雇用(失業)保険と年金は同時にもらえない!理由と他に利用できる公的保障を解説

雇用(失業)保険と年金は同時にもらえない!理由と他に利用できる公的保障を解説

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日本では失業した場合の生活保障として、雇用(失業)保険制度が整っています。

最近では定年退職後も再雇用先を探して、働き先を見つけるシルバー世代の方が増えています。

しかし老齢の方が働ける職場は少なく、再雇用先が見つからずに生活に不安を抱える方も多いです。

現状、65歳までであれば雇用保険を活用して、退職後でも失業手当を受け取ることができますので、働き先が見つからなくても生活の保障は受けられます。

中には「そういえば老齢厚生年金の受給資格もあるし、失業手当と併用できるんじゃないか」と思う方も居ることでしょう。

でも実は失業手当と老齢厚生年金は、同時に受給できずに片方のみでしか、受給できないんです。

今回は定年退職後に失業手当と老齢厚生年金を同時にもらえない理由から、退職後の生活を支えるために利用できる制度を徹底的に解説していきます。

広がる再雇用制度!でも給料が下がって新しい雇用を探さざるを得ないことも

高齢化社会の進行と医療の発達により、高齢になっても労働の担い手として働く動きが出てきています。

また年金の受給年齢が引き上げになったり、年金だけでは生活水準を保てないこともありますから、継続的な収入を求める方が増えています。

令和3年4月から施行されている、改正高年齢者雇用安定法によれば、企業には従業員に対して、65歳までの雇用確保を義務付けられています。

その過程で定年が65歳未満の企業は、定年制の廃止・継続雇用制度の導入・定年の引き上げのいずれかの対策を講じるように求められました。

下記の調査結果の通り、企業は継続雇用制度の導入を優先的に行うようになりました。

平成30年高年齢者の雇用状況集計結果

(引用:厚生労働省平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果の概況

継続雇用制度、つまり再雇用制度になると定年前よりも企業が支払う給料が引き下げられてしまうので、実質的に生活水準が下がることになります。

再雇用制度では生活ができずに他の企業での再就職を狙う人も多いですが、雇用先が見つからずに働けるまでの期間の生活保障が必要になることもあるのです。

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65歳未満で受け取れる失業給付の基本給付って?

疑問

そもそも失業給付について、詳しく知らない方も居るでしょう。

失業給付は国が管理している雇用保険の一つで、働き先が見つからない期間の給与を保障してくれる制度です。

基本手当とは、求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的とし、被保険者であった方が離職した場合において、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない場合に支給されるものです。

引用:厚生労働省公式HP基本手当について

若い世代しか利用できないと思われがちですが、64歳までは受給資格があります。

実は最近では、定年退職後に継続雇用制度を活用して再雇用を行う企業が増えていますが、再雇用で働くことによって給料が下がってしまうこともあるため新しい職場を探そうとする方も多いのです。

仕事を探している期間には、失業給付の基本給付を活用できます。

特徴は以下の通りです。

ハローワークで失業給付の認定がもらえればOK

失業給付の基本給付を受けるには、まず住んでいる自治体のハローワークで、求職の申し込みを行うところからスタートします。

就職したいけど就職先が見つからない状態に該当し、退職前に雇用保険に1年間位以上加入していることが条件です。

ハローワークで条件が認めらられれば、支給が認定されます。

ハローワークで手続きをする方法は、以下の通りです。

  1. マイナンバーカード・公的機関認可の身元確認書類・証明写真(縦3×横2.5センチ)・本人の印鑑・本人名義の預金通帳・離職票を持参
  2. ハローワークの窓口で求職申込をする
  3. 雇用保険説明会に参加して失業認定を受ける
  4. 失業認定を受けた日に再度ハローワークに行く
  5. 受給開始

給付率は賃金日額で変動する

基本給付の給付t率は賃金日額で変動することになります。

基本給付は1日当たりの基本手当日額で計算されていきます。

定年退職するまでの半年間の間に支払われた基本賃金を180で割った金額で計算されていきます。

基本手当日額の計算方法は、60~64歳の方は以下の給付率になります。

賃金日額給付率基本手当日額
2,500 円以上 5,010 円未満80%2,000 円~4,007 円
5,010 円以上 11,090 円以下80%~45%4,008 円~4,990 円
11,090 円超 15,890 円以下45%4,990 円~7,150 円
15,890 円(上限額)超7,150 円(上限額)

