保険会社が倒産したら保険契約はどうなる?保険料は返ってくるの?

保険会社 倒産

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保険に加入していてふと、「もしも保険会社が倒産してしまったら、私の保険契約ってどうなるの?」と疑問に感じるときもあるでしょう。

特にテレビやネットニュースで、企業が倒産したり破産申請している話を見かけると、さらに不安感が増します。

せっかく将来のために保険に加入したのに、会社が倒産したから保険契約はナシです!と言われたら…そんなの腑に落ちませんよね。

この記事では保険会社が万一倒産した場合に、皆さんの保険契約がどうなるのか、保険料は返ってくるのかについて、わかりやすく丁寧に解説していきます。

実際に過去に倒産した保険会社もある

「保険会社って大企業ばっかりだし!倒産するなんてないんじゃない?」と言い聞かせようとしたくなりますよね。

残念ながら、実際に倒産した保険会社は過去に数社あるんです。

しかも設立から歴史の古い企業でも、倒産に追い込まれたケースも中にはあります。

不況による運営体制の悪化、経営陣の采配によって倒産に追い込まれることもありますから、ある日急に保険会社が倒産したなんてニュースを見る可能性も十分にあるのです。

保険会社が倒産したら保険契約は継続できることが多い

では保険会社が倒産したら、保険契約は一体どうなってしまうのか気になりますよね。

過去の例を見てみても、保険会社が倒産した場合は、保険契約は維持できることがほとんどです。

以下で対応を確認していきましょう。

①保険契約を引き継ぐ会社があれば契約は継続できる

保険会社が倒産してしまったら、保険契約を引き継ぐ会社が現れれば、契約をそのまま引き継いで加入を継続できます。

「じゃあ引き継ぐ会社が現れなかったらどうするの?」と疑問に思う方もいるでしょうが、その場合は引き継ぎの会社が設立されることもあるので、安心してください。

日本では生命保険契約者保護機構が設けられており、万一保険会社が倒産してしまったときの補償を請け負ってくれます。

保険会社が倒産した場合には、生命保険契約者保護機構が主導して、契約者の保険契約の継続に向けて動いてくれます。

その過程で新会社を設立することも可能ですので、加入している生命保険会社が保護機構に加盟していれば、契約が消滅する心配は少ないでしょう。

②契約を引き継がれても契約内容が下げられることも

倒産した保険会社の契約を維持するために救済してくれる会社が現れたとしても、元の契約内容の維持はできません。

保険会社には保険金支払いのために用意されている責任準備金がありますが、契約を引き継がれた後は原則責任準備金の9割までしか保障されません。

つまりそれまで保険料を支払ってきても、当初契約している保険金は減額されて支払われることになります。

また保険契約が引き継がれた後に、予定利率を引き下げられることもあります。

保険金の減額と予定利率の引き下げが行われるので、貯蓄性の高い保険に加入している場合には、当初予測していた金額よりも大幅に少ない金額を受け取る羽目になる可能性もあります。

ただし確実に責任準備金や予定利率の引き下げが行われるわけではなく、倒産した会社の状況や引き継ぎ企業の方針次第で軽い被害で済む可能性もあります。

③保険料を前納しているなら払い戻しが認められないこともある

保険を契約している方の中には、保険料が安くなるからと前納している方もいますよね。

前納して残りの保険期間のの保険料を支払っているのにも関わらず、保険会社が倒産してしまった場合、支払済みの残りの保険料は原則加入者の意思で払い戻しは受けられません。

