TVCMでも見かける医療保険では、入院や手術に備えて加入することがほとんど。
年齢が上がるにつれて疾病リスクも上がっていきますから、可能な限り保険に加入しておいて万一のリスクに備えるのが一番です。
しかしいざ医療保険に加入しようと思っていても、どんな保険に加入したらいいか、自分に合っている保障は何かなど迷ってしまうことも多いでしょう。
そこで今回は医療保険への加入を検討されている方向けに、選び方のポイントや選ぶ際の注意点について徹底的に解説していきます。
目次
最適な医療保険の選び方の5つの注目ポイント
医療保険は基本的に入院と手術費用の保障を受けられる保険です。
しかし保障期間や保険料など、プランの選択方法によってどんな人に向いているかが変わります。
人の生活スタイルが異なるように、医療保険でも必要な保障はそれぞれ異なりますので、以下6つの注目ポイントに着目していきましょう。
- 保険をだれに適用させるか
- 給付金をいくら受け取りたいか
- 保険期間は定期?終身?
- 保険料の払い込み期間は?
- 保障内容が充実しているか
以下で詳しく解説していきます。
保険をだれに適用させるか
医療保険をだれに適用させるかがまず一番重要になります。
一般的に契約者と被保険者と給付金を受け取る人はすべて同一にすることが多いのですが、場合によっては配偶者に対して保険を掛けることもあるかも知れません。
その場合は保険契約時に被保険者欄を配偶者に設定する必要があります。
また自分以外に保険をかける場合には、被保険者の健康状態に合わせた保障を選ぶ必要がありますので、注意してください。
給付金をいくら受け取りたいか
医療保険に加入する主な目的である給付金をいくら受け取りたいかにも注目する必要があります。
医療保険では契約時に設定した支払い期間に応じて、月々あるいは半年に一回まとめてなどの方法で保険料を支払っていきます。
給付金の金額を大きく設定すればするほど保障が手厚くなっていきますが、その分保険料も高くなってしまいますので注意が必要です。
以下では医療保険でもらえる給付金を3種類にわけて、どのように設定すべきかのポイントについて解説していきます。
入院給付金額をいくらに設定するか
医療保険では基本的に入院給付金額が主契約となり、最も受取る機会の多い給付金になります。
一般的には5000円~10000円の幅で選択できるため、自分にとってどれだけ必要かをしっかり把握したうえで金額を設定しましょう。
医療保険では医療費をすべて賄う目的で加入するモノではなく、皆さんが加入している健康保険で賄えない分を補填する目的で利用します。
健康保険ではカバーできない差額ベッド代や入院時の生活費を保障するのが一般的な使い方ですので、1日8000円もあれば足りるようです。
しかし良い個室で治療に専念したい方や、お見舞いに来てくれたり世話をしてくれる家族の交通費を出してあげたいと考えている方は、多めに入院給付金の額を設定することを検討してみてはいかがでしょうか。
入院給付金の支払限度日数を何日に設定する?
入院給付金は無限にもらえるわけではなく、日数の限度が設けられています。
医療保険を提供する生命保険会社では、60日~360日以上と幅広く選択肢が用意されていますが、一般的に60日程度で問題ないといわれています。
日々医療は進歩しており、入院の日数は年々減少しており平均でも1か月程度といわれています。
また、病院側からも入院日数を極力短くできるように配慮してもらうこともできますから、その医療保険の最低限の入院日数で保障を受けておくのがよいでしょう。
手術給付金の支払いタイプを倍率一律or倍率変動どちらにするか
医療保険では入院時の給付金だけではなく手術にかかる費用も保障してもらえます。
基本的には手術給付金は倍率一律と倍率変動のタイプに分かれています。
倍率一律タイプでは手術の難易度に関わらずもともと決められた金額で給付が受けられます。
一方で倍率変動タイプは手術の難易度によって手術給付金が変更されるので、難易度が高く高額な費用のかかる手術になればなるほど、受け取れる金額が大きくなります。
倍率は保険会社が定める区分によって決定されますので、どの程度の金額がもらえるかは明言できませんが、一般的に入院給付金の金額をベースに10倍~40倍の間で推移するといわれています。
保険期間は定期?終身?
