最近では、保険会社から「健康増進型保険」が続々と発表・発売されています。
加入者の健康状態に応じて保険料が安くなる保険として、健康志向が高まっている中で注目を集めています。
しかし健康状態に応じて保険料が安くなるといっても、具体的に内容や何を基準に保険料が決まるのかをイメージできる人は少ないのではないでしょうか?
また保険料が安くなることに対して何か裏があるのでは…?と不安に感じている方もいるでしょう。
そこで今回は健康増進型保険の保険料割引の項目などの内容から、加入するメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
目次
話題の健康増進型保険とは?
健康増進型保険とは、各保険会社で続々と発売されている加入者の健康状態に応じて保険料を割引してもらえるという保険です。
一般的に病気と関連性の深い保険を対象にしており、医療保険や介護保険、就業不能保険に特約として付加されることがほとんどです。
保障内容は通常の保険と変わらないため、保険料を可能な限り抑えたいと考えている方に向いている保険であると言えます。
健康項目をチェックされて保険料が決まる
健康増進型保険では、一般的に以下の項目をチェックされます。
- BMI
- 血圧
- 喫煙歴
- 血糖値
- コレステロール値
- 尿蛋白
BMIとは世界共有で採用されている肥満度のことで、健康増進保険では一般的に18.5~27.0の間であるかを確認されます。
血圧では、一般的に最高血圧140㎜Hg未満~最低血圧90㎜Hg未満であるかが条件に。
喫煙歴では保険会社が定める期間吸っていないかが条件に含まれます。
保険会社によってはこのほかにもチェック項目を増やすこともあります。
保険会社ごとに割引方法が異なる
健康増進型保険の中には、人間ドッグで判定される「健康年齢」をもとに保険料を決定するところもあります。
健康診断書を提出し、内容によって保険料が決まることも。
また保険会社ごとに異なりますが、以下の割引や還付を受けられることもあります。
一例ですが確認しておきましょう。
- アプリで記録した歩数に応じて還付金がもらえる
- 毎年の健康診断結果に応じて還付金がもらえる
- 健康状態の数値によって保険料がキャッシュバック
この他にも保険会社によって変わりますので、複数の保険会社野割引方法を比較してみましょう。
健康増進型保険に加入する2つのメリット
健康増進型保険の保障内容から、以下2つの加入するメリットがあることがわかりました。
- 健康体割引で保険料が下がる
- 健康管理をするモチベーションになる
健康体割引で保険料が下がる
普段から健康に気を使っている人で、医師からの診断内容や健康への取り組みが良い場合は、保険料の割引を受けられます。
保険にもよりますが、健康状態によって割引率が決められており、保険会社の定める基準をクリアするだけでOKです。
そのため健康状態の良い方にとっては非常にメリットが大きい保険です。
現在健康状態が悪い方でも運動を行い健康増進に努め、数値に成果が表れれば還付金をもらうこともできます。
健康管理をするモチベーションになる
健康であればあるほど割引率も高くなりますので、健康管理を徹底していくモチベーションになります。
還付型であればウォーキングや食事管理を徹底して数値に現れることで、還付を受けられます。
健康状態改善と保険料割引という2つの目標ができますので、一石二鳥といえるでしょう。
健康増進型保険に加入する3つのデメリット
健康増進型保険の保障内容から、以下3つのデメリットがあることがわかりました。
- 健康管理を怠ると保険料が上がる
- 年齢が上がるごとに保険料も高くなる
- 健康状態の基準が保険会社によって異なるので比較しづらい
健康管理を怠ると保険料が上がる
健康増進保険では健康状態に応じて保険料割引や還付が受けられますので、もちろん健康管理を怠って数値が悪化すると保険料は上がります。
加入時に健康であればいいわけではなく、加入後定期的に保険会社に健康診断書や人間ドッグの結果等を通知する必要があります。
気を抜いて暴飲暴食を重ねてしまったり不摂生を続けてしまうと、体は正直ですからすぐに数値に出てしまいます。
還付金が受け取れるタイプであれば、運動を怠ってしまうことで条件から外れてしまうことにもなりかねません。
