
このように、原則どの銀行の住宅ローンを利用しても「団体信用生命保険」への加入をしなければ住宅ローンを組むことが出来ません。
団体信用生命保険は、債務者に万が一があった時に対する保証ですので加入することで家族も安心することができます。
糖尿病にかかっていると団体信用生命保険の加入を断られやすい
さてここからは糖尿病と団体信用生命保険に関するお話をして行きます。
持病に糖尿病があると、団体信用生命保険への加入を断られやすいです。
団体信用生命保険に加入する際に、健康状態を申告する必要がありますが、告知義務のある疾患に糖尿病が含まれています。
糖尿病に一度かかってしまうと完治することが非常に難しいので、一度断られてしまうと時間をおいても加入が難しいでしょう。
保険会社が告知を義務付ける病気として指定している
保険会社では、団体信用生命保険に加入する際に健康状態に関する告知を義務付けています。告知が必要な疾患は以下の通りです。
- 脳卒中(脳出血・脳梗塞、くも膜下出血)、脳動脈硬化症
- 腎炎、ネフローゼ、腎不全
- 精神病、ノイローゼ、てんかん、自律神経失調症、アルコール中毒
- 緑内障、網膜の病気、角膜の病気
- ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核
- ガン、血腫、白血病、腫瘍、ポリープ
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎
- 糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病
- 肝炎、肝硬変、肝機能障害
- 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、乳腺症
告知が必要な疾患の中に、糖尿病も含まれているので告知せずに加入すると告知義務違反になってしまいます。
告知義務違反を問われると、強制解約になったり保険金が支払われないことになるので、虚偽の申告は絶対にやめましょう。
糖尿病=その他の重要な疾患につながるリスクがある
糖尿病は、様々な病気のリスクになりやすく糖尿病から視力を失ったり動脈硬化を引き起こすこともあります。
そのため脳卒中などの命に関わる病気の原因になる可能性もあるのです。
重要な疾患のリスクになってしまう糖尿病は、生活習慣から発症してしまうものと遺伝型のものがあります。
特に生活習慣で発症してしまうものに関しては、生活習慣を変える事で予防・改善出来ることもあるので注意しましょう。
完治は難しいので時間をおいても加入できない
糖尿病は1度発症してしまうと、完治することがほとんどありません。
そのため時間を開けて団体信用生命保険に加入しようとしても、加入できることが出来ません。
永久的に薬を服用しなければいけなかったり、食事療法を続けていかなければいけないなど制約が多くなってしまうのも、糖尿病の辛いところです。
このように1度糖尿病になってしまうと完治することが難しく、他の重大な疾患を引き起こす可能性が高く、断端信用生命保険の加入を断られてしまうケースが多くあります。
時間を開けて団体信用生命保険に加入しようとしても出来ないので、住宅購入が難しくなってしまいます。
糖尿病でも団信に加入できる可能性のある方法
糖尿病の持病により、団体信用生命保険への加入を断られてしまうと銀行の住宅ローンを組むことがほぼ不可能です。
しかし糖尿病を持病に持っていても加入できる団体信用生命保険があったり、団体信用生命保険が必要のない住宅ローンを利用して購入する方法もあります。
また適切な治療を行い、数値を安定させるという手段もあります。
ここからは、糖尿病でも団信に加入する方法や住宅ローンを組む方法についてお話して行きます。
治療を行い数値を安定させる
まずは適切な治療を行い、数値を安定させることに努めましょう。
糖尿病になると、インスリンを自己注射したりすることで、血糖値を下げるなどの治療を行います。
この血糖値の数値を安定させることで、病状を落ち着かせることができます。
数値が安定している事が分かれば、団体信用生命保険に加入することができる場合もあります。
医師の診断書を提出する
適切な治療により、数値が安定していれば団体信用生命保険への加入ができる可能性があるとお話しましたが、その際には医師の診断書を申告書と一緒に提出する必要があります。
ローン契約者の病状申告だけでなく、医師の診断書が付くことで症状が良好なことアピールすることが重要です。
ワイド団信に加入申請してみる
糖尿病を持病に持っている場合「ワイド団信」に加入申請してみるという方法もあります。
ワイド団信は、持病がある人でも加入できる可能性があります。
糖尿病や高血圧症・うつ病などでも加入できる可能性があるので、持病を持っている人でも安心ですがその分保険料が割増になっています。
フラット35を利用してみる
ワイド団信でも加入が難しいと判断されてしまった場合には、フラット35という、住宅金融支援機構が提供している「固定金利型住宅ローン」で住宅ローンを組むという方法があります。
フラット35は健康状態で団体信用生命保険に断られてしまった人でも住宅ローンを組むことができるので、健康上の理由で断られてしまった人の選択肢の一つになります。
団体信用生命保険に加入する必要はありませんが、万が一のリスクはあるので、民間の保険に加入して備えることをおススメします。
糖尿病以外にも病気にかかっていると保険に加入できない
糖尿病は合併症を引き起こしやすい病気ということはお話しましたが、糖尿病以外にも病気を持っていると、団体信用生命保険への加入は出来ないでしょう。
保険はそもそも相互扶助の精神で成り立っているので、最初からリスクが高い人の加入を断るのです。
病気をたくさん抱えている人ほど死亡のリスクが上がるので、加入できなくなってしまいます。
告知は正直に行おう
ここまで糖尿病だと団体信用生命保険への加入が難しいというお話をしましたが、それなら黙って加入してしまおうという人もいるかもしれません。
しかし信頼を失い、ペナルティの対象になるのでやめましょう。
告知せずに団体信用生命保険に加入してしまうと、判明した時点で強制解約や万が一の時に保険金が支払われないなどの措置がされ、負債を負うこともあります。
万が一の時に保険金が支払われないと、残された家族が大きな借金を背負うことになってしまいます。
そうならないためにも、きちんと告知義務を果たし加入できない場合には、別の方法を検討するようにしましょう。
糖尿病でもきちんと通院して団信に加入できるよう努力しよう
糖尿病では団体信用生命保険に加入することが難しいです。
しかし適切な治療を行い、数値を安定させることで加入することができる場合もあります。
まずはきちんと病院へ行き、適切な治療を受けることが大切です。
糖尿病は適切な治療を行わないと、命に係わる重大な合併症を引き起こしてしまいます。
団信への加入のためにも、家族のためにも努力をしましょう。