生命保険の受取人が認知症だと保険金が受け取れない!理由と対策を解説

生命保険の受取人が認知症だと保険金が受け取れない!理由と対策を解説

生命保険は数多くある保険の中でも特に保険金が高いといわれています。

契約者の方の中には、配偶者や両親を保険金受取人に設定している人もいるでしょう。

ですが実は生命保険の受取人が認知症を患っていると、本人の請求権がなくなってしまいます。

つまり本来残しておきたい人の為に保険金を残せなくなってしまうのです。

「でもなんで受取人が認知症になっただけで保険金請求権がなくなっちゃうの?」と疑問に思いますよね。

そこでこの記事では、生命保険の受取人が認知症を患った場合、保険金が受け取れなくなってしまう理由と事前に回避するための対策について解説していきます。

生命保険の保険金を受け取れる人の原則

そもそも生命保険の受取人は、被保険者の配偶者及び2親等以内の血縁者のみに限定される仕組みになっています。

つまり、妻or夫・両親・祖父母・兄弟・子供・孫の範囲内でしか受取人に設定できません。

生命保険を契約する人の多くは、自分が死亡した後の家族の生活費を賄うために配偶者をメインに設定することが多いです。

しかし最近では高齢化が進み、配偶者が突然認知症になってしまうリスクもあります。

なんと内閣府の発表によれば、認知症患者は2030年までには800万人を超えると試算されています。

人口比で見ると、1割近くもの人が認知症にかかる可能性があるのです。

「まだ若いから関係ない」と思っていると、ある日突然受取人が認知症になった時に対応できなくなってしまいますので、早めの段階から対策をとるようにしましょう。

生命保険の受取人が認知症だと保険金が受け取れない

生命保険の受取人が認知症だと保険金が受け取れなくなってしまう理由は、認知症にかかると本人に判断能力がなくなってしまうためです。

認知症は文字通り脳の認知機能の低下により、忘れっぽさや正常な判断ができなくなってしまう状態を指します。

判断能力がない以上自分の行動に責任が持てませんから、保険会社としてもモラルリスクがありますので、保険金請求に応じられないのです。

もちろん認知症になったらすぐに保険金が請求できないわけではなく、医師の診断の元認知機能がないと判断された場合にのみ適用されます。

ただし保険会社によって判断は異なりますので、注意が必要です。

受取人が認知症の場合保険金請求できるのは成年後見人

もし受取人が認知症のまま変更手続きを行わずに、生命保険に被保険者が死亡した場合には上述の理由から受取人本人は保険金を請求できません。

唯一請求できるのは、受取人の成年後見人のみです。

成年後見人とは、認知症や精神疾患を抱えている判断能力のないと認定される成人の財産管理の為に設置される人のことを指します。

成年後見人を指定するには、家庭裁判所で所定の手続きを踏む必要があるほか、成年後見登記を行うにあたって精神鑑定や登記費用などが必要になるため、登録するために最低でも5万円の費用が必要になります。

ただし認知症の受取人の行為に対して責任を負う必要があるほか、身上監護として生活維持の為に住居確保や病院への入院手続きなどの対応を行う必要があります。

手続きの他にもきちんと被後見人の財産を管理できているかのチェックも行われますので、生活するのに不手際が生じる可能性もあります。

保険会社によっては配偶者か生計を共にする親族が請求できることも

保険会社にもよりますが、契約時の約款によっては保険金給付の請求を配偶者あるいは生計を共にしている親族が請求できることもあります。

ですが受取人に配偶者や同居人がいない場合には、やはり請求権が本人には認められないため成年後見人を立てる必要が生じてしまいます。

受取人が認知症になる前に取るべき3つの対策

成年後見制度は受取人が認知症患者になってしまった場合に対応できる唯一の策ですが、手続きが面倒だったり時間がかかったりとできれば避けたい手続きです。

誰しも認知症にかかる可能性はありますから、事前に回避してきちんと受け取らせたい人に保険金を渡せるように対処しておきましょう。

以下では生命保険の契約者が、受取人が認知所になる前に取るべき対策を3つ招化していますので、ぜひ参考にしてください。

死亡前に受取人を変更しておく

一番手っ取り早い方法は、自分が死亡する前に受取人を変更しておくことです。

受取人の変更は契約者の意思によって変更できるため、受取人が自分より高齢の場合には受取人の関係者などに変更しておきましょう。

ただし冒頭でもお伝えした通り、保険金を受け取れる人の範囲には制限がありますので、場合によっては本来渡したい相手以外の人の手に渡ってしまう可能性もあります。

受取人変更を行う際は誰の手に渡らせるかをしっかりと確認しておくほか、不安であれば所定の手続きを取って遺言を残しておく手もあります。

契約者が生命保険に指定代理請求特約を付加しておく

生命保険には指定代理請求特約が付加できるところもあります。

指定代理請求特約とは、特別な事情があると保険会社に認められた場合にのみ、指定した代理請求人が受取人の代わりに保険金を請求できるために付加する特約のことを指します。

指定代理請求人に指定できる人の範囲は保険会社によって差がありますが、どの会社にも共通して以下の内容が盛り込まれています。

  • 被保険者の法律上認められた配偶者(入籍済み)
  • 被保険者の直系家族(子供や両親など)
  • 被保険者と同居あるいは生計を共にする3親等以内の親戚

いずれかに該当すれば指定できますので、信頼できる人を選出しておくようにしましょう。

家族信託制度を有効活用しておく

受取人が認知症になる前に、信頼できる人に対して家族信託を依頼していれば、委託された人が受取人の代わりに契約手続き等ができるようになります。

信託受託者が代わりに法的手続きを担当できるようになるので、本来受け取らせたい人の為に保険金を利用できます。

契約者の一存で決定することはできませんので、相手としっかり話し合ったうえで利用すべきかどうかを決定するようにしましょう。

もし家族が信用できないのであれば、第三者である信託会社に依頼して生命保険金を運用してもらう方法もあります。

企業による運営なので確実に保険金を受け取らせることができますが、委託費用や手続きのコストが高いので高額な保険金が生じるときにのみ活用したほうが良いでしょう。

受取人が認知症の場合無断で受取人変更はできる?

契約者と被保険者が自分であり生存している間に、受取人が認知症になってしまった場合には受取人を他の人に変更できます。

契約者の任意で契約内容は変更できるので、受取人が認知症であろうがなかろうが変更可能です。

ですが受取人の親族に対しては変更についての相談や説明をしておかないと、自分の死去後に大きなトラブルが発生するきっかけにもなりますので、注意が必要です。

ただし契約者と被保険者が異なる場合には、被保険者の同意がなければ変更手続きができないことを覚えておきましょう。

受取人が認知症になる前に対策をとろう

いかがでしたか?

生命保険金は正常な判断のできる状態でないと、請求が認められないシステムになっています。

認知症患者は症状によっては認知機能がない病状にまで進行していることもありますから、保険金の請求権が認められません。

請求権が認められるのは成年後見人か配偶者or生計を共にしている親族に限られてしまいます。

成年後見人は手続きの時間や費用がかかるほか、受取人が独居している場合には請求権が認められる親族がいないため、保険金が本来手に渡ってほしい人に届かない可能性があります。

受取人の年齢が高い場合や認知症に対する不安があるなら、受取人を早期に変更したり代理請求特約を事前につけておくなどの対策を取っておきましょう。

残された人の為に適切に使ってもらえるように、早めに対策するようにしましょうね!