子供の教育費用に備えるために加入する学資保険では、保険料を分割・一括払いの2種類から選ぶことができます。
実は学資保険では保険料を一括で支払ってしまったほうが、全体的に見ると保険料が安くなることをご存じでしょうか。
子供のためとは言え、できるだけ保険料を安くしてお得に資金を貯めておきたいですよね。
ですが保険料が安くなるメリットに目が行きがちで、隠れたデメリットを見落としてしまう可能性があります。
何も知らないで支払ってしまい、後で後悔するのは出来る限り避けたいですよね…!
そこでこの記事では、学資保険を一括払いする際のメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
目次
学資保険の一括払いは分割よりもお得!
冒頭でも紹介したように、学資保険の一括払いは分割払いよりもお得になります。
分割払いには月々支払っていくタイプと、1年に1回12か月分を納入するパターンがあります。
ですがどちらも一括支払いよりも保険料が高くなる傾向にあります。
分割払いで月々支払う場合では、保険会社もいちいち支払われているかの確認が必要になりますので、手間がかかりますよね。
しかし一括支払いであれば、一度支払われているか確認するだけでOKなので、手続きや確認の手間が省けます。
手間が省けることで保険会社にとってもメリットがありますので、保険料を安くしてくれるのです。
保険料が安い分返戻率が高くなりますので、お得になるのです。
学資保険を一括で支払う2つのメリット
学資保険を一括で支払う際には以下2つのメリットがあります。
- 返戻率が高いので全体で見て保険料が安くなる
- まとめて納入できるので使い込む心配がない
返戻率が高いので全体で見て保険料が安くなる
上述した通り、一括払いの方が保険会社にとっても確認の手間が省けるため返戻率が高くなります。
返戻率が高いと保険料が安くなることが結びつかない人もいるでしょう。
返戻率は、支払った保険料の総額に対する満期保険金と祝い金の合計の割合で産出され、100%以上であればあるほど良いです。
逆に100%を切ると支払った保険料よりも保険金が低くなりますので、損をすることになります。
学資保険では保険料を支払い、満期まで貯蓄しておくシステムになっています。
保険会社は金融機関に似たシステムをもっており、加入者から支払われた保険料を元手に資産運用して利益を上げていきます。
分割納入していくと徐々にしかたまらないので運用できる元手が少ないですが、一括で納入すれば満期までに運用できる期間が長くその分利益も上がりやすくなります。
そのため保険会社は、長期間教育資金を預けてもらえる一括払いの返戻率を高く設定するのです。
返戻率が高いということは、そのまま受け取る保険金が支払った保険料よりも増えることに直結しますので、最終的に見ると保険料が安くなるのです。
まとめて納入できるので使い込む心配がない
分割払いだと保険料を毎月あるいは毎年用意しなければならないので、家計が厳しくなった時などには用意できないこともあります。
まとめて納入しているぶん、給与からいちいち分ける必要もないので、使い込んでしまうこともありません。
保険会社が預かってくれているぶん、引き出すこともできませんから、確実に子どもの教育資金として活用できます。
また、後述しますが途中解約することで生じるデメリットも大きいので、預金の様に途中解約して使い込んでしまうという心配もないのです。
学資保険を一括で支払う3つのデメリット
学資保険を一括で支払うデメリットは以下の3つです。
- 契約時にまとまったお金を用意する必要あり
- 保障内容が途中で変更できない
- 途中解約で元本割れが起きる可能性がある
契約時にまとまったお金を用意する必要あり
一括支払いですので、契約時に本来分割で支払う保険料を一括で支払う必要があります。
保険会社や契約内容にもよりますが、数百万円を一度に用意しなければならないため一度にそれだけを用意できる経済力が必要になります。
基本的に学資保険に加入する時期は子供が乳幼児~幼児の時期がほとんどですから、出費が激しい時期にそれだけを用意できるかによって、一括払いを活用できるかが変わるのです。
保障内容が途中で変更できない
学資保険で一括払いを選択すると、保障内容を途中で変更することができません。
学資保険のなかでも世相に合わせて保障内容の変化した新商品が出ることもあります。
保障内容を考慮して別の保険に乗り換えたい!というときには、一度保険を解約して再加入する形を取らなくてはならないため、返戻率が満期よりも低い状態で解約することになります。
また、再加入するときに子供の年齢が高いと加入を断られてしまうこともあります。
返戻金が低くなるデメリットがあるため、保障内容を途中で変更することはできません。
途中解約で元本割れが起きる可能性がある