医療保険にも生命保険と同じように保障を受け続けられる保険期間が設けられています。
定期保険は保険の加入期間が定められており、期間が終わるごとに加入している保険を更新したり他の保険に切り替えたりします。
一方で終身保険では保険料を支払い続ける限り一生涯保障がつづいていくので、いつ何時病気やけがで入院などしても給付金を受け取れるシステムになっています。
定期保険は期間が定められているので若い方ですと支払う保険料を安くできるメリットがあります。ただし更新のたびに年齢や健康状態に応じた保険料に更新されていきますので、長期的に加入するとなると年齢が上がっていくにつれて保険料が高くなるデメリットがあります。
終身保険では保険期間が定められていないので若い時は定期保険に比べて保険料が高いですが、更新の制度がないため年齢があがっても保険料に変更がない点がメリットです。
医療保険で一生涯の健康不安に備えていつでも対応できるようにしておきたいのであれば終身型を、子供が独立するまでなど期間限定で手厚い保障を受けたいのであれば定期型をなど、目的に応じて加入期間を決定しましょう。
保険料の払い込み期間は?
医療保険のうち定期保険に加入するのであれば加入期間のみ保険料を支払う方式になります。
一方で終身保険の場合は、一生涯保険料を支払っていく方法と、年齢の上限を定めて保険料を一定期間内で納めきる方法があります。
将来も継続して安定的な収入があるのであれば、一生涯保険料を支払っていく方法を選択するのもよいでしょう。
一方で定年後は保険料の支払いをせずに保険の保障を受けていきたいと検討されている方は、60歳や65歳など一定期間の払い込み期間を設定しておきましょう。
終身で支払っていくよりも期間を決めて支払っていく場合の保険料は高くなっていきますが、将来の支払いをする必要がなくなる点では大きなメリットがあるでしょう。
保障内容が充実しているか
医療保険では上述したように手術給付金と入院給付金が主契約となりますが、特定の疾病にも対応できるように特約が用意されています。
主な特約は以下の通りです。
- 先進医療特約
- がん特約
- 女性特約
- 三大疾病特約
特約を付加することで、がんや女性特有の病気など特定の疾病に対しての保障が厚くなります。
しかし特約を付加することで保障の範囲が広がるため、保険料支払いが特約分だけさらに加算されることになります。
またがんに備えるにはがん特約以外にガン保険という保険も用意されれていますので、そちらの保障内容も確認して加入を決定するようにしましょう。
先進医療特約は加入を検討しておいた方がいいかも
ただし先進医療特約の場合は基本的には加入しておいた方がよさそうです。
医療は日々進歩をしているため、健康保険の適用対象外の治療法も続々と登場しています。
健康保険の適用対象に設定されていない治療に関しては全額自己負担で対応することになります。
先進医療特約を付加しておけばもしも生命の危機に瀕して、急遽先進医療で存命措置を取ってもらったとしても回復後に治療費をみて愕然とする心配も軽減できるしょう。
掛け捨て型と積み立て型どちらにするか
掛け捨て型医療保険は特定期間(通常は1年から5年)保証される保険で、保証期間が終了すると、保険料の返還はないです。
掛け捨て型は短期的な健康リスクに備えるために利用されることが多く、たとえば急な大病やケガに備えるために選択します。
保険料が低い傾向がありリスクをカバーするための期間が限られているため、総支払い額は積み立て型の医療保険よりも低くなるでしょう。
一方積み立て型医療保険は、長期的な健康ケアおよび将来の医療費用に備えるための保証で、保険料を支払いながら資金の積み立てができます。
保険料が高い場合がありますが貯蓄としての側面もあるため、高額な医療費用や高齢期の医療ケアに役立つでしょう。
掛け捨て型と積み立て型医療保険の選び方は、 現在の健康状態や将来の健康リスクを考慮しましょう。
掛け捨て型は短期的なリスクに向き、積み立て型は長期的な健康ケアに向いていますが、掛け捨て型と積み立て型では保険料が異なるため、保険料を支払う余裕があるかどうかも考えましょう。
最適な医療保険のタイプは個人によって異なるため保険アドバイザーと相談し、自身の状況に合った選択を検討することが重要です。
有期契約と無期契約どちらにするか
