保険について調べていると、少額短期保険の文字を見かけたことがある方も多いでしょう。
保険と言えば生命保険や損害保険を思い浮かべる方も多いため、どんな保険なのか見当がつかないですよね。
しかし侮ることなかれ、少額短期保険は様々な細かいリスクに対応できる保険なため、実は皆さんに必要な保障を備えた保険があるかもしれないのです。
今回は少額短期保険がどのような保険なのか、加入するメリットはあるのかについて、徹底的に解説していきます。
目次
少額短期保険は保険金額が1000万円以下の保険商品のこと
少額短期保険は保険金額が1000万円以下の保険商品のことを指します。
一般的な生命保険や損害保険の場合は、契約できる保険金額が100万円~数億円まで幅広い保険金額から、自分で選択が可能です。
一方で少額短期保険は、保険金の契約金額上限が1000万円までと決められているので、高額な保険金を契約する野には向かない保険です。
その他にも、下記4つの特徴があります。
- 保険期間が2年以内と短い期間で加入できる
- 保険会社ごとに保障内容が大きく異なる
- 積立や生存給付金の取扱いがない
- 外貨建ての保険も契約できない
以下で詳しく解説していきます。
保険期間が2年以内と短い期間で加入できる
少額短期保険の保険期間は、最長でも2年であることが多いです。
短期間で保険に加入できるので、気にいらなければ他の保険にすぐに切り替えられるメリットがあります。
また中には1年で保険期間が切れるものもあるため、短いスパンで保険を切り替えたい場合には契約するメリットが非常に大きいといえるでしょう。
保険会社ごとに保障内容が大きく異なる
少額短期保険は、生命保険や損害保険とは異なり、保険会社によって保障内容が大きく異なります。
生命保険や損害保険は大体保険商品の方向性が決まっており、給付金の支給条件が各企業によって異なる程度に収まっていることが多いです。
葬儀保険と言って葬儀費用を補償してくれる保険もあれば、モバイル保険のようにスマホ紛失に対応できる保険もあります。
生活に応じた様々な細かいリスクに対応できるので、保障に合わせて保険会社を選べます。
積立や生存給付金の取扱いがない
少額短期保険では貯蓄目的の保険商品や、生存しているときに保険金が給付される保険の取扱いがありません。
あくまでリスクを保障するための目的ですので、個人年金型や貯蓄型の保険の取扱いはありませんので、注意が必要です。
外貨建ての保険も契約できない
少額短期保険の保険料支払いは日本円でしか対応していないため、外貨建ての保険も契約できません。
外貨建ての保険は運用利率が高く、長期間加入することで円建ての保険よりも高い運用益を得ることが可能です。
しかし外貨建ての保険は貯蓄性が非常に高いため、少額短期保険での契約はできません。
外貨建ての生命保険ってリスク高い?加入するメリットデメリットを徹底的に解説します
少額短期保険を契約する3つのメリット
少額短期保険を契約するメリットは、以下の3つです。
- 短期間で保険期間が切れるので保障を見直しやすい
- 鉾円了が安いので気軽に契約できる
- 生損保両方の保険を一度に加入できることもある
以下で詳しく解説していきます。
短期間で保険期間が切れるので保障を見直しやすい
少額短期保険は、上述した通り短期間で保険期間が切れるので、定期的に保障を見直しやすいメリットがあります。
通常生命保険や損害保険は、10年単位で保険に加入することが多いです。
また保険に加入している期間は保険の見直しについて考える機会が少なく、保険会社から通知で保険期間が切れることに気づく方も多いです。
保険は生活のリスクに対応するための商品である関係上、時間とともに変化する生活水準に合わせて保険商品も定期的に見直さないと、無駄な保険料を支払うだけになってしまいます。
その点、少額短期保険は短期間で保険期間が切れるので、保障を見直しやすい傾向にあります。
保険料が安いので気軽に契約できる
少額短期保険は、生命保険や損害保険とは異なり、保険料が比較的安い傾向にあるので、気軽に契約できるメリットがあります。
一般的に保険では契約する保険金額や保障の範囲が広い分、保険料が高くなる傾向にあります。
