現在日本では約6割の学生が大学に進学する時代となりました。
文部科学省の調査によれば、日本学生支援機構の奨学金を借りている学生は、平成28年時点で132万人と公表されています。
この記事を読んでいる皆さんも、大学卒業後に奨学金の支払いを控えている、あるいは返還の最中であることでしょう。
「何年も返還が続くのはわかっているけど、あと残り残高はどのくらいなんだろう…」とふと思ったこともありますよね。
しかしどこで調べればいいかわからない方も中にはいますよね。
今回は日本学生支援機構の奨学金の返済を行っている方向けに、現在の奨学金の残高を調べる3つの方法、また確認時のトラブル対処法まで徹底的に解説していきます。
目次
日本学生支援機構の奨学金の残高を調べる3つの方法
日本学生支援機構の奨学金の残高を調べるには、下記の3つの方法を試してみてください。
- スカラネットパーソナルにログインして確認
- 年に1回届く振替案内の残額で確認する
- すぐに知りたいなら平日に専用ダイヤル連絡
以下で詳細を解説していきます。
スカラネットパーソナルにログインして確認
奨学金の残高を手っ取り早く確認するには、スカラネットパーソナルにログインして確認するのが早いです。
日本学生支援機構の公式サイトのリンク、あるいはスカラネットパーソナルと検索してサイトを開きましょう。
上記の画面が表示されますので、ログイン・新規登録の緑のボタンを押しましょう。
緑のボタンを押すと、ユーザID、パスワードの認証が求められます。
ログイン情報を入力後には、11桁の奨学生番号の確認画面が表示されます。
奨学金申込時に受け取った黄色の奨学生証を手元に用意し、番号を入力しましょう。
真ん中の2桁はプルダウン形式なので、選ぶだけでOKです。
奨学生番号を入力後、詳細情報を確認すると、現在の返済残高を確認できます。
年に1回届く振替案内の残額で確認する
奨学金の変換が始まると、スカラネットパーソナルに登録されている住所あてに、振替案内が届きます。
年にいくら返還したか、来年以降どの程度の返還が必要かが書かれています。
すぐに知る必要がないのであれば、自宅に届いている直近の振替案内の書類に目を通してみましょう。
万が一現在の返還残高を知りたいのであれば、記載されている残高から、書類に記載されている最終返還日から今まで支払った返還金を差し引けば、概算が算出できます。
2021年現在振替案内は原則郵送中止
日本学生支援機構によれば、2021年現在振替案内の郵送が中止になり、原則としてスカラネットパーソナルから確認することになります。
口座種別や登録状況によって、適用される時期が変わります。
スカラネットパーソナル登録済み本人口座名義での返還 | 令和2年(2020年)以降郵送中止 |
スカラネットパーソナル未登録本人名義口座での返還 | 令和3年(2021年)以降郵送中止 |
本人名義以外の口座からの返還 | 令和3年(2021年)以降郵送中止 |
(参考:独立行政法人日本学支援機構「奨学金返還の振り替え案内(残額のお知らせ)」の今後の取扱いについて)
すぐに知りたいなら平日に専用ダイヤルに連絡
奨学金の残高確認をすぐにしたい、きちんと口頭で確認してもらって安心したいかたは、平日に開設されている奨学金返還相談センターに連絡してみましょう。
月曜から金曜日まで、9時から20時の間で「0570-666-301」に連絡すれば対応してもらえます。
奨学金関連の相談であればなんでも受け付けてくれますので、返還が苦しいときや返還額を繰り上げたいときなどは、この窓口に連絡することで対応してもらえます。
時間帯によっては電話が集中していて、つながりにくくなることもありますので、注意が必要です。
問い合わせ時のトラブルの対処法
奨学金の残高確認時には、奨学生番号やID・パスワードの入力が求められます。
しかし奨学金を申し込んだのは高校3年生、あるいは大学1年生のころのため、どうしても思い出せない、書類をどこかにやってしまったという方も多いでしょう。
以下では問い合わせ時のトラブル対処法について、ケースごとに紹介しています。
奨学生番号を忘れたら本部に問い合わせをする
奨学生番号を忘れた場合には、上述した専用ダイヤルに問い合わせて、奨学生番号を確認してもらいましょう。