また保険が他の保険会社に引き継がれて、今後も保険契約を継続する意思がある場合には、保険料を継続して支払う必要も出てきます。

万一他の保険会社に引き継がれた後に保険を解約して保険料を払い戻すことが認められた場合でも、残りの金額が満額帰ってこないこともあります。

保険会社が倒産した直後に保険を解約すると返戻金が減額されることもある

「保険会社が倒産したからすぐに保険を解約して、利率が下がる前に返戻金を確保しよう」と考えることもあるでしょう。

保険会社が倒産した後に保険を解約して、解約返戻金を受け取ることはできますが、返戻金が減額されてしまう可能性もあります。

保険会社が倒産した後には、加入者から保険契約の解約が集中する可能性があります。

その場合現状残っている責任準備金では対応しきれなくなり、ほかの加入者が契約を継続できなくなる可能性も出てきます。

解約時には早期解約控除制度が適用されて、通常の解約返戻金の減額金額に加えてさらに返戻金額が減額されます。

解約返戻金は保険料払込期間を超えてある程度の運用期間を確保できない限り、払い込んだ保険料よりも少ない金額で払い戻しされます。

ただでさえ払い込んだ保険料よりも少ない金額で払い戻しされるのに、さらに返戻金が減額されてしまうので、保険会社の倒産時に早期解約するのは得策ではありません。

保険会社が倒産する3つの理由

保険会社=大企業というイメージがありますので、倒産するなんて想像もつかない方もいますよね。

過去の事例や可能性から言うと、保険会社が倒産する理由は以下の3つにわけられます。

  • 単純な業績悪化
  • 金利や株価の急激な暴落
  • 災害などで保険金支払が集中した時

以下で詳しく解説していきます。

単純な業績悪化

景気が悪く、単純に会社の業績が悪化して倒産してしまうケースもあります。

ただしのちに紹介するソルベンシー・マージン比率を一定の基準を下回ってしまうと、金融庁から勧告を受けることもあるので気づきやすいでしょう。

金利や株価の急激な暴落

保険会社が倒産する最も多い理由は、金利や株価の急激な暴落によるものです。

景気がいいときに会社が独自で指定した予定利率のまま運用している最中に、一気に不景気になって金利や株価が暴落すると、保険会社が保険料を運用する際に用いる金融商品の価値も下がってしまいます。

すると当初契約者に約束していた利率のまま運用を続けていくと、入ってくる保険料に対して約束していた分の運用益を出せないまま、支出だけが大きくなっていきます。

そのまま運用を続けていくと、最終的に経営が傾いてしまい、会社の倒産につながるわけです。

バブルがはじけた後に多発したため、現在では異常に高い予定利率で契約されることはなくなりましたが、社会変動に応じて金融資産の価値が暴落してしまうこともあります。

災害などで保険金支払が集中した時

災害などで保険金支払が集中してしまい、保険会社の支払い能力を超えてしまうと保険会社が倒産してしまう可能性もあります。

ただし地震や津波など大規模な災害が発生した場合には、保険会社の負担軽減のために保険金が減額されたり支払いが行われないこともあります。

東日本大震災のときは保険金はきちんと支払われ、その後倒産している企業はありませんので、心配する必要は少ないでしょう。

保険会社が倒産するか見極めるならソルベンシー・マージン比率を確認

「保険会社の株価とか、いちいち確認するのは面倒だし何が基準かわからない!」という方も中にはいますよね。

保険会社が倒産するかを見極めたいなら、各保険会社が年1で発表しているソルベンシー・マージン比率を確認してみましょう。

ソルベンシー・マージン比率は、保険会社がどれだけの保険金支払い能力を有しているかをあらわす比率のことです。

保険会社が支払い能力もないのに、保険契約だけを行い保険料を集めていると、契約者の権利が守られない可能性もあります。

保険会社がどれだけ健全に経営しているかを把握するために、保険会社が確保している準備金や資本金、証券の評価額など資産を総合した金額(=ソルベンシー・マージン総額)を算出します。

ソルベンシー・マージン総額を、予測不能なリスクに対応する金額の半分で割った数値に100をかけた割合で、経営状態を把握します。

200%を超えていれば、基本的には安心だといわれています。

注意!自社発表の数値は信用できないかも

ただしソルベンシー・マージン総額は、保険会社側で把握している金額で算出されますので、数値が確実に正確であるとは言えません。

またソルベンシー・マージン比率は自社で計算して公表していることがほとんどなので、経営状態を確実に把握できるわけではないのです。

自社発表の数値を信用しすぎずに、他社によるランキング評価も参考にしながら、どの保険会社が安全かを見極めておきましょう。

保険加入時には保険会社の運営体制をよく見ておこう

いかがでしたか?

保険会社は大企業によって運営されていることが多いので、倒産することはないと安心しきってしまう方もいるでしょう。

ですが経営状態の悪化や金融資産の価値の暴落により、保険会社が倒産してしまうこともあるので注意が必要です。

保険契約は原則として、生命保険契約者保護機構によって次の引継ぎ会社が設立されるか、別の企業によって契約が引き継がれますので消滅することはありません。

しかし契約が引き継がれることによって、保険金が減額になるなど保障内容の引き下げが行われることもあります。

保険加入時には保険会社の運営体制を確認して、将来的に倒産する可能性はないかを把握しておくことをおすすめします。

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