少額短期保険は最高でも1000万円までの保険金額しか契約できないので、保険料が極端に高くなることはないのです。
保険に加入するときの一番のネックは、毎月支払う保険料であることが多いでしょう。
安い保険料で必要最低限の保障を手に入れられるので、短期的に集中して保障が欲しい方に向いているでしょう。
生損保両方の保険を一度に加入できることもある
少額短期保険では、生損保両方の保険に同じ保険会社で申し込みを出来ることもあります。
一般的にCMで見かけるような生命保険会社や損害保険会社は、実は一つの保険会社で生損保両方の保険商品を取り扱うことができない決まりになっています。
一方で少額短期保険会社にはその制限がありませんので、一つの保険会社で両方の性質を盛った保険を取り扱っていることもあるのです。
複数の保険会社で契約していると、加入状況の管理が難しくなりますから、手続きを簡単に済ませたい方にはメリットが大きいでしょう。
少額短期保険を契約する4つのデメリット
少額短期保険を契約するデメリットは、以下の4点です。
- 定期的に保険期間が切れるので更新が必要になる
- 小規模な企業が多い野で経営状態に不安がある
- 契約できる保険金額が少ない
- 生命保険料控除の対象外
以下で詳しく解説していきます。
定期的に保険期間が切れるので更新が必要になる
少額短期保険は定期的に保険期間が切れるため、加入を継続するのであれば定期的な更新が必要になります。
一回保障を得たらしばらく保険料を支払うだけで契約を継続したい方には、向かない可能性が非常に高いです。
一回保障を得たらしばらく契約関係にタッチしたくない方は、定期保険や終身保険への加入をおすすめします。
小規模な企業が多いので経営状態に不安がある
少額短期保険会社は小規模な企業が多いため、経営状態に不安があるのもデメリットの一つです。
大手の生命保険や損害保険の企業は、経営基盤がしっかりしており、多くの従業員を抱えていますので、基本的に経営がいきなり危なくなることはありません。
しかし小規模な企業の場合、不景気に見舞われてしまったり、何らかの原因で経営不振に陥ってしまうこともあるのです。
いきなり保険会社が倒産してしまった場合、補償してくれる機関がないのもデメリットに感じられるかもしれません。
契約できる保険金額が少ない
上述した通り、少額短期保険は契約できる保険金の上限額が低く設定されています。
そのため多くの保険金を契約して保障を手厚くしておきたいと考えている人には、加入するメリットが少ないでしょう。
多くの保険金を契約したいのであれば、他の生命保険会社や損害保険会社をチェックすることをおすすめします。
生命保険料控除の対象外
少額短期保険は生命保険慮控除の対象外のため、節税対策には活用できないデメリットもあります。
生命保険料控除は、加入している生命保険料の金額に応じて、翌年の住民税や所得税の控除をうけられる制度です。
控除を目的に保険に加入するなら、少額短期保険は向きませんので、他の保険商品を契約することをおすすめします。
生命保険料控除の仕組みを徹底解説!知ればお得に保険料を活用可能
少額短期保険の上手な活用方法
少額短期保険を上手に活用するには、以下の2つの方法を試してみましょう。
生命保険や損害保険の補填として活用する
既に加入している生命保険や損害保険でカバーできていない部分の、補填として活用するようにしましょう。
生命保険や損害保険は保証内容が充実しているものの、かゆいところに手が届かないこともあります。
生命保険や損害保険で対応できていない日常のリスクがあった場合に、加入を検討してみてください。
短期間に集中して保障が欲しいときに活用する
少額短期保険は短期間に集中して、ピンポイントで保障の得られる保険です。
短期間で最低限の保障が欲しいときに、加入しましょう。
ただし短期間ですべてのリスクに対応しようとして、複数の保険に同時に加入してしまうと、かえって保険料の支出が多くなってしまいますので、注意が必要です。
少額短期保険を上手に使い分けて生活のリスクに対応しよう
いかがでしたか?
少額短期保険は生命保険や損害保険とは異なり、短期間でピンポイントに小さなリスクに対応するのに活用できる保険です。
少額短期保険と通常の保険を上手に使い分けて、生活のリスクに対応することをおすすめします。