豪雪地帯でも例年よりもはるかに多い降雪量に見舞われることも多いため、対策をとっていても雪の重みで家の塀や屋根が壊れてしまうこともあるでしょう。
毎年のことで慣れていても、雪かきが追い付かないこともありますよね。
火災保険は住宅の損害を保険金で補償できる保険と知られていますが、「雪災」補償がついていれば雪害でも保険金を活用して修理できるのです。
もちろん保険金支払いには一定の条件が設けられていますので、どんな損害でも保険金申請が通るわけではありません。
万一雪害に遭った場合にうまく手続きできないと、早く修理したいのに施工が進められませんよね。
今回は雪害で火災保険を適用する際の条件や注意点を解説していきます。
目次
雪崩や豪雪の被害は火災保険の「雪災補償」で補償可能
雪崩が発生していたり豪雪が発生すると建物や塀が破損してしまうことも考えられます。
雪崩や豪雪によって住居が損害を受けている場合には、火災保険に付帯されている雪災補償で保険金を請求し、修理費用に充てられるんです。
火災保険は名前に火災とついているため適用範囲が限られると思われがちですが、台風や落雷、水害など幅広い損害に対応できる保険なんです。
基本的に雪害を補償できる「雪災補償」は風災補償とセットでつけられていることが多く、火災保険の基本補償に含まれているため補償をカスタマイズしない限り補償を追加する必要はありません。
火災保険の雪災補償を受けるための4つの条件
火災保険の雪災補償を受けるためには以下4つの条件をクリアする必要があります。
- 損害発生の直接の原因が「雪」であること
- 免責金額を上回る被害額が生じている
- 事故発生から3年以内に請求している
- 経年劣化が認められない
以下で詳しく解説していきます。
損害発生の直接の原因が「雪」であること
雪災補償を活用するには、損害発生の直接の原因が「雪」であることが第一条件です。
例えば雪の重みで屋根が破損してしまったり、屋根から落下した雪によって家の設備を破損してしまった場合には、保険金の支払い対象に含まれます。
大雪でカーポートやアンテナが破損してしまっても保険金の支払い対象に含まれます。
ただし雪解け水によって土砂崩れが起きた場合は保険金の支払い対象には含まれません。
また保険契約の際に家屋のみに補償を限定していると、雪崩によって家財も影響を受けても保険金は支給されませんので注意が必要です。
雪解け水による雨漏りに関しては、保険会社によって対応が異なるため、一概に適用条件に含まれるとは言えないのが現状です。
免責金額を上回る被害額が生じている
火災保険に加入する際には、免責金額を指定して保険金支払い時に加入者が自己負担する割合を決定します。
免責金額は保険金支払い予定金額から差し引かれていきますので、免責金額と支払い予定金額が同金額あるいはそれ以下の場合は相殺されてしまうんです。
加入している保険の保険証券を確認して、免責金額をどの程度設定しているかを確認しておきましょう。
見積もりを取る段階までは大体の金額しかわからないので、注意が必要です。
事故発生から3年以内に請求している
火災保険ではすべての期間の災害が保険金請求できるわけではなく、事故発生から3年以内と時効が定められています。
事故発生から3年を経過してしまうといくら保険金請求に該当する損害だったとしても、保険金申請が通りませんので注意が必要です。
また保険会社に保険金申請をする際には、損害発生当時の状況証拠を求められますので期間が開いてしまうと当時の状況を立証するのが難しくなってしまいます。
事故発生から3年以内と決められていても、基本的には素早く請求を行うように努めましょう。
経年劣化と認められない
火災保険の保険金請求でよくあるのが、経年劣化と認められてしまうケース。
雪の重みで壊れたと思っていても、部品の経年劣化によって発生していたなんてケースもあるんですよ。
保険会社から経年劣化と認められてしまうと、保険会社からしても「保険金を支払う必要がない」と判断できてしまいますので保険金が下りないんです。
日ごろから家の設備には気を配っておいて、少しでも経年劣化が認められそうな箇所があれば、適宜修理していきましょう。
火災保険を活用して雪害を補償する際の注意点
火災保険を活用して雪害を補償する際には、以下の注意点も把握しておく必要があります。
- 信頼できる業者に見積もりを依頼する
- 損害発生時の状況証拠を取っておく
- 旧契約の場合はフランチャイズ方式で保険金支払い条件が厳しいかも
以下で詳しく解説していきます。
信頼できる業者に見積もりを依頼する
火災保険では住宅の改修を行いますので、保険金が数十万円と大金に及ぶ可能性も否定できません。
信頼出来る業者に依頼しないと保険金を過剰請求されてしまったり、中抜き工事で損害箇所の修理が満足いかないものになってしまうこともあるんです。
実際にトラブルに発展した事例もあり、中には損害箇所以外の場所も見積もりに含まれており、保険金以上に修理費用を支払うことになったという方もいます。
地元で依頼実績のある業者に見積もりを依頼するなど、信頼できる業者を見極めて依頼するようにしましょう。
自分では判断がつかない場合には、複数の業者に依頼して見積もりを取りましょう。
あまりにも安価で提案してきたり、逆に他の業者での保険金申請をとめてくる業者には注意が必要です。
火災保険の見積もりを取るなら専門業者に依頼!請求を通すためのポイントや注意点を解説
損害発生時の状況証拠を取っておく
火災保険を活用して保険金申請をする際には、損害発生時の状況証拠写真を撮っておくことをおすすめします。
特に雪害の場合は、損害発生時の状況証拠を残しておかないと因果関係がわからないなんてことも。
また損害発生から期間の空いたタイミングで保険を活用するときにはなおさら状況証拠が必要になります。
多少面倒でも状況証拠を写真として詳細に残しておくことで、保険会社への申請時に活用できます。
ただし屋根の上など一般人が写真を撮るには危険なところに関しては、修理業者に依頼して撮影してもらいましょう。
旧契約の場合はフランチャイズ方式で保険金支払い条件が厳しいかも
火災保険の契約は基本的には免責金額形式で、免責金額を上回る場合には支払い予定金額から差し引いて支払われることをお伝えしました。
しかし旧契約の中にはフランチャイズ方式といって、上限金額を上回らない請求に関しては保険金を支払わない方式が適用されることもあるんです。
「自分は免責金額で契約している」と思っていても、実はフランチャイズ方式での契約だったなんてこともありますので、保険金申請時には保険金の支払い条件も確認しておきましょう。
雪害でも火災保険を活用して被害を補償しよう
いかがでしたか?
火災保険と聞くと水や雪に関連する損害は補償できないと思われがちですが、雪害も保険金支払いの対象に含まれます。
ただし雪が関連する災害や免責金額、保険の補償が含まれているかなどの条件が課されていますので、事前に保険証券を確認して自分の補償内容で適用されるかどうかを確認しておきましょう。
火災保険の保険金は家の修理に用いられるため、数十万円の保険金が発生することも。
保険金を目当てにした業者も中にはいますので、複数の業者を比較してから修理を依頼するなど慎重に事を進めていくことをおすすめします。
雪害だから保険金申請できないとタカをくくらずに、火災保険を活用して修理金額を最小限に抑えていきましょう。