最近では高校卒業後半数の人が大学進学しており、皆さんのお子さんも将来大学で学ぶ選択をするかも知れません。
しかし学費の安い国公立大学は難易度が高く、場合によっては私立大学に進むこともありますから、いつどんな選択をしても好きな進路を選ばせてあげたいと思いますよね。
学資保険は子供の教育費を効率的に貯められる保険ですが、小学校入学前までに加入するのが一般的ですので、タイミングを逃してしまい子供が小学校に入学してしまった方は「もう間に合わないんじゃ…」と不安になってしまうかもしれません。
そこで今回は小学生からでも学資保険に加入出来るのか、そして学資保険以外の教育費準備法も紹介していきます。
目次
学資保険に加入するなら小学生までがラストチャンス
「タイミング逃したから学資保険で教育費を貯めるのは絶望的かな…」と不安になってしまう方もいるでしょう。
ですが学資保険に加入するなら実は「小学生まで」がラストチャンスになるのです。
理由は以下の3つです。
- 満期までの期間が短いほど損をするので小学生なら余裕がある
- 中学生以降は教育費以外の支出もある
- 小学生以降は加入出来る学資保険が無くなる
以下で詳しく解説していきます。
①満期までの期間が短いほど損をするので小学生なら余裕がある
学資保険では加入者から支払われた保険料を元に、保険会社が資産運用をしながら貯蓄していきます。
0歳児に加入し満期を18年に設定すると、その期間分保険料を運用してもらえるので支払った保険料よりも受け取る返戻金が大きくなります。
小学生、特に低学年の頃に加入すれば18歳まで10年以上ありますから、運用期間を確保できるのです。
しかし中学生になって加入しようとすると5年で目標金額を達成することになりますので、運用期間が確保できないため他の加入者よりも受け取れる満期金が少なくなる可能性があるのです。
②中学生以降は教育費以外の支出もある
小学校を卒業するとそれまで教育費だけで済んでいたものが部活動や公害活動費など支出が増加します。
その中で保険料負担を増やすとなると家計の負担が増大してしまいます。
小学生までに加入しておけば保険期間も確保できるので、長期間で保険料を抑えながらコツコツと支払いを継続できるのです。
③小学生以降は加入出来る学資保険が無くなる
一般的に学資保険は0歳~7歳までに加入するのが保険設計上ベストとされていますので、多くの学資保険が小学生までの加入制限を設けています。
ですが様々な事情から小学生以降も加入したい層のために、以下の保険会社では小学生でも加入できる学資保険を提供しています。
- 東京海上日動あんしん生命(9歳まで)
- 三井住友海上あいおい生命(11歳まで)
ただし中学生になると加入出来る学資保険はほぼなくなってしまうんです。
加入出来る元が無くなる前の最終チャンスという訳です。
小学生から学資保険に加入するデメリットもある
「子供の教育費用を貯めるなら学資保険」と親御さんに言われてきた方も多いでしょうから、何が何でも学資保険に加入しようと考えている方もいるかも知れません。
しかし通常のタイミングからずれている以上、小学生から学資保険に加入しようとすると以下のデメリットを把握しておかなければなりません。
- 満期までの期間が短いほど保険料負担が増える
- 返戻率が低くなるので貯蓄と大差がない
- 契約者年齢が上がるにつれて保険料も高くなる
以下で詳しく解説していきます。
①満期までの期間が短いほど保険料負担が増える
小学校六年間のうち、まだ1・2年生で加入するのであれば加入期間が十分確保されているため、保険料負担を最小限に抑えられます。
しかし高学年ともなってくると満期までの期間が短いため、短期間で満期額を達成するために1か月の保険料負担が増えてしまうんです。
以下は30代の父親が子どもが7歳のタイミングで保険に加入した場合と、11歳で保険に加入した場合の保険料を比較した表です。
父30代子ども7歳 | 約16000円 |
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父30代子ども11歳 | 約22000円 |
同じ小学生の間でも、加入時期によって最大で6000円近くの差が生じてしまうんです。
月々6000円も差額があるとなると、習い事を一つ増やせるレベルです。
満期までの期間が短ければ短いほど、保険料負担が大きくなることは把握しておきましょう。
②返戻率が低くなるので貯蓄と大差がない
学資保険では返戻率が重要視されます。
上述したように学資保険は保険料を運用して満期金額まで貯蓄していきますが、小学生で加入すると返戻率が100%を下回ってしまい、支払った保険料よりも受け取れる満期金額が少ないなんて事態にも。
保険料には保障分と貯蓄分があるため、支払った金額がそのまま運用されるわけではないんです。
返戻率が低い以上貯蓄と大差ないどころか銀行預金で対応したほうが、目標金額を貯めやすいこともあります。
③契約者年齢が上がるにつれて保険料も高くなる
実は学資保険の保険料を決定するのは子どもの年齢だけではなく、契約する親御さんの年齢も関係します。
学資保険には親御さんが亡くなった場合の保障を付帯できるので、死亡確率の高まる高年齢層からは多くの保険料を受取って加入者間のバランスを取ります。
子どもの年齢が上がるつれて親である皆さんの年齢も比例して高くなっていきます。
年齢は動かしようがありませんから、保険料負担を減らす方法も限られてしまうんです。
