離婚後に学資保険は養育費にカウント?トラブルを避けるポイントとは

離婚後に学資保険は養育費にカウント?トラブルを避けるポイントとは

日本では3組に1組が離婚を経験するといわれているほど、離婚する人が増えている時代。

そして子供のいる夫婦の離婚で問題になるのが、養育費をどう支払うかですよね。

一般的に旦那さんの稼ぎが大きいですから月々ある程度の金額を支払ってもらうのが妥当なのですが中には「学資保険を渡すから養育費を減額する」なんて言われてしまうこともあるかもしれません。

ですが学資保険は子供の教育費のための保険ですから、生活費として養育費は確保したいところですよね。

そこで今回は離婚後に生じる養育費問題のうち、学資保険を養育費としてカウントできるかどうかについて解説し、トラブルを避けるポイントについてまで解説します。

離婚後に学資保険は養育費としてカウントされない

最初に結論を言ってしまうと、離婚後に学資保険は養育費としてはカウントされず、親権者に対して元配偶者は養育費を支払う義務が生じます。

そもそも養育費とは子供を育て上げるための費用の認識です。

医療費や食費はもちろんのこと、子供の文房具や教材購入費用など健全な生活を送るために充てられます。

しかし学資保険は入学や卒業などの一定のタイミングで給付金を受ける保険ですので、必要な時に任意で受け取ることが出来ません。

子供を育てるのには上述のように生活を維持する衣食住の費用も掛かりますので、受け取れるタイミングが限定的な学資保険は養育費としてはカウントできないのです。

あくまで養育費は毎月きちんと定額支払い、学資保険は子供の進学のために使うというのが一般的です。

ですが「学資保険の保険金を渡すから養育費はその分減らす」ことは出来ないのが一般認識なのですが、養育費問題は夫婦間での話し合いの結果で決定します。

話し合いの内容によっては、養育費としてカウントされて決着してしまうこともあるので、注意が必要です。

学資保険を理由に養育費がもらえないトラブルを避けるには?

夫婦だった時に共同で子供の将来のために加入しているため、養育費と教育費は別にして子供の好きな進路を選ばせられるようにしてあげたいのが親心ですよね。

学資保険を理由に養育費がもらえないあるいは減額されてしまう状況を防ぐには、公的機関で公正証書を作成して、離婚の条件を法的に明確化しておくことをおすすめします。

中には口約束で「子どもの学資保険は養育費とは別」と言っていても、配偶者の気が変わって養育費の減額や支払いを辞めてしまうこともあります。

「あの時約束したじゃない!」と養育費の支払いについて追及しても、口約束を証明する手立てはありません。

そのため公的証書を発行して、「学資保険の保険金と養育費は別の認識にする」と文書に残しておきましょう。

公的証書は法的効力のある書類ですので、いくら言っていないといわれようが相手は覆せなくなります。

二人で手続きをする必要がありますが、後々の養育費トラブルを避けるためにも時間をかけてでも用意するようにしましょう。

学資保険は離婚後の財産分与の対象になるので注意

ここまで学資保険=子供の教育費としてお話してきましたが、それはあくまで一般認識上の話です。

実は学資保険は子供のために加入しているのにもかかわらず、保険料を支払っているのが両親のため夫婦の共同財産になるのです。

夫婦の共同財産になるということは、離婚時には財産分与の対象に。

一番子供のためになる形で折半したいと考える方も多いでしょう。

以下では財産分与の一般的なケースを紹介しています。

現在婚姻関係が続いている方でも、もしもの時を考えて一番どれが子どものためになるかを夫婦間で検討しておくことをおすすめします。

ケース①解約して返戻金を折半

学資保険は保険料を積み立てていく保険ですから、解約することで返戻金を受け取れます。

財産分与では夫婦で折半して分けるのが原則ですから、解約返戻金においても同じルールが適用されます。

ただ解約して返戻金を折半するときに気を付けていただきたいのが、解約時の子供の年齢です。

実は学資保険は加入できる年齢に上限があり、上限以下でも年齢が高ければ高いほど保険料が高くなってしまいます。

未就学の時期に離婚して解約するのであればまだ加入の余地はありますが、小学生以上になると学資保険への再加入は難しくなります。

離婚後にまた教育費用を積み立てようと思っても、加入できずにコツコツ貯蓄でどうにかするしかなくなってしまう可能性があることを覚えておきましょう。

ケース②相手に解約返戻金と同額を渡す

再加入するリスクも考慮して学資保険の契約を継続したいけれど、元配偶者が学資保険の保険金を自分も受け取る権利があると主張することもあります。

その場合は学資保険の解約返戻金の金額を保険会社に確認し、解約返戻金と同額の金額を相手に支払うことで契約を継続できます。

ただここで気を付けていただきたいのが、返戻金相当を渡した後に相手に契約者権限を付与したままにすること。

学資保険は契約者に保険料を支払う義務が発生しますが、同時に定期的に支払われる保険金を受け取る権利も得ることになります。

相手に返戻金相当額を渡したのにもかかわらず、契約者を自分に設定していないと相手に保険金を使い込まれてしまうこともあります。

もし相手が借金を負って返済できなくなった場合には、学資保険が差し押さえられることもあります。

差押えられてしまった場合は、受け取る権利を夫婦間で取り決めていたとしても取り返せなくなってしまいます。

自分の知らないところで保険金が別の用途に使われないようにするためにも、契約者の変更を行うことをおすすめします。

ケース③子供のために親権者に契約権を譲る

原則夫婦間の財産は折半するとお伝えしましたが、双方の合意が取れていれば子供のためを思って親権者に契約権を譲り、返戻金の譲渡無しに保険契約を継続できることもあります。

親権者は契約権を受け取ることで保険料の支払い義務が生じますが、子供のためにわだかまりなく学資保険を活用できます。

しかし夫婦間での話し合いをきちんと行ったうえで決定するほか、上でも紹介したように公的証書での証明がないと無効になってしまうこともあり得ますので、注意が必要です。

離婚後も養育費と学資保険を区別して子供の将来を守ろう

いかがでしたか?

離婚後は親権者が子どもを育てるために養育費を受け取る権利を得ますが、使用用途が異なるため学資保険を受け取る権利があることを理由に減額は一般的には出来ません。

しかし最終的には夫婦の取り決めによって決定されますので、証明できる公正証書に記録をとりながら合意できるように話し合いを進めていく必要があります。

ただ学資保険は夫婦の共同財産であるため、財産分与を適切に行うことも求められますので、子供の将来を頭に入れたうえで、学資保険を受け取る権利(=契約権)をどうするかを決定するようにしましょう。