2015年に個人番号(マイナンバー)の制度がスタートし、みなさんのご自宅にも通知カードが公布されていることでしょう。
マイナンバーは様々な公的な手続きで必要になります。
生命保険では、財務省からの通達によって、生命保険金の支払い時に受取人に対してマイナンバーの記入を求めることがあります。
保険契約時にマイナンバーカードがなくとも、番号通知が必要になります。
中にはなんでマイナンバーの通知が必要になるかが、わからないなんて方もいますよね。
マイナンバーは重要な個人情報ですから、むやみに教えるのは不安ですよね。
今回は生命保険金請求時に保険会社にマイナンバーの提出を求められる理由から、請求時に番号がわからない人向けの対処法を紹介していきます。
目次
マイナンバー制度って?
マイナンバー制度とは、日本国内に住民票を持つ国民に、それぞれ異なる番号を交付し、個人情報を管理する目的の制度のことです。
各自に12桁の番号が通知カードとして公布され、自分の証明写真ともに提出してカードを作成する必要があります。
住民票など市役所で受け取る書類のスムーズ化や、税金の申告時に番号を用いて、請求している人物が情報を記録する人物と同一かを判断するために使われます。
「私まだ通知カードしか持ってないや」という方がいるように、マイナンバーの通知カードは持っているけど、本申請をして個人番号カードを取得している人は少ないです。
生命保険金受け取り時はマイナンバーが必要に
マイナンバーの交付後、税務署は支払調書に保険金の受取人・契約者のマイナンバーを記載することを、生命保険会社に求めるようになりました。
企業が第三者に金銭を支払う際には、税務署に対して支払調書を作成し、提出する義務があります。
生命保険金は受取人と契約者の関係性によって、相続税や所得税など課税方法が異なります。
税務署は確定申告や年末調整時の内容と、生命保険会社から受け取った支払調書を照らし合わせて、内容に問題がないかを判断するのです。
マイナンバーは、保険金受取人の納税状況や社会保障の受給状況を管理しています。
支払調書に番号を記載しておくと、税務署の手続き管理がスムーズになるのです。
マイナンバーが求められる条件が決まっている
生命保険金受取時にマイナンバーが求められる条件は、以下の通り決まっています。
- 受け取る予定の生命保険金or解約返戻金が100万円を超える
- 年金支払額が20万円を超える場合
上記以内におさまっていれば、生命保険会社からマイナンバーが求められることはありません。
マイナンバーの提出を断っても保険金は受け取れる
保険金受取時にマイナンバーの通知カードがなくて、確かめる方法がどうしてもない場合もありますよね。
死亡した契約者のマイナンバーがわからないとき、番号を紛失してしまった場合は、保険会社に申告すれば、記載がなくても保険金支払手続きがすすめられることがほとんどです。
支払いは問題なく行われますが、後日支払調書のためにマイナンバーの通知を求められますので、保険金請求後に取得手続きを進めておきましょう。
大手生命保険会社の対応は、以下の通りです。
マイナンバー(個人番号)を申告しなくても、保険金等を受取ることはできます。
※ただし、保険会社は支払調書にマイナンバー(個人番号)を記載する義務がございますので、申告へのご理解・ご協力の程、よろしくお願いいたします。
マイナンバーのご提供の有無は、お支払手続きに直接関係するものではございませんので、仮にマイナンバーのご提供がなかった場合でも、お支払手続きは進めさせていただきます。
なお、お支払手続き時点で、マイナンバーのご提供をいただけていないお客さまには、後日「マイナンバー(個人番号)提供のお願い」等を送付させていただきます。
個人番号(マイナンバー)を申告しない場合でも、支払手続で必要となる請求書等の書類が完備していれば、保険金、年金等はお支払いいたします。なお、当社から税務署へ提出する支払調書にお客さまの個人番号(マイナンバー)を記載する必要がございますので、申告のご協力をお願いいたします。
マイナンバーを用意できなくても税務署からの罰則はない
保険金受取後、どうしてもマイナンバーを用意できないこともあるでしょう。
マイナンバーを用意できなくても、税務署から罰則を受けることはありません。
義務ではありますが、用意出来なかったからと課税される心配はないので、安心してください。
マイナンバーがあっても代理人の手続きは不可能
受取人の代わりに代理人を立てて、保険金受け取りの手続きを検討している方もいますよね。
マイナンバーは本来、申請人と制度適用を受ける人が、同一であるかを調べるために利用されるものです。
代理人が受取人のマイナンバーを利用して、申請することはできません。
代理人を立てて保険金申請するときは、代理人を証明するための確認書類が必要になります。
マイナンバー以外の写真付き本人確認書類も必要
生命保険金請求時には、マイナンバー以外にも受取人の写真付き本人閣員書類が必要になります。
運転免許証やパスポートが求められるので、申請時に漏れの無いように用意しておきましょう。
写真付きの本人確認書類がない場合には、そのほかの書類を求められますので注意が必要です。
既に加入している生命保険にマイナンバーの提出は必要?