小学生から学資保険に加入してもやりくりする方法
これまで紹介したように小学生から学資保険に加入すると、保険料負担の大きさがついて回ります。
しかし学資保険は確実に教育費用を貯められますから、どうにかやりくりしていきたと思う方もいますよね。
小学生から学資保険に加入してやりくりする方法は以下の4つです。
- 中学生までもらえる児童手当を保険料として活用する
- 特約を付けずに純粋な教育費貯蓄目的で利用する
- 保険料を年間でまとめて支払う設定にする
以下で詳しく解説していきます。
中学生までもらえる児童手当を保険料として活用する
子どものいる世帯には毎年6月の現況報告を終えると、子供が中学校を卒業するまで児童手当を支給してもらえます。
額は各家庭の子供の人数によって変わりますが10000円or15000円を月々受け取れます。
月々支給されますからそのまま保険料に活用してしまえば、家計の負担を軽減できるかもしれません。
小学生から加入した場合の保険料は10000円~15000円の範囲で推移しますから、少し家計から負担するだけで済みます。
特約を付けずに純粋な教育費貯蓄目的で利用する
学資保険には子どもに対する医療保障をつけられたり、死亡後に生活費を年金として受け取れる特約を付加できます。
しかし特約を付加すると保険料に保障分がさらに追加されて、負担が倍増してしまいます。
「もしもの為に…」と特約を付加したいと考えるのは当然ですが、負担軽減の為にぐっと我慢して純粋に教育費貯蓄目的の保険として利用してみてください。
保険料を年間まとめて支払う設定にする
学資保険は月々支払うのが一般的ですが、1年間分の保険料をまとめて支払える年払いを選択できます。
年払いにするとその分手数料等がひかれて保険料が安くなることも。
大幅減にはつながりませんが、少しでも負担を軽減したい方は試してみてください。
学資保険以外で小学生の子供の教育費を準備する方法
子どもと自分の年齢で学資保険のシミュレーションを試してみたら、「支払う保険料よりも満期金が大幅に少ない…」と学資保険に加入するメリットを感じられない人もいるかもしれません。
月々の負担を避けたいのであれば、学資保険ではなく以下の方法で教育費を貯めることも検討してみてはいかがでしょうか。
①貯蓄
うけとった児童手当やボーナスを専用口座を解説して貯蓄する方法が最も手っ取り早いでしょう。
振り込んだ金額がそのまま教育費の貯蓄に直結しますから、貯めている実感も得られます。
また自分のペースで入金できるため、余裕がある月は多めに家計が苦しい時期は少なめにと調整が利くのが大きなメリット。
ただし普通預金で契約すると貯金が苦手な方は任意で引き出して使い込んでしまう恐れがあるため、強制力が欲しい方は定期預金で契約することをおすすめします。
②低返戻金型終身保険
低返戻金型終身保険は保険料を支払っている期間の返戻金額を低く設定したうえで、月々の保険料負担を軽減できる保険です。
保険料払い込みの期間が終了すると解約返戻金の利率が高くなるのが特徴で、保険料支払い後の貯蓄性の高い保険として知られています。
学資保険の代わりに加入する人も多く、子供が進学を希望しなかった場合にも契約を継続して通常の終身保険のように活用できます。
しかし保険料を払い込むまでは返戻率が悪いので、早期に解約してしまうと保険料よりも解約返戻金の金額が下回ってしまう元本割れを引き起こす可能性もあります。
③ジュニアNISA
ジュニアNISAを活用して教育費用を貯める方法も検討してみましょう。
口座を開設して支払った料金を投資しながら貯めていくスタイルをとりますので、運が良ければ少ない投資で多くの利益を得られることも。
またジュニアNISAで発生した運用益は課税対象に含まれませんので、利益を純粋に子供の教育費用に充てられるメリットがあります。
しかし投資が絡んでくる以上市場経済の変動で利益が増減しますから、投資リスクが高い方法です。
またジュニアNISAの精度は2023年末に終了するため、今から始めても3年しか活用できません。
学資保険とその他の方法どっちを利用するか迷ったら保険相談窓口を利用しよう
小学生から学資保険に加入するとなると保険料の高さと返戻率がネックになりますし、かといってリスクを選んで保険に加入するのも避けたいし…とどちらを利用すべきか迷ってしまう人もいますよね。
学資保険とその他の方法どちらを利用するか迷ったら、保険相談窓口を利用することも検討しましょう。
保険相談窓口では相談者の条件から、保険に加入すべきかどうかを判断してくれます。
加入の必要性があればその場で適切な保険を提案してくれるので、自分で比較する手間も省けます。
小学生から学資保険に加入するデメリットを理解してよく検討しよう
いかがでしたか?
一般的は小学生までに加入する学資保険ですが、保険会社によっては小学生からでも加入できる商品があります。
しかし保険料負担がおおきくなったり返戻率が悪く支払った保険料よりも、満期金が少なくなる恐れがありますので注意が必要です。
小学生から学資保険に加入するメリットが感じられない場合には、貯蓄やジュニアNISAなど保険加入以外の方法もあります。
それぞれのメリット・デメリットを把握したうえでどれに加入するかを検討してみてください。
また学資保険とその他の方法どっちが家庭にあっているか判断がつかない場合には、保険の無料相談窓口を活用してみることもおすすめします。
子どもの教育費用は数百万円が必要になることもありますから、慎重にどれを活用するかを検討しましょう。