生活していれば、ついうっかりモノが落ちてフローリングに傷がついてしまうこともありますよね。
中にはフローリングの板がめくれあがったりして、生活する上で危険な状況になることも。
そのまま放置して生活するのも危ないですが、修理費用のことを考えると頭が痛くなってしまうでしょう。
実はフローリングの傷であっても、条件を満たせば自宅にかけている火災保険で補償できるんですよ。
ですが保険金がおりる条件や、請求の流れについては皆さん知らない方も多いと思います。
そこでこの記事では、火災保険でフローリングの傷を補償して保険金を受け取る際に必要な条件や申請の流れについて、解説していきます。
目次
火災保険でフローリングの傷が補償可能な条件って?
冒頭でも紹介した通り、フローリングの傷は火災保険で補償可能です。
火災保険と聞くと、火災が起きたときだけ保険金がおりるというイメージが一般的ですが、家に生じた損害であれば地震や火山の噴火以外であれば、保障が適用されるんです。
ではフローリングを火災保険で補償する際に必要な条件を、以下で詳しく解説していきます。
条件①偶然の事故で傷がついてしまった
火災保険のどの損害でも共通する話なのですが、故意ではなく偶然の事故でフローリングに傷がついてしまった場合、保険が適用されることになります。
偶然の事故というとふわふわした条件で分かりづらいですが、予測ができないような事故で、原因や発生日が明確にわかっているのであれば、保険会社に請求が可能です。
子供が遊んでいる最中に損害が発生してしまった場合がよくあるパターンとして挙げられます。
条件②破損・汚損の保障がついている
火災保険でフローリングの傷を修理するときには、破損・汚損補償を利用することになります。
そのため加入している火災保険に破損・汚損補償がついていることも、条件の一つとして挙げられます。
一方で水漏れによるフローリングの損害においては、他の補償が適用されることになりますので、注意が必要です。
条件③補償対象に家屋が設定されている
火災保険でフローリングの床を修理するときは、火災保険の補償対象に家屋が設定されていることも条件の一つとして挙げられます。
火災保険に加入するときには、家の建物自体を対象にする家屋補償と、テレビなどの家電や家具などの家財補償あるいはその両方のいずれかを補償対象として決定します。
家屋・家財の両方を補償対象にしていれば問題ないのですが、家財のみに補償を限定していると、火災保険会社に保険金を請求できません。
火災保険でフローリングの傷を修理する際の注意点
火災保険でフローリングの傷まで修理できると聞くと、「傷がついたらとりあえず申請すればお得なんじゃないか」と思う方もいるかもしれません。
しかし闇雲に申請しても、保険金の請求が突っぱねられる可能性もあるので、以下の注意点をよく読んだ上で、申請するかを検討しておく必要があります。
以下で注意点を3つ紹介していますので、是非参考にしてくださいね。
保険金は修理費用全額もらえない
保険金に対して巨額なお金のイメージを抱える方も多いでしょうが、火災保険などの損害保険においては保険金は必要最低限の金額しか支給されません。
保険金を請求する際には、専門業者の修理費用の見積もりや、保険会社側が派遣してくる調査員の所見を参考に金額が決定されます。
修理に必要な最低限の金額を算出することになりますので、巨額の保険金を受け取ることはできません。
また火災保険では加入時に、保険金適用時に発生する免責金額を決定します。
免責金額とは、発生した損害に対して保険加入者が最低限支払う金額のことです。
支払われる保険金から免責金額を差し引いた分が、指定の口座に振り込まれることになりますので、修理に必要な金額がまるまるもらえるわけではないことを、事前に把握しておかなければなりません。
修理費用が免責金額以内だと保険金がおりない
ちょっとの傷で保険金を請求しようとする方もいるでしょうが、見積もりを取った時に修理費用が免責金額よりも少ないと判定される場合には、保険金がおりません。
免責金額内で対処できるということは、わざわざ保険金を支払ったとしても意味がないと判断されるためです。
そのため「修理にかなりの金額がかかる」と判断できるときに、保険金を請求することをすすめます。
また修理業者に見積もりを依頼して、修理費用が明確になってから申請を検討しましょう。
生活に支障のない傷は保険適用外になる
火災保険では、あくまで生活に支障の出る損害に対して、保険金が支払われる決まりになっています。
そのため修理費用が免責金額よりも高かったとしても、歩くのに問題ない傷であれば保険金はおりません。
見た目が悪いからという理由で利用しようとしても、申請が通らないことが多いので注意が必要です。
故意に壊した場合は保険金がおりない
フローリングについた傷が故意によるものの場合は、保険金がおりない仕組みになっています。
