将来を見据えて資産運用を検討されている方の中には、「生命保険も資産運用に活用できる」と聞いたことがある方もいるでしょう。
生命保険の中には単なる死亡保障だけではなく、保険会社が受け取った保険料を活用して運用してくれる保険もあります。
ですが資産運用となると投資も絡んできますから、失敗するリスクもあります。
また生命保険を本来の目的以外で利用することで、何か不利益が生じるのではないかと不安に思う方もいますよね。
今回は生命保険を資産運用で活用するときのメリット・デメリットや、資産運用として活用するのに向いている人の特徴まで徹底的に解説していきます。
目次
生命保険は契約内容によっては資産運用に活用できる
生命保険は契約内容によっては資産運用に活用できる保険があります。
みなさんもご存じの定期保険は、10年・20年と定期的に保険料を支払って一定期間のまとまった保障を得られる保険ですが、資産運用には向いていません。
一方で貯蓄性の高い保険の場合は、資産運用の目的でも活用できます。
貯蓄性の高い保険の保険料の中には、純粋な死亡保障分の料金に加えて、保険会社が加入期間中に運用する分の「貯蓄分」が含まれています。
運用期間、つまり加入期間が長いほど保険会社が運用できる期間も長くなりますので、保険の保障を受けながら資産運用として活用できるのです。
主に資産運用の目的で活用される保険は、以下の3つです。
①低解約返戻金型生命保険
低解約返戻金型の生命保険は、通常の終身保険よ利も保険料を安く設定している貯蓄型の生命保険です。
一定期間の保険料払込期間を過ぎると、解約返戻金額が増額し、通常の終身保険と同額程度の金額を受け取れます。
もちろん生命保険としての機能もしっかり用意されており、死亡保障は加入している限り一生涯続いていきます。
定年まで低解約返戻金型生命保険に加入しておいて、保険料払込期間を過ぎた後に解約して、返戻金を老後の資金として活用する方法でよく用いられています。
②学資保険
みなさんも一度は聞いたことがあるであろう学資保険も、貯蓄性の高い保険の一種です。
学資保険は加入期間が決まっているものの、保険会社が満期まで保険料を運用して、目標金額を達成するまで預かってくれます。
保険料の払い込みが終わった後も運用が続いていくので、支払った保険料よりももらえる保険金が多くなるメリットが。
ただし昔ほど返戻率が高いわけではなく、高額な返返戻金を期待できるわけではないので、、注意が必要です。
③養老保険
養老保険は存命期間中に保険の満期が来たときに、予定していた死亡保険金と同等の金額が受け取れる保険です。
もちろん万一死亡した時でも同額の保険金が支払われます。
満期を最もお金を必要としている時期に設定しておいて、生存しながら保険金を受け取れるので目的に応じて活用できるメリットがあります。
もちろん解約返戻金もあるので、途中解約しても手元にお金は戻ってきます。
生命保険を資産運用に利用する5つのメリット
生命保険を資産運用に利用するメリットは、以下の5つです。
- 保障を受けながら資産運用ができる
- 保険料で運用するので確実に貯められる
- 保険会社側で運用してくれるので手間がかからない
- 安定的に運用できる
- 生命保険料控除の対象なので節税にも役立つ
以下で詳しく解説していきます。
保障を受けながら資産運用ができる
生命保険を資産運用に利用する最大のメリットは、万一の時の保障を受けながら目標金額まで貯められる点にあります。
生命保険の基本である死亡保障を受けながら、保険料を運用してもらえるので、万一加入期間中に死亡してしまったとしても安心です。
小さい子供や年金受給年齢まで期間がある人でも、資産運用を効率的におこないながら死亡リスクに備えられるので、安心です。
保険料で運用するので確実に貯められる
資産運用をおこなうにあたって心配なのが継続できるか、ですよね。
生命保険を資産運用の目的で利用すると、支払った保険料で運用してもらえるので、確実に継続して貯められます。
また支払った保険料は一定額ですので、月にいきなり負担が増えて家計のやりくりに困ることも少ないでしょう。
保険会社が運用金額を預かっていますので、自分のタイミングでおろすこともできませんので、使い込む心配もありません。
保険会社側で運用してくれるので手間がかからない
生命保険を資産運用に用いる=保険会社が皆さんに代わって運用してくれることになります。
