最近では「ゲリラ豪雨」と呼ばれる短期間に強烈な雨が降る天候が多発しています。
皆さんの中にもいきなり雲行きが怪しくなって、ずぶぬれになった経験がある人もいますよね。
予測が難しく大気の状態によっては浸水被害や落雷、突風などで家が浸水したり雨漏りが発生したりすることもあるでしょう。
ただ損害箇所の修理は高額になることがほとんどですから、気軽に修理できないのが現状。
ですが皆さんが家にかけている火災保険を活用すれば、保険金で修理費用を賄うこともできるんですよ!
そこで今回は火災保険でゲリラ豪雨の被害を修理するときの適用条件と、保険金を申請するときの注意点について解説していきます。
目次
火災保険は地震以外の自然災害による損害を補償できる!
「え?そもそも火災保険って家が火災になった時にしか使えないんじゃないの?」と思う方もいますよね。
実は火災保険は名前に「火災」とついているものの、地震以外の災害が原因の被害であれば保険金を受け取れるんです。
確認!火災保険に「風災」「水災」保障をつけている?
ゲリラ豪雨は急速に発達した低気圧による局地的な大雨や強風が発生する天候の一種です。
そのため川に近い地域では浸水被害が発生したり、暴風によって家に損害が発生して雨漏り被害が発生することも。
上述の通り火災保険では地震以外の自然災害を全般的に保障できますが、雨漏りや浸水被害を保障するには「風災」と「水害」の保障を特約として付加しておく必要があります。
風災補償 | 台風や竜巻などの暴風・突風による被害に備えられる |
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水災補償 | 洪水、融雪による浸水、高潮、土砂崩れに備えられる |
上記2つの補償を付加していないと、損害が発生して保険金を請求しても意味がありません。
ゲリラ豪雨の発生確率が高まる夏になる前に、加入している保険の保険証券を確認して置きましょう。
ゲリラ豪雨による被害を火災保険で修理する5つの条件
風災・水災補償に加入していれば無条件に火災保険へ保険金請求できるわけではありません。
- 損害保険会社から災害認定を受ける
- 被害が発生してから3年以内に申請している
- 火災保険に加入している本人からの申請である
- 加入時に設定した免責金額を超える修理金が発生する
- 浸水被害なら床上浸水or再調達価額の3割の被害
上記5つの条件を満たしている必要があるんですよ。
以下で個々の内容について詳しく解説していきます。
損害保険会社から災害認定を受ける
加入している火災保険会社(損害保険会社)から、水災あるいは風災であるとの認定を受ける必要があります。
保険金請求を行うと、被害状況や事実確認の為に保険会社から調査員が派遣されて、実地調査がおこなわれます。
ゲリラ豪雨が家の被害の直接の原因であると判断された場合にのみ、保険金が受け取れます。
被害が発生してから3年以内に申請している
火災保険では被害が発生してから3年以内が、保険金を請求できる期間に設定されています。
つまり過去の分も3年以内であれば、さかのぼって申請できるということにもなります。
ただし当時の被害状況や発生後経過した時間によって損害が進むこともありますから、できるだけ早期に申請するほうが得策です。
火災保険に加入している本人からの申請である
どの保険でも共通する話ですが、火災保険に加入している本人からの申請でなければ、損害に対する保険金を請求できません。
例えば夫が火災保険の加入名義を持っているのにもかかわらず、単身赴任中などを理由に妻が代理で保険金を請求することできないことになります。
忙しくでも加入者本人が申請手続きを行うようにしましょう。
加入時に設定した免責金額を超える修理金が発生する
火災保険では加入時に免責金額を設定しますので、ゲリラ豪雨によって発生した損害修理費用が免責金額を上回る必要があります。
免責金額とは、火災保険に保険金を請求する際に加入者側が支払いを義務付けられている自己負担額のことを指します。
免責金額は自分の意思で金額を選択できますし、免責金額が多ければ多いほど月々支払う保険料も安くなるシステムになっています。
加入時に設定した免責金額を確認して、修理業者に取ってもらった見積もりを照らし合わせて保険金を請求すべきかどうかを検討しましょう。
浸水被害なら床上浸水or再調達価額の3割の被害
ゲリラ豪雨によってマンホールの排水機能が機能しない、地形の問題などで浸水被害が発生することもあります。