医療保険の有期契約(Term Insurance)は一定の契約期間中、保証を提供する形式の保険です。
有期契約は契約期間中に死亡した場合に、死亡保険金を受け取ることができるタイプの保険です。
一方医療保険の無期契約(Permanent Insurance)は、契約機関の縛りがなく一生涯保証を受けとれます。
無期契約の保険は契約者が生存している限り保証が続き、死亡時には死亡保険金が支払われます。
よって、有期契約は一時的な保証が必要な場合や低コストであっても保険金が必要な場合に適しているでしょう。
たとえば子どもが成人し家族の経済的な負担が軽減された後や、特定の財政目標(住宅ローンの支払いや子どもの教育資金)を達成するためなど、一時的な保険カバレッジが必要な場合に利用されます。
無期契約は終身保証と資産の積み立てが必要な場合、将来の遺産計画や相続プランにも役立ちます。
ただし無期契約保険料は高額であるため、支払能力と将来の財政計画を慎重に考慮することが重要です。
契約形態に迷った際は保険エージェントや専門家との相談を通じて、自身のニーズに合った無期契約を選択を検討しましょう。
医療保険の種類・年代・性別での選び方
医療保険は種類も豊富かつ年代や性別によってどのプランにするか異なるため、保険の種類・年代・性別の各観点における選び方は重要です。
以下では医療保険の種類・年代・性別における最適な医療保険の選び方を解説します。
種類別における医療保険の選び方
医療保険は大きく分けて以下の種類があります。
- 一般的な医療保険
- 引受基準緩和型(限定告知型)医療保険
- 団体医療保険
- 掛け捨て型医療保険
- 積み立て型医療保険など
医療保険の選択は個々人の健康状態・予算・将来のニーズに合わせて選択し、各医療保険の特徴や保険料の調査・比較を行うことが重要です。
しかし医療保険は種類も多いため、どれを選べば良いのか判断がつかない場合は保険アドバイザーへ相談するのも得策ですね。
年代別における医療保険の選び方
年代別に医療保険を選ぶ際は健康状態・生活状況・将来の計画を考慮する必要があります。
若年層(20代〜30代)であれば基本的な医療保険に加入し、とくに緊急時の医療費をカバーするプランへの加入がおすすめです。
複数のプランを比較し、月々の保険料や保険内容を検討しましょう。
また、若いうちから健康に関する投資を考えるのも得策です。
健康なうちに積み立てた健康貯金や個人の健康設定口座などの対応をすることで、将来の医療費に備えることができるためおすすめです。
中年層(40代〜50代)で家族がいる場合は、家族全員をカバーするプランを選び子供やパートナーの医療ニーズも考慮しましょう。
中年層であれば若年層で医療保険に加入済みの方も多いと思いますが、もし加入済みの医療保険があれば保険の見直しを早急に行います。
若年層に加入した保険はプランも古く、現在のニーズに合っていない可能性もあるため必ず確認をしましょう。
高齢層(60代以降)の場合、長期ケアや介護に関連するニーズが増える可能性があるため、長期ケアや介護に備えて医療保険を検討しましょう。
しかし、年齢が上がると保険料も一気に跳ね上がるため、保険加入や保険の見直しでは保険料も併せて確認します。
年代に合った医療保険の選択は個々人の状況により異なるため、保険エージェントや専門家と相談しましょう。
さらに保険プランは定期的に見直すことが重要かつ、健康診断や予防医療に関心を持ち予防ケアに努めることも大切です。
性別における医療保険の選び方
性別による医療保険の選択に関しては一般的に性別に基づく差異は少ないですが、いくつかの注意点を考慮する必要があります。
とくに女性は妊娠や出産の機会があるため、医療保険でも妊娠・出産・産後ケアも含まれている医療保険を選ぶようにしましょう。
また女性は男性と比べて女性特有の健康問題に直面することがあります。
乳がんスクリーニング・子宮頸がんスクリーニング・骨粗鬆症の予防・不妊治療など、女性の健康に関連する特定のニーズを考慮して医療保険プランを選びましょう。
医療保険を選ぶ際の注意点
医療保険を選ぶ際は上記で挙げたような保険の内容についてのみ気を配ればいいわけではありません。
保険契約を継続できるように、以下の項目についても気を配るようにしましょう。
