税金滞納で生命保険が差し押さえ!?回避法と解決法をわかりやすく解説

人生の中でも1位2位を争うほど高い買い物だといわれている生命保険。

契約者が死亡した場合に高額な保険金がおりる仕組みになっていますが、実は生命保険は税金支払いや社会保険料などを未払いのままにしていると差押えられてしまうことがあるのをご存じでしょうか?

実は生命保険は解約返戻金があるため、すぐに現金に換金できる財産の一つ。

差押えられてしまえば生命保険の契約がなくなり、保障が受けられないこともありますので、できるだけ差し押さえは回避したいところ。

以下では生命保険が差し押さえられる一連の流れから、回避法・解決法までわかりやすく解説していきます。

生命保険で差し押さえられるのは3つの権利

生命保険を差し押さえられるといわれても何が対象になるのかよくわからない!なんて方もいますよね。

税金などの公的料金が未払いの場合、生命保険では以下3つの権利を差し押さえられることになるんですよ。

  • 解約返戻金を請求・受け取る権利
  • 配当金を請求する権利
  • 生命保険満期金を請求する権利

つまり生命保険を差し押さえられる=保険金を請求・受け取る権利を差し押さえられることになり、生命保険の契約県が債権者に移ってしまうのと同義。

もちろん解約返戻金を請求されてしまうと、契約中の生命保険の効力はなくなり無保険状態になってしまいます。

年齢が若く病気もなければ再加入はそこまで難しくはないのですが、年配の方が差し押さえられてしまうと話は別です。

加入の際に行う告知審査が最も厳しいといわれている生命保険では、年齢が高くなればなるほど加入が厳しくなってしまうんです。

生命保険で差し押さえを申し立てられる流れ

では生命保険の権利を差し押さえられてしまうパターンはどのようなものなのか気になりますよね。

もちろん人間だれしも間違いはありますから、猶予は2段階ほど設けられています。

以下で確認して、どの段階までに返済すべきかを見ておきましょう。

債権者から督促状が届く

税金・社会保険料など本来払うべきお金を支払わなければ、正式な書類として督促状が届きます。

督促状が届いた時点で、即刻未払いの分のお金を支払いましょう。

「お金ないからとりあえず無視しておこう」と放っておくと後々大変なことになります。

もし支払いが難しいのであれば、債権者に連絡して支払い方法の交渉を行いましょう。

督促状よりも強い催告書が届く

「支払いめんどくさい!」といって督促状を無視していると、督促状よりも効力の強い催告書が届きます。

督促状は「早く支払って!」という意味合いで日時指定はない書類ですが、催告書は「〇月×日までに支払いなさい」という期限付きの書類ですので拘束力が大きいです。

催告書が送られてくると、正直言ってほぼ差し押さえが近いといっても過言ではありません。

簡易裁判所を通して送付されていますので、何よりも早く支払いを履行する必要があります。

最終通告!差押予告書が届く

催告書までも無視されてしまうと、債権者側も「この債務者返す気ないな」と判断し、差押予告書を送ります。

実はここまで来てしまうと、滞納分も含めて返済額や滞納額がとんでもない金額になっていることがほとんど、支払いは不可能です。

もちろん債権者もここまで支払い催促を無視してきた人が、すんなり支払うとは思っていませんから本気で差し押さえ手続きを進めます。

差し押さえが実行される

差押予告書の示す期間内に所定金額が振り込まれない場合、差し押さえが実行されます。

生命保険の他にも、家財や預貯金など換金できるものや現金を納入分差し押さえられるのです。

もちろん生活が維持できる分は残してもらえますが、差し押さえられたモノや権利の所有権は消滅してしまいます。

差し押さえられたら「介入権」を行使してみよう

税務署や各役所に差し押さえを実行され、生命保険の権利が移ってしまった場合、基本的には生命保険を解約されてしまうため、無保険状態になってしまいます。

上述した通り、生命保険は年齢が高くなれば高くなるほど加入難易度も上がりますので、再加入は難しいですよね。

しかも無保険になると、もしも生命保険の支払事由に該当する事態、つまり契約者が死亡してしまった場合に遺族に保険金が残りません。

死亡した人が一家の大黒柱だったら、残された家族は路頭に迷うことになります。

