現在日本で特に多い疾患といわれている「高血圧」。
みなさんの中にも健康診断で高血圧と診断された方もいるでしょうが、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性もあるため、放置しておくのは危険です。
高血圧で起こる疾患は後遺症が残る可能性も高いですし、入院生活が長期化するリスクもありますので入院や手術の保障のために医療保険に加入しておきたいですよね。
ですが医療保険に限らず、保険に加入するときにはかかっている病気や過去の入院・通院に関して告知する必要があるため、「もしかしたら加入できないんじゃないか」と不安になってしまいますよね。
そこで今回は、高血圧の持病がある方がふつうに医療保険に加入できるかについて、わかりやすく解説していきます。
目次
高血圧でも医療保険に加入できる可能性はある
結論から言うと、高血圧でも医療保険に健康な人と同様に加入できる可能性はあります。
みなさんご存じの通り、高血圧は全身をめぐる血管に負担がかかっている状態ですから、心臓や脳の血管が破裂するなど命の危険がある疾患です。
医療保険を提供している保険会社としても、すでに病気になるリスクを抱えている人を加入させてしまうと他の加入者よりも保険金を支払う可能性が多くなり、加入者間の公平性が保たれません。
また保険会社としても、常に保険金を支払っていては経営が成り立ちません。
しかし最近では、高血圧の人に対する加入基準を緩くする動きが出始めているのです。
高血圧といっても服薬によって血圧をコントロールできている人もいますし、高血圧の入院リスクについても研究が進んでいるためです。
ただし健康な人同様に加入させると上述の通り公平性に問題が出てしまいますから、部位不担保の条件付きでの加入になるのが一般的。
部位不担保とは、高血圧によって発生した疾患に関しては医療保険の保障対象外となり、給付金がおりないという制度のことです。
心臓病や脳卒中に関しては保障が受けられない可能性がありますが、がんなどのその他の疾患での入院費用や手術費用を保障してもらえます。
高血圧で医療保険に加入を断られる3つのパターン
高血圧をしっかり保険会社に申告しているのにもかかわらず、部位不担保の条件付きの加入すら認められずに医療保険へ加入できない人もいるんです。
大きく分けて以下の3パターンに分類できます。
高血圧を放置している
健康診断等で高血圧と診断されているのにもかかわらず、病院で治療を受けずに放置している場合です。
高血圧は服薬治療によって基準地までコントロールできることもあるため、早めに治療を開始すれば疾病リスクを下げられる可能性があります。
ですが自分で自覚しているのにも関わらず放置していると、他の患者よりも病気にかかるリスクが高いため、保険会社から避けられてしまうのです。
服薬中でも規定値にまでコントロールできていない
先ほど服薬によって血圧はコントロールできるとお伝えしましたが、中には薬がうまく作用せずに規定値まで血圧を下げられない人もいます。
保険会社によって高血圧や服薬中の規定値は変わりますが、数値によっては保険への加入を断られてしまうことも。
特に治療開始時期の方は数値が落ちて効果が出るまで時間がかかりますから、治療を根気強く続けていく必要があります。
高血圧以外に別の病気にかかっている
治療をしっかりと受けて、血圧をコントロールできていても他の病気にかかっている場合には保険への加入は認められません。
保険会社は「病気」のリスクを避けるため、高血圧以外の病気でも同様に加入を断られることがあるんです。
現在治療中であれば完治させて所定の期間待ってから、加入を申請してみることをおすすめします。
高血圧を理由に医療保険に加入できなかったら?
高血圧を理由に医療保険の会社から加入を断られてしまったら、今後一生医療保険の保障を受けられないわけではありません。
健康な人よりも負担はかかってしまいますが、保険に加入させてもらえる可能性はあります。
以下で一つずる説明していきますね。
血圧をコントロールする治療を受ける
まず大前提として高血圧を放置しているのであれば、大きな病院の循環器科に行き治療を受けるようにしましょう。
血圧を安定させる薬をもらって服用し、一定基準まで下げることを心がけましょう。
食生活の改善も指示されることになるので面倒くさいと思うかもしれませんが、結果的に健康になると思って我慢してください。
告知が緩い保険への加入を検討する
「どうしても血圧が下がらないけど、医療保険で保障を受けておきたい!」と考えている方は、保険会社に対する告知が緩い保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか?
