夢のマイホームを購入するときには住宅ローンを組んで、長い時間をかけて返済することになります。
しかし住宅ローンを組む際には、万一加入者が亡くなってしまったり高度障害状態に陥った時に、ローン返済を保険金で相殺してくれる団体信用生命保険に加入するのが一般的です。
団体信用生命保険は生命保険の一種ですから、加入時には皆さんの個人情報や健康状態に関して告知審査が設けられています。
過去に病歴があることを隠して加入してしまうと、バレたと気に告知義務違反でペナルティを受けることになります。
意図して違反をしたのであれば仕方ありませんが、告知義務違反する気がないのに不手際が重なって結果的に違反になってしまうのは悔しいですよね。
住宅購入を控えて団体信用生命保険への加入を検討されている方は、告知義務違反しないように事前に対処しておきたいですよね。
そこで今回は団体信用生命保険への加入を控えている方を対象に、告知義務違反をした場合に課せられるペナルティから違反しないためのチェック項目まで徹底的に紹介していきます。
目次
団体信用生命保険は住宅ローンで必須の保険
団体信用生命保険は冒頭でも紹介したように住居購入時に住宅ローンを組む際に必須の保険です。
ローンを組む際に銀行から加入を通過の条件として提示されることがほとんどですが、金融機関でローンを組む際には基本的に金利の中に保険料が含まれているので、保険料を支払っているという感覚がないことが多いです。
ローン返済中にローン契約者が死亡あるいは働けなくなってしまった場合に保険金が下りて、残りのローン返済と相殺してくれます。
死亡時あるいは高度障害状態に陥ってしまうと、月々のローン返済が滞ってしまったり支払いきれなくなってしまうこともあるため、加入していて損はありません。
また死亡・高度障害状態になった時だけではなく、働けなくなるリスクの高い一部の疾病にかかった時にも保険金が下りて、ローンと相殺してくれる保険もあります。
団体信用生命保険では健康告知が必須
団体信用生命保険は通常の生命保険と同様に死亡リスクに備えて加入する保険ですので、健康告知が必須になります。
一定期間内の健康状態を保険会社指定の内容に沿って報告するもので、どの金融機関で加入しても同様に求められます。
保険の加入可否を決めるもので、加入者である皆さんが一つ一つチェックして記入する必要があります。
一つ一つ細かく記入していかないと、保険金支払い時の調査で発見されて次で紹介するようなペナルティを受けることにもなりかねません。
告知でうそをつくと告知義務違反に!
「告知内容を書くのが面倒くさいから適当に記入すればいいや」
「保険に入れなかったら怖いから少し内容を省いて提出してしまおう」
と安易に考えて適当に提出してしまうと、告知義務違反に該当するとして保険会社からペナルティを受けることになります。
団体信用生命保険を解約になって保障が消失する
死亡あるいは高度障害状態に陥った場合には、団体信用生命保険側で本当に保険金を支払っていいかの調査が行われます。
特に調べられるのは加入時に保険会社に通知している健康告知の内容です。
実際の診断書を元に告知内容を調べてみて、健康告知書に記載はないが加入時から患っていた病気によって保険金支払いを申請したと認められる場合には、保険金はおりません。
保険会社は皆さんの告知内容を信用したうえで加入を認めているので、当然のことです。
死亡・高度障害状態時にローン返済が残る
告知義務違反が認められると保険契約も解除されてしまいますので、死亡後には莫大な金額のローンが残ることに。
一般的に団体信用生命保険を契約するのは一家の大黒柱であることがほとんどですから、一家の収入減がない状態でローン返済を行うことになります。
共働きであったとしても契約者がいなくなることで家計の収入が半減するため、最悪の場合ローン返済が滞ってしまいます。
返済できない場合は自宅を売却する羽目にもなります。
団体信用生命保険に加入時に告知義務違反しないためにチェックすべき項目
元々意図して保険会社に対して虚偽の申告をしていればバレて当然ですが意図せず告知義務違反をしている場合には、やるせない思いに襲われてしまいます。
団体信用生命保険加入時に告知義務違反にならないように、以下の項目をチェックしてみてください。
