企業に勤めている方は年に1度、指定の健康診断を受診しますよね。
健康に気を使っていたはずなのに、診断結果を見てみたら「要再検査」の文字が…なんて経験をされた方も多いはず。
要再検査の診断を受けた後に医療保険への加入を検討している場合は、「自分の健康状態で加入できるのかな…?」と不安になってしまいますよね。
医療保険では入院や手術にかかる費用を補償してくれますから、子どもがまだ学生のうちなどはできれば加入して備えておきたいでしょう。
そこで今回は医療保険へ加入する前に要再検査の診断を受けた方向けに、そもそも加入できる方法はあるのか、加入を断られた場合の対処法について徹底的に解説していきます。
目次
医療保険に加入するには健康診断は必ず受けないといけない?
医療保険に加入する際、健康診断が必要かどうかは、保険会社や具体的な保険プランに依存します。
一般的には、健康診断が必要な医療保険プランと、健康診断が不要な医療保険プランが存在します。
以下は一般的なケースですが、保険会社やプランによって異なることがあるため、具体的な情報を保険会社から確認することが重要です。
健康診断が必要な医療保険
高齢者向けの医療保険や高額な保障を提供するプランなど、特定の条件を満たす場合、保険会社は健康診断を要求することがあります。
健康診断には身体検査、血液検査、健康履歴の提出などが含まれることがあり、結果によって保険会社は保険料や保険の承認を決定します。
健康状態が良い場合、保険料が低くなることがある一方、健康状態が悪い場合は保険料が高くなることがあるので注意が必要です。
健康診断が不要な医療保険
一部の簡易な医療保険プランでは、健康診断が不要で、簡単な質問フォームを記入するだけで契約できる商品もあります。
健康状態や年齢に関係なく、誰でも加入できるプランも存在するので健康状態に自信がない方も加入しやすいでしょう。
保険会社やプランによって要件が異なるため、加入を検討する前に保険会社と相談し、具体的な要件やプロセスを確認することが大切です。
また、健康診断を受けることで、保険プランのカスタマイズや保険料の最適化に役立つことがあるため、検討する価値があります。
医療保険では健康告知が必須
「そもそもなんで医療保険では健康告知が必須なの?」と疑問に思う方もいますよね。
医療保険では以下の理由から、皆さんに対して健康告知を求めています。
保険加入者間の不平等をなくすため
医療保険では冒頭でも紹介したように、入院や手術を受けた加入者に対して、日額数千円単位で給付金が下りる保険です。
つまり病気にかかるリスクが高ければ高いほど、医療保険の給付金を受け取る機会が多くなります。
仮に30代で同じ料金で医療保険に加入したとして、一方が健康状態が良く、もう一方が手術の必要がある病気にかかっていた場合、病気にかかっている側の方が医療保険から給付金を受け取る確率は高くなりますよね。
同じ保険料を支払っていても保険の保障を受ける機会に差が出てしまっては、加入者間のバランスが取れなくなってしまいます。
保険加入者間の不平等をなくすために、加入する前の健康状態を確認するために、健康告知が求められるのです。
今後の支払いリスクを把握するため
健康告知を行う際には、保険会社の指定している疾病のほかにも、現在治療を受けている病気や通院歴について告知する必要があります。
保険会社は申告の内容を見て、今後支払いリスクが発生するかを判断します。
保険会社の判断によっては、現在かかっている病気の状況に応じて部位不担保に設定されることもあります。
部位不担保になった場合には、万一保険加入期間中に指定された病気にかかったとしても、保険金はおりません。
今後の支払いリスクを把握するためにも、健康告知が行われます。
要再検査と要精密検査の違いは?
