火災保険金を請求するときは、被害に遭った後もあり動転して、つい請求漏れが生じてしまうこともあるでしょう。
せっかく請求できる箇所でも、忘れてしまうと全額実費で対応することになるので、無駄にしてしまった喪失感を味わうかもしれません。
実は火災保険で一部の保険金申請を忘れてしまった場合でも、保険金を追加請求できるんです。
無条件で補償されるわけではありませんので、いくつか気を付けるべき点があります。
今回は火災保険への保険金追加請求を検討している方向けに、把握しておくべき注意点や、請求前のチェック項目を徹底的に解説していきます。
目次
火災保険では保険金の追加請求が可能
冒頭でも紹介した通り、火災保険では保険金の追加請求が可能です。
そもそも火災保険に保険金を請求するときは、保険金の請求回数に制限は設けられていません。
医療保険では、保険金の請求回数に上限が設けられているのが一般的ですが、火災保険では保険金の請求回数に上限は設けられていません。
ただし保険金を無条件にもらえるわけではなく、保険金請求の条件を満たしている場合にのみ、認められます。
余りにも不自然に保険金請求が多い場合には、保険会社から疑われてしまうこともありますので、注意が必要です。
保険金に満足いかない場合も請求可能
火災保険の保険金追加請求は、一度支払われた保険金に満足がいかない場合も請求可能です。
火災保険金請求時には、保険金を算出するために鑑定人が一度家に訪れて、箇所の評価を行います。
鑑定人によって判断も異なりますので、予想していた保険金額より少ないこともまれにあります。
もう一度再鑑定を依頼して、足りない分を再請求できる可能性もあるんです。
火災保険の保険金を追加請求するときの注意点
火災保険の保険金を追加請求するときは、以下の注意点を把握しておきましょう。
- 同一の箇所の重複請求はできない
- 修理箇所が過去に保険金を請求済みで未修理の状態なら保険金はおりない
以下で詳しく解説していきます。
同一の箇所の重複請求はできない
既に保険金を請求している箇所に関しては、保険金の追加請求は認められません。
仮に床を請求した後に、壁の被害の請求を忘れていた際に再度床をついでに請求しても、保険会社から承認はおりません。
あくまで未請求の箇所にのみ、保険金の請求が認められるので注意が必要です。
修理箇所が過去に保険金を請求済みで未修理の状態なら保険金はおりない
修理箇所が過去に保険金を請求済みであるにもかかわらず、未修理の状態である場合には、保険金はおりません。
実は火災保険は保険金がおりた後の保険金の使用目的に関しては、保険会社が介入することはなく、自由扱いとなります。
保険金の追加請求をおこなう箇所が、前回保険金請求時に保険金を受け取っているにもかかわらず、未修理の場合は保険会社から保険金の支払いを断られてしまうこともあります。
あくまできちんと修理を行った後に再度、壊れてしまった場合に追加請求が可能になると考えておきましょう。
火災保険の追加請求前にチェックすべき3つの項目
火災保険の追加請求前には、以下の3つの項目をチェックしておきましょう。
- 破損原因に故意・重過失が認められるか
- 免責金額を修理費用が上回っているか
- 地震による被害ではないか
以下で詳しく解説していきます。
破損原因に故意・重過失が認められるか
火災保険では原則、保険金請求が行われる箇所の破損原因に、故意・重過失が認められる場合には、保険金が支払われることはありません。
保険金欲しさにわざと壊したり、寝たばこなどの重過失が認められる場合には、追加請求が認められません。
あくまで突発的に発生した損害にのみ保険金が支払われますので、事前に破損原因をよく洗い出しておきましょう。
免責金額を修理費用が上回っているか
火災保険では保険加入時に免責金額を設定します。
追加請求する箇所の修理費用が、免責金額を下回っている場合には保険金と相殺されて請求は認められません。
免責金額を事前に調べて見積額と照らし合わせて、請求するかを判断しましょう。
ただし修理業者に見積もりを依頼すると、流れでそのまま修理するなんてこともありますので、自分でも修理費用を払うつもりでいたほうがいいでしょう。
地震による被害ではないか
火災保険では、地震による被害は補償対象外になり、地震保険の管轄になります。
地震保険では火災保険のように、破損汚損補償などの特約がありませんので、注意が必要です。
火災保険は民間の企業により運営されているものの、地震保険は民間の保険会社と国の共同運営で成り立っています。
請求をしても火災保険とは別に条件が設定されていますので、注意が必要です。
火災保険の追加請求の流れ
火災保険の追加請求の流れは、以下の通り通常の火災保険請求と同じ流れで進んでいきます。
ただし、鑑定内容に満足がいかない場合などは、保険会社にその旨を伝えて相手の対応を待つ必要があります。
- 保険会社に保険金請求の連絡
- 保険会社から届いた書類を詳細に記入する
- 保険会社に書類を返送
- 保険会社の鑑定調査人による実地調査
- 保険金が口座に振り込まれる
保険金の水増し請求は詐欺になるのでNG
追加請求で保険金が支払われるからと言って、保険金の水増し請求をおこなうのはNGです。
本来壊れていない箇所をわざと壊す、業者と結託してわざと高い金額の見積もりを提出せずに、きちんと正直に提出することを心がけましょう。
保険金を水増し請求していることがバレると、保険金詐欺になってしまいます。
あくまで正直に請求手続きを進めてください。
火災保険の追加請求を正しく行って補償を受けよう
いかがでしたか?
火災保険の保険金請求を一部忘れていても、直前に請求をおこなった箇所と異なる・以前請求してもきちんと修理している場合には、追加請求が認められることもあります。
保険金の請求回数に上限は設けられていないので、安心ですね。
ただし保険金の水増し請求をおこなってしまうと、保険金詐欺になってしまう可能性もありますので、注意が必要です。
きちんと正しく正直に請求して、補償を受けましょう。