結婚や出産にタイミングで皆さんが加入を検討する生命保険は、もしも自分の身に七以下があった時のために残された家族の生活を保障できますよね。
生命保険では保険会社の定める一定期間内に病気にかかっていると、加入を断られてしまうことはよく知られていると思います。
しかし病気の有無は自己申告制がとられていますから、運悪く生命保険加入前に病気にかかってしまった方でも「病気を隠して加入すればばれないんじゃないか」と考える方もいることでしょう。
ですが病気であることを隠しておくことで、保険会社にばれたときに何か不利益が生じるのではないかと不安になってしまいますよね。
そこでこの記事では、生命保険に病気を隠して加入したらどうなるのか、ばれたときに何か罰則は取られるのかについて解説していきます。
目次
生命保険では保険会社に対して告知をする義務がある
大前提ですが、生命保険では加入する際に保険会社に対して、加入者の状況を誠実に説明する告知義務が生じます。
名前や住所などの基本情報はもちろんのこと、現在就いている職業の業務内容に生命の危険性がないかなどを確認されます。
また生命保険は、病気や事故などで亡くなるあるいはけがで重い障害を抱えた場合に保険金がおりる仕組みになっているため、加入する前の通院歴や手術歴などを確認されます。
ではなぜ生命保険に加入する際に基本的情報だけではなく、病気の状況まで確認されていくのでしょうか。
以下で詳しく紹介していきます。
保険金を支払うリスクを確認するため
生命保険は月々支払う保険料が高い反面、支払われる保険金の金額も膨大になります。
保険会社は運営を安定させていくためにも、保険金を支払うリスクを確認して事前に防ごうとするのです。
もしも病気がある人をだれでも加入させてしまうと、重い病気で加入後すぐに亡くなった場合、保険会社は保険金を支払うのみになってしまい、経営が立ちいかなくなってしまう可能性があります。
保険会社の安定した運営を守るためにも、健康状態の確認は必要なのです。
他の加入者と平等に扱うため
生命保険には様々な人が加入しており、相互扶助の考えのもと運営がなされています。
お互いの支払った保険料でお互いのもしもの状態を保障しようという目的がありますが、病気を抱えている人が加入することによって相互扶助のバランスが崩れてしまうんです。
病気にかかっている人は上述のとおり、死亡リスクが高いため保険金を受け取る機会がほかの加入者よりも多くなります。
加入の時点で病気のリスクを抱えているとなると、全員同じ保険料を支払っていても受け取れる機会が健康な人よりも高くなりますから、公平性が崩れてしまいます。
生命保険会社としても一人を優遇して加入させてしまうと、ほかの加入者からの信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
病気を隠して生命保険に加入するとどうなる?
実は生命保険会社に病気について告知するには、自己申告制がとられています。
そのため病気にかかった経験があることを隠して、うその告知をすることも可能なんです。
ですが保険会社側が告知するように定めている以上、病気を隠して加入したことがばれたときに何か罰則があるのではないかと不安になってしまいますよね。
生命保険会社では、加入時にはそこまで詳しく告知内容を調べることは少ないのですが、保険金支払いの際の事実確認になると詳細に調査を行います。
専門の調査員によって調べあげられますので、保険会社にうその内容がばれることになります。
以下では、保険会社に病気を隠して加入していたことがばれたときのペナルティについて紹介しています。
告知義務違反で罰則を受ける
病気を隠して加入している以上、告知義務違反として判断されることになります。
生命保険会社と加入者は信頼関係によってなりたっていますので、重い罰則を受けることになります。
契約違反が起きているわけですから、保険金はもちろんおりません。
また契約を失効されて保障が利用できない可能性もあります。
保険会社の判断によっては強制解約処分になることも
保険会社の判断によるのですが、あまりにも悪質な告知内容だった場合、保険会社側から保険を強制的に解約されてしまうこともあります。
強制解約は加入者が同意していなくとも成立してしまうので、保険に再度加入しなければなりません。
当然告知義務違反が生じるような病歴があれば、ほかの保険に加入する際に部位不担保という条件付きあるいは加入すら断られてしまう可能性があります。
生命保険では2年ばれなければOKって本当?