通常の医療保険よりも保険料が高くなったり、保障内容が狭くなってしまいますがとりあえず保障を受けたいのであれば、一度申請してみるとよいでしょう。
告知なしの無選択型保険
無選択型保険とは保険会社への告知なく加入できる保険の種類です。
病気を抱えていて保険会社から加入を断られた人が、最後の手段として加入する傾向にあります。
ただし保険金支払いの可能性が高いこともあって、保険料が高く設定されていたり必要な保障が受けられない可能性もありますので、加入前に一度よく調べておく必要があります。
告知審査が緩い引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険では、告知内容の審査が緩くある程度の疾患であれば加入を認めてもらえます。
ですがやはり保険金支払いのリスクが高いため、保険料が割高になります。
ですが無選択型保険よりは保障内容も広いですし、加入に際するデメリットは低いです。
がんに備えたいならがん保険への加入を検討する
高血圧で医療保険への加入を検討している人の中には、「2人に1人が経験するがんに備えておきたい」と考えている方もいるのではないでしょうか?
がんリスクに備えるのであれば、医療保険ではなくもっと専門的ながん保険へ加入するほうが良いでしょう。
がん保険では保障対象になるがんの疾患についての告知をおこないますので、高血圧でも加入できる可能性が高いです。
医療保険加入時に高血圧を隠していたらどうなる?
「医療保険会社に告知するといっても自己申告なんだから隠しておけばいいじゃん!」と考えている方、いませんか?
確かに加入時の病歴告知は自己申告ですし、高血圧の数値も自分で測ることが多いのでだませるような気になってしまいます。
ですが身内につくような嘘と、保険会社に対してつく嘘を同じようにとらえてはいけません。
加入時には書面での申告になりますが、保険金請求時に行う厳格な調査のときに保険会社にばれてしまう可能性があるんです。
医療保険加入時に高血圧であることを隠して虚偽の申告をした場合、以下のような対応をとられることになりますので、絶対にやらないでくださいね。
高血圧が原因の病気の場合は保険金なし&契約解除
医療保険に加入中に高血圧が原因の病気にかかってしまった場合は、保険金が支払われないほか、悪質性があるとして保険会社から契約解除を言い渡されることになります。
例えば高血圧によって脳卒中になり入院、保険金を請求した時には上述の通り保険金を渡すべきかの調査が行われ、これまでの通院歴等が調べられることになります。
これまで滞納なく保険料を支払っていたとしても、保険金はおりませんし告知義務違反として保険会社側から加入者の意思関係なく、解約を言い渡されることになってしまうのです。
保険会社は信頼性を大切にしていますから、嘘をついた人には容赦なく対応します。
他の疾患の場合は保険会社の判断による
血圧の関係がない疾患にかかってしまった場合には、保険会社の判断が分かれます。
契約解除になることはもちろんなのですが、場合によっては保険金がおりることもあります。
ですが契約解除になることは避けられません。
強制解約後は年齢によっては再加入が難しくなる
「医療保険を強制解約されてもまた加入しなおせばいいじゃん!」と安易な気持ちでいると、再加入できない壁にぶち当たる可能性もあります。
医療保険に限った話ではないのですが、保険に加入できる年齢には制限があります。
強制解約された年齢が高ければ高いほど、再加入は難しくなります。
また高血圧を原因に強制解約された場合は適切に告知しないと、再度告知義務違反になることも。
延々とループすることになってしまいますので、加入できない可能性を恐れずに正直に告知するようにしましょう。
高血圧でも適切な治療を受けて医療保険に加入しよう
いかがでしたか?
医療保険は入院費用や手術費用に対して給付金が受け取れる保険ですが、例外なく病気の場合には加入できない可能性が高いです。
高血圧も例外ではなく重大疾患のリスクがありますので、条件付きでの加入になることがほとんどです。
高血圧の状態によっては加入すら断られてしまうことがあるので、しっかりと治療を受けてから再度加入申請するか、告知内容が緩い保険へ加入申請してみることをおすすめします。
また健康な人と同様に負担なく加入したいからといって、保険会社に嘘をついて加入するのはNGです。
ペナルティが大きく、再度加入できないリスクも同時に背負うことになるので、正直に告知することを心掛けるようにしてくださいね。
高血圧は生活習慣病で危険な病気といわれていますが、適切な治療を受けることで疾患リスクを減らせますから、医療保険への加入だけではなく日々の健康増進のためにも病院での受診をおすすめします。