資産運用をするとなると定期的なメンテナンスが必要ですが、保険料を支払った後は保険会社側で満期に向けて運用してくれるので、皆さんに手間はかかりません。
上述したように資産運用に活用できる生命保険は、基本的には生命保険に限られますから、運用期間に制限がありません。
運用期間に制限が設けられていない以上、保険料の払込期間を過ぎればどの期間で解約して解約返戻金を受け取っても問題ありません。
安定的に運用できる
生命保険会社はみなさんから預かった保険料を運用して、保険金支払いに備える義務があります。
「でも保険料を運用してもらえるっていっても、失敗するリスクもあるんじゃないの?」と疑問に思う方もいますよね。
保険会社は皆さんから受け取った保険料を、比較的安定している国債や地方債を用いて運用しています。
国や自治体が発行している債権ですので安定性には問題がないほか、日本円で運用しているので失敗するリスクも最小限に抑えられます。
生命保険料控除の対象なので節税にも役立つ
生命保険を資産運用に利用することで得られるメリットの一つの中に、加入しているだけで生命保険料控除を利用できる点にあります。
生命保険料控除とは、生命保険に加入している人を対象に、支払った保険料に応じて住民性や所得税の減免措置が受けられる制度です。
資産運用に利用できる生命保険は、保険料が高い傾向にありますのでより多くの控除を受けられる可能性があります。
節税対策をしながら生命保険の保障を得て資産運用もできるのは、一挙両得ですよね。
生命保険を資産運用に利用する4つのデメリット
生命保険を資産運用に利用するデメリットは、以下の4つです。
- 保険会社が倒産する可能性もある
- 早期解約で元本割れを引き起こすことも
- 保険料が高く設定されている
- 高額な利益を得るのは難しい
以下で詳しく解説していきます。
保険会社が倒産する可能性もある
生命保険会社は公共事業ではなく、民間企業によって運営されているので契機によっては倒産するリスクもあります。
保険会社が倒産してしまった場合、ほかの保険会社が救済措置として保険契約を引き継いでくれる時もありますが、確約されてはいません。
また生命保険会社では責任準備金が一定金額用意されていますが、保険加入者全員分を補填できるほどあるとはこちらも確約されていません。
生命保険会社の倒産は知らないだけで意外と定期的に起こっているものです。
もしもこれから投資目的で生命保険への加入を検討されているのであれば、ソルベンシーマージン比率という基準を確認しておきましょう。
企業が健全に運営されているのかを示す指標で、保険会社の経営状態に問題がないかを判断できます。
早期解約で元本割れを引き起こすことも
生命保険を資産運用目的で使用する際には、保険料払込期間を過ぎる前に早期解約してしまうと、元本割れを引き起こすこともあります。
保険会社はみなさんから預かった保険料を加入期間運用していますが、保険料の払込期間の前に保険を解約して解約返戻金を受け取ってしまうと、運用できるだけの十分な金額がそろっていない状態なので、十分な運用益が確保できません。
元本割れを引き起こしてしまうと、支払った保険料よりも受け取る解約返戻金額が少なくなってしまいますので、実質損をすることに。
資産運用を目的に生命保険を利用するのであれば、必ず保険料払込期間まではしっかり加入するようにしましょう。
保険料が高く設定されている
資産運用で利用できる生命保険は、通常の保障分のほかに貯蓄分が保険料に上乗せされているので、料金が総じて高くなる傾向にあります。
そのため元手になるお金が必要なので、誰でも利用できる運用法ではないのです。
同年代で定期保険に加入するよりも保険料が高くなりますので、少しでも資産運用目的より保険の保障目的にふれている場合は、定期保険に加入して短期間に集中して保障を得るようにしましょう。
高額な利益を得るのは難しい
上述したように生命保険会社は受け取った保険料を、国債や地方債などの安定した金融商品を用いて運用していきます。
ただし安定している=リスクが少ない分利益も少ないということです。
生命保険に加入して資産運用を行っても、一発逆転を狙えるほど利益を出すことはできません。
安定して確実に資産運用したいのであれば生命保険を活用し、運用益目的で資産運用を行いたいのであれば、ほかの運用方法を試してみてください。
生命保険での資産運用に向いている人の特徴
生命保険での資産運用に向いている人の特徴は以下3つです。
- 将来決まった時期に向けてお金をためていきたい人
