シングルマザー向けの保険と安い保険料で済ませるポイントを徹底解説

シングルマザー保険

シングルマザーの皆さん、「もし自分が亡くなったら子供にかかるお金はどうすればいいの?」と考えたことはありませんか?

働いて自分ひとりで子育てをしているものの、亡くなった後に子供を誰かに預けるにしろ、生活費や教育費が不安になりますよね。

大切な子供の人生ですから、お金で苦労することなく生活してほしいと思うのが親心です。

万一亡くなったときの保障として思いつくのが、保険です。

しかしシングルマザーでどんな保険に入ればいいのか、どんな選び方がいいのか迷ってしまいますよね。

今回はシングルマザー向けの保険や選び方について、徹底的に解説していきます。

5分程度で読み終わる内容にまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。

シングルマザーで保険に入るなら教育費と生活費の保障をチェックしよう

シングルマザーで保険に入るなら、まず教育費と生活費で実際にどれだけかかっているのかを、チェックしましょう。

かかっている金額がわからないと、死亡・病気時の保険金の目安がわかりません。

以下で一つずつ解説していきます。

子どもの教育費はすべて公立でも約800万円!

子どもを幼稚園から大学まで卒業させるのに、すべて国公立で進んだとしても、約800万円かかるといわれています。

文部科学省が2013年に発表している「教育投資参考資料集」では、大学卒業までに以下の教育費がかかると算出されています。

区分 幼稚園 小学校 中学校 高等学校 大学 合計
高校まで公立・大学のみ国立 662,340 1,821,397 1,3798,518 1,175,267 2,626,400 7,664,922
すべて公立 662,340 1,821,397 1,379,518 1,175,267 2,697,200 7,735,722
幼稚園大学は私立・他は公立 1,610,918 1,821,397 1,379,518 1,175,267 5,267,200 11,254,300
小中学校は公立、他は私立 1,610,918 1,821,397 1,379,518 2,755,243 5,267,200 12,834,276
小学校だけ私立 1,610,918 1,821,397 3,839,621 2,755,243 5,267,200 15,294,379
すべて私立 1,610,918 8,810,687 3,839,621 2,755,243 5,267,200 22,283,669

(引用:文部科学省教育投資参考資料集

上記の金額は、高校までは学校教育費・学校給食費や学校外活動費を合計、大学は授業料や学校納付金、・学費・課外活動費・通学費の合計です。

小中学校は住んでいる地域に合わせて公立校を選択できますが、

私立大学に通わせる必要が出ることも!平均で1000万円以上かかる家庭もある

また確実に子どもが国公立に進学できるわけではありません。

令和元年度の18歳人口の大学進学をあらわす資料では、下記の通り私立大学に進学する割合がはるかに多くなっています。

人数 割合
18歳人口 1,174,801人 100%
進学者数 682,579人 58.1%
うち国立大学 99,136人 14.5%
うち公立大学 36,309人 5.3%
うち私立大学 547,134人 80.2%

(参考:文部省発表令和2年度国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議

国公立大学は学校数も限られており、数値を見てもわかる通り18歳人口の約2割しか進学できません。

しかし全体の大学進学率は、6割と高い水準になっています。

大学進学率の上昇の背景には、下記の通り高卒と大卒の月給に差があることがあげられます。

高卒と大卒では、初任給平均に約4万円の差が、また50代前半の月給だと約19万円にもなります。

高卒 大卒
初任給 167,400円  210,200円
50代前半(50~54歳) 348,100円 535,200円

(参考:厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況4:学歴別にみた初任給の分布

(参考:厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査結果概況(3)学歴別にみた賃金

大卒で働き始めたほうが初任給も高く、年を重ねていくにつれて月給の差も広がっていきます。

一概に高卒で給料が上がらないとは言えませんが、大学進学をして大卒として就職したほうが、将来的に賃金が多くもらえるため私立大学でも進学をさせようとする家庭が多いのです。

学費だけでなく生活費もかかる

学費だけではなく生活費もかかります。

厚生労働省が平成28年に実施した「全国ひとり親世帯等調査結果」では、母子世帯の年間の平均収入が243万円と算出されています。

これを12か月で割ると、母子家庭では一ヵ月当たり19万5千円程度が必要になる計算です。

母親が仮に亡くなったとしても、固定費である家賃や光熱費、食費などがあります。

仮に親戚の家に預けられたとしても、負担をかけないためにも、子どもが自立するまでの生活費として最低でも月々10万円以上は用意しておきたいところです。

遺族基礎年金は18歳までしか受け取れない

よく遺族基礎年金があるから大丈夫!といわれますが、遺族基礎年金は18歳までしか受給できません。

遺族基礎年金は国民年金でも厚生年金加入者でも受けられる制度です。

受給条件は以下の通りです。

★ 被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)

※ ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

引用:日本年金機構遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法

また子どもが1人の場合、年間780,900円が支給されます。

第2子、第3子がいる場合は上記金額に224,700円が追加されます。

しかし18歳になった年度の3月31日を過ぎると、支給が打ち切られてしまいますので、大学進学時の生活費の保障が無くなってしまいます。

シングルマザーで加入を検討すべき保険3選

シングルマザーで気になるのは、自分が万が一に亡くなった後に子どもにどれだけお金を残せるかですよね。

しかし生活している以上、貯金をしても使い込んでしまうことがほとんどです。

「使い込まないように保険に加入しよう」と思っても、どの保険に加入したらいいか判断がつかないですよね。

一般的にシングルマザーで加入を検討すべき保険は、以下の通りです。

  • 定期型の死亡保険
  • 収入保障保険
  • 学資保険

以下で詳しく解説していきます。

定期型の死亡保険

万が一母親が亡くなったときの子どもの教育費や生活費の保障として、死亡保険に加入しておきましょう。

死亡保険には定期型と終身型がありますが、ひとり親家庭かつ子どもが自立するまでの期間を考えれば、定期型で十分です。

定期型の死亡保険は、10年単位で保険期間を設定できる年満了と、65歳までと年齢で保険期間を区切れる歳満了があります。

必要な期間に合わせて保険期間を選択できるので、最低限の保障にとどめられます。

また、定期型の死亡保険の保険料は、終身型に比べて安いです。

月々の負担も最大限抑えられるので、家計を圧迫することはありません。

収入保障保険

収入保障保険は被保険者である母親が亡くなった後、月々お給料形式で保険金を受け取れます。

死亡後から保険期間内は確実に保険金を受け取れますので、子どもの自立までを保険期間に設定しておけば、月々の生活費をカバーできます。

また生命保険に加入するよりも保険料が安く抑えられているので、家計を圧迫する心配もありません。

生命保険のようにいつ亡くなっても保険金額が一定ではない分、安い掛け金で保険に加入できるのは大きなメリットでしょう。

学資保険

学資保険はご存じの通り、毎月の保険料を積み立てて進学時の祝い金や学資保険金が支給される制度です。

貯金で子供の教育費を貯めようとしても、使い込んでしまう可能性があります。

学資保険は保険料をいったん払いこんでしまえば、途中で加入者のタイミングで引き出せません。

確実に子どものために教育費を貯めたい方は、学資保険への加入を検討しましょう。

解約すると解約返戻金として返金を受けられますが、支払った保険料よりも受け取れる金額が下回ることがほとんどですので、注意が必要です。

シングルマザーで保険料を安くするためのポイント4つ

シングルマザーで保険に加入するときは、以下のポイントを把握して加入手続きを進めると、保険料を安く抑えられる可能性があります。

  • 必要な期間だけ保障を付ける
  • 途中解約しないだけの保険料で契約する
  • 必要以上に特約を付けない
  • 共済に加入する手もある

以下で詳しく解説していきます。

必要な期間だけ保障を付ける

シングルマザーで保険に加入するときは、子どもが自立するまでの保障を用意しておくだけでOkです。

自立までの期間は18歳とおくことが多いですが、遺族基礎年金の支給が18歳まで、大学進学をさせたいのであれば22歳までに設定しておくといいでしょう。

残された子供のために長期的な保障を付けようとすると、保険料がかえって高くなって生活費の中で大きな負担になることもあります。

仮に現在子供が小さいのであれば、用意すべき保険料は大きくなりますが、子どもが大きく自立までの期間が短ければ保障はコンパクトに抑えられます。

