日本人の三大