割引や還付を継続していくには、自分に厳しく接していかなければなりませんので、覚悟が必要です。
また健康増進に努めていても、数値に現れないこともありますから不安が常に付きまとってしまいます。
健康状態は管理は出来ますが完璧な予測は出来ませんから、不確定要素が多くこの先ずっと保険料の割引が受けられるという保証はどこにもありません。
年齢が上がるごとに保険料も高くなる
これはどの保険にも共通する話ですが、加入期間中に実年齢が上がれば上がるほど、保険料も上がっていきます。
つまり加入年齢によっては、保険料と健康増進型保険の割引率のバランスを考慮する必要があるのです。
また一定期間で保険を更新するときにどれだけ保険料が上がるのかについても、把握しておく必要があります。
加入時に割引率が良くても、上述の通り年齢が上がるにつれて保険料も上がっていきます。
もちろん更新時に健康状態が悪ければ、さらに保険料は上がり健康な同年代よりも保険料が高くなるかも。
最終的には割引しても保険料が割高に感じられ、一生保険料が変わらないプランに加入したほうが長い目で見るとお得になることもあるのです。
保障内容や保険料の上がり方をよく確認し、若いうちに加入を検討しているのであれば、一生涯保険料が変わらないタイプの保険に加入することをおすすめします。
健康状態の基準が保険会社によって異なるので比較しづらい
健康増進型保険は保険会社の定める数値以内に収まっていれば割引を受けられる保険ですが、これまで紹介してきたように保険会社によって割引の基準や額が大きく異なります。
数値が良ければ保険料が割引されるのもあれば、健康増進の活動によって還付金が受けられるなど様々です。
通常保険に加入するときには、条件を比較してどれが一番自分に合う保障かを確認して加入を決定します。
しかし基準や特典がバラバラなため比較しづらく、現在の自分の健康状態ではどの保険に加入すべきかわからなくなってしまいます。
健康増進型保険は2つのタイプがある
健康増進型保険は、以下の2つのタイプがあります。
- 健康診断の結果で割引になるタイプ
- 生活習慣で割引になるタイプ
健康診断の結果で割引になるタイプは、毎年健康診断を受け、結果が保険会社の提示する一定の基準に達していれば割引などが受けられます。
生活習慣で割引になるタイプは、ウォーキングの歩数や喫煙の有無など日頃の習慣を保険会社が決めた判断基準に当てはまれば割引が発生します。
契約者にウエアラブル端末を貸し出し、装着したまま生活し、歩数や睡眠時間のデータを取った結果で判断する会社もあります。
このように、会社それぞれで独自の基準が設けられているのが、この商品の特徴です。
健康増進型保険のタイプは厳密に分かれておらず、保険会社によって健康診断の結果と運動習慣を合わせて判断する場合もあります。
健康増進型保険と通常の保険の違いは?
健康増進型保険と通常の生命保険や医療保険との違いは何かと疑問に思う方もいるでしょう。
大きく以下の項目に分けて違いがあります。
- 保険の目的の違い
- 健康診断と健康管理
- 保険料の変動の有無
ここからは、それぞれの詳細を説明していきます。
保険の目的の違い
一般的な生命保険や医療保険は、加入する前に健康状態を保険会社に伝える必要があります。
被保険者の病気や怪我など万が一のリスクに対する補償が主な目的です。
健康増進型保険は、保険契約の健康増進を促進する点に重きを置いています。
そのため、加入後に定期的な診断を受け、保険料の割引などが決まります。
予防医療や健康プログラムへの参加を奨励し、健康的な生活をサポートしてくれるでしょう。
健康診断と健康管理
健康増進型保険は、定期的な健康診断を提供し、保険契約者の健康状態をモニタリングします。
また、個別の健康管理プログラムを提供する場合もあるでしょう。
生命保険や医療保険は、補償に焦点を当てており、健康診断は補償の一部として提供される場合があります。
保険料の変動の有無
一般的な生命保険や医療保険は、契約時に保険料が確定し、保険期間中に保険料は変わりません。
健康増進型保険は、健康診断の結果が保険料の基準になっているので、保険期間中に保険料が変わる可能性がある点が大きな違いになります。
健康増進型保険を選ぶなら保障内容と保険料を重視!