途中解約しないだけの保険料で契約する

途中で保険を解約しないだけの、支払いきれる保険料で契約しましょう。

生命保険も学資保険も、契約時には受付担当者にリスクを説明されて、「万が一に備えて…」と高い保険に加入してしまいがちです。

営業担当者に押し切られて、ついつい契約してしまいそうな人は、一度ファイナンシャルプランナーや保険のプランナーに相談してみましょう。

ライフプランやキャッシュフローに応じて、どの程度を保険料に割けるかを判断してくれます。

必要以上に特約を付けない

保険には、必要以上に特約をつけないようにしましょう。

特に学資保険のような解約返戻金の発生する保険では、かえって返戻率を下げる原因にもなります。

特約を付ける=保障範囲が広くなってしまいますので、保険料を追加で支払うことになります。

学資保険を例に挙げれば、子どもの医療保障特約などが該当します。

しかし子どもの医療費は、自治体によっては公的制度により、最大で15歳まで無料になることもあります。

契約の場では必要に感じるかもしれませんが、実際は必要性が薄いことも多々ありますから、特約を付けるときは慎重に行動しましょう。

共済に加入する手もある

民間の保険だけではなく、共済に加入する手もあります。

都道府県民共済や農協組合など、様々な団体の組合員が加入できる非営利目的の商品です。

厚生労働省や農林水産省がバックについており、年齢や健康状態に保険料が左右されないメリットがあります。

一口何円から加入できるので、民間の保険商品に加入するよりも、かえって安くなることもあります。

ただし生命保険料控除の対象にはなりませんから、所得税や住民税の控除の対象にはなりませんので、注意が必要です。

民間保険だけでなくシングルマザー向けの公的保障も併用しよう

子どものために残すお金といって、民間の保険商品を思い浮かべがちですよね。

ですが国や地方自治体は、シングルマザー向けの公的保障を多数用意しています。

実際にシングルマザーが利用している公的保障は、以下の9つです。

  1. 児童手当
  2. 児童扶養手当
  3. 児童育成手当
  4. 母子家庭の住宅手当
  5. ひとり親家族等医療費助成制度
  6. 高等学校等就学支援金
  7. 高校生等奨学給付金
  8. ひとり親家庭支援奨学制度
  9. 大学無償化制度

以下で一つずつ解説していきます。

①児童手当

児童手当とは子どもが生まれた後、中学校3年生まで月々給付を受けられる制度です。

給付を受けるには申請が必要なので、自治体の窓口や郵送手続きで、毎年6月に手続きをする必要があります。

毎月振り込みがあるわけではなく、2月、6月、10月の3期に分けて、各期ごとの手当てが支給される仕組みです。

また年齢・子どもの人数に応じて、月あたりの支給金額が変わります。

3歳未満 3歳~小学校修了前 中学生
1人目 15,000円 10,000円 10,000円
2人目 15,000円 10,000円 10,000円
3人目 15,000円 15,000円 10,000円

(参考:東京都北区公式HP

基本的には3歳未満までは共通して15,000円、それ以降は10,000円が支給されます。

ただし所得制限額が決められており、子どもが1人いる場合には収入額で870万円程度、所得で約700万円を受け取っている家庭は月々5,000円の支給です。

②児童扶養手当

児童扶養手当は、離婚などを理由にひとり親家庭に生活する子供に向けて、18歳になった年度の3月31日まで、給付を受けられる制度です。

支給対象は以下の通りです。

  • 両親が離婚し、片方の親と子どもが同じ生計で生活している
  • 両親のいずれかが死亡している
  • 父母どちらかが公的に障害状態の認定を受けている
  • 父母から1年以上遺棄されている子ども
  • 両親が結婚していない子ども
  • 父母どちらかが1年以上拘禁されている
  • 父母が不明な場合

