ストレス社会の日本では、不眠症に悩んで病院で睡眠薬を処方してもらう人もいるでしょう。
他の薬に比べて簡単に処方してもらえるため、安易に手を出してしまいがちですが、今後の保険加入に影響が出ることをご存じの方は少ないのではないでしょうか。
実は睡眠薬を処方された形跡があると、生命保険への加入を断られることもあるのです。
実際に生命保険に加入しようと申請したけれど、睡眠薬の処方歴があるせいで加入を断れられたという方も意外と多いんですよ。
睡眠薬は大きな疾患の治療に使われるものでもないのに何で加入できないの…?と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで今回は、何故睡眠薬を飲んでいると生命保険に加入できないかの理由から、睡眠薬を服用していても生命保険に加入する方法までわかりやすく解説していきます。
目次
生命保険は睡眠薬を飲んでると加入を断られる?
上述の通り、生命保険では睡眠薬を飲んでいると加入を断られることがほとんです。
生命保険では加入時に、保険に加入しても問題ない人物かを判断するために、告知をしなければなりません。
告知内容には、現在の職業や住所などの基本情報の他に、健康状態に関する項目があります。
保険会社が指定する内容に引っかかる条件があると、詳しい審査の対象になってしまいます。
その中には、保険加入申請から過去5年以内に医師の診察あるいは通院をしたか、医師から薬を処方された経験があるかについて質問されます。
睡眠薬を飲んでいる方は、上記の条件に当てはまってしまうことになりますので、保険会社から詳しい審査を受けることになります。
特に睡眠薬は以下のようなリスクがあるため、加入を断られる確率が高くなります。
睡眠薬=精神疾患のイメージがある
睡眠薬と聞くと「眠れない人が飲む薬」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
その通りで睡眠薬は夜眠れない人が薬の効果で睡眠をとり、健康状態を維持する目的があります。
しかし眠れない原因の多くはストレスやメンタルの不調によるところが多いため、精神疾患を抱える人が服用しているケースが多いです。
生命保険では、上記のケースから睡眠薬を飲んでいる=精神疾患を抱えているととらえるのが一般的です。
精神疾患を抱えているリスクのある人は、自傷してしまうあるいは自分で命を絶ってしまう可能性があるため、保険会社としては加入させたくないというのが本音なのです。
睡眠薬服用中は死亡リスクも高い
睡眠薬を服用している方は、健康な方に比べて死亡リスクが高いと判断されてしまうこともあります。
服用後にお風呂に入ってしまったり、たばこを吸ってしまったりする可能性があり、最悪溺死や火事で死亡してしまう可能性があるためです。
睡眠薬は薬の効果で眠ることになりますので、いつ効き始めるかを自己判断するのは難しいですよね。
もちろん加入者が死亡してしまうと、生命保険側は保障範囲内であれば保険金を支給しなければなりません。
生命保険会社は出来るだけ保険金は支払いたくないのが本音ですから、死亡リスクが高い人は加入を断り、リスクを減らそうと考えるのです。
睡眠薬を飲んでいても生命保険に加入するには?
しかし睡眠薬を飲んでいたら生命保険に加入できないわけではありません。
以下の3つの方法のどれかであれば、条件は付きますが生命保険に加入できる可能性があります。
引受基準緩和型保険に加入する
無選択型保険に加入する
服用が終了してから5年後に加入申請する
引受基準緩和型保険に加入する
現在睡眠薬を服用中の方は、生命保険の中でも引受基準緩和型の保険に加入することをおすすめします。
引受基準緩和型の保険とは、通常の保険よりも告知内容が少ない保険のことを指します。
そのため持病や医師による薬の処方歴があっても、加入できる可能性があります。
もちろん何も条件なく加入できるわけではなく、保険料が通常の生命保険より高かったり、契約できる保険金が少なくなったりしますので、よく考えたうえで加入するようにしましょう。
無選択型保険に加入する
無選択型の保険とは、通常加入時に設けられている健康状態に関する告知が免除されている保険のことです。
そのため睡眠薬を服用していても、告知内容を気にせずに生命保険に加入できるでしょう。
無選択型保険も引受基準型と同様に、保険料が高く契約できる保険金の額も少ないです。
また契約できる年齢上限が比較的若く設定されており、高齢の方は加入できないことも多いです。
免責事由も設けられていることもありますので、無選択型の保険に加入するときは本当に今すぐに保障が必要なのかを考えることをすすめます。
服用が終了してから5年後に加入申請する
上記2つの保険は睡眠薬を飲んでいても加入できる保険ですが、通常の生命保険よりも制限や条件が多いため加入するか迷ってしまう人もいますよね。
すぐに保障が必要ないのであれば、睡眠薬の服用期間が終了してから5年待つことで、通常の条件で生命保険に加入できます。
この記事の冒頭でも紹介した通り、保険会社に告知するのは「5年以内」に起きたことなので、時間が経過してしまいさえすれば告知義務は生じないのです。
睡眠薬を飲んでいることを隠していると「告知義務違反」に!
