日本は地震大国のため、毎年国内のどこかで地震が発生しています。
震度4以上地震が発生することも稀ではなく、いざ地震が起きて自宅の壁を見てみたらヒビが入っているのを見つけてしまうと、非常にショックですよね。
外壁の修理は軽度なもので1万円、重度なもので100万円以上かかることもあり、修理費に頭を悩ませていることでしょう。
実は加入している地震保険を活用すれば、壁のヒビを補修できる可能性があることをご存じでしょうか。
今回は地震の影響で壁にヒビが入ってしまった方向けに、地震保険で補償を受ける条件から注意点まで、徹底的に解説していきます。
目次
条件を満たせば地震保険で壁のヒビは修理できる
冒頭でも紹介した通り、地震で発生した壁のヒビは、地震保険で修理できます。
しかし補償を受けるためには、大きく分けて下記3つの条件をクリアしている必要があります。
- 火災保険に地震保険を付帯している
- 自宅の外壁が被害を受けている
- 地震発生後に発生した損害
以下で詳しく解説していきます。
火災保険に地震保険を付帯している
地震保険を活用して壁のヒビを修理するには、まず加入している火災保険に地震保険が付帯されているかが重要になります。
地震保険はそれ単体で加入することはできず、火災保険に付帯する形で加入することが一般的です。
実は地震での家への被害は、火災保険の補償対象外ですので、火災保険に申請しても意味がありません。
また地震保険は火災保険に付帯する形で加入するのが一般的なため、火災保険にの未加入しているだけでは保険金がおりないのです。
地震発生後に急いで加入したとしても、加入以前の災害に関しては補償対象外になりますので、注意が必要です。
自宅の外壁が被害を受けている
地震保険で壁のヒビの補償を受けるためには、保険の補償対象になっている自宅が被害を受けている必要があります。
どの保険でも共通する話ですが、補償対象になっていない箇所に関しては保険会社に申請しても取り合ってもらうことができません。
別荘や自宅敷地内にある倉庫など、保険の補償対象になっていない物件は、申請しても意味がないので注意が必要です。
地震発生後に発生した損害
地震保険で補償される被害は、上述した通り地震発生後に発生した損害のみという規定があります。
地震発生から時間がたっている被害に関しては、補償対象外になります。
期限は保険会社によっても変動しますが、地震発生から10日以内が目安になることが多いです。
地震保険で外壁のヒビを補償するときの注意点
地震保険では申請できる最低限の条件を満たしていても、下記の注意点をしっかり把握していないと、申請が通らない・思った金額が補償されないことがあります。
- 一部損以上の被害でないと補償対象外
- 全額が補償されるとは限らない
- 被害状況を説明できる写真を撮っておく
- 地震との因果関係がわからないと補償対象外
- 経年劣化が認められると補償対象外
- 無料で修理するとうたう業者に注意
以下で詳しく解説していきます。
一部損以上の被害でないと補償対象外
地震保険は発生した損害に対してすべて補償対象になるわけではなく、損害の程度によって支払われる金額が異なります。
地震保険では損害の程度に応じて、建物の場合下記4段階の支払い基準が定められています。
損害の程度 | 支払保険金の割合 | |
---|---|---|
全損 | 建物の損害箇所の損害額が建物の時価額の50%以上 | 地震保険金額の100% |
大半損 | 建物の損害箇所の損害額が建物の時価額の40~50% | 地震保険金額の60% |
小半損 | 建物の損害箇所の損害額が建物の時価額の20~40% | 地震保険金額の30% |
一部損 | 建物の損害箇所の損害額が建物の時価額の3~20% | 地震保険金額の5% |
つまり上記の損害の程度に当てはまった分の保険金が支払われることになるので、地震保険の適用を申請したからといって修理費用が満額降りるわけではないのです。
一度保険会社の担当者に診断を受けて、どの程度の損害なのかをチェックしてもらうことをおすすめします。