- 子どものためにお金を残しておきたい人
- 保障のついでに安定した運用をしたい人
以下で詳しく解説していきます。
将来決まった時期に向けてお金をためていきたい人
将来決まった時期に向けてお金をためていきたい人は、生命保険での資産運用に向いているといえます。
例えば将来子供の進学に合わせて解約返戻金で進学費用を捻出したい、また定年退職のタイミングで解約して老後の資金として活用することもできます。
加入のタイミングをのがさなければ、ピンポイントのタイミングでお金を用意できます。
子供のためにお金を残しておきたい人
資産を運用して子どものためにお金を残しておきたい人も、生命保険での資産運用に向いています。
成人した子供のためにお金を渡したい場合には、解約返戻金を何らかのお祝い金として渡すこともできます。
また子供の成長過程で自分が亡くなったと気の保障も同時に得られますので、生命保険の保障機能も活用できます。
保障のついでに安定した運用をしたい人
保障をうけながら安定した運用を行いたい人も、生命保険を活用して資産運用をするのに向いているといえます。
「始めて資産運用をするけど、正直成功するか不安…」という方でも安心して利用できるので、初心者でも問題なく利用できるでしょう。
生命保険で資産運用を効率よく行うなら保険料をまとめて支払う方がお得
「せっかく資産運用するなら生命保険でも利益を多く出したい!」と考える方もいますよね。
生命保険で資産運用を効率よく行うのであれば、保険料を一括でまとめて支払う方がお得です。
一括で支払い期間の料金を全額支払ってしまえば、残りの加入期間は運用期間に回せます。
ただし、保険料を全額一度に支払うだけの貯蓄と、一度きりの支払いの場合は生命保険料控除の適用対象外になるため、注意が必要です。
これから生命保険の資産運用を検討するなら保険相談窓口を利用しよう
「資産運用のために生命保険に加入したいけど、どんな保険に加入したらいいかわからない…」なんて方も中にはいますよね。
これから生命保険の資産運用を検討するのであれば、保険相談窓口を利用することをおすすめします。
保険相談窓口は無料で保険の知識豊富な専門家に相談できるほか、FP資格などお金に関連する資格を所有するスタッフに相談できることもあります。
これから生命保険の資産運用を検討するのであれば、ぜひ一度足を運んでみてください。
保険を利用した資産運用の相談におすすめな保険相談窓口2選
保険を利用した資産運用を行いたいのであれば、以下の保険相談窓口を利用してみてください。
保険見直しラボ
保険見直しラボはスタッフの訪問専門の保険相談窓口です。
生命保険に詳しくない人でも理解できるように、保険の基礎的知識からスタッフが紹介してくれます。
「スタッフに大事な保険を任せるなら、経験者がいいな…」と思う方も多いでしょう。
保険見直しラボで紹介されるスタッフは、業界経験歴12年以上のベテランぞろいですので、安心して任せられます。
また保険相談を利用した後にアンケートに回答するだけで、プレゼントがもらえるキャンペーンに参加できます。
資産運用の相談をしながらプレゼントをもらいたい!という方は、ぜひ保険見直しラボを利用してみてはいかがでしょうか。
保険見直しラボの口コミ&評判を分析!利用するメリット・デメリットを徹底解説
マネードクター
マネードクターは名前の通りお金に関することを相談できる保険相談窓口です。
生命保険はもちろんのこと、家計の相談や資産運用までオールマイティに対応してくれます。
マネードクターにはFPが1300名以上在籍しているほか、MDRTという生命保険に関連する専門資格を保有しているスタッフもいます。
生命保険を活用した資産運用を行うのであれば、非常に心強いですよね。
以下の記事でマネードクターの詳細な情報について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マネードクター(保険のビュッフェ)の口コミ・評判からメリット・デメリットを紹介!
メリット・デメリットを把握して生命保険を上手に活用しよう
いかがでしたか?
生命保険は死亡時のもしもの保障のために加入するだけでなく、資産運用にも活用できます。
保険商品を選んで支払いきれる保険料で加入すれば、長期間の運用期間が確保できますので将来の解約返戻金に期待が持てます。
ただし生命保険の本来の目的である保障とは異なる利用方法ですので、きちんとメリット・デメリットを把握したうえで利用するようにしましょう。