TVCMでも取り上げられているがん保険ですが、20代の皆さんは自分たちには必要性はないなんて思っていませんか?
嵐の櫻井君が出演しているCMでも、20代で若くしてがんにかかった方が紹介されているように、若いからがんにかからないなんて保証はどこにもありません。
がん保険はがんにかかった際の医療費を手厚く保障してもらえる保険ですので、20代でも加入しておいて損はありません。
ですが実際周囲にがん保険やがんにかかった人は少ないでしょうから、他人事のように感じてしまうのも無理はありません。
そこでこの記事では、20代でがん保険に加入する必要性や、加入によって生じるメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
目次
そもそもがん保険は何が保障されるの?
がん保険では、がんにかかってしまった際に受け取れる給付金で負担を軽減できるほか、特約を付けることで先進医療費を保障してもらうこともできます。
国民皆保険制度が根付いている日本では、原則医療費は3割自己負担するだけでOKですが、がんにかかってしまう3割負担に軽減されているとはいえ経済的に大きなダメージを受けてしまいます。
更に先進医療と呼ばれる新しい治療法は保険適用外になりますので、全額自己負担する必要があります。
これらが保障されるので、がんにかかることで生活的に困窮することを防げます。
がん保険で保障される費用は、一般的に以下の3つです。
がんと診断されたときの一時金
病院でがんと診断されると一時金を受け取れます。
一時金の額は保険会社やプランにもよりますが、100万円~300万円程度であることが一般的です。
一時金は1回きりしか受け取れないものもあれば、一定条件を満たすことで複数回受け取ることのできるものもあります。
入院費用
がん保険では入院費用を一定の日額で受け取ることができます。
医療保険と同じ制度にように思われますが、がん保険では入院日数による給付制限がありませんので、長期入院した場合にも給付を受け続けることができます。
一般的にがん保険から支払われる額は5000~15000円です。
プランにもよりますが、実際に入院でかかった費用を全額支払ってもらえる実損填補型のものもあります。
手術費用
がん治療では、一般的に手術によって患部を切除する治療法が取られます。
そのためがん保険では、手術費用を保障してもらえます。
手術の難易度や種類によって金額が変動し、通常は入院費用の日額保障額の10倍~40倍の間であることがほとんどです。
もちろんプランによってはかかった手術費用を全額保障してもらうこともできます。
通院費用
最近では治療法の進歩により、入院日数も減少し術後には通院治療を行うのが一般的になりました。
がんの治療による通院費用も保障してもらえます。
治療による入院が必要なく、通院だけで治療が可能な方でも利用可能な保険がほとんどです。
20代でがん保険に加入する必要性はある?
上で紹介したようにがん保険では、がんにかかった際にかかる莫大な医療費を保障してもらえる保険ですので、20代であっても加入しておく必要性はあります。
ですが実際どれだけの人が20代でがんにかかっているのか、どれだけの人ががん保険に加入しているのかはわからないという人も多いはず。
実際の数字がわからないと、加入する必要性があるといわれてもわかりづらいですよね。
以下で数字を用いて解説していきます。
20代でがんになる確率は2500人に1人の割合
えっ…少ない…と感じた方いますよね。確かに20代でがんにかかる確率は他の年代に比べて非常に少ないんです。
ですが安心してはいけません。30代になるとがんにかかる確率は900人に1人と大幅に確率が上がるのです。
「じゃあ30代以降でがんにかかってから加入すればいいじゃん」と考えてしまう人もいるでしょう。
しかしどの保険にも共通することですが、保険の保障内容に該当する病気にかかってしまってからでは加入が認められないことがほとんどです。
そのため30代でがんにかかる可能性が上がってからがん保険に加入しても遅いのです。
30代でがんにかかる確率が上がる前に、20代でもしもの時に備えて加入しておく必要があるんです。
20代は4人に1人ががん保険に加入している
