コロナ下でパチンコ等のギャンブル場に足を運びづらくなった今、オンラインカジノを始める人も増えています。
オンラインカジノ自体はまだ日本で取り締まる法律がないものの、海外で運営ライセンスを取得している企業によって運営されているため、現状グレーゾーンとして利用できている状態です。
オンラインカジノは競馬やパチンコと同様に、ギャンブルの一種ですから、実は賞金に対して税金が課される可能性があるってご存じですか?
今回はオンラインカジノの賞金に課税される税金の種類から、申告方法まで徹底的に紹介していきます。
目次
オンラインカジノは所得税の課税対象
結論から言うとオンラインカジノは所得税のうち、一時所得として課税されます。
法令に基づく国税庁の見解で下記の通り公表されているためです。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
(2) 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
(3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
(4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
(5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
オンラインカジノの賞金は(1)(4)に該当しますので、一時所得の対象になるといえます。
課税対象になるということは、会社の年末調整だけではなく確定申告も求められます。
また、オンラインカジノの賞金の課税時には、下記の条件も適用されます。
1月1日から12月31日に稼いだ金額に対して課税される
オンラインカジノの賞金で課税されるのは、1年間のうち1月1日から12月31日の間に稼いだ金額です。
年末調整と同様に、年度ではなく年間で計算されます。
1年間の稼いだ金額をきちんと計算しておかないと、知らないうちに稼ぎすぎてしまうこともありますので、注意が必要です。
勝った時点が賞金獲得日になる
賞金を計算するときに気になるのが、どの時点が賞金を獲得した日に該当するかですよね。
オンラインカジノの場合、勝った時点が賞金獲得日になります。
極端な話、12月31日の23時ごろに勝った賞金で、賞金の振り込みが1月1日に行われたとしても、賞金獲得日は12月31日のままです。
賞金獲得日を把握しておかないと、年をまたいで振り込みを受けた場合に計算に誤差が生じてしまいます。
年間50万円以下であれば申告の義務はない
オンラインカジノの賞金は一時所得の対象になりますが、年間50万円以下であれば申告を行う必要はありません。
一時所得には年間50万円の特別控除枠が設けられています。
つまり年間稼いだ賞金の総額が50万円を超えていなければ、課税対象として認めれられないことになります。
一方で50万円を超えてしまうと、超えた分の1/2が他の給与所得と合算されて、年末調整時の所得税・住民税の計算対象になります。
負けた分は経費として落とせない
オンラインカジノはギャンブルである以上、負けが発生します。
「負けた分は勝つための経費」と考える方も多いですが、負けた分は賞金から経費として差し引くことはできません。
これは競馬や競艇などの公営ギャンブルでも同じことが言えます。
つまり積み重ねで賞金が増えていって、年間50万円を超えてしまった場合には、負け金の方が多くても課税対象となり確定申告が必要になります。
競馬の勝ち金は確定申告しないとバレる!未申告のリスクと正しい申請方法を解説!
オンラインカジノの賞金を申告しないと脱税になる可能性アリ
オンラインカジノの賞金を申告しないことで、脱税となり追徴課税を課せられることもあります。
確定申告はあくまで申告ですから強制力はありませんが、日本で税金を納めている以上、基準を超えた所得に対してきちんと納税する義務があります。
「オンライン上の勝ち金だしそこまで目を付けられることはないでしょ」と考える方も多いですが、オンラインカジノでは賞金を銀行口座に振り込むことになります。
銀行口座に多額の出入金があると、銀行は税務署に申告を行います。
税務署はどの口座で入金作業が行われているのかを把握できますから、調査もしやすくなります。
常に目を光らせていますので、多額の賞金を獲得した場合はメスが入る可能性もあるのです。
オンラインカジノはグレーゾーン!プレイヤーが逮捕された事例も
冒頭でも紹介しましたが、本来オンラインカジノの存在自体はグレーゾーンに該当します。
日本では公営ギャンブルと認められているのは、競馬・パチンコ・競艇・競輪のみです。
つまりオンラインカジノの法律自体が整備されていないので、規制もできないのが現状です。
しかし日本で遊べるオンラインカジノは、カジノの運営ライセンスを発行している国の企業によって運営されています。
日本からでもプレーはできるものの、プレー自体に法律が決められていないため、合法とも違法とも言えない状態です。
過去には不起訴になりましたが、オンラインカジノをプレーしたとして逮捕されたケースもあります。
しかし不起訴状態のため、違法とは公的に認められてはいません。
プレーが合法かどうかがあいまいである以上、のめりこみには注意が必要です。
オンラインカジノの賞金の確定申告の方法
オンラインカジノの賞金の確定申告は、通常の確定申告と同じで、確定申告書とオンラインカジノの発行する支払調書、公的証明書を用意しましょう。
2月から会場にて受付が開始されますので、事前にいくら稼いでいるのかを計算して、スムーズに手続きできるように調整しましょう。
しかし確定申告を行ってしまうと、職場で行った年末調整の金額と合算されてしまいます。
所得税や住民税の税率が高くなってしまうため、翌年同じ給料の同僚よりも課税額が高くなってしまい、会社側に怪しまれてしまう可能性もあります。
確定申告時に住民税と所得税の納付に関して、「自分で納付」の項目がありますので、そちらにチェックを入れると、別で納付書が届きます。
オンラインカジノの税金事情を知って楽しもう
いかがでしたか?
オンラインカジノ自体はまだ法整備が整っていないため、グレーゾーンな部分が数多くあります。
端的に言えば、年間獲得賞金総額が50万円を超えた場合に、一時所得の対象になりますのできちんと年間で賞金をカウントして超えないように適度に遊びましょう。
もしも超えてしまった場合は、きちんと計算したうえで確定申告の手続きを行いましょう。
新しい遊び方であるオンラインカジノを楽しむためにも、国民の義務をしっかりと果たしましょう。