生命保険において、契約している積み立て部分や積み立て配当金を新しい保険加入の保険料に充てることを「転換」と言います。
転換は良い面と悪い面それぞれを持ち合わせており、知らずに転換してしまうとトラブルに繋がってしまうこともあります。
そこで今回は、生命保険の契約転換制度についてメリット・デメリットを中心にお話していきます。
目次
生命保険の転換とは
生命保険の「転換」という言葉をご存じでしょうか。
正しくは契約転換制度と言い、保険の更新時期などに転換を勧められることがあります。
転換とは現在契約している保険の積立部分を、新しい契約の保険料に充てることを言います。メリットとデメリットそれぞれありますが、良く知らないで契約してしまうと思わぬトラブルに繋がることもあるので、注意しましょう。
他の保険に契約を移動させること
先ほどもお話しましたが、保険の契約更新時期に転換を勧められることが多いです。
現在加入している保険よりも、手厚い保障になるなどと言われて契約を移動させたことがある人もいるのではないでしょうか。
転換は別の契約に移動することというのを知っておきましょう。
積み立て分の保険料を下取りに出す
他の保険に移動する際に、現在の保険の積立部分や積立配当金を下取り価格として新しい契約の保険料に充てるのですが、どの部分に充てるかによって方法が異なります。
方法は3つあり、
- 主契約にのみ転換価格を充てる
- 主契約と定期保険特約の両方に転換価格を充てる
- 定期保険特約のみ転換価格を充てる
です。どれを選ぶかによって毎月払い込む保険料に影響があるので、十分に検討することが重要です。
保険会社とトラブルになりやすい
契約転換制度は、保険の契約時期に勧められることが多いと言いましたが、その際に説明を受けても理解しづらいという人も少なくありません。
仕組みを理解しないまま転換してしまうと、こんなはずじゃなかったと思わぬトラブルに繋がることがあります。代表的なトラブルは
- 新たに契約する保険を十分に理解していなかった
- 現在加入している保険会社しか転換できないため、選択肢が少ない場合もある
- 保険料があがることもある
- 予定利率が下がってしまう
です。
特に転換は、現在加入している保険会社でしかできないので。別の保険会社の保険に加入したくても転換で加入することは出来ません。
その場合には、解約してから新たに加入申し込みする必要があります。
説明されてもよくわからないけど、言われるがままになってしまうことで、トラブルにもなってしまいます。
きちんと理解・納得してから転換するようにしましょう。
生命保険の転換制度を利用するメリット
生命保険の転換については、どのようなことを指すのか理解していただけたと思います。
転換は注意しないとトラブルの原因になると言いましたが、もちろんメリットもあります。
転換で契約することで得られるメリットは、新規契約よりも保険料が安くなる・最新商品に切り替え可能ということです。
ただただ言われるがままに契約するのではなく、メリット・デメリットを知ったうえでより自分に最適な保険に加入できるようにしましょう。
ではそれぞれのメリットについて、もう少し詳しくお話していきます。
新規契約より保険料が安くなりやすい
生命保険の転換において、一番のメリットとなるのが新規契約の通常加入よりも保険料が安くなりやすいということです。
保険料は保険契約時の年齢や保険料率で計算されるため、同じ年齢で同じ保障の保険に、一定期間空けて新規加入するよりは安くなりやすいというわけです。
保険会社の最新の商品に切り替えられる
転換は同じ保険会社の保険商品にしか利用できないとお話しましたが、同じ保険会社であれば最新の保険商品を紹介してもらえ、切り替えることが出来ます。
日々進化している保険商品ですが、更新のタイミングで一番最新の保障内容の保険に加入できるのも、メリットも一つと言えます。
大きなメリットはこの2つです。保険料が安くなる可能性があること、最新の保険に加入して安心を得られる可能性があることなどが主なメリットです。
この2つに魅力を感じる場合には、転換の詳しい説明を受けることをおすすめします。
生命保険の転換制度を利用するデメリット
転換のメリットについては2つほどご紹介しました。
「メリットがあるなら…」と転換に興味が湧いたという人もいるかもしれませんが、デメリットがあることも知っておく必要があります。
三代デメリットを知らずに契約してしまうことで、後にトラブルに繋がったりクレームになってしまったりします。きちんとデメリットも知ったうえで、じっくり検討することが大切です。
デメリットは主に4つ。
他社の保険商品には転換できない・健康告知は再度必要・説明不足なことがある・安くなる以外のメリットはないです。
それぞれをもう少し詳しく説明します。
他社の保険商品には転換できない
先ほどから何度かお話していますが、転換は同じ会社の保険商品にしか利用できません。
ですので契約更新のタイミングで他社の保険に加入したい場合には、現在の契約を解除してから新たに保険に加入する必要があります。
同じ保険会社の保険商品にしか転換できないというのもデメリットの一つと言えるでしょう。
健康告知など再度行う必要がある
保険に加入する際には、健康告知として病歴などを告知書に記載したり、健康診断書を提出するなどの手間がかかり面倒と感じる人もいますよね。
これは転換で新たな保険に加入するときも同じで、告知義務はあります。
契約更新とは違い新規で保険に加入するため、新規加入と同じ手間がかかるというのも、デメリットです。
保険会社の説明が足りないことがある
保険契約転換制度を契約者が利用する際に、保険外交員は説明をするという決まりがあります。
説明不足で後に契約取り消しをめぐって訴訟問題になってしまったこともあります。
きちんと理解できるまで説明してもらえるようにしましょう。
契約転換で安くなる以外にメリットがない
新規で保険契約するよりも安くなるということが最大のメリットであり唯一のメリットと言っても過言ではありません。
そのため、よくわからない説明を受けて転換したけど、メリットを感じられないという人もいます。保険料が安くなる可能性もありますが、予定利率が下がるということも理解しておかなければいけません。
このように、契約転換はメリットに対してデメリットと捉えられることの方が多いです。
ただ多くの人にとってデメリットであっても、自分にとって転換がメリットと感じる人もいるので、大切なのはきちんと転換の仕組みを知る事、説明をしっかりと受けて理解することなのではないでしょうか。
生命保険の転換を営業にすすめられたらどうしたらいい?
契約転換に限らず、生命保険の営業で勧められてしまった場合どうしてよいか困ってしまい、なんとなく契約してしまったという経験がある人もいますよね。
しかし保険は決して安い買い物ではなく、高額な商品の購入です。
また毎日の生活を安心して過ごすためにも重要なものとなっています。
知らなかった、本当はいらなかったなど後々にトラブルにならないようにするためにも、きちんとした対応を取る必要があります。
興味があるならそのまま話を聞く
保険契約転換に興味があるなと思った場合には、そのまま説明を受けましょう。
その際に、わからないことや疑問に感じることがあれば、出来る限りその場で理解できるように質問をしましょう。
保険には、なかなか素人ではわからない単語や流れがあるので、疑問に感じることも多くあります。
「こんなこと聞いてよいのかわからない」と思うようなことでも、きちんと契約者がわかる言葉での説明を求めることが大切です。
その際にメリットとデメリットを教えてもらうのも良いでしょう。
きちんと知ってから契約転換するかの判断をすることが失敗しないためにも重要です。
不安なら必要ないとその場で断る
契約更新時期に転換を勧められることが多いですが、詳しく説明してもらってもデメリットが多いと感じたり、不安があるなと思ったら遠慮なく断ることをおすすめします。
中には押しの強い保険外交員も存在しますが、押しに負けて契約してしまうとトラブルに繋がったり、後に揉める原因にもなります。
必要ない場合には、きちんとその旨を伝えるようにしましょう。
あまりに強引に感じるような勧誘に遭った場合には、保険会社に連絡をするのも一つの手段です。
契約転換制度をきちんと把握して利用すべきかを判断しよう
今回は生命保険の契約転換制度について、メリットとデメリットを中心にご紹介しました。契約転換制度で保険を切り替えると、保険料が安くなる可能性があることが最大のメリットです。
ただ、保険料が安くなっても、予定利率が下がってしまったり場合によっては、保険料も上がってしまう可能性もあります。
契約転換には、メリットよりもデメリットが多く感じることが多いですが、大切なのは疑問点を聞いたり調べたりして、知識を得てから判断することです。
自分にとって転換が必要なのか不必要なのかを理解したうえで、より自分に適した判断が出来ると良いですね!