差押える側の行政や税務署などの公的機関は、国民の生活を最低限度保証しなければなりません。

そこで生命保険の契約が失われることで、生活が立ちいかなくなる場合には介入権を行使して生命保険契約を維持できます。

介入権は保険の契約者の家族のみが使える

「え、じゃあ差し押さえられそうだったら、介入権を自分で使えばいいんだ!」と考えた方、いるかもしれません。

介入権は「差し押さえ対象の保険契約者の家族」のみが使える権利ですので、契約者は使えないんです。

上述の通り、介入権は残された家族の生活を保障するために使用できる権利ですので、本来滞納している契約者が権利を行使できないのは当然です。

介入権は法律で定められている公的な権利ですので、債権者も権利を主張された場合は対応する義務が生じます。

解約返戻金と同程度の金額を債権者に支払うことに

介入権を発動すると、契約者は債権者に解約返戻金と同程度の金額を支払うことで、保険契約を維持できます。

生命保険を差し押さえられると解約返戻金を請求・受け取る権利が債権者に移ることはここまででお伝えしてきました。

契約者(=債務者)の生活を保障するために、差し押さえはナシ!となってしまっては、払わないもの勝ちになってしまいますよね。

本来債権者は「解約して解約返戻金を受け取り、返済分を捻出する」ことを目的に差し押さえを行います。

そこで契約を維持するために、解約返戻金と同程度の金額を支払うことで保険を解約せずに済むんですよ。

もちろん全額まとめて支払う必要がありますので、金額の一部だけ支払ったからチャラ!というわけにはいきませんので注意が必要です。

差し押さえられる前に契約者貸付制度を使うのもアリ

本来は生命保険を差し押さえられる前に対処するのが一番。

しかしお金を借りるには審査を受ける時間がありますので、即刻借り入れられるというわけではありません。

もし社会保険料や税金等の支払いが難しくなった場合は、契約しながら保険会社からお金を借りられる「契約者貸付制度」の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

解約返戻金を元手に保険会社からお金が借りられる

契約者貸付制度は解約返戻金を元手に、満額の7割までお金を借りられる制度のことを指します。

介入権とは異なり、保険の契約者のみが制度を利用できます。

もちろん借りたら返済する義務が生じます。

返済方法も選べますが、月々に返済すべき金額を定めているところがほとんどなので、利用する際には返済額と収入を照らし合わせて無理なく返済できるかを確認しましょう。

借りている最中に保険金を受け取ることもできる

契約者貸付を利用している際に契約者が死亡してしまっても、保険金は受け取れます。

しかしお金を借りている状況に変わりはありませんから、保険金から制度利用で貸し付けを受けている金額が差し引かれます。

制度利用は確かに便利ですが、残された家族のための保険金が減ってしまうリスクもあることを忘れないでください。

返済しないと生命保険契約の効力がなくなる

借りたものは返す、これは鉄則ですからいくら保険会社から借りたとしても、決められた通り返済しなければなりません。

また貸付ですから利息ももちろん生じますので、本来借りた金額よりも当然返済額が大きくなります。

保険会社への返済が滞ると支払いの催促が来ます。

こちらでも催促を無視してしまうと、生命保険の契約の効力がなくなることもあります。

効力がない期間に支払事由に該当する事案が起きたとしても、保険金は支払われませんから催促されたら即刻支払いましょう。

差し押さえられる前に対処して生命保険の契約を維持しよう

いかがでしたか?

生命保険は現金に換えやすい保険ですから、最近では差し押さえ対象の中でも特に指定されやすいものの一つです。

保険の解約返戻金の請求・受取の権利が債権者に移ってしまうので、無保険になる可能性が高いため、督促状が送られてきた時点ですぐさま支払うようにしましょう。

事前に支払って生命保険契約を維持したいのであれば、契約者貸付制度を利用するのも手ですが、こちらも返済義務は生じますのでご利用は計画的に行いましょう。

いずれにしろ、生命保険は家族の将来を守る上で重要な保険ですから、契約を守るためにも「公共料金をしっかり支払う・返済義務は守る」、この二点をしっかり守っていきましょう。