自分も若く親も元気だと、相続税と言われてもピンとこない人が多いと思います。
しかし2015年から相続税の基礎控除額が引き下げられたことにより、申告が必要な人が増えました。
そこでこの記事では、どのような人に申告が必要なのかや生命保険で相続税対策をするメリットをお伝えします。
目次
相続税の基礎控除枠が引き下げ!あなたも申告が必要かも
相続税の基礎控除枠が2015年に引き下げられました。
そもそも相続税は、なくなった人の財産を受け継いだら、必ず相続税かかるというわけではありません。
相続税には基礎控除額があり、この基礎控除額よりも相続した金額が少ないと、相続税はかかりません。
2015年には、この基礎控除控除額が引き下げられたことで。相続税の対象となる人が増えました。
ちなみに相続税は、不動産や預貯金、土地・株券などすべての合計が対象となります。
借金などの負債も相続の対象となることを知っておきましょう。
改正後の基礎控除枠内に財産が当てはまっているかをチェック!
2015年の法改正により、基礎控除額が引き下げられました。
これにより、相続税の対象となる人が増えたとお話しましたが、自分が相続する財産がこの枠内に当てはまるかという基準を理解していますか?
そこでここでは、チェックの仕方を紹介します。以下よりチェックしてみてください。
取得金額と税率の計算
まず取得金額と税率の計算について説明します。相続税の基礎控除額の計算式は
となります。
法の改正前は
になっていたので、大幅に枠が引き下げられたことがわかります。
これにより相続税の対象者が一気に増加したというわけです。
相続税の税率は下に記した通りになっています。
生命保険を相続対策に利用するなら終身保険
相続税の基礎控除額が引き下げられたことによって、特別な富裕層でなくても相続税の申告が必要になる可能性が高くなりました。
せっかく相続しても、相続税が大きいと負担にもなってしまいます。
そこで生命保険の終身保険を相続税対策に利用するという方法があります。
生命保険を利用すると、税金の負担が軽くなるばかりでなく、相続や納税もスムーズになるという面もあります。
なぜ終身保険なのかは、終身保険には満期がないため保険期間中に契約者が死亡すると、確実に死亡保障金を残すことができるのです。
生命保険で相続税が減る!相続対策に利用するメリット
相続対策とは、相続にかかる税金の負担を減らすための対策のことを指します。
相続する金額によっては、相続税がかなりの負担になってしまうこともあります。
その対策としておすすめなのが、生命保険だということは上記でお話しました。
そこでここでは、生命保険を相続税対策に利用するメリットについて解説します。
生命保険金として受け取って非課税枠を利用
生命保険は死亡保障の受取人の場合、決められた金額までは非課税の対象となります。
これは500万円×法定相続人数という計算式で決まり、例えば4人の法定相続人がいる場合には、500万円×4人=2000万円までが非課税対象となるのです。
生命保険として受け取ることで得られる大きなメリットの一つです。
受取人を事前に指定できるのでトラブルが少ない
生命保険の受取人は生前に指定できるので、誰に残すか・誰に残したいのかをハッキリさせることができます。
残したい人を指定し確実に死亡保険金を残すことができ、契約者の意思も確認できるのでトラブルが少ないというメリットがあります。
遺言書がないと、トラブルになりがちな遺産問題も、生命保険で受取人を指定しておけば、無駄なトラブルにならないでしょう。
受取人だけで手続き可能なのでスムーズ
受け取るための手続きが、受取人だけでできるのいうのもメリットの一つです。
受取人が手続きをするだけで、スムーズに保険金が手元に支払われます。
すぐに活用することがでるのも受け取る人にととっては嬉しいことです。
相続放棄をしても保険金は支給される
相続するものが、プラスになるものだけとは限りません。
中には借金などの負の遺産を残されてしまうこともあります。
借金などの負の遺産は相続放棄することにより相続されることはなくなります。
しかし相続放棄をすると、その他の預貯金などの遺産も一緒に放棄することになります。
しかし生命保険の保険金は、相続放棄をしても受け取ることができます。
死亡保険金は、固有の財産なので相続放棄を選択しても生命保険金を受け取ることができるのです。
生命保険で相続対策をするときの注意点
生命保険が相続対策に数多くのメリットがあるということがわかりました。
しかし注意しなければいけないポイントもあります。
知らずにいると、思わぬ税金がかかってしまったり、節税対策にならないこともあるので、しっかり勉強しておくことが大切です。
ポイントについて以下より詳しく解説します。
保険料負担者が死亡者以外のときは贈与税になる
生命保険の保険料を死亡した人以外の支払いだった場合、相続税ではなく贈与税扱いとなります。
例えば、保険契約者が夫で被保険者が妻の場合、妻が死亡した際に子どもに渡る生命保険金は贈与税にあたります。
これは母が亡くなり父から贈与されたと判断されるからです。
高額な保険金になると贈与税も大きくなるので節税対策にはならないということを理解しておきましょう。
相続人以外に保険金がわたると節税対策にはならない
法定相続人以外に保険金がわたることになる場合は、法定相続人にある非課税対象とならないため、節税対策になりません。
相続人以外では、相続税がかかってしまうということを理解しておく必要があります。
ちなみに相続には相続順位というものがあり、相続人の順番が決められているので、あわせて確認しておきましょう。
一時払い生命保険が相続対策に利用できるってホント?
最近は生存中に給付することもできる、一時払い生命保険もあります。
この一時払い生命保険を使い、年間110万円以下の金額を生前贈与することで、保険金を減らし相続税の負担を軽くする対策もあります。
生前贈与は本人ではなく、孫や子どもに財産を無償で譲ることを言い、年間110万円までは贈与税がかかることはありません。
これを使い相続する財産を減らしておくというのも、一般的な節税対策の一つとなっています。
契約時にまとめて保険料を払うので遺産を分割できる
一時払い生命保険を使うには、加入時に保険料を支払う保険のことです。
契約時にまとめて保険料を支払うことで、保険料を抑えることができるだけでなく、受け取った保険金をすぐに受け取ることが出来るので、納税費用に充てることもできるのです。
マイナス金利で新規取り扱いが停止中
これまでは、相続税の節税対策としてポピュラーな対策でしたが、現在この保険は長引くマイナス金利の影響で、各保険会社ともに新規での取扱いが停止または減少傾向になっているようです。
生命保険料控除は1回しか利用できない
生命保険には、その年に支払った保険の金額によって税負担を軽くすることできる「生命保険料控除」というものがあります。
毎月保険料を支払う払込タイプの保険は、毎年控除を受けることができますが、一時払い生命保険では契約時にすべての保険料を支払うので、控除を1度しか受けることが出来ないという注意点を知っておきましょう。
全期前納なら生命保険料控除が毎年利用可能
保険料の支払い方法には、毎月支払い方法のほかに一時払い・年払い・半年払い・全期前納があります。
中でも全期前納は、最初に保険料を保険会社に預け、預けた保険料の中から毎月保険料が支払ラわれていくという方法です。
この方法だと、預けているだけで支払いは月払いになるので、生命保険料控除を受けることができるのです。
生命保険の非課税枠を活用して相続税を抑えよう
若い人や親が元気だと、相続について考えることが少ないでしょう。しかしいざ相続するときに、節税対策を知っているのと知らないのでは、相続税が大きく変わってきます。
生命保険は相続対策にメリットもあり、残したい人にお金を確実に残せる方法でもあります。
しっかりと勉強し、万が一のときに残された家族に少しでも残せるように、今から節税対策を勉強してみてはいかがでしょうか。