何らかの理由で早期に途中解約してしまうと、返戻率が低い状態であった場合には元本割れを引き起こしてしまう可能性があります。
元本割れを引き起こしてしまうと、手元に戻ってくる解約返戻金はこれまで払ってきた保険料よりも安くなってしまいます。
上述のように保険を変更するときや、家計が苦しくなった時に解約した場合、時期によっては損をする可能性があることを把握しておく必要があり余す。
学資保険の保険料一括支払いは2パターン
学資保険の保険料を一括で支払う方法は実は2パターンあります。
一括で預かった保険料を取り置き、一か月ごとに保険会社側で積み立てる全期前納型と、一括で振り込んだ総額全てを運用してもらう一時払の2パターンです。
それぞれ付加できる特約や特徴が異なるため、一括払いを検討している場合はどちらのパターンで支払うかを決めておきましょう。
以下ではそれぞれのパターンの特徴を紹介しています。
全期前納払をするパターン
全期前納払いは、一括納入した保険料を保険会社側で保険料として積み立てていく仕組みになっています。
一度自分の手元から離れているにしろ、保険会社側で毎月保険料として積み立ててくれるので、生命保険料控除を一括納入していても毎年利用できます。
生命保険料控除では住民税や所得税の負担が少なくなりますので、結果的に節税に繋がります。
また全期前納払いでは、万一契約者が死亡・高度障害状態になって保険料支払いが厳しくなった場合に活用できる保険料支払い免除特約が利用できます。
つまり全期前納払いでは特約を利用することで、これまで支払ってきた保険料を返還してもらうことができるのです。
一時払を利用するパターン
一時払いは一括で支払った保険料をそのまま保険会社が全額預かり、満期まで保管します。
全額保険会社が預かる分、保険料の割引率も高くなるのでお得になることも。
しかし保険料支払い免除特約を利用できないほか、一括で全額保険料を納入してしまっているので、生命保険料控除が保険料を支払った年1回きりの利用になるのです。
そのため保険期間内に控除を受けられずに、保険を利用して節税ができない可能性もあるのです。
返戻率を上げたいなら外貨建て保険の検討も
子供のための教育資金を貯めたいと考えている人の中には、
「せっかくなら返戻率を上げて貯蓄性の高い保険に加入したい…」
という方もいるでしょう。
その場合は学資保険ではなく「外貨建て保険」に加入を検討することをおすすめします。
利回りが良いので効率よく運用可能
通常わたしたちが加入している保険は「円建て保険」といって、日本円で保険会社が資産運用してくれます。
一般的にリスクの低いもので運用しますので、保険会社は国債などの債権を利用して保険金を運用していきます。
しかし円の利回りは低く、そこまで利益が期待できないのが現状。
ですが外貨、特に米ドルや豪ドルの場合は利回りが良く2%程度の金利が発生しますので、運用すればするほどそれだけ利益が上がります。
もちろん利益分は保険金に還元されていきますので、貯蓄性も上がります。
保険料も安くなりますので、メリットが大きいです。
為替相場の影響を受けやすくリスクもある
外貨建て保険は外貨を利用するため為替相場の変動による影響を直に受けます。
そのため円高になって外貨よりも日本円の価値があがってしまうと、損をする可能性が非常に高いです。
また、外貨運用するために円を外貨に交換する必要も出てきます。
もちろん外貨は無料で交換は出来ませんから、為替手数料が交換するたびにかかります。
運用後も日本円に戻す必要がありますので、運用コストは常にかかってしまいます。
外貨保険は利益を上げやすく貯蓄性が高いメリットもありますが、その分投資と同じようなリスクを背負うことになりますので注意が必要です。
一括払いのメリット・デメリットを把握して支払い方法を決定しよう
いかがでしたか?
学資保険では月々の分割払いよりも一括払いで保険料を支払うほうが、全体的に見て保険料が安くなりお得です。
しかし一括払いの中にも志原パターンがあり、どちらを選ぶかによって税控除を受けられるか、特約を付けられるかが変わりますので、注意が必要です。
また一括払いをすることで一度に多額のお金が手元から消えてしまいますので、今後のライフプランや家庭の経済状況を考慮して支払い方法を検討するようにしましょう。
もし返戻率を一括払いよりも上げたいのであれば、学資保険ではなく外貨建て保険への加入をおすすめします。
外貨建て保険であれば利回りの良い外貨を活用して運用してくれますので、結果的に貯蓄性が高くなる可能性があります。
しかし為替相場の変動影響を受けやすいので、損するリスクも同時に負う可能性がある事を把握しておく必要があります。
一括払いのメリット・デメリットを考慮しつつ、適切な方法で保険料を支払い子供の教育資金を貯めていきましょう!