がんは日本で、全死因の中で約3割を占める第1位の病気です。
それにもかかわらず、がん保険の加入率が全体の50%を切っていることから、重要度が認知されていないのが現状です。
がん保険に加入することで、がんへの備えを行うことができます。
今回はがん保険の重要性を解説すると共に、加入、見直しで最適ながん保険に加入する選び方を解説していきます。
年齢関係なく、がん保険が必要なため、これを見てがん保険に加入、見直しを行いましょう。
目次
がん保険の4つの種類を理解しよう
がん保険の加入、見直し前には、必ず基礎知識を理解してから相談しましょう。
がん保険だけでなく保険全般に言えるのですが、保険は人生で家に次いで2番目の買い物と言われています。
さらにがん保険は長期の闘病生活になりやすく、生命保険の中でも重要な保険です。
自分が加入している、これから加入するがん保険を理解することで、実際に罹患したときに安心して闘病生活を送れるようしっかり理解しておきましょう。
今回はがん保険を4つの種類に分類して解説していきます。
がん保険①入院給付金型
1つ目のがん保険は、入院給付型です。
名前の通り、がんによる入院を行った場合、入院日数に応じて給付金をもらえるがん保険です。
がんだけでなく、病院にて入院する日数は医療技術の発達で大幅に短縮されています。
がんの部位、年齢によって異なりますが、平均13日前後と言われています。
その中で、入院した日数分の給付金がもらえるのが、入院給付型です。
さらにがん保険全般で入院日数は無制限で給付されるのが一般的となっています。
がん保険②実損補填型
続いては、実損補填型のがん保険です。
基本的にがんと診断され入院などの治療を行った場合、公的医療保険制度で自己負担額が3割となります。
もちろん年齢によって自己負担額は異なりますが、この自己負担額を補填するのが実損補填型です。
実損補填型は損保系の会社が扱うことが多く、保険会社によっては諸経費まですべて保障するがん保険もあります。
諸経費も保障したい方にはおすすめできるがん保険です。
がん保険③診断給付金型
3つ目は診断給付金型です。
がんと初めて診断されたときに給付されるのが、診断給付金型のがん保険です。
特徴として、がんと診断されたときに、まとまったお金が必要な方におすすめのがん保険です。
診断給付型は、他の型にも付帯されていることもあります。
生命保険会社によって異なるので確認しておきましょう。
がん保険④収入保障型
最後の4種類目は、収入保障型です。
この収入保障型は、がんと診断されて入院や治療をしている間、仕事ができないため、収入が無い状態となります。
そのときに補填してくれるのが、収入保障型です。
収入保障型は、年金形式で毎月もらえ、保険期間が満了するまで貰うことができます。
がん闘病時の収入に不安がある方におすすめのがん保険です。
日本のがん罹患率状況を把握
がんの種類を学ぶことができたので、次はがんの罹患率状況を確認していきましょう。
がん保険に加入する上で、実際のデータがあれば加入や見直しの必要性を感じることができますね。
今回は3つのデータを紹介していきます。
- 日本人のがん罹患率
- 男女のがん死亡率
- 年代別がん罹患率
この3つの基本的なデータを押さえることで、日本人としてがん保険が必要かどうかを判断できるでしょう。
それでは解説していきます。
女性向けがん保険は加入すべき?がん罹患率や保障内容から必要性を解説します
がんの罹患率は2人に1人
まずは日本人のがん罹患率です。
2017年のデータは以下です。
該当者 | がんを診断される確率 |
---|---|
男性 | 65.5% |
女性 | 50.2% |
(引用:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター-最新がん統計-2017データに基づく)
上記を見れば分かる通り、日本人の2人に1人が人生に1回はがんを罹患していることが分かります。
そのため、がんによる入院、治療が発生する可能性が高いと分かりますね。
つまり、がん保険が必ず役に立つということです。
男女で違うがんの死亡率
続いて男女別でのがん死亡率についてです。
がんは治療によって、完治することは可能です。
しかし、がんが原因で亡くなる方も多くいらっしゃいます。
そのデータが以下です。
該当者 | がん死亡率 |
---|---|
男性 | 26.7%(4人に1人) |
女性 | 17.8%(6人に1人 |
(引用:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター-最新がん統計-2019年データに基づく)