火災保険では損害に対して保険金が支払われますが、中にはわざと壊して保険金だけ受け取ろうとする人がいるためです。
火災保険では修理費用を受け取った後は、保険会社からは用途が指定されていないため、修理目的以外で利用できることがあります。
故意に壊して修理費用だけせしめようとする人を未然に防ぐために、保険金の支払いは断られます。
また重大な過失が認められる場合も、保険金の支払いが受けられないこともあります。
不注意でも「これはグレー」とあまりにも故意に近い場合は、重過失として保険金支払が受けられないこともあります。
フローリングに発生したカビは火災保険の対象外
床に直置きで布団を敷いている一人暮らしの方も多いですよね。
布団は水分を多く含みますから、フローリングにカビが発生してしまう可能性が高いです。
残念ながらフローリングで発生したカビに関しては、火災保険の補償対象外です。
保険金の支払要件には含まれませんので、注意してください。
賃貸だとクッションフロアという、フローリングを模したカーペットがあらかじめ敷かれていることもあります。
クッションフロアの場合は非常にカビ安いので、普段から換気を徹底するなど、生活環境を整えておきましょう。
賃貸なら修理費用補償や借家人賠償責任特約をつけておく
持ち家だけでなく、賃貸契約している住居でもフローリングに傷がついてしまうこともあるでしょう。
退去時には入居時と同じように原状回復させる必要がありますから、できるだけ出費は減らしたいですよね。
賃貸契約で加入する火災保険では、修理費用補償や借家人賠償責任特約が付いていれば床の傷を補償できる可能性があります。
火災保険会社の判断によりますので、特約が保険に付帯されているのであれば一度問い合わせてみることをおすすめします。
賃貸の場合でも、予測不能な事故で起きた損害が条件に当てはまることには変わりありませんので、生活しているうえで物体を引きずって付けた傷などは補償されないので注意が必要です。
火災保険でフローリングの傷を修理する流れ
では実際に火災保険でフローリングの傷について保険金を請求するときには、どのような流れで請求すればいいのかわからないという方もいるでしょう。
そこで以下では火災保険における、保険金請求手続きの流れを紹介していきます。
保険会社に損害が発生したことを連絡
まず火災保険に保険金請求をするには、請求に必要な書類を受け取るために火災保険側に損害が発生したことを連絡するようにしましょう。
各保険会社の受付ダイヤルがあるので、公式サイトや保険契約時の資料を基に連絡してください。
すると1週間~2週間程度で自宅に保険金請求に必要な書類が届きます。
保険金請求に必要な書類の提出
保険金請求に必要な申請書類に、案内に従って記入しましょう。
同時に修理に必要な費用についての見積書を取っておくことも重要です。
また保険会社に対して、被害状況が分かる写真を求められますので、フローリングの傷の写真も撮影しておきましょう。
フローリングの損害状況の確認
保険金申請に必要な書類をまとめて保険会社に送付すると、保険会社から担当者や指定の損害調査員が自宅まで派遣されます。
提出された書類と実際の損害状況を確認し、保険金を支払うべきかどの程度保険金を支払うのかを判定してくれます。
調査内容は一度持ち帰られ、保険会社側で再検討されます。
保険金支払い
調査員の報告内容と契約者の申告内容を検討した結果、保険金を支払うべきと判断される場合には、指定の口座に支払われます。
保険金を利用して、速やかにフローリングを修理するようにしましょう。
フローリングの傷で保険金請求しても保険料はそのまま
フローリングの傷を火災保険で修理しようと検討している人の中には、「保険金請求をしたら更新後に保険料が上がるのではないか…と不安になっている方もいますよね。
実は火災保険では、損害が発生して保険金を請求しても保険料は上がらないシステムになっています。
同じ損害保険として扱われる自動車保険では、保険加入中に事故を起こして保険金を請求すると翌年の契約更新時に等級が下がってしまい、保険料が高くなってしまいますよね。
しかし火災保険では等級制度が導入されておらず、築年数に応じて保険料が変わりますので保険金を請求したからといって、保険料は上がることはないんです。
しかし保険料が上がらないから闇雲に保険金を請求するのはやめましょうね。
フローリングの傷でも火災保険を利用して経済的に直そう
いかがでしたか?
生活していてフローリングに傷がついてしまうのは防ぎようがありません。
そのため火災保険を上手に活用して、少しでも経済的に修理していくことをおすすめします。
しかしすべての傷が保険適用対象になるわけではなく、保険適用の条件を満たしている必要があるため、傷の様子と合わせて検討しておく必要があります。
保険金請求の流れとあわせて、どこまで利用できるのかを判断して、火災保険で必要な補償を受けられるように行動しましょう!