支給金額は、1か月あたり43,160円です。

③児童育成手当

児童育成手当とは、ひとり親世帯に対して月額給付を受けられる制度です。

子どもが18歳に達する年度の3月31日までが支給対象期間です。

子ども1人につき月額で13,500円が支給されます。

ただし自治体ごとに扶養親族者数と所得金額によって、支給が受けられないこともあります。

お住まいの自治体のHPを確認して、所得制限に引っかからないかを確認してみましょう。

④母子家庭の住宅手当

自治体によっては、母子家庭に対して住宅手当を支給しているところもあります。

各自治体によって支給条件や支給金額、所得制限や支給方法が異なりますので、一度お住まいの地域の役所に問い合わせてみましょう。

場合によっては、市営や町営の住宅への入居で対応されることもあります。

⑤ひとり親家族等医療費助成制度

自治体の定めるひとり親家庭に該当する場合、健康保険適用で窓口負担分を、自治体が助成してくれる制度です。

子育て支援課など、自治体の窓口に申請することで、認定証の発行を受けられます。

医療機関の窓口で認定証を提示すれば、助成が受けられます。

こちらも所得制限がかけられているので、自治体のホームページを参考にしてみてください。

⑥高等学校等就学支援金

高等学校就学等支援金は、高校入学後に申請書と親の課税証明書を提出することで、支援金を受けられる制度です。

支援金を家庭で受け取ることはできず、各進学先の学校に対して直接支払われます。

入学後の手続きですので、入学時には一時的に家庭で立替が必要になります。

支給を受け荒れるのは世帯年収が910万円以上の世帯ですので、多くの母子家庭が支給対象になります。

通信制高校や私立高校も支給対象になりますので、地方でよくあるすべり止めの私立高校に通うことになっても、就学費の助成が受けられます。

⑦高校生等奨学給付金

高校生等奨学支援金は、高校生がいる低所得世帯に対して給付金が支給される制度です。

仮に高等学校等就学等支援金で学費の免除を受けられても、高校からは教科書等の学用品は家庭の自己負担になります。

また遠方の高校に通う場合には、定期代が発生したり修学旅行で海外に行くこともあります。

下記の世帯に該当する場合に、授業料以外の教育費が受け取れます。

  • 生活保護受給世帯
  • 非課税世帯

また国公立高校と私立高校どちらに在籍しているかによって、支給金額が変わります。

国公立高校(年額) 私立高校(年額)
生活保護受給世帯 32,300円 52,600円
非課税世帯(第1子) 110,100円 129,600円
非課税世帯(第2子以降) 141,700円 150,000円
非課税世帯(通信制・専攻科) 48,500円 50,100円

(文部科学省HPより筆者作成)

新入生の場合、入学後すぐに請求が来るケースがほとんどのため、4~6月に前倒しで請求出来ることもあります。

どうしても足りない場合には、自治体に問い合わせて早期支給を申請してみましょう。

⑧ひとり親家庭支援奨学制度

全母子協とコンビニ大手ローソンが打ち出している制度です。

ひとり親家庭に対して支給される奨学金制度で、月額3万円の支給が返還不要で給付されます。

中学3年生から高校3年生までが申請できる制度です。

全国で合計400名と幅はせまいものの、応募してみて損はありません。

⑨大学無償化制度

住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯を対象に、国公立私立大学問わずに利用できる制度です。

授業料の減免制度や給付型の奨学金を受給できまっす。

ただし進学前には学修意欲の調査、進学後は学修状況の調査が行われ、厳正な条件が設けらrています。

国公立大学であれば入学金約28万円、授業料は約54万円が支給されます。

また私立大学に進学した場合は、入学金約26万円授業料約70万円が支給されます。

シングルマザーが保険に入るときの注意点

シングルマザーが保険に加入するときの注意点は、以下の通りです。

  • 保険金の受取人は信頼できる人に依頼する
  • 収入が少ないなら無理に加入しない
  • 子どもが大きいなら保障は小さくする

保険金の受取人は信頼できる人に依頼する

保険金の受取人は、信頼できる大人に設定しておきましょう。

万が一シングルマザーが亡くなった場合、保険金の受取人を子どもに指定しても、未成年の場合は請求手続きができません。

法定の未成年後見人が代わりに手続きしますが、予定していない人が後見人になってしまうと、保険金を使い込まれてしまうこともあります。

遺言書など法的な書類に残しておけば未成年後見人を指定可能ですが、正直遺言書の作成の仕方がわからない人も多いことでしょう。

死亡保険などの保険金は、自分の身の回りの信頼できる人に依頼しておくと安心です。

収入が少ないなら無理に加入しない

「もしもに備えたいけど家計が厳しい」と収入に余裕がないなら、無理に保険に加入する必要はありません。

上述した公的な保障制度を活用して、万が一の場合に備えておきましょう。

無理に保険に加入して、日々の生活に支障が出る方が問題です。

シングルマザーでも子供に残すお金を細かく計算しよう

いかがでしたか?

シングルマザーの家庭だと、万が一自分が亡くなったときに何も残せず、子どもに苦労をさせてしまうこともあります。

公的保障や家計の余力を計算しながら、どの程度子どもにお金を残せるかを計算していきましょう。

特にシングルマザーに対する公的保障は種類も多様なので、学費と生活費に絞って保険を検討してみてください。

ただし子どもひとりでは、保険金の請求手続きはできませんから、受取人を信頼できる人に依頼するなど確実に子どものために保険金が使われるようにみなさんがわで準備しておきましょう。

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