ちなみに男女別、部位別でがん死亡数を見ると、
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
男性 | 肺 | 胃 | 大腸 | 膵臓 | 肝臓 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 胃 | 乳房 |
(引用:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター-最新がん統計-がん死亡数の順位(2019年))
男女で差はあるものの、男性で4人に1人、女性で6人に1人亡くなっているのが分かりますね。
いつ自分が罹るか分からないのが、がんです。
それだけ備えなければならない病気ですね。
年代別で知るがん罹患率
最後に年代別で知るがん罹患率を見ていきましょう。
年代別で見ると、40代から徐々に罹患率が上昇していき、60代から70代の間でピークを向かえます。
女性については、女性特有の病気と言われている、子宮頸がん、乳がんの罹患率は20代後半から上昇しています。
このことから女性に関しては、若い世代からいち早くがんに備えなければいけないことが分かります。
さらに、男性は40代から罹患率が上昇しているものの、死亡率などの関係から女性同様に若い年齢から備える必要があります。
がんは高齢になってから罹る病気と思われがちですが、若い人でも発症するケースは多く、十分に気を付けなければいけない病気と言えるでしょう。
がん保険を加入する上で重要な3つのポイント
日本のがん事情の基礎知識を理解できたところで、備える準備をしなければいけませんね。
がんに備えるためには、がん保険が一番安心できます。
しかし、がん保険を選ぶにあたって、何が重要なのか分かりませんよね。
今回はがん保険に加入する上で、重要なポイントを3つ解説していきます。
これをみて、がん保険に加入するための予備知識を備えておきましょう。
それでは解説していきます。
がん保険に入ってないと後悔するって本当?加入するべき3つの理由
診断給付金の2タイプから選ぶがん保険
がん保険で一番重要なのは、診断給付金があることです。
理由として、がん保険は入院の他に、治療に多くの費用が掛かります。
そのため、治療費を補填するために診断給付金が必要です。
がん保険を選ぶうえで、重要ポイントである診断給付金には2タイプあります。
- 初回限定タイプ
- 無制限タイプ
この2タイプの特徴を掴むことで、がん保険を選びやすくなります。
診断給付金①初回限定タイプ
診断給付金の中で、初回限定タイプは初めて「がん」と診断された際に受け取れる診断給付金です。
特徴としては初回しか受け取れないため、再発をした場合は受け取ることができません。
初回限定の場合、がん保険の保険料が安くなるケースがあります。
そのため、保険料を少しでも抑えたい方は、初回限定タイプを選んでも良いかもしれません。
診断給付金②無制限タイプ
2タイプ目は、無制限タイプです。
保険会社によって、2年に1回など制限があるものの、何度も受け取ることができます。
近年、医療技術が進歩したため、生存率が大幅に上昇し、がんのリスクが転移や再発に変わってきています。
そのため、少しでも、リスクを抑えたい場合は、無制限タイプの診断給付金があるがん保険に加入するようにしましょう。
がんの種類で保障内容が違うことを理解しよう
次は、がんの種類で保障内容が違うことを理解しましょう。
がんには主に2種類あります。
- 上皮内新生物(上皮内がん)
- 悪性新生物(がん)
上皮内新生物とは、上皮の内側にとどまっている状態を指します。
それが深くまでいくと、悪性新生物と言われます。
皆さんがよく耳にするがんは、悪性新生物です。
上皮内新生物の場合、治療によっては転移、再発の可能性がないため、完治することができます。
そのため、上皮内新生物と診断された場合、がん保険によっては保険金が少額、支払われない保険もあります。
また、がん保険によっては保険料が少し高い分、上皮新生物でも悪性新生物と同様に保険金が支払われる保険もあります。
女性は特に上皮新生物のがんになるケースも多いため、自分の経済状況や心配度合いで決めても良いかもしれませんね。
がん先進医療特約は付けるべき特約
最後はがん先進医療特約についてです。
先進医療特約とは、厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療を指します。
最先端の治療のため、多額の費用が掛かり、公的医療保険制度の対象外となるため、患者がすべて自己負担となります。
その先進医療の中でも、がんに対する治療を保障するのが、がん先進医療特約です。