ゲリラ豪雨による浸水被害を保険会社に申請するときには、以下2つの条件を満たす必要があります。
- 床上浸水または家の基礎から数えて45センチ以上の浸水が起きている
- 再調達価額の3割以上の損害が発生している
※再調達価額=新品を再度購入するときの金額のことを指す
火災保険でゲリラ豪雨による損害修理で注意すべき4つのポイント
保険金を請求できる条件を満たしていても、保険金を狙った犯罪や思わぬところで保障適用外に認定されてしまうこともあります。
以下では火災保険でゲリラ豪雨による損害を修理する際に注意すべきポイントを4つ紹介しています。
ゲリラ豪雨に関連しない被害は補償できない
前提としてゲリラ豪雨との関連性が直接証明できない被害は保障できません。
代表的な例としては以下が挙げられます。
- 天井の経年劣化による雨漏り
- 家施工時の設計ミスが疑われる雨漏り
またゲリラ豪雨が原因の可能性があるものの、関連性を証明できる気象情報や被害写真などから判別できない場合には「確実性がない」として申請が取り消されてしまいます。
安くすると近寄ってくる悪徳修理業者がいる
火災保険の保険金は住居の規模や使っている木材などによっては高額になることもあるため、保険金を目当てに近寄ってくる悪徳修理業者もいます。
「早く見積もりを出して修理をしましょう」「どこよりも最安値で修理しますよ!」とせかしたり安さをアピールしてくる業者には注意が必要です。
適当な見積もりや修理をおこなって、費用を本来よりも水増しして請求される可能性があるんです。
また「面倒でしょうから火災保険会社への保険金請求を代行しますよ」という勧誘にも注意が必要です。
本来もらえる保険金から間引かれる可能性や、そのまま持ち逃げされてしまう可能性があるためです。
いずれにしろ信頼できる業者かどうかを見極めてから利用する必要があるので、各業者の口コミや知り合いの業者に依頼するほうが良いでしょう。
少しでも被害状況の説明に誤りがあると申請が通らない
保険会社は保険料はしっかりと徴収する反面、保険金の請求に関してはかなり審査が厳しいことで有名。
他の加入者と平等に扱うために、申請内容に一つも間違いがないかを確認されます。
記入内容をミスしたり、電話で保険金請求の書類を申請した時と説明内容が異なる場合には、一貫性がないとして保険金請求が通らない可能性があるんです。
被害状況をまとめたメモなどを用意して、保険会社から突っ込まれることのないように準備しておく必要があります。
ゲリラ豪雨との関連性を証明するのが難しい
ゲリラ豪雨は気象庁によれば、以下の文言で定義づけられています。
ゲリラ豪雨 → 局地的大雨、集中豪雨など。
何mm以上の降水がゲリラ豪雨であるなど、詳細な定義がない曖昧なものだとわかります。
また局地的に発生するため、関連性を証明する資料を見つけるのも難しいです。
特に発生してから時間が経過した後に保険金を請求するとなると、経年劣化や他の原因による損害を疑われる可能性も上がるので、注意が必要です。
ゲリラ豪雨による被害を保険会社に請求する流れ
ゲリラ豪雨による家の被害を保険会社に請求する流れは以下の通りです。
- 保険会社に保険金申請書類を申請する
- 指定の書類を保険会社に提出する
- 保険会社指定の調査員による現地調査
- 保険金支払いの審査
- 保険金支払い後修理
保険会社に保険金申請をする段階で、以下の書類が必要になりますので不備なく用意するようにしましょう。
- 保険会社から送付される保険金請求書
- 業者による修理費用見積書
- 被害状況の確認できる写真
被害状況が激しく早く掃除しなければ生活が送れない場合は、被害状況をすぐに撮影して保管してから作業に入るようにしましょう。
ただし損害の程度がわからないレベルまで個人的に修理してしまうと、保険会社からの調査員によるチェックで跳ね返される可能性があります。
ゲリラ豪雨による被害申告はスピーディに!
いかがでしたか?
ゲリラ豪雨は年々発生確率も高まっており家屋が思わぬ被害に見舞われることもあります。
火災保険では被害とゲリラ豪雨の関係性さえ証明できれば、一定の条件を満たすことで保険金を請求して修理費用を賄えます。
早く申請することで被害状況の確認もスムーズに行えますので、すぐに手続きを行いましょう。
これからの季節ゲリラ豪雨が発生する確率も上がっていきますから、事前に火災保険に「水災」「風災」補償が付帯されているかを確認して、万一の場合に備えられるように行動しましょう。