火災保険に加入しているけど、台風の強風の影響で自宅に倒木の被害が起こってしまった場合でも補償は効くのか?と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
被害に遭ってしまった場合に慌てないように、火災保険の倒木被害の際の補償について詳しく解説していきます。
目次
火災保険で自宅への倒木被害を補償できる?
火災保険は、住宅が火災などの被害に遭ってしまった時に補償するものですが、倒木被害も補償してくれる場合もあります。
まず最初に倒木被害に関しての補償は、保険会社によって異なるという事をお話しておきます。
倒木を補償の対象ととしている保険会社であっても、保険金を給付するにはいくつかの条件があります。ポイントとなるのは以下の通りです。
補償対象が建物なら保険金が支払われる
火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分かれます。
庭木の扱いは「建物」となり、火災保険の補償対象であれば、倒木被害でも保険金を支払われます。
自分が加入している火災保険が庭木に対して「建物」として補償しているかどうかを知るには、約款に記載されていますがよくわからないと言う人は、保険会社の担当者に直接確認してみましょう。
ちなみに補償対象の「建物」は建物の付属していて動かせないもの「家財」は引っ越しの際に持ちこむような動かせるものと考えて分けます。
7日以内に木が枯死しないと支払われないことも
庭木が火災保険の補償の対象であっても、保険金を支払う条件として「7日以内に木が枯死している」という事をクリアしている必要があります。
倒木しても7日以内に枯死していると判断されないと保険金の給付を受けることが出来ないこともあるので、詳しい条件については約款を参考にしてください。
台風の場合は基本補償の風災で対応
倒木被害が台風による強風などの場合には、火災保険の基本補償の「風災」を適用します。
多くの火災保険は、自然災害を補償の対象としており上記のように台風による強風での倒木では、自然災害に当たるので補償の対象となるのです。
ただ自然災害でも地震は対象外になるので、後程解説します。
保険会社によって判断が変わる
ここまで火災保険が倒木被害の対象となるのかという事についてお話してきましたが、最初にも少しお話した通り保険会社によって判断が変わります。
自分が加入している火災保険が倒木に対して補償をしているかどうかの確認をする必要があります。
保険金に上限がある
倒木被害による保険金給付には上限があります。
1回の事故につきいくらまでと言う上限が決められており、それを超えた分は実費で支払うことになります。
また免責金額が決められていることもあり、いくら以上の被害が出た場合のみ保険金が支払われるというケースもあるので、合わせて確認しておくことをおすすめします。
このように、倒木被害に遭ってしまった場合火災保険の補償の対象が「建物」となっていれば、保険金が給付されます。
その際に、台風の影響による強風では自然災害の「風災」として基本的な補償の対象となります。
しかし保険金が給付されるには条件があり、7日以内の庭木が枯死している必要があります。
自分が加入している火災保険の約款をよく確認し、上限や免責金額・そもそも補償の対象なのか等をきちんと知っておくことが大切です。
わからないことは、保険会社の担当者に確認するようにしましょう。
他者への被害は基本賠償責任がない
ここまでは自分の家に対する倒木被害についてお話しましたが、自分の家の庭木が他人の家に被害をもたらしてしまったという事も起こりかねません。
その際に、他人の家の倒木被害を火災保険がカバーしてくれるのか?という事についてお話して行きます。
台風の影響で強風が吹き自分に家の庭木で他人の家に被害を与えてしまった場合、基本的に賠償責任はありません。
それは民法上で決まっており賠償責任を問われることはありません。
しかし、管理不足で倒木被害をもたらしてしまった場合は賠償責任を問われてしまいます。
そんなときのために、個人賠償責任保険への加入をおすすめします。それぞれの詳しいお話は以下の通りです。
民法上は賠償責任対象外
台風による倒木など、不可抗力によって生じてしまった倒木被害に関しては民法上賠償責任を問われることはありません。
なのでしっかりと手入れをしていた庭木が台風などの自然災害で倒木してしまい、隣の家や通行人にケガをさせてしまった場合でも賠償責任の対象外となります。
逆を言えば、隣の家の木の倒木被害に遭っても、賠償責任を問うことが出来ないという事です。
しかし1点注意が必要なのがきちんと手入れをしている必要があるという事です。
管理不足は賠償責任が生じる
台風などの自然災害による不可抗力の倒木被害では、賠償責任を問われないという事を説明しましたが、管理をきちんとしていた場合に限った話です。
管理不足に問われてしまう可能性がある事例としては、弱っているのに支柱などのケアがされておらず強風で倒木してしまった・腐食を放置していて倒木した等では、賠償責任を問われてしまいます。
普段からきちんと手入れをして、腐食や傾きなどがあれば、伐採や支柱などのケアをして倒木のリスクを減らしておくことが大切です。
個人賠償責任保険があれば安心
普段のケアが不十分で隣の家に倒木被害を出してしまった場合、修繕費や賠償金などたくさんのお金が必要になってしまいますが火災保険を利用することが出来ません。
そんな時に利用できるのが「個人賠償責任保険」です。
個人賠償責任保険とは、日常生活において第三者にケガやものを壊したりした際に保障してくれる保険です。
倒木被害を起こしてしまった場合や、それ以外の子どもがケガをさせてしまったり、モノを壊してしまったなど日常生活におけるあらゆる場面で補償が効きます。
日常生活で起こり得ることを幅広く補償してくれるので、入っておくと安心です。
他人や他人の家に倒木被害を与えてしまった場合、賠償責任を問われることはありませんが、これは普段からきちんと手入れをしている場合に限ります。
不安があるのであれば「個人賠償責任保険」に加入しておくことをおすすめします。
しかし普段から被害を出さないためにも、庭木の管理を徹底しておくことが重要です。
地震での倒木は補償対象外
先ほど少しお話しましたが、火災保険では地震で倒木被害に遭ってしまっても補償の対象外です。
地震での倒木被害の場合は、火災保険とセットで加入する地震保険を利用することになります。
地震保険は、地震や噴火またはこれらの影響による津波などが原因で火災・損壊・埋没・流出などを補償する保険です。
なので地震の影響で倒木し被害が出た場合には地震保険を利用することになります。
ただし、地震保険は認定するのに建物の主要構造部の損壊状況で判断されるということを知っておく必要があります。
ですので地震による倒木被害が出ても、構造主要部が保険金を支払う基準を満たしていなければ保険金の支払いがされないのです。
このことをしっかりと理解しておきましょう。
普段の手入れを怠らずに有事の際は火災保険を利用しよう
今回は火災保険と倒木被害についてお話してきました。
倒木被害が出た際には、保険会社によっても対応が異なりますが、補償対象が「建物」であれば火災保険を利用し給付を受けられる可能性が高いです。
しかし保険金の給付を受けるのは条件もあり、金額にも上限が設けられています。
一度自分が加入している火災保険の補償対象に倒木が含まれているか、条件や上限金額を合わせて確認しておくことが重要です。
そして何より普段から倒木被害に遭わない、他人を倒木被害に遭わせないためにもきちんと手入れをしておくことが重要です。
それでも自然災害は予測がしづらいので、被害に遭ってしまった場合には慌てずに保険会社に連絡をして保険を利用しましょう。
まずは倒木しないように管理を徹底することをおすすめします。