「要再検査」と「要精密検査」は、医療診断やスクリーニングにおいて使用される用語で、それぞれ異なる意味を持ちます。
ここからは要検査と要精密検査について詳しく解説していきます。
要再検査
要再検査は、初期の検査結果が異常または疑わしい場合に、追加の検査を行う必要があることを示す用語です。
初期の検査(例:血液検査、レントゲン、超音波など)の結果が異常値を示し、医師が症状や所見に注意を払っている場合、追加の検査が必要と判断されます。
要再検査は、疾患や健康問題をより詳しく評価するためのステップであり、最終的な診断につながる場合もあります。
例えば、初期の乳がんスクリーニングで異常を検出した場合、要再検査としてマンモグラフィや乳房超音波を実施し、異常を詳細に調べるなど非常に重要なステップです。
要精密検査
要精密検査は要再検査の後に行われる、より詳細で精密な検査プロセスを指します。
要精密検査は、要再検査の結果が依然として異常であるか、特定の症状や所見が存在する場合に行われます。
この段階では、より高度な医療機器や技術を使用して、具体的な診断を行うための情報の収集が必要です。
これには、生検、CTスキャン、MRI、内視鏡検査などが含まれることがあります。
要精密検査の結果に基づいて、疾患や病気の診断が確定されれば、治療計画が立てられるでしょう。
健康診断で要再検査の診断を受けたら保険に加入できない可能性あり
健康診断で要再検査の診断を受けた場合には、保険に加入できない可能性が出てきます。
健康診断で要再検査が出て、すぐに医療機関で精密検査を行い、誤差の範囲内との診断が出れば「異常なし」として保険への加入は認められます。
一方で精密検査の結果、治療の必要な疾患が見つかった場合、保険への加入は認められません。
また注意してほしいのが、自己判断で決めて診断結果を放置してしまうこと。
健康診断の要再検査が出ているのにも関わらず、「自分の体には何の異常もない」と放置していると、重大な疾患を見落としてしまいより高度な治療が必要になることも。
放置したままにしておくと、精密検査を受けておけば防げた疾患を見落として、医療保険にさらに加入しにくい状態になってしまいますので、注意が必要です。
注意!保険会社によって引受基準が異なる
医療保険では脳卒中や心臓病などの重大な疾患の告知が義務付けられていますが、血圧や体形など詳細な条件は保険会社ごとに引受基準が変わります。
A社では通常加入できたのにB社では部位不担保での加入になることもあるのです。
保険会社によって引受基準が異なりますので、医療保険加入時には自己判断で記入内容を削らずに、保険会社の指定する期間内の受診歴やかかった病気の種類はきちんと申告しましょう。
アレルギーでも医療保険に入れる?告知義務の有無や加入の制限について解説!
健康診断で要再検査の診断を受けたときに取るべき行動
健康診断で要再検査の診断を受けた時に取るべき行動は、以下の3つに分類できます。
- すぐに検査を受けて詳細な診断を受ける
- 保険会社の告知事項を確認する
- 引受基準の下がった保険に加入する
以下で詳しく解説していきます。
すぐに検査を受けて詳細な診断を受ける
健康診断で要再検査の診断を受けた場合には、すぐに医療機関で予約を取って精密検査を受けましょう。
「医療保険に加入できなくなる可能性があるのは嫌」と検査で詳細な結果が出ることを避けようとする方もいますが、検査を受けないで放置した後の方が取り返しがつかなくなります。
仮に数値が一時的に悪化していただけの場合、医師から「問題なし」の証明を受けて医療保険にそのまま加入できます。
数値を放置しておいて重大な疾病が隠れていてのちに症状が出始めた場合、医療保険への告知義務が発生します。
部位不担保ではなく、保険への加入を断られる事態にもなりかねませんので、注意が必要です。
保険会社の告知事項を確認する
加入を検討している医療保険会社の告知事項を事前に確認しておきましょう。
血糖値や高血圧などの数値異常の場合、保険会社によっては加入に当たって数値の条件を設けていることもあります。
またどの病気の申告が必要かなど、保険会社によって詳細も異なりますので事前に確認しておくようにしましょう。
保険への加入申請をした後では審査を待つことになるので、スムーズに対応を進めるためにも確認は必須です。
引受基準の下がった保険に加入する
医療保険には引受基準をあらかじめ下げて、一定の基準以下であれば病気にかかっていても加入を認めてくれる保険もあります。
通常の医療保険ほど数は多くありませんが、健康状態に不安のある方は一度引受基準の下がった保険への加入を検討してみることをおすすめします。
ただし引受基準が下げられている=医療保険会社が引き受ける保障の範囲が広いと同じ事になりますので、通常の医療保険よりも保険料が高く設定されていることもあります。