全額が補償されるとは限らない
上述した通り、地震保険に申請したからといって、修理費用が全額保証されるとは限りません。
あくまで時価総額と損害割合に基づいて診断されるので、修理費用よりも少ない金額が保険金として支給されることもあるのです。
全額保険金で修理できるわけではありませんので、注意が必要です。
被害状況を説明できる写真を撮っておく
地震保険で保険金を請求するときには、被害状況を説明できる写真を撮影しておくことをおすすめします。
地震発生直後の状況を記録しておくことで、保険金の請求がスムーズにいくケースもあるためです。
逆に被害状況を説明できる写真がないと、損害が発生したタイミングが分からずに保険金の請求に手間取ってしまうこともあるので、できるだけ早い段階で記録しておくことをおすすめします。
地震との因果関係がわからないと補償対象外
地震発生後に発生した損害であっても、地震との因果関係が分からない場合、保険金がおりない可能性もあります。
上述したように地震発生後に因果関係を証明するためにも、できるだけ早い段階で写真等の証拠を撮影しておくことをおすすめします。
経年劣化が認められると補償対象外
地震が起きたから従来からあった損壊で保険金を請求しても、補償対象外になります。
あくまで地震発生後に発生した損壊が対象になりますので、もとからあった損害に対しては保険金が支払われません。
これまで生活してきて建物の老朽化に伴う故障であれば、所有者である皆さんがメンテナンスを怠ったと判断されてしまうのです。
地震が起きた後だからとむやみやたらに申請するのは、やめましょう。
無料で修理するとうたう業者に注意
地震が発生して保険について調べていると、地震の被害を無料で修理できるとうたう業者が現れることがあります。
結論、どんな業者で合っても地震保険を使って無料で修理することはありません。
無料で修理できると言っておきながら保険金の取引を対応し、通常よりも高い見積もりを出して保険金の差額を受け取るなんてこともあります。
保険金に見合った修理がされないこともあるので、かえって大損になってしまう可能性もあるのです。
外壁修理の相場は1万円~100万円と幅広い
外壁を修理する場合、価格帯の幅が1万円から100万円と非常に幅広くあり、素人目には判断できないことが多いです。
外壁修理を行う際、自分が思っているよりも被害が進行していて、大規模な修繕が必要になることもあります。
また一目でみて小さいヒビだと思っていても、外壁修理のプロが見てみたら内部で大きな破損が起きていたなんてこともあります。
素人目で判断せずにきちんとプロに相談してみることをおすすめします。
室内の壁のヒビ割れは補償されない場合もある
室内の壁のヒビ割れは軽度であるケースが多く、補償されない場合もあるので注意が必要です。
室内のヒビは範囲が小さいこともあり、一部損にも満たないケースがあるためです。
一応業者に見せてみて、簡単に修理が可能なのであれば地震保険を活用せずに自腹で対応したほうが、時間コスト的にも無駄にせずに済みます。
地震による壁のヒビを地震保険で修理するときの流れ
地震による壁のヒビを地震保険で修理するときの流れは、以下の通りです。
- 損害の内容を写真で撮影しておく
- 保険会社に保険金請求を行う
- 保険会社から送られてきた書類を記入して返送
- 保険会社からの調査を受ける
- 認められれば保険金を支払い
地震保険の保険金請求も、基本的には火災保険や生命保険と同じフローで進んでいきます。
書類の作成で迷ったときには、保険会社のガイドラインを参考にしてみたり、問い合わせてみることをおすすめします。
地震保険を活用して壁のヒビを補修しよう
いかがでしたか?
地震保険を活用することで地震でひび割れてっしまった壁も、保険金で修理ができる可能性があります。
ただし修理費用分の保険金が満額降りるわけではありませんので、注意が必要です。
地震保険を活用して、出来るだけ負担を軽減するためにも、条件や注意事項を確認してミスなく請求を進められるようにしましょう。