- 健康保険制度と併用することをしっかりと考慮しておく
- 保険の保障内容と年齢があっているか
- 複数の保険会社を比較してみる
以下で詳しく解説していきます。
健康保険制度と併用することをしっかりと考慮しておく
入院時の医療費は何十万円にも及ぶこともありますから、これから医療保険に加入しようと検討されている方の中には「とにかく保障を手厚くしておこう」と考えている方もいるかもしれません。
しかし医療保険は、健康保険制度が保障できない部分を補填する目的で加入するのが一般的です。
あまりに保障範囲を広げすぎてしまうと、健康保険制度の適用範囲と被ってしまい無駄に保険料を支払ってしまうことにもなりかねません。
特に特約をやたらと付加しすぎてしまうと、必要以上に保障範囲が拡大されてしまいますので、注意が必要です。
健康保険制度でどの程度カバーされるのかをしっかりと検討したうえで、加入を検討するようにしましょう。
保険の保障内容と年齢があっているか
医療保険はご存じの通り病気やけがに関する治療費を保障する目的で加入します。
仮に20代で医療保険に加入する場合に、40代や50代向けの保険に加入してしまうと、保障内容が合っていないため満足いく保障が受けられないことや必要以上の保障になってしまうこともあります。
年齢に応じた健康リスクを考慮して、保険に加入することを心がけましょう。
複数の保険会社を比較してみる
医療保険に加入する際には一つの保険会社だけではなく、複数の保険会社を見るようにしましょう。
医療保険で同じ保障の名前だったとしても、保険料や保障される入院日数、特約などの内容が異なることもあります。
一つの保険会社だけ見て加入を決めてしまうと、目的に合わない保険を選んでしまったりして加入後に後悔することにもなりかねません。
ネットなどを活用して複数の保険会社を比較してみるとよいでしょう。
医療保険の加入先で迷ったら無料の保険相談窓口の利用も検討
「ネットで保険を検索してみたけど、どの医療保険に加入していいかわからない!」
なんて方も出てくることと思います。
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以下の記事で保険見直し本舗について解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
保険見直し本舗の実際の口コミ・評判からわかるメリット・デメリットを紹介!
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保険見直しラボの口コミ&評判を分析!利用するメリット・デメリットを徹底解説
医療保険をしっかり選んで万一の医療保障を手に入れよう
いかがでしたか?
日本は世界的にも珍しい国民皆保険制度が整っていますので、保険適用になる通院や治療に関しては自己負担額を最小限に抑えられます。
しかし入院や手術となると入院時の生活費や治療代、差額ベット代や個室の利用などで、健康保険制度を活用しても費用がかさんでしまうこともあります。
医療保険に加入しておけば入院給付金や手術給付金が支給されますので、入院して働けない期間であっても保障を受け取れます。
しかし年齢や目的に応じた保険を選ばないと、必要な保障額が得られないこともありますから、きちんと選び方のポイントを押さえて加入を検討するようにしましょう。
もちろん上の文章にありますように加入時に把握しておくべき注意点もありますから、併せて確認しておくことをおすすめします。
どの保険を選んでいいか迷った場合には、無料保険相談窓口を活用してみると保険に対する視野が広がったり、自分の条件に合った保険を提案してもらえる機会も生まれます。
医療保険とは長期に保険料を支払って利用するサービスですから、慎重に選ぶようにしましょうね。
- プロフィール:
- 1959年 東京生まれ 専修大経営学部卒業後、16年間パソコン業界の営業の職業に携わる。2004年3月にCFP®資格を取得後同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。初心者向け資産運用に関するセミナーと投資信託など資産運用を中心としたコラムの執筆やローン関連を中心に記事の監修などを中心に活動中。
■保有資格 日本FP協会 CFP® 証券外務員2種