公的保障の利用も併せて検討しながら、保険へ加入するべきかどうかを考えてみてください。
要再検査だとほかの保険に切り替えられない可能性もある
「もうすでに医療保険に加入しているから健康診断の結果が悪くても大丈夫」と考えている方も中にはいるかもしれません。
ただし保険加入期間中にほかの医療保険へ乗り換えようと検討されている場合は、要注意です。
既に加入している医療保険をほかの保険会社の商品に切り替える場合には、保険会社に対して再度健康告知を行う必要があります。
再検査の場合健康状態に不安があると判断されてしまいますので、保険の加入が認められない可能性もあるんですよ。
ただし既に加入している医療保険を更新するときには、健康告知は加入時のものが適用されますので、加入期間中に検査に引っかかっても問題はありません。
ただし保障を追加する際には、再度告知を求められますので注意が必要です。
要再検査を隠して加入すると告知義務違反になる
「ただ健康診断で指摘されただけだし、保険会社に申告する必要なんてなくない?」と思うかもしれません。
要再検査を隠して保険に加入すると、告知義務違反となって保険会社からペナルティを受ける可能性があります。
冒頭でも紹介したように、医療保険では保険加入時には正直な告知を求められます。
保険会社は加入時に申告した内容を信用して保障を適用してくれますが、加入期間中に告知内容に不備あるいはウソが認められた場合は、信用を欠いたとして保険金や給付金の申請が通らなくなります。
また場合によっては保険会社から加入継続を拒否されることもありますので、注意が必要です。
要再検査になったとしても、きちんと検査を受けたうえで結果を申告するようにしましょう。
検査結果が悪くても入れる医療保険に加入できる?
検査結果が悪い場合でも医療保険に加入できるかどうかは、保険会社やプランによって異なります。
以下に、検査結果が不良だった場合の一般的な医療保険の選択肢と考慮すべきポイントをまとめました。
割増保険料・保険金額の引き下げ
一部の医療保険プランでは、健康状態に応じた保険料の増額や、保険金額が制限されることがあります。
これは、健康リスクを考慮した保険料の設定であり、保険会社がリスクを分散するための措置です。
特定部位(疾病)不担保
一部の医療保険プランでは、特定の疾病または既往症に対する保障を提供しないことがあります。
たとえば、がんの既往症がある場合、その特定のがんに関連する保障を受けられないことがあるので確認が必要です。
引受基準緩和型医療保険
上記でも述べているとおり一部の医療保険プランでは、健康状態に関する引受基準が緩和されたり、柔軟性が提供されたりすることがあります。
これにより、健康状態が悪い場合でも保険に加入しやすくなるでしょう。
無選択型保険
一部の保険プランは、無選択型保険として知られ特定の健康状態や既往症に関係なく、誰でも加入できるように設計されています。
ただし、無選択型保険の場合、保険料が高めに設定されることがあるため、コストを検討する必要があるでしょう。
団体保険なら健康診断の結果が悪くても加入できる?
団体保険について、健康診断の結果が悪くても入れるかどうかは、その団体保険の契約条件に依存します。
しかし団体保険は通常、雇用主が従業員に提供するものであり、一般的には個人の健康状態に関係なく、集団内の全ての従業員が加入できるように設計されています。
そのため、団体保険に加入する場合、個人の健康状態や健康診断の結果が影響を与えないことが多いです。
ただし、団体保険の契約条件は雇用主と保険会社との間で合意されるため、保険プランごとに異なります。
したがって、特定の団体保険の契約条件を確認し、健康診断の結果に関連する制約や影響について確認することが重要です。
一部の団体保険では、健康診断結果に応じて保険料が調整されることがあるかもしれませんが、通常、結果が悪い場合でも入れる可能性が高いでしょう。
とはいえ、上記で述べたとおり契約条件に依存するため、雇用主または人事部門と相談しましょう。
健康診断で要再検査の診断を受けたら医師の診断を受けるのが最優先
いかがでしたか?
健康診断は定期的に受けるものですが、前年と数値がまるっきり変わることもあります。
要再検査の診断を受けた場合は、医師の診断をすぐに受けて問題があるかを証明してもらいましょう。
医師の診断を受けないで放置していると、医療保険への加入が認められないほか、より大きな疾病へつながる可能性もあります。
診断結果を甘く見ずに、すぐに対象することが医療保険へ加入する近道になります。
また健康診断で要再検査の結果が出ていることや、数値を詐称して告知すると、告知義務違反として保険への加入継続が難しくなることもあります。
きちんと事実を申告してから医療保険への加入を目指すようにしましょうね!