睡眠薬を飲んでいることは正直に告知する必要がありますが中には、
「どうせばれないから医師から薬を唱法されていることは黙っておこう」
と考えてしまう人もいます。
しかし生命保険会社の調査力を侮ってはいけません。
睡眠薬を飲んでいることを隠し、告知せずに加入していることがバレたら「告知義務違反」としてペナルティ―を受けることになります。
実は保険会社は保険金を支払うときに、独自の調査員を派遣し保険金を支払うべきかを詳しく調査します。
この際に通院歴や診察歴も調査されますから、睡眠薬のことを隠していてもばれてしまうのです。
保障対象内でも保険金はなし
告知義務違反と判断されてしまうと、これまでしっかり保険料を支払っていたとしても保障範囲内だったとしても保険金がおりません。
契約内容に違反している状態になりますから、仕方がありません。
保険を強制解約され保険料は戻ってこない
告知義務違反と判断されることで、保険会社から保険を強制解約されることにもなります。
保険を強制解約されることでこれまで支払ってきた保険料も戻ってきません。
もし解約時点で解約返戻金がある場合は受け取れます。
強制解約されてしまうと他の保険会社に再度加入申請をしなければなりませんので、非常に手間がかかります。
もちろん服用歴をまた隠して加入した場合は、同じことを繰り返すことにもつながりますので、最初の加入時に正直に告知するようにしましょう。
うっかり服用歴の告知を忘れたら?
人間だれしもミスはありますから、告知する際にうっかり睡眠薬の服用歴を記入するのを忘れてしまう方もいるでしょう。
もし告知を忘れてしまった場合は、すぐに保険会社に連絡して追加告知しましょう。
ですがすでに保険金を受け取っている場合や責任開始日から2年以上経過している場合は、変更を受け付けてくれませんので注意しましょう。
市販の睡眠薬を服用しているなら問題なし
睡眠薬を常用している方の中には、市販で販売されている睡眠薬を飲んでいる方もいるかもしれません。
市販の睡眠薬の場合は医師の処方を受けていませんから、服用している状況を告知する必要はありません。
生命保険に申請する内容は「医師」が関わっていることがほとんどです。
市販の睡眠薬は医師の処方する薬とは効き目も管理方法も異なりますので、安心してください。
睡眠薬を服用していても正直に告知しよう
いかがでしたか?
不眠の方にとっては健康維持のために重要な役割を果たす睡眠薬ですが、生命保険会社にとってはリスクの高い薬です。
精神疾患を抱えていなくとも、睡眠薬との関連性が深い病気ですので加入を断られる可能性が非常に高いです。
告知内容が削減されている保険や告知が必要ない保険もありますが、通常の生命保険よりもデメリットになる条件が付与されることがほとんどなので、加入の際には経済状況等を良く考慮する必要があります。
もしもすぐに補償が必要ないのであれば、睡眠薬の服用が終わってから5年後に保険に加入することで、服用歴を告知せずに加入できますよ。
また、市販の睡眠薬を服用されている方に関しては、医師の処方を受けている薬ではありませんので、保険会社にわざわざ申告する必要はありません。
服用歴を申告しないまま加入してしまうと、告知義務違反と判断されたときに大きなペナルティを負うことにもなりかねませんので、睡眠薬を服用していても正直に告知するようにしましょうね!