(引用:厚生労働省「雇用保険の基本手当を受給される皆様へ」資料p2

日額×給付日数によって変動していきますので、退職前の給料によっていくらもらえるかが変動していきます。

退職した理由によって給付条件が変わる

退職した理由によっても給付条件が変わります。

倒産・解雇などによる他者都合の失業の場合よりも、定年退職や自己都合による退職の方が、給付条件が厳しくなります。

被保険者期間
1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
定年・自己都合退職無し90日90日120日150日
倒産・解雇などの失業90日150日180日210日240日

倒産や解雇の場合、自分ではどうにもできませんので、通常よりも受給できる日数が多くなります。

一方で被保険者期間が少ない、あるいは定年・自己都合退職をした方の場合は、最大でも5か月までしか失業給付を受けられないことになります。

退職した理由に応じて受給できる期間が異なりますので、働かないで遊んで暮らせるわけではないのです。

雇用(失業)保険と年金は同時にもらえない

お金

冒頭でも紹介した通り、失業給付と年金は同時にもらうことはできません。

失業給付はあくまで働くまでの準備期間に支給されるものです。

老齢厚生年金は年金受給資格を満たしていれば働きながら特別支給されるものですが、公的保障である雇用保険と年金は併用できない仕組みになっているのです。

つまり定年退職後に65歳までの間の職探しのために失業給付をもらうのであれば、老齢厚生年金の支給は全額停止になります。

ただし上述した通り、失業給付は受給できる期間に制限がありますので、失業給付の給付がストップすれば老齢厚生年金の支給が再開されます。

雇用保険で基本給付以外で利用できる制度

再雇用でもらえる金額にも、雇用保険でもらえる失業給付など、金銭的な面で老後の生活に不安を抱えている人もいることでしょう。

実は雇用保険で基本給付以外にも老後に利用できる制度があるのをご存じでしょうか。

  • 高年齢雇用継続給付
  • 高年齢求職者給付金

以下で詳しく解説していきます。

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満で労働を継続している人が利用できる制度です。

給付条件は以下の通りです。

  • 雇用保険に5年以上加入している
  • 60歳の給料の75%しかもらっていない
  • 60歳以降も継続して働いている

そのため再雇用になって定年退職時の75%の給料しかもらっていない方は、受給できる可能性があります。

ただし基本給付と同様に公的制度と被ってしまうため、特別支給される老齢厚生年金は減額されることになります。

高年齢求職者給付金

高年齢求職者給付金は、65歳を超えた人が利用できる失業保険です。

上述した通り、雇用保険の保障を受けられるのは65歳未満の男女に限られるのですが、65歳を超えても働く意思があるのに就業できない人もいます。

働きたいのに働き先がない人のために、用意されている制度になります。

なんと高年齢求職者給付金は、老齢厚生年金を受け取っていても同時に受給できるのです。

年金を受け取りながら働きたいけど、働き先が見つからない場合には、高年齢求職者給付金を活用することを検討してみましょう。

定年退職後の雇用が心配なら資格を生かせる職場を探してみるのもあり

定年退職後の雇用が心配で、まだ定年退職までに時間があるなら、資格を取得してみる事をおすすめします。

定年退職後にアルバイトとして働くにしても、体力勝負になることもあり、体と相談しながら自分のペースで働くことになります。

肉体労働にも限界がありますから、知識を活かせる仕事に就くことも重要です。

知識を活かせる仕事はその分、活用できる仕事も多いですから、再就職先も見つけやすいです。

老後になって再就職先がないと慌てる心配もありませんから、余裕を見つけてチャレンジしてみる事も大切です。

たとえば以下の資格を持っている人は、雇用先がありますのでおすすめです。

  • 介護福祉士
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 危険物取扱者
  • 調理師
  • 登録販売者

以下の記事で資格の取得方法から活用方法まで、詳細に解説していますので、是非参考にしてみてください。

【2021年版】老後・定年後に稼げる15のおすすめ資格!老後資金が不安な人必見

雇用(失業)保険の手当と老齢厚生年金どちらが金額が高いかを計算してから決めよう

いかがでしたか?

皆さんが企業に勤めながら加入していた雇用保険は、実は意外なところで役立っていた保険なのです。

しかし公的保障の一種ですから、重複するものがある場合併用ができない仕組みになっています。

雇用保険の基礎給付を受けるか、老齢厚生年金の特別給付を受けるかは、受給期間と受け取れる金額を計算して、得する方を利用していきましょう。

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