近年、台風や豪雨の水害、地震などの災害の発生件数が増えています。
災害に備えて火災保険に加入すると同時に、地震保険の加入も検討している方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、火災保険と地震保険の違いを3つのポイントに分けて徹底解説します。
地震保険に加入を検討している人は、加入前に確認して参考にしてみてくださいね!
5分で読み終わる内容にまとめてあります。
目次
火災保険と地震保険の基本
火災保険と地震保険の違いを知る前に、この2つの基本的知識について確認しておきましょう。
両方とも損害補償保険という、保険加入者が何らかの損害を受けた際に、補償範囲内であれば補償してもらえる保険です。
それぞれの詳しい知識は以下でまとめてあります。
火災保険
火災保険とは、みなさんご存じの通り火災で発生した損害を補償するために加入する保険です。
持ち家の場合は住宅ローンの加入時に、賃貸の場合は契約時に加入するのが一般的です。
火災保険では自分で起こした火災の他にも、放火による火災や隣家からのもらい火にも対応できるため、火災全般に対応できます。
また火災以外にも落下物やイタズラなど火災以外の損害も補償してもらえるケースがあります。
しかし火災保険では建物部分のみの補償ですから、家財道具や電化製品の損害は補償してもらませんので、別途家財保険に加入する必要があります。
地震保険
地震保険はその名の通り、地震によって発生した損害を補償してもらえる保険です。
先の阪神大震災や東日本大震災では、地震による火災や倒壊によって損害を被る方が非常に多くいました。
また海岸部では、地震によって発生した津波で家屋が流されてしまう事態も発生しました。
地震保険は上記のような損害を補償する保険です。
今後南海トラフ地震の発生確率が上昇していることからも、加入を検討する人が増えている注目度の高い保険です。
火災保険と地震保険の違いを知る3ポイント
火災保険と地震保険の基本について把握できたところで、本題に入ってそれぞれにどんなちがいがあるのかについて確認していきましょう。
火災保険と地震保険には、以下の通り3つの違いがあります。
- 補償内容の違い
- 保険料控除の対象になるか
- 保険料や補償内容で比較できるか
以下で詳しく解説していきます。
①補償内容の違い
火災保険と地震保険の基本の項目でも少し触れましたが、それぞれの補償内容に大きな違いがあります。
火災保険は地震以外の災害や事件による破損も補償
火災保険はその名の通り、火災が発生したことによる損害を補償してくれる保険です。
しかし保険プランによっては、火災以外の災害や事件による建物損害も補償してもらえるのです。
代表的な例は以下の通りです。
- 放火や隣家のもらい火による火災
- 落雷によるコンセント・家電発火火災
- 台風や雪、ひょうなどの風災
- 洪水や土砂災害などの水害や浸水被害
- 落下物や車が家に突っ込んだとき
- 集団行為やいたずら
- 空き巣などによる盗難
風災では、家本体だけでなくカーポートや太陽光パネルも家財保険に入らずとも補償してもらえます。
また落雷によるコンセント・家電発火火災では、建物部分のみの補償になりますので発火した箇所であるコンセントや家電の補償は別途家財保険に加入する必要があります。
しかし、日本で頻繁に発生する地震による損害には対応していません。
地震保険は地震や津波で発生した損害を補償
地震保険では、火災保険ではカバーできない地震や津波による損害を補償してもらえます。
地震では家屋が倒壊したり、沿岸部では地震によって発生した津波によって家屋が流されてしまうことも想定されます。
火災保険でカバーできない損害を補償してもらえるので、火災保険のオプションとして付けられることがほとんどです。
火災保険の補償対象が反映されますので、火災保険で家財補償をつけていないと地震によって家財が損害を受けた際に補償を受けられない可能性があるので注意が必要です。
また、地震だけでなく火山の噴火による損害も補償されます。
②保険料控除の対象になるか
保険によっては住民税などの税金徴収時に、保険料控除として控除を受けられることもあります。
火災保険と地震保険では、保険料控除の対象かどうかにも違いがあるので確認しておきましょう。
火災保険は保険料控除の対象外
火災保険は残念ながら保険料控除の対象外です。
10年くらい前までは、火災保険が分類される損害保険料控除という制度がありましたが廃止されてしまいました。
そのため税控除には活用できないので注意が必要です。
地震保険は保険料控除の対象内
地震保険は保険料控除の対象内です。
上に挙げたように損害保険料控除は廃止されてしまいましたが、廃止された代わりに「地震保険料控除」の制度が新しく始まりました。
新潟県中越地震や東日本大震災、熊本地震など数年に1度の割合で日本では震度6以上の地震が起こっています。