奨学生番号を忘れた旨を伝えると、情報照合を行ってから皆さんの番号を通知してくれます。
また焦っている時に見落としがちなのが、返還誓約書や学生時代に使っていた継続手続きの下書き用紙です。
返還誓約書にも奨学生番号が記載されているほか、学生時代に年に1回行われていた奨学金の貸与継続手続きの下書き用紙を確認してみてください。
入力時のメモとして奨学生番号が記載されていることもあります。
在学中なら大学の専門窓口にて問い合わせ
現在在学している方は、大学の専門窓口にて問い合わせをすると、確認してくれます。
学生課と併設していることも多いので、対応時間を狙って確認してみましょう。
返還関連の書類が届かないなら住所登録情報を確認
返還関連の書類が届かないのであれば、住所登録情報を確認しましょう。
過去ずっと手元に届いておらず、一人暮らしを始めて実家から出ている方は、もしかしたら住所登録情報が実家のままになっている可能性があります。
返還書類が届いたためしがない!という方は、住所登録情報をよく確認してみてください。
ただし上述した通り、2021年から奨学金の返還関連の通知は届かずに、自分でスカラネットパーソナル上で確認することが求められます。
スカラネットパーソナルのログイン情報を忘れたら再設定
「何でもスカラネットパーソナルから確認しろ!っていうけど、そもそもログイン情報自体を覚えてないよ!」という方も多いですよね。
スカラネットパーソナルのログイン情報を忘れたら、「新規登録・ログイン」の下にあるパスワードを忘れた場合のリンクを押すと、再設定ができます。
再設定に必要な情報は以下の通りです。
- 奨学生番号
- 生年月日
- 氏名
- 日本学生支援機構に登録した口座番号下4桁
- 支店番号
現在返還中の方は、返還用の口座番号を入力しましょう。
気づかないうちに滞納?奨学金リレー口座登録ミスが原因かも
奨学金の返還は卒業した年の10月から順次スタートします。
しかし11月になっても12月になっても、返還の通知が来ないと不安になり、残高を確認しようとする方も居ます。
日本学生支援機構の奨学金を借りて卒業する年には、説明会を受講して返還時に使うリレー口座の登録を行います。
リレー口座の登録は在学中の10月から11月ごろに行われます。
登録した口座が間違っていたり、期限を過ぎてから提出した場合には、返還が遅れる場合があります。
また大学の案内をよく確認しておらず、そもそもリレー口座自体登録していない方も、中にはいます。
リレー口座登録控えがあるかを確認して、内容に不備はあるか、きちんと登録は済んでいるかを確認しましょう。
奨学金を滞納したら3回目でブラックリスト入りになる
奨学金は返還されたお金を次の利用者の学費に充てることで、運営がなりたっています。
リレー口座の登録が上手くいっていない、そもそも登録していない場合、1回目まではただの遅延として扱ってもらえます。
しかし2回目以降の滞納を行ってしまうと、延滞金が発生するほか、催促が届きます。
自分だけではなく、奨学金を借りる時に名義を貸してもらった、親族などの連帯保証人にまで連絡が行くことになります。
2回目時点になると個人信用情報機関への登録についての案内が届きます。
3回目になると滞納した情報が、個人信用情報機関に登録されて、ブラックリストに登録されます。
ブラックリストに登録されてしまうと、クレジットカードを作れなくなるほか、住宅ローン審査にまで悪影響をおよぼします。
1度滞納した時点ですぐに対処をして、口座登録がきちんとできているかを確認しておきましょう。
奨学金の残高を定期的に確認して延滞を防ごう
いかがでしたか?
奨学金の残りの支払残高を確認するのは、意外と簡単です。
しかし情報が一つでもかけていると、、対応が難しくなるので登録時に使った書類は些細なものでも捨てずに、きちんと保管しておくようにしましょう。
万が一残高確認に必要な情報を忘れてしまった場合は、専用の窓口に問い合わせれば対応してもらえますので安心してください。
返還しているつもりでも、返還総額が減っていない場合は、もしかしたらリレー口座がきちんと登録されていない可能性があります。
延滞を続けてしまうと、ブラックリスト入りになる可能性もありますので、すぐに対処しましょう。