がんの先進医療が世の中で認知されつつあり、公的医療保険制度の対象外であることから、年々重要度が増しています。
保険会社によって異なりますが、がん先進医療特約を付帯するのに数百円と、そこまで保険料が掛からないため、付帯して損がない特約です。
がん保険を見直すための3つのポイント
がん保険の選び方について3つのポイントを押さえてきました。
しかし、がん保険も年齢やライフイベントごとに見直しを行わなければなりません。
がん保険に限らず、保険の見直しは適切な保障加入、保険料の払い過ぎを防ぎ、支出を減らす効果もあります。
また、安心して暮らせることから精神面への効果も期待できるのです。
今回はがん保険の見直しポイントを3つに分けて解説していきます。
これを見て、がん保険の見直しに備えましょう。
診断給付金が付いているか
まず1つ目の見直しポイントは、診断給付金が付いているかどうかです。
既に加入しており、初めて見直しを行う場合は必ず注意しましょう。
診断給付金は、特に使い道については限定されていないため、治療費に充てても、生活費に充てても問題ありません。
さらに、治療法に関係なく受け取れることから、非常に便利な保障です。
先程の診断給付金の支払回数の点でも解説した、2つのタイプも併せて見直しを行いましょう。
保障額が不足していないか
続いては保障額が不足していないか確認しましょう。
理由として、保障額が小さい場合、いざとなったときにお金が足らない可能性を防ぐためです。
もちろん家庭によって経済状況や、収入の違いから必要な保障額は異なります。
そのため「この金額にしてください!」とは解説できませんが、自分にとって必要な保障額を計算して、適切な保障に加入しましょう。
保障期間は終身タイプがおすすめ
最後は保障期間を終身タイプに見直しを行いましょう。
理由として、がんの年代別罹患率でも解説しましたが、高齢になると罹患率は上昇していきます。
つまり、一生付き合っていかなければいけない病気です。
定期タイプの場合は、更新ごとにその年齢の保険料に変わるため、保険料が増額していきます。
しかし、終身タイプならば、加入した当時の年齢の保険料が変わらず、一生涯続きます。
そのため、保険料の総額も終身タイプの方が少ない可能性もあるため、できるだけ終身タイプに変更するようにしましょう。
主契約と特約のがん保険の違い
最後はがん保険における、主契約と特約の違いです。
もちろん、がんは病気であるため、入院費については医療保険でカバーすることができます。
そのため、医療保険だけで十分だと思われる方も多くいらっしゃいます。
しかし、主契約と特約にはそれぞれ特徴があります。
その特徴をしっかり理解することができれば、適切ながん保障を受けることができます。
今回は、がん保険における主契約と特約の違いについて解説していきます。
がん保険における主契約と特約の違い
そもそも主契約とは、主な保障内容を表す契約のことを指します。
逆に特約は、主契約では足らない保障をオプションで付帯することができます。
がん保険における主契約とは、診断給付金や、通院、入院治療費などを保障してくれる契約です。
がん保険の特約は、医療保険に付帯することが多く、医療保険の保障に合わせて、がんの保障をプラスした保険です。
がん保険は主契約を選ぶべき
では実際に主契約と特約のどちらが良いのでしょうか。
おすすめするのは主契約のがん保険です。
理由として、特約の場合は保険料が少額で済むメリットはあるものの、保障が診断給付金のみなど、保障面で不安があるからです。
さらに、もし医療保険を解約した場合、特約も一緒に解約となり、保障がなくなってしまいます。
主契約の場合は、保険料が特約に比べ掛かるものの、保障内容が充実しているため、いざというときに備えることができます。
加えて、がんに特化しているため、医療保険にはない、入院日数無制限が付いています。
がんは再発や転移を繰り返すため、入院回数が多くなることが多いです。
主契約の場合、入院回数や日数にも対応できるため、主契約をおすすめしています。
日本人ならがん保険に加入するべき
いかがでしたか?
世界的にみても、日本におけるがんの罹患率は高いです。
もちろん医療技術が発達し、最新の治療法も増え、生存率は大幅に上昇しています。
しかし、最新の治療法も多額の治療費が掛かるため、気軽に治療を受けられません。
そこで、適切ながん保険に加入して、最新の治療を受けたほうが良いですよね。
がんは高齢の人になるものと思わず、若い人からしっかりとがん保険に加入しておくべきです。
家庭を持っている方ならなおさらですね。
自分だけの問題と思わず、しっかりと周りの人たちのことも考え、がん保険に加入しましょう。