このように地震の発生頻度を考慮して、地震保険の加入を促すために税控除を設けています。
控除額は支払保険料によって異なります。
地震保険の年間支払い保険料が5万円以下の場合は、所得税は保険料分が控除され、住民税は保険料の半分の金額が控除されます。
一方で、保険料が5万円を超えている場合は、所得税は5万円控除、住民税は2万5000円ぶん控除されます。
③保険料や補償内容で比較できるか
保険を選ぶ際は、その保険の補償内容や月々支払っていく保険料など様々な点を考慮して比較するのが一般的です。
実は火災保険と地震保険には、内容や保険料で比較できるかどうかにも違いがあります。
火災保険は補償内容や保険料が会社ごとに異なるため比較可能
火災保険は補償内容や保険料が保険会社ごとに異なるため、比較して選ぶことができます。
補償内容にオプションをつけたり、自分の収入や生活レベルにあった保険料に見直しすることもできます。
上に挙げたように火災以外の補償や、家財補償をつけることもできますので、自分にあった保険にカスタマイズできるのです。
地震保険は補償内容や保険料が一定なので比較不可
地震保険は火災保険のように比較して選ぶことができません。
上にも挙げた通り、地震保険は税控除を設けて政府が加入を促しています。
実は地震保険は政府と保険会社が共同で運営している保険です。
政府と保険会社が共同で運営しているにもかかわらず、保険料や補償内容が会社ごとに違うと、条件の良い保険会社に利用が集中してしまいますので不平等です。
以上のような理由から、地震保険は保険料や補償内容において保険会社ごとに違いがありませんから、比較して選ぶことができないのです。
注意!地震保険は火災保険とセットで入る必要あり
地震保険は単体で加入できない保険であることをご存じでしょうか?
基本的に地震保険は火災保険とセットで加入する必要があるのです。
火災保険に加入時に、自動的に加入することになります。
もしも加入を希望しない場合は、火災保険加入時に断ることができます。
火災保険とセットで加入するため、保険金額も火災保険との関連性が深いです。
通常、地震保険で契約する保険金は火災保険の30%~50%程度で、補償金額の上限を建物5000万円、家財1000万円に設定されています。
もしも加入の際に地震保険に加入せず、後々に加入したい!となった場合でも追加加入hできますので安心してください。
地震保険に加入したほうが良い人の3つの特徴
地震保険は火災保険に追加する形で加入する選択制の保険ですので、必要ないと感じた方は入らなくてもいい保険です。
しかし以下の特徴に当てはまる人は地震保険に加入したほうが良いでしょう。
- 地震の多い地域に住んでいる人
- 巨大地震が想定されている地域に住んでいる人
- 火災保険だけでは不安な人
以下で詳しく解説します。
地震の多い地域に住んでいる人
地震が頻繁に発生する地域に住んでいる人は出来るだけ加入しておくようにしましょう。
特に、東北地方や新潟県など活断層や大きなプレートの境目に住んでいる方が当てはまります。
地震が多いということはそれだけ損害のリスクが高いということになりますので、備えてておいて損が無いでしぃおう。
しかし地震に対する警戒が強いと判断された地域に関しては、自動的に加入ではなく不可契約になることもありますので気を付けましょう。
巨大地震が想定されている地域に住んでいる人
数十年中の巨大地震の発生確率が高い地域に住んでいる人も、地震保険に加入しておきましょう。
特に最近は南海トラフ地震の発生確率が上昇しています。
南海トラフ地震の被害が予想される地域でも、もしもの事態に備えて加入しておきましょう。
火災保険だけでは不安な人
最後に、火災保険だけでは不安な人も加入しておきましょう。
火災保険では広い範囲の損害をカバーできますが、唯一地震や火山噴火の損害の補償が用意されていません。
そのため中にはすべての補償をカバーできていないことを不安に思う方もいるのではないでしょうか?
些細な不安でもストレスになってしまいますので、補償内容をできるだけ完璧にしたいという方も加入しておきましょう。
火災保険と地震保険を併用して不測の事態に備えよう
いかがでしたか?
火災保険と地震保険は両方とも損害保険の一種ですが、3つ違いがあることをお伝えしました。
火災保険は火災以外にも水害や風災、落雷や犯罪による建物損害を補償してもらえますが、地震や火山噴火による損害を補償してくれるわけではありません。
そのため地震保険に加入して、不足している補償をカバーできます。
また地震保険は保険料や補償範囲が一定なので、複数の保険会社を比較する必要がありません。
地震保険に加入することで控除を受けることもできます。
しかし地震保険はそれ単体で加入することができないので、火災保険と同時に入るか追加するようにしましょう。
火災保険でも補償内容は広いですが、必要に応じて地震保険への加入も検討してみてくださいね!