日本では6月から9月にかけて台風の活動が活発的になり、災害の発生確率が上がります。
最近では10月まで台風が発生する、本州を直撃するなど被害が広範囲に及ぶようになってきました。
記憶に新しいのが2019年に起きた首都圏を直撃した台風。
家が損壊・浸水して住居が失われる人も出るなど、甚大な爪痕を残していった光景をニュースで目にした人も多いでしょう。
そんな中で「台風がきて家が損害をうけたら、火災保険でどこまで補償されるの…?」と疑問に思う方もいますよね。
家は人生で一番大きい買い物ですから、修復するのだって莫大な金額が必要になりますので、できる限り保険を活用しておきたいのが正直なところ。
そこでこの記事では、台風で家が被害をうけたときに火災保険でどこまで補償できるのかをわかりやすく解説していきます。
目次
台風の時に火災保険を活用できるパターン
現在日本で発売されている火災保険では台風による保障は基本補償の中に組み込まれていますので、損害を受けた場合には補償を受けられます。
台風は大型な低気圧の発達した状態ですので、通常の雨天よりも風、落雷、雨が激しくなりますので大きな損害を受けることもしばしばあります。
以下の4パターンに損害が該当すれば火災保険から保険金がおりる可能性がありますので、確認しておきましょう。
台風による落雷で家が燃えた時
台風では落雷が発生する可能性もあります。
通常落雷は避雷針が近くにあればそちらに落ちることが多いですが、中には家屋に直撃して火災が発生することもあるようです。
もちろん火災が発生すれば家は大損害。
台風に限った話ではありませんが、落雷で火災が起きた時でも問題なく火災保険を適用できます。
台風による落雷で電化製品が破損した時
雷が家に直撃しないまでも、近隣の電柱や木に落ちてなぜか自分の家の電化製品が壊れた…なんて経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は雷が落ちた場合近くに電流が通る回路があると、それが自分の家までつながっていている場合、雷で発生した電気が家まで伝ってくることがあります。
家に直接的な損害がなくとも、家の中にある電化製品に雷の電流が流れ込んでしまった場合、電化製品が壊れてしまう可能性もあるのです。
落雷によって電化製品が壊れた場合も、火災保険の家財補償をつかえます。
台風による大雨で床上浸水など水害が起きた時
台風がひとたび本州に上陸すると、通常の雨よりも多い降水量を記録することがほとんどですので河川があふれたり街自体が浸水することもざらにあります。
特に低い土地に住んでいる場合や水はけが悪い地域に住んでいる場合には、床上浸水する可能性が高くなります。
保険会社の一般的な規定では、床上浸水あるいは地盤面より45㎝を超える浸水被害、家の価格の3割程度まで損害を受けた場合が対象になります。
もちろん保険会社ごとに判断が異なりますから、ご自分の契約されている保険会社に確認するのが一番でしょう。
また床上浸水はフローリングや畳など、実際に私たちが足をつけて生活している部分のことを指しますので注意が必要です。
契約時に保険金を受け取れる対象を家屋にしているか家財にしているかによって何が補償されるのかが変わることにも気を付けて下さい。
風で屋根や家財が飛ばされるなど家が破損した時
TVのニュースキャスターがよく風の強さを伝えるために、台風の中でも中継をつないでいる映像を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
台風ではご存じのとおり強風が吹くことが多く、外から物が飛んできて家が破損することもあります。
特にガラスは耐久性がありませんから、細かいものが当たっただけでも割れてしまう可能性は否定できません。
また飛ばされやすい材質でできている屋根が飛ばされることもあります。
このように台風による強風で、家屋が飛ばされたり壊れてしまった場合にも、火災保険の保障を受けられます。
火災保険で台風の補償を受ける時の5つの注意点
上述したように、火災保険は住宅に関することなら地震以外は基本的に補償してもらえる便利な保険です。
しかしすべての損害が保険金の支払い審査に通るわけではありません。
条件に適合していないと保険金の支払いが受けられない可能性もありますので、以下の5点を確認しておくことをすすめます。
建物自体が古くないか
実は火災保険で台風の被害を補償する際には、「その建物が古いから壊れたんじゃないか」と経年劣化をまず疑われます。
新築や築年数が浅ければ完全に天候による損害と認定してもらえますが、築年数があまりにも古すぎたりすでに損害が生じていた場合には保険金の支払いにストップがかかってしまいます。
また台風の中で作業をしていた結果破損した等、契約者側に何かしらの落ち度がある損害も補償が受けられないことも。
今から申請しようとしている人は築年数や破損がなかったかの確認をしておくことをおすすめします。
保険会社の定める基準をクリアしているか
大雨などの被害であったように、火災保険では保険金を支払う基準をそれぞれ定めています。
もちろんその条件に当てはまらなければ保険金を受け取れませんから、申請する前に加入している保険会社の支払事由や約款を確認しておく必要があります。
補償対象は家財か家屋か
火災保険に加入するときには、補償の対象を家財つまり家具や電化製品に設定するか、家屋のみに設定するかまたはその両方を選択できます。
もちろん基本的には家財と家屋の両方に設定することが一般的なのですが、中には保険料を削減しようとして片方のみの補償に設定していた方もいるかもしれません。
片方のみを設定していた場合家屋のみに設定していて落雷で電化製品が壊れても、保険金を請求することすらできないんです。
台風の時期が来る前に、ご家庭で加入している火災保険の補償対象を確認しておくことをおすすめします。
壊れたものを全額補償してもらえない
「保険があるから全部払ってもらえるから壊れても燃えても安心」なんて考えている人いませんか?
火災保険では自動車保険などと同様に加入時に免責金額が設けられています。
実は保険金が支払われるときには、修理するために必要な金額から契約時に決めた免責金額を引いた金額が振り込まれることになっています。
つまり新品を新しく買いなおすことは不可能なのです。
壊れたから全額補償してもらえると思い込んでいると、保険金が来た時にあまりのすくなさにがっかりすることになりますから注意が必要です。
車は火災保険で補償できない
床上浸水する、あるいは強風によって車が故障してしまうこともあるかもしれません。
家の敷地内にあったとしても、車は火災保険で破損部分を補償できないので注意が必要です。
もちろん車以外にも、落雷で飛んだ重要データや自営業で販売している商品や重要書類などの損害も補償できませんので、台風の影響を受けないように工夫して保管しなければなりません。
火災保険を上手に活用して台風の被害を補償しよう
いかがでしたか?
火災保険は台風によって壊れた家や家具・家電製品でも補償できる、安心できる保険です。
台風は毎年来なくてもいいのにやってきまし、年々上陸する確率も上がってきていますから保険で備えておくと安心です。
しかし保険会社が定める条件や状況に当てはまらない場合は、保険金を請求できないこともありますから気を付けましょう。