生命保険の告知事項について調べていると、「生命保険には2年間告知内容がばれていなければ大丈夫」と言われているところもあります。
しかし2年間ばれなければOKといっても、本当に信用していいかわからないという方もいることでしょう。
そこで以下では生命保険で言われている「2年ルール」について、ケースごとに解説していきます。
2年以内に保険金が支払わなければ契約解除されない
もし告知内容にうその事項があった場合、保険契約がスタートしてから2年以内に保険金が支払われていなければ、保険会社から契約解除などのペナルティを受けることはありません。
保険会社が契約違反を確認して、一方的に契約解除を言い渡せる期間が決まっているためです。
加入した時の病気の状況から2年もたてば好転していることもあるため、保険金請求との関連性が分かりづらいので、時効とみなされます。
2年以内に保険金支払いがあれば保険会社側から解除
保険の契約開始日から2年経過していても、その間に保険金の請求をおこなって保険金を受け取っていた経験がある場合には、保険会社は加入者に対してペナルティを課すことができます。
保険会社の調査を免れていたとしても、一度虚偽の内容で保険金を受け取っている以上、保険金請求と病気の関連性があると認められてしまうんです。
2年ルールは万全でないことを把握しておきましょう。
告知義務違反が悪質な場合には詐欺行為で解除
もし保険契約後2年以内に保険金請求の経歴がないにしろ、判明した告知義務違反の内容が悪質な場合には、詐欺行為であるとして保険会社から契約を解除されてしまいます。
保険会社の判断にもよるので一概に「このケースは無理」と指定することはできません。
どの病気を告知しなくても、同様に詐欺行為で契約解除される可能性があることは、覚えておいたほうがよいでしょう。
病気があっても生命保険に加入するには?
病気がある以上、先行きが不安になってしまいますから家族のためにも生命保険に加入しておきたいと考えている人も多いでしょう。
実は病気があっても加入できる生命保険を見つける方法はあるんです。
以下ではその方法について詳しく紹介していきます。
条件付きの保険に自分で加入する
病気を抱えたまま生命保険に加入するには、「部位不担保」の生命保険を自分で探し手加入申請してみる方法があります。
部位不担保は告知内容に引っかかるような病気を保険の保障対象から外し、もし仮にその病気で死亡してしまった場合には保険金を支払わないという制度です。
一部の病気を保障できないのはデメリットに感じられるかもしれませんが、それ以外の病気やケガでの死亡に関しては保障を受けられる可能性がありますので、加入を検討してみてもよいかもしれません。
保険のプロに相談してみる
「自分の病気で保険に入れるのかな…?」「生命保険の仕組みってよくわからない」と不安になってしまう方もいるかもしれません。
もし生命保険の知識がなくて、自分で保険を探すのが難しいのであれば、知識豊富な保険のプロが在籍している「保険代理店」に相談することをおすすめします。
保険代理店では相談者の希望や現在の条件をしっかりとヒアリングしたうえで、取り扱っている複数の保険の中から最適なプランを無料で複数提案してもらえます。
もちろん保険に関する知識も教えてもらうことができるので、自分で選びたい方は勉強の場として利用することもできます。
保険代理店にもよりますが、保険知識だけではなく家計や税に関して相談できるFP資格を保有しているスタッフにも相談できることもあります。
料金がかからず複数の保険会社をプロの目線から提案してもらうことができるので、ぜひ一度利用を検討してみてくださいね。
加入後に告知内容のミスに気付いたらどうする?
中にはわざと告知義務違反をするつもりはなかったのに、加入後に申告内容のミスに気がついたという方もいるかもしれません。
加入後に告知内容のミスに気が付いてしまったら、すぐに保険会社に連絡して訂正できるかを交渉してみましょう。
「電話めんどうくさいからいいかな」と軽い気持ちでそのままにしておくと、後々保険金支払事由が発生した場合に告知義務違反とみなされて、ペナルティを受けることになりかねませんのですぐに対応するようにしましょう。
生命保険には病気を隠さずに正直に加入するようにしよう
いかがでしたか?
現在病気にかかっている方や告知義務のある期間内に病気にかかった経験のある方は、加入すら断られるのではないかと不安になってしまいますよね。
ですが事実を隠したうえで保険に加入しても、保険金請求時の調査でばれて重いペナルティを追う可能性があることを覚えておきましょう。
もし病気でも生命保険に加入を希望しているのであれば、条件付きで加入できるところを探すか、保険知識豊富な保険代理店のスタッフに相談することをお勧めします。
生命保険は保険会社との信頼関係の上に成り立っていることをしっかりと把握し、病気であっても正確に告知してすっきりとした気持ちで契約できるようにしましょうね。