3か月以内の治療および投薬がないか
加入を申請する3か月以内に、医師から治療を受けたり投薬受けているかをチェックしましょう。
治療および投薬が行われていれば、告知書に詳細に記入してください。
どこの病院や診療科目であるかは問われずに、医者から医療行為を受けている経験があるかが重要になります。
受診した内容や現在の経過など詳細に記入しておきましょう。
3年以内に告知義務のある疾病にかかった経験はないか
生命保険や医療保険では、特定の疾病に関しては3年以内と幅広い範囲を設けて告知義務を定めています。
公益財団法人公庫団信サービス協会団信保険の公式サイトでは、以下の疾病が告知義務のある疾病として定められています。
- 心臓・血圧:狭心症・心筋梗塞・心臓弁膜症・先天性心臓病・心筋症・高血圧症・不整脈
- 脳:脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)・脳動脈硬化症
- 精神・神経:統合失調症・うつ病・神経症・てんかん・自律神経失調症・アルコール依存症・知的障がい・認知症
- 肺・気管支:ぜんそく・慢性気管支炎・肺結核・肺気腫・気管支拡張症
- 胃・腸・膵臓:胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・クローン病・膵臓炎
- 肝臓:肝炎・肝硬変・肝機能障害
- 腎臓;腎炎・ネフローゼ・腎不全
- 目:緑内障・網膜の病気・角膜の病気
- がん・腫瘍:がん・肉腫・白血病・腫瘍・ポリープ
- その他:糖尿病・リウマチ・膠原病・貧血症・紫斑病
皆さんも一度は目にしたことのある病気も含まれているかも知れません。
上記の疾病に関しては死亡リスクが高いものも含まれていたリ、その後さらに重大な病気に発展する可能性のあるものも含まれています。
あてはまるものがあれば、詳細に内容を記入しておくことをおすすめします。
注意!うつ病などの精神疾患も隠すのはNG
上記の項目に含まれている通り、うつ病などの精神疾患も隠して加入するのはNGです。
「精神疾患にかかっていても死亡するリスクがあるとは言えない」と思われるかもしれませんが、精神疾患に罹患している方は精神的に不安定な状態に陥ることもあります。
何かをきっかけに自死を選んでしまう可能性もあるため、団体信用生命保険側としては保険金の支払いリスクの高い人は一度審査を行い、加入可否を決定しようとします。
またうつ病は他の疾病とは異なり、数値で完治したかを管理できません。
医師の診断によって完治したかを判断されるので、再発する可能性も十分にあります。
保険会社が告知を求める期間外になれば加入時に申告する必要はありませんが、期間中に再発してしまうと再度期間が明けるまで待たなくてはなりません。
正直に告知して加入を断られたらどうすればいい?
「告知義務違反になるのが嫌だから正直に告知したけど、加入を断られてしまった」なんてこともあります。
正直に告知したから確実に保険に加入できるわけではないので、加入できないリスクも相応にあるのです。
団体信用生命保険にも保険の引受基準の緩和された保険もありますから、通常の告知内容で落ちてしまったら引受基準の緩和された保険への加入を検討してみてください。
ただし保障範囲が広くなっているぶん保険料が高くなるあるいはローンの金利に上乗せされる金額が多くなってしまいますので、注意が必要です。
病気があれば正直に告知して団体信用生命保険に加入申請しよう
いかがでしたか?
夢のマイホームを購入するためには銀行でローンを組んで長期的に支払いを進めていくのが一般的です。
ただし生命保険と同様に加入時には健康告知が求められ、申告内容によっては加入を認められないこともあります。
だからといって保険会社に虚偽の内容で告知を行うと、保険金支払いの時などのウソがばれて告知義務違反になります。
告知義務違反に認められてしまうと、保険を解約されてしまうほか保険金が下りないので膨大な金額のローンが残ることに。
残された家族が多額の負債を負わないためにも、団体信用生命保険に加入する時には、告知内容をしっかりと確認して正直に伝えるようにしましょう。
意図せずに告知義務違反になってしまうのは非常にもったいないですから、事前に告知で求められる内容をチェックして不備のないように努めましょうね。