上の項目でも紹介したように、健康増進型保険は提供している保険会社ごとに基準や特典が変わるため、どれを選んでいいか判断しづらいでしょう。
ですがあくまで特約として加入することをお忘れなく。
保険では保障が本来加入する目的であり、月々支払う保険料も生活の維持に直結しますのでこの二点を最大限考慮する必要があります。
保障と基本保険料をよく検討したうえで、保険料割引の特約内容を確認することをおすすめします。
健康増進型保険の選ぶ際の優先順位
健康増進型保険を選ぶ場合、割引などのサービスを受ける部分だけでなく、目的の主契約の保険の内容を優先しましょう。
健康増進型保険は、医療保険や介護保険、就業不能保険に特約として付帯されている場合が多いです。
しかし、一部の生命保険でも健康増進型保険を提供しているケースもあります。
検討している健康増進型保険がどんな保障をメインに行うのかを把握しましょう。
保険には収入保障保険や医療保険などさまざまな種類がありますが、自分のライフプランのニーズに合った組み合わせにするのが大切です。
目的の保険や保障内容を決め、保険料を比較した後に、健康増進型保険があるかで決めるのをおすすめします。
その後に各プランの予防医療、割引、キャッシュバック、プログラムへの参加など、受けられるメリットを確認します。
健康増進型保険を選ぶ際は、割引が受けられなかった場合の保険料を確認しておくのもポイントです。
自分の健康状態を含め、割引に該当する状態が続くとは断定できないため、保険料が家計の負担にならないかも検討しましょう。
既に健康状態が良いなら「健康体割引」を利用するのもあり
健康増進型保険への加入を検討している方の中で、すでに健康状態が良好であるならば死亡保険にある「健康体割引」へ加入するほうがお得になる場合もあります。
保険会社によって割合は変わりますが、健康増進型保険に加入するよりも割引率が良い保険もあります。
もちろん定期的に数値の検査はありますが、健康体割引の方が審査項目もBMI、血圧、喫煙歴の3つに限定されることがほとんどですので、基準も統一されています。
運転免許証の色がゴールドの場合に保険料が割り引かれる保険もありますので、健康増進型保険に加入する前にどちらが長い目で見てお得かを、他の保険で支払っている保険を考慮しながら検討してみましょう。
健康増進型保険への加入をおすすめする人
健康増進型保険への加入をおすすめする人は以下の通りです。
- 健康状態に自信がある人
- 若く基本保険料が安い人
- 経済的に苦しい人
健康増進型保険は健康状態によって保険料が変わりますから、健康診断の数値がよく健康状態に自信がある方におすすめです。
また基本保険料が安くなる年齢が若い方も加入することで、保険料がお得になることも。
また経済的に苦しいため保険料をできるだけ削減したいという方にもおすすめできます。
どの保険が良いか迷ったら保険代理店で相談してみよう
健康増進型保険は昨今の健康志向の上昇に伴い、続々と数を増やしています。
そのためどこからどこまで比較していいかわからない…と感じてしまう方もいるでしょう。
またそれぞれの保険を比較するとなると、いちいちパンフレットを取り寄せたりまとめなければなりませんから、時間も労力も必要になりますよね。
実は最近、保険相談を無料で行ってくれる保険代理店でも、健康増進型保険の取り扱いが始まりました。
複数取り扱っている代理店もありますので、是非利用してみてはいかがでしょうか。
街中の店舗で相談出来たり、代理店によっては自宅まで来て保険相談に乗ってくれるところもありますよ!
どうして健康増進型保険ができたのか?
現状として、健康増進型の商品を提供する保険会社は増えています。
保険料の割引などがある健康増進型保険が出てきた理由に疑問を持つ方もいるでしょう。
理由としては、以下の内容が関わっています。
- 社会の背景が関係している
- 利用する顧客にメリットがある
- 保険会社にもメリットがある
それぞれを詳しく説明していきます。
社会の背景が関係している
国は、健康の維持や改善につながる商品やサービスを提供する、ヘルスケア産業に力を入れている傾向があります。
理由としては、国民の平均寿命が現在でも延び続け、それに比例して一人当たりの医療費が多くなっているためです。
国民が健康に生活できる期間が延びれば、医療費や介護費の削減になります。
保険会社が健康を維持する取り組みに力を入れた商品を出す理由には、国民や国のニーズも関係していると言えるでしょう。
利用する顧客にメリットがある
ウォーキングや喫煙習慣を改めるなど、生活習慣を変えるには努力や継続が必要です。
健康増進型保険は保険料の仕組みが関わるため、顧客も目標がわかりやすくなります。
健康診断で、健康状態や運動習慣などを客観的に把握するのに役立つでしょう。
そのため、利用する顧客は、長期的に健康を保てる大きなメリットが得られます。
健康を保つと、将来高額な医療費や入院費などを支払う可能性が低くなるでしょう。
保険会社にもメリットがある
顧客が健康を維持するのは保険会社にもメリットがあり、病気やケガなどが少ないと、会社から保険金を支払う機会が減ります。
また、保険会社にとって健康増進型保険は、新しい収益になる事業分野です。
もともと商品を契約している顧客がいるため、ヘルスケアを目的とした取り組みを働きかけしやすい状況だとも言えます。
健康増進型保険は、現在の社会背景が関わった結果産み出された戦略と言えるので、保険会社としても長期的なメリットがある商品になるでしょう。
健康増進型保険のメリット・デメリットを考慮して加入を検討しよう
いかがでしたか?
健康増進型保険は加入者の健康状態や、健康増進活動に応じて保険料を割引してもらえます。
しかし自己管理を怠ったり、年齢が上がり病気になるリスクが上がるにつれて、割引の効果が実感できなくなる可能性もあるので注意が必要です。
あくまで保険は保障内容と基本保険料が重要になりますから、この2つをよく考慮したうえで割引内容を検討することをおすすめします。
もしも比較するのが難しいのであれば、保険代理店で相談するとアドバイスをもらえることもありますので、実際に足を運んで専門的なアドバイスを仰いでみるのもいいかもしれません。
自身の健康状態や保障内容・保険料など複数の項目を総合的に見て、保険に加入するかを決定していきましょう!