「生命保険金の支払い時に保険金が求められるなら、既に加入している生命保険はどうなるの?」と疑問に思う方もいますよね。
既に加入している生命保険では、特に申請がない限り、マイナンバーの提出は必要ありません。
保険金支払時の調書にのみ必要になるので、加入時に用意していなければ加入を断られることはありません。
生命保険会社はマイナンバーを厳密に扱っているので安心
「生命保険会社にマイナンバーを教えるのは良いけど、きちんと扱ってくれるか不安なんだけど…」という方もいますよね。
生命保険会社はマイナンバーを厳密に扱っているので、安心して利用できます。
ただし人の行政情報を引き出せる番号である以上、やはり請求には慎重な姿勢を見せています。
生命保険金請求時にマイナンバーを紛失したらどうする?
生命保険請求を行ったときに、マイナンバーを紛失していたらどうしたらいいのか不安になりますよね。
上述したようにマイナンバーの請求時には、マイナンバーが求められるものの、必須というわけではありません。
しかし今後も行政上必要になることもありますから、以下の手続きを踏んでおきましょう。
マイナンバー記載の住民票の写しを取得する
早急に必要なのであれば、地方自治体の役所に行って、マイナンバー記載の住民票の写しを取得しましょう。
マイナンバー記載の住民票の写しを取得できるのは、本人あるいは本人と同一世帯の家族・代理人です。
代理人が請求した場合は、本人の住民登録のされている住所あてに、簡易書留で郵送されることになります。
費用は300円です。
死亡者のマイナンバー記載住民票は取得不可能
生命保険の契約状況によっては、保険契約者と被保険者が同一であることもありますよね。
死亡者のマイナンバーがわからず、記載住民票を取得できない人もいます。
死亡者のマイナンバー記載の住民票は、亡くなった人と同世帯の人でも、取得できなくなりました。
もしも死亡者のマイナンバーがわからない場合は、保険会社に申告すれば申請免除になることもあります。
一度生命保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。
通知カードを再交付してもらう
個人番号カードではなく、マイナンバーの通知カードを使ってきた方も多いでしょう。
しかし通知カードは紙一枚のみですので、どこかの書類に紛れて紛失してしまうこともあるでしょう。
個人番号通知カードを紛失してしまったら、居住地の市区町村の申請窓口に行き、交付の手続きを受けるようにしましょう。
マイナンバーを他の方法で記録していた場合には、サイト上から書類をダウンロードし、郵送交付を受けられますので活用してみてください。
もしも自宅から持ち出してなくしてしまった場合には、警察に届け出をしておきましょう
マイナンバーカードの交付申請をする
写真付きのマイナンバーカードを取得している場合には、マイナンバーカードの紛失をコールセンターに連絡したうえで、警察に届け出をしましょう。
マイナンバーは上述してきた通り、番号がわかれば行政の手続きを簡単に行える制度です。
悪用されてしまう可能性があるため、紛失した時点ですぐに一時的な利用停止をおこないましょう。
- マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178
- 個人番号カードコールセンター:0570-783-578
カードが見つからない場合は、自治体の専門の課で再交付を受けましょう。
このとき警察に紛失届を提出した際の証明が必要になります。
再交付を申請してから自分の手元に新しいカードが届くまでは、1か月程度かかりますので、注意が必要です。
不安なら家族全員のマイナンバーを生前に取得しておこう
生命保険に加入していて、手続き時にトラブルになるのが不安なら、生前に家族全員のマイナンバーカードを取得しておきましょう。
マイナンバーカードを受け取り、家族で一元管理しておくことで、保険加入者が死亡後に慌てる心配もありません。
窓口対応が面倒くさいなら、郵送で交付を済ませられることもありますので、次官に余裕があるなら手続きしておきましょう。
マイナンバーカードを取得しておいて保険金をスムーズに受け取ろう
マイナンバーカードの普及により、生命保険会社に保険金申請をすると、マイナンバーの提出を求められることがあります。
受取人である自分だけでなく、死亡している契約者の番号まで、申請を求められることがあります。
番号がわからなくても保険金は問題なく支払われますが、後から通知を再度求められることもあります。
契約者受取人双方が生きているなら、番号を取得して通知、契約者=被保険者で死亡しているなら保険会社に通知すれば、申請が不要になることもありますので試してみてくださいね!
現在加入中なら、時間を見つけてカードを作成して管理しておきましょう。