生命保険文化センターが2019年(令和元年度)に行った調査によれば、20代でがん保険に加入している人の割合は25.4%です。
つまり約4人に1人ががん保険に加入していることになりますから、20代でがん保険に加入するのは珍しくはないのです。
また同センターが2013年に同様の調査を行ったところ、20代のがん保険加入者は21.3%と現在よりも4%少なく、約5人に1人の割合で加入していたことになります。
2013年と2019年の結果を見てもわかる通り、年々20代のがん保険への加入率は上昇傾向にあります。
今では20代のうちからがん保険に加入して、もしものために備えることは何も珍しいことではないのです。
20代はがんの発見が遅れやすい
20代は他の年代よりもがんの発見が遅れやすく、気づいた時にはステージ3で大きな手術や長期の治療が必要になることもあります。
30代40代ともなれば人間ドッグを受診することも多く、病気の発見にいち早く気づきやすいです。
しかし20代は働き盛りで多少の無理でもこなせてしまいますし、健康診断は職場で提供されている簡易的なものを1年に1回受けるだけの人が多いでしょう。
そのため健康の変化や異常の発見が遅れ、気づいた時にはがんが進行していることが多いです。
よく20代はがんの進行が早いといわれていますが、実際は発見が遅れやすいことが進行度の高さに影響しているようです。
がんが進行している状態で大きな手術や長期の治療が必要になれば、それだけ医療費がかかります。
20代のがん罹患率が低いにしろ、20代で発覚するがんの進行度の高さを考えると、20代のうちから保険に加入しておいて備えておくのが無難ではないでしょうか?
20代でがん保険に加入する3つのメリット
20代でがん保険に加入する必要性があるといわれても、加入したらドンなメリットがあるのか気になる人もいますよね。
20代でがん保険に加入するメリットは以下の3つです。
- 健康告知や審査で加入を断られにくい
- 加入年齢が低いほど保険料が安い
- がんにかかった時の経済的ダメージを減らせる
健康告知や審査で加入を断られにくい
どの保険にも共通することですが、保険に加入する際には保険会社の定める医師への受診や、健康状態の告知を行う必要があります。
20代は年代が上の方よりも健康状態が良いことが多いため、加入時の健康状態の告知や審査で引っかかることなく加入できる可能性が高いのです。
上でも紹介したように、30代40代となるとがんのリスクも上がりますし、その他の病気のリスクが高くなります。
つまり年齢が上がるにつれて加入を断られるリスクが上がるため、20代のうちに加入しておくことで先々のがんリスクに対応できるのです。
加入年齢が低いほど保険料が安い
がん保険に限った話ではないのですが、加入年齢が若ければ若いほど月々支払う保険料は安くなります。
これは年齢が高くなるのに比例してがん罹患率が上がることに関係しています。
加入年齢が高ければ高いほど、がんにかかる悪率が上がりますから保険会社側が保険金を支払う可能性も同様に上がります。
全ての加入者の保険料を一律にしてしまうと、罹患率の低い20代が損することになってしまいますよね。
加入者の公平性を保つために、20代の加入者は保険料を安く設定してもらえるのです。
もちろん20代は他の年代よりも所得が低いですから、保険料が安いのはうれしいですよね。
がんにかかった時の経済的ダメージを減らせる
20代は他の年代よりも所得が低く、貯蓄も十分ではありません。
がんにかかると入院費用や通院費用、手術費用など合わせると何十万円以上の出費になることも珍しくありませんから大きな痛手になりますよね。
冒頭お伝えした通り、がん保険ではがんで入院・通院した時の費用を保障してもらえるので、経済的なダメージも少ないのです。
20代でがん保険に加入するデメリット
これまで20代でがん保険に加入する必要性やメリットを紹介してきましたが、やはり加入するデメリットもいくつか存在します。
20代はがんにかかる可能性が低い
根本的な問題ですが、20代はがんにかかる可能性が低いです。
そのため20代でがん保険の保障を受ける可能性も同時に低くなりますので、保険料が無駄に感じてしまう方もいるかもしれません。
もっともがんにかからないのが一番なのですが、身近に保障を実感できないのはデメリットになります。
収入が安定しきっていないと保険料が負担に
がん保険は月々保険料を支払いますので、働き始めて間もない20代で収入が安定しきっていない人には負担に感じてしまうかもしれません。
自転車保険や一日自動車保険のように、100円から加入できるような安価な保険ではないため、保険料を支払うことで経済的に厳しくなってしまう可能性もあります。
現在貯蓄に回すお金がない、あるいは月々の生活がぎりぎりだと実感している方は、20代でがん保険に加入することで保障のメリットよりも保険料支払いによるデメリットが上回ってしまうこともあるのです。
がんにかかってもある程度公的保障でカバーできる場合も
がんにかかったら必ずがん保険に加入しなければいけないというわけではありません。
がんにかかって治療費が高額になってしまっても、公的保障を利用することである程度抑えることも可能なのです。
高額医療費制度を利用すれば、月収50万円以下の場合医療費を月額8万円程度までに抑えることができます。
8万円を超える医療費に関しては、申請すれば返還されますが、一時的に自分で立て替える必要があるので注意が必要です。
また、企業や官公庁・自治体で働いている場合にがんなどで出勤できない場合、傷病手当金を1年6か月間受け取ることもできます。
傷病手当金は月々もらっている給料の2/3の金額を受け取れますので、病気で働けなくなっても一定期間は収入が保障されます。
ですが公的保障では保証しきれない入院中の生活費や差額ベッド代などもありますから、がん保険に加入しておいて足りない保障を補うのが一般的です。
20代の女性なら女性向けがん保険に加入するのもオススメ!
実は20代のうち、女性はがんを発症する可能性が高いといわれています。
子宮頸がんや乳がんなどの女性器系のがんを発症するリスクがあるためです。
そのため20代の女性はがん保険ではなく女性向けがん保険への加入を検討してみてもいかもしれません。
女性向けがん保険とは、通常のがん保険の保障に加えて子宮や卵巣などの女性器系のがんに罹患した際に、更に保障を上乗せしてもらえる保険のことです。
20代でも十分女性器系のがんに罹患する可能性はありますから、保障を手厚くしておいて損はないでしょう。
しかし保障が手厚い分、保険料も通常のがん保険よりも増えますので注意が必要です。
また、がん保険に特約として付加できる場合もありますので、必要に合わせてそちらを選択してみてください。
20代でがん保険に加入するなら保険料と保障内容を重視!
20代でがん保険に加入するのであれば、保険料と保障内容に注目しましょう。
保険料は収入に見合ったものを選ぶことで、月々の負担を減らすことができます。
がん保険の中でも保険料を掛け捨てする定期タイプの保険に加入すれば、保険料を節約できます。
また、がん保険の種類によっては保険料に大幅な違いがあることも。
保険代理店やFPに相談して、自分に合った保険料を選びましょう。
また、保障内容にもしっかり注目しておきましょう。
保障内容が手厚ければ手厚いほどもしもの際には心強いのですが、保険料が高くなりがちです。
いらない保障を付けたままにしておくと、無駄な保険料を支払うことになってしまいます。
そのため20代のがん罹患率や、今後のライフプランに合わせて保障内容を取捨選択するようにしましょう。
20代でもがんに備えて保険に加入する必要あり!
いかがでしたか?
20代でがん保険に加入するのは身近に感じづらいですが、4人に1人が加入している現状を考えると意外と加入者は多いことがわかります。
また20代から30代になるにつれて、がんにかかる確率が大幅に上昇しますので保険料の低い20代のうちに加入しておく必要があります。
がんになってから加入はできませんから、早め早めに加入してこの先のがんのリスクに備えておく必要があります。
もちろん月々保険料を支払う必要がありますから、自分の収入と相談したり必要な保障のみに絞って加入することをおすすめします。
保険会社や保険商品によって保障内容や保険料が異なりますから、保険代理店などで一括比較してみるのもいいかもしれませんね。