火災保険申請代行業者をご存じでしょうか。
近年自然災害が多発していることもあり「火災保険で家を修理しませんか?火災保険の申請はしておきます!」などの営業をしている業者があります。
しかし火災保険は加入者本人が行うことが契約でも決まっており、業者が申請をすることは違反になってしまいます。
今回は火災保険申請業者を利用したときのペナルティーやトラブルなどについて解説します。
目次
火災保険申請代行=契約違反でペナルティ
火災保険の申請を代行する業者の報告が近年増えています。
しかし火災保険の申請は加入者が行う事が義務付けられているので、他人が申請することは契約違反となります。
その為、他人が申請したことがわかると契約違反を問われ、最悪保険金が支払われない事態になります。
最近では自然災害が多発していることもあり「火災保険の申請を代行します!」と業者から営業として近づいてくることも多く聞かれます。
注意しなければいけないのは以下のポイントです。
保険金申請は本人が行うと決まっている
火災保険は、契約者が保険金の申請を行うことを決められています。
そもそも正しい火災保険の請求方法は、修理業者から見積書をもらい、見積書と請求書類を保険会社に自身で提出しなくてはいけません。
しかし保険代行業者は「火災保険の申請を代わりにやっておきます!」等と言って申請を代わりにやってしまうのです。
しかしこれは契約者が申請をしなくてはいけないというルールに反しているため、契約者がペナルティーを受けることになります。
代行がバレると保険金が支払われないことも
実際に火災保険申請代行を利用してしまうと、それが保険会社にバレてしまった時に契約者がペナルティを受けることになります。
ペナルティは、保険金が支払われない事はもちろんのこと、最悪火災保険の強制解約などの事態になってしまいます。
保険金が支払われないのももちろん困りますが、強制解約になってしまうと改めて加入することも難しくなってしまうので、絶対に代行業者を利用するのはやめましょう。
業者が近づいてくることが多い
近年台風や大雨などの自然災害が多く発生しており、そのような災害が発生した後に火災保険代行業者が近づいてくることがあります。
その方法は、電話営業や訪問営業など業者から近づいてくるパターンが多いです。さらに最近ではインターネット広告で「保険金を使って無料で修理できる!」などと謳っている業者もあります。
無料を謳って営業してくる・広告を出している業者は、高い報酬を請求したり工事が行われないなどのトラブルに発展しやすいので、営業に遭った場合には契約せずに保険会社や代理店に確認するようにしましょう。
修理業者のサポートなら問題ない
火災保険申請代行業者と似ているような「申請サポート」を行う修理業者もあります。
この二つは似ているようですが、申請サポートはあくまでもサポートのみで、申請自体は契約者が行うので問題はありません。
火災保険の申請には、素人ではわかりづらい事もありサポートしてもらうことで、スムーズに申請することが出来たという人もいます。
ただ申請の代行は違反なので、あくまでも自分で申請をすることが重要です。
「申請しておきます!」という業者には気をつけましょう。
自然災害で家の修理が必要になった場合に、火災保険を利用して修理することを考えますが、申請するためには素人ではわかりづらい事が良くあります。
そんな時に「申請代行します!」と言われると楽したいと頼みたくなってしまう人もいるかもしれませんが、あくまでも申請するのは契約者本人でなければいけません。
これに違反してしまうと、保険金の給付が受けられないや保険の強制解約などの措置が取られてしまう事態になりかねません。
絶対に利用するのはやめましょう。
火災保険代行業者でよくあるトラブル
次に火災保険代行業者でよくあるトラブルについてお話します。
まず火災保険代行業者のビジネスモデルですが、修理業費用に保険代行費用を上乗せして請求書を作成し、保険会社に請求します。
そのままの金額の保険金が下りた場合は工事費用を抜いた金額が、代行業者の利益となります。
問題は修理費用と実際にかかる費用に差があることと修理自体が適当ですぐに壊れてしまうことです。
それらを実際の事例も合わせて解説していきます。
修理費用と実際にかかる費用に差がある
工事業者が行う工事には定価がなく、値段設定は自由です。
そのため実際にかかる費用に上乗せして高額な修理費用を請求することができます。
最初は安い金額を提示していても、ここも破損しているなどと言って当初の金額の何倍にもなってしまう事でトラブルに繋がることもあります。
常識を超える金額の保険請求をすることで、保険会社と争うことになり保険金の支払いが遅れたり、支払われない事態になってしまうこともあります。
修理が適当ですぐに壊れる
火災保険代行業者と修理業者がセットの場合、修理が専門業者ではないことがあります。
そうなると建築専門でないため、修理が適当ですぐに壊れてしまうというトラブルに巻き込まれてしまいます。
工事の品質に不安が生じて解約しようとしても、高額なキャンセル料金を取られるなど2次トラブルにも繋がります。
実際に会った事例
実際にあったトラブルの事例についてお話します。
- 無料と言っていたのに、保険金が支払われず高額な支払いをするように迫られた。
- 強引な契約をさせられてしまい、キャンセルしようとしても高額なキャンセル料金を請求されてしまった。
- 「古くなっているところも火災保険で請求しましょう」と言われたが、老朽は保険対象外なので保険金詐欺に当たり支払われなかった。
- 代金として保険金を前払いとしたのに、工事が着工されない。
などのトラブルがあります。
これらのトラブルを回避するためにも、営業があった場合にはまずは保険会社や代理店に確認するようにしましょう。
代行業者の被害に遭ったら消費者生活センターに連絡
どんなに注意していても被害に遭ってしまうという人がいます。
もし自分が被害に遭ってしまった、トラブルになってしまったという時には「消費者生活センター」に連絡をしましょう。
消費者請託センターとは、商品やサービスなど消費生活全般の苦情や相談に専門の相談員が対応してくれ、公正な立場から処理してくれる公的機関です。
全国に窓口があるのでトラブルになってしまった場合には、お近くの消費者生活センターへ連絡を入れましょう。
近くの窓口がわからないという人は、消費者ホットラインの188(イヤヤ)に電話をして、案内を受けることも可能です。
うまく擬態している代行業者を見つける方法
火災保険代行業者とすぐに分かれば回避することもできますが、中には上手く擬態して紛れ込んでいる業者も存在します。
そのような業者を見分ける為のポイントは5つあります。
- 保険対象外の工事を受け付けない
- 相見積もりに懐疑的な業者
- 実際に工事を他社に頼む場合に保険申請手数料やキャンセル料を請求する業者
- 工事の提案力に欠ける業者
- 火災保険に関する話ばかりの業者
さらに「無料」「保険内で修理するため自己負担0」などというのを強調するような広告・営業をしている業者にも注意が必要です。
少しでも怪しいと感じたら、すぐに保険会社や代理店、消費者生活センターなどに相談や確認するようにしましょう。
強引な契約をすぐに結んでしまうことの無いように注意が必要です。
火災保険申請代行業者に注意して適切に火災保険金を受け取ろう
災害で家に修理が必要となった場合に火災保険を利用して修理しようと考えますが、自分で申請をするのが難しい、時間がない、面倒などの理由から「火災保険申請代行業者」を利用したくなってしまう人もいるかもしれません。
しかし火災保険は契約者が申請を行うことがルールで決まっているので、他人が申請することは違反になってしまいます。
バレると保険金を受け取れないばかりか、保険の強制解約などの事態になり大変なことになります。
自分で申請をする必要があるという事をきちんと理解しておきましょう。でも火災保険の申請は素人には難しく、わかりづらいこともあるので、そんな時には、専門の人にサポートをしてもらい自分で申請を出すという方法もあります。
悪質な「火災保険申請代行」に騙されることなく、適切な方法で火災保険の保険金を受け取るようにしましょう。