4月は大学や専門学校を卒業した学生が、企業に新入社員として迎えられて、社会人としてのスタートを切る季節です。
ですが企業で皆さんを迎えるのは、先輩社員だけではありません。
企業内に常駐あるいは専属でついている、生命保険の営業さんも、皆さんを生命保険に加入させるために準備を進めていることもあるのです。
入社後に説明会や企業内の研修に参加した後に、生命保険の営業さんから「社会人になったし生命保険で将来に備えませんか?」と声をかけられる方も多いでしょう。
生命保険の営業さんは人にもよりますが、多くが話し上手でちょっと断られたくらいではひるまないことで知られています。
「生命保険の勧誘を受けたけど、どうかわしていいかわからない…」という新入社員も多いはず。
そこで今回は新入社員が、生命保険の営業さんにカモられる理由から、勧誘をうまくかわすための方法を解説していきます。
目次
新入社員は生命保険の営業のカモになりやすい
「なんで入社したばかりですぐにカモられるの?」と疑問に思う方もいますよね。
新入社員が生命保険の営業のカモになりやすい理由は、以下の通りです。
- 社会に出たてで保険の知識がない
- 企業の人間だと勘違いして話を聞いてしまう
- 企業内で許可を取って侵入写真とコンタクトを取ってくる
以下で詳しく解説していきます。
社会に出たてで保険の知識がない
新入社員の多くは高校・専門学校・大学を卒業したての新卒であることがほとんどです。
在学期間中にファイナンシャルプランナーの資格を取得していたり、法学部で保険業法について学んでいない限り、保険の知識を持ったまま社会人になる人は少ないでしょう。
保険の知識がない人に対して、「将来に備えて」「社会人になったから」と伝えれば、不安に駆られて保険に加入してくれる割合が高くなりますよね。
また社会経験が少ないため、勧誘を断る方法を知らない人も多いです。
仮に断ったとしても、経験上うまくかわして成約につなげる方法を知っているので、顧客獲得のチャンスとして新入社員を狙ってくるのです。
企業の人間だと勘違いして話を聞いてしまう
生命保険の営業さんは、企業からの許可を得て、企業内に出入りしていることがほとんどです。
新入社員は誰がどこの部署の人間で、どんな仕事をしているかはまだわからないですよね。
親から「会社の生命保険の営業には気をつけろよ」と言われていても、誰が営業かはわからないでしょう。
企業の先輩社員や上司かと思って話かけられて返答してみたら、実は保険の営業だったなんて話も実際にあります。
企業の人間だと勘違いして話を聞いてくれる可能性が高いので、新入社員は話しかける切り口を見つけやすいといわれています。
企業内で許可を取って新入社員とコンタクトを取ってくる
企業内にいる生命保険の営業は、会社と提携している銀行とのつながりもありますし、上層部の人間の保険を取り扱っていることもあります。
企業内での信頼を勝ち得ていることも多いので、企業内での研修会や新入社員とのコンタクトを取りやすい機会を多く持っています。
また保険営業は企業内で新入社員の入社時期や、研修のスケジュールを調査していることもあります。
企業内でタイミングを見計らってコンタクトを取ってくるので、スケジュールで縛られている新入社員は避けようがないのです。
そもそも新入社員は生命保険に加入する必要性は少ない
生命保険の営業から保険の提案をされると、「あれ?私でもやっぱり加入しておいた方がいいのかな…?」と不安に感じている方もいることでしょう。
正直なところ、新入社員は生命保険に加入する必要性は少ないでしょう。
理由は以下の4つです。
- 保険金を残すべき家庭がある人が少ない
- 既に企業の社会保険で守られている
- 資産運用で活用するリスクが高い
- 弔旗保障は保険料が高くなるので給与に見合わない
以下で詳しく解説していきます。
保険金を残すべき家庭がある人が少ない
生命保険に加入するメインの目的は、残された家族に保険金を残して生活を保障するところにあります。
新入社員は独身が多いでしょうから、生活を保障すべき家族がいる方は少ないでしょう。
保険金を残すべき家庭がない以上、生命保険に加入して保険金をかける必要性は少ないでしょう。
葬儀費用を残しておきたいのであれば、少額で契約するのもいいでしょうが、生命保険会社の営業から提案される保険の多くは定期保険や終身保険などの一般的な生命保険です。
通常通り加入して多額の保険金を残す必要性が少ないので、加入しなくても問題ないでしょう。
すでに企業の社会保険で守られている
新入社員の皆さんはすでに企業内で社会保険に加入しています。
社会保険では健康保険で医療費が3割負担されるほか、労災保険が下りることもあります。
生命保険のほかに医療保険への加入をすすめられることもあリますが、公的保障ですでに保障を受けているので¥、あえて保険料をかけて保障を得る必要は少ないでしょう。
資産運用で活用するリスクが高い
生命保険の勧誘時の文言の中に、「資産運用に上手に活用できる」と言われることもあります。
生命保険の中には、金利の高い金融商品を活用して運用して、満期に受け取れる保険金を支払った保険料よりも多く受け取れる保険もあります。
新入社員の中には資産運用にあこがれている方もいるでしょうが、利益がある分失敗するリスクもあります。
また資産運用に活用できる生命保険は保険料が高いケースもありますので、新入社員で加入するにはリスクが高いといえます。
長期保障は保険料が高くなるので給与に見合わない
生命保険には終身保険といって、加入時の保険料のまま一生涯保障を得られる保険もあります。
生命に保険をかけているため、健康上の問題や年齢を加入時には重視されますので、新入社員が加入するときには、ほかの年代と比べて保険料を抑えられます。
ただし長期保障を受ける分、保険料は高くなるので、定期保険に加入するよりも保険料が高くなってしまいます。
あまりにも高い保険料の保険に加入してしまうと、給与に見合わない料金になってしまうこともあるので、注意が必要です。
新入社員が生命保険営業にカモられないための方法
新入社員が生命保険の営業にカモられずに、うまく勧誘を切り抜けるには以下の方法を取ってみることをおすすめします。
- 家族構成や給与を聞かれても教えない
- 他社の保険と比較したことを伝える
- 親せきや友人から既に加入していることを伝える
- 自分でよく調べてから加入を検討する
以下で詳しく解説していきます。
家族構成や給与を聞かれても教えない
生命保険の営業さんは話の流れで家族構成や給与など、保険の提案に必要な個人情報を集めることがあります。
家族構成や給与をさりげなく聞かれても、教えずにうまくかわしていきましょう。
「家族が〇人いるならこの保障がいいと思うんですけど…」「給与に見合った保険を提案できるんだけど」と言われてしまうと、断りづらくなってしまいますよね。
家族構成や給与を聞かれても教えずに、切り込み口を与えないようにしましょう。
他社の保険と比較したことを伝える
自社の保険を提案されたら、他社の保険を自分で比較して加入しようと検討していることを、伝えてみましょう。
「でもうちの保険のほうがいい」と言われても、自分で決めたことなのでと譲らない姿勢を貫いてみることで、相手が折れてくれるまで時間を稼げるかもしれません。
実際に他社の保険と比較したことがなくても、ウソも方便として切り抜けてみるのも一つの方法です。
親せきや友人から既に加入していることを伝える
生命保険の営業さんに一番効く文言と言われているのが、「親せきや友人からの紹介で既に加入している」と伝えることでしょう。
保険業界で働く親せきや友人のために、紹介された保険に加入するのはよくあることです。
実際に生命保険の営業さん側でも、親せきや友人の力を借りて営業成績を伸ばした経験がある人もいますので、さらに勧誘を進めるのが難しくなります。
うまくかわしたいのであれば、ぜひ活用してみてください。
自分でよく調べてから加入を検討する
一度勧誘されて断っても、「やっぱり加入しておいた方がいいかな…?」と不安になってしまう方もいますよね。
ただし生命保険について何も知らないのに、加入を検討するのはNG。
自分で一度保険についてよく調べてから提案された保険を見て、本当に加入すべきかどうかを判断していきましょう。
新入社員でも加入しておくべき保険
新入社員は給与や保障すべき家族がいないことから、生命保険に加入する必要性は薄いとお伝えしました。
しかし「自分に降りかかってくる」リスクに対して保障あるいは補償を受けられる保険には、加入しておきましょう。
以下では新入社員でも加入しておくべき保険を3つ紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
車を持ってるなら!自動車保険
地方や通勤で車を使用するのであれば、自動車保険への加入は必須です。
「車を持っているなら自動車保険に加入するのは当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、実は車を所有している人の約3割は保険未加入のまま運転しているんです。
万一事故を起こして全額自分で補償することになると、いくら貯金をしても対応しきれない額になってしまいます。
自動車保険は営業さんから加入することはありませんので、任意で皆さんの自由に保障を選べます。
最近ではネット型の保険で保険料を抑えることもできるので、車を持っている方は必ず加入しておきましょう。
また保険を見直すことで保険料を下げることもできるので、既に加入している新入社員は見直しも検討してみてください。
賃貸でも一戸建てでも!火災保険
賃貸に住んでいる方でも一戸建てに住んでいる方でも、火災保険への加入は必須です。
いくら気を付けていてもいくつかの偶然が重なって、火災が発生してしまう可能性は十分にあります。
また日本には失火責任法といって、出火元に過失のない火災に関しては、火元に法的責任は問われないことになりますので、自己負担で修理する必要があります。
ただし賃貸では火災保険への加入が入居条件として指定されていることがほとんどなので、そこまで気にする必要はないでしょう。
万一の時のために!ガン保険
TVで若くしてがんにかかる人の特集を見ていると、他人ごとのように思われがちですが、20代でも罹患する可能性は大いにあります。
そして厄介なのが20代でがんにかかると、進行度合いが早く短期間でステージが上がってしまうところ。
進行度合いが早いとその分先進医療を使って治療を行っていくこともあります。
ですが企業の社会保険で保障されるのは、国が指定した治療行為のみなので、先進医療の医療費は自己負担で支払う必要があるんです。
先進医療は保険適用外なので、1回の治療で数十万円かかることも予想されます。
ガン保険では、先進医療特約が付帯されていることがほとんどなので、万一かかってしまっても医療費の保障が受けられます。
若い時に加入しておけば保険料を安く抑えられますので、生命保険に加入する前にがん保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
保険営業にすすめられても気が乗らないなら断ろう
いかがでしたか?
入社した企業でいきなり生命保険の営業さんにつかまって、保険の勧誘を受けてしまうと正直面くらってしまいますよね。
保険に加入しないと伝えても、うまくかわしてどんどん勧誘されてしまうと、途中で折れて加入を決めてしまうこともあるかもしれません。
保険営業に進められても気が乗らないのであれば、うまいことかわして断りましょう。
保険はあくまで自分のために加入する者ですから、無理して加入する必要はありません。
かわすための方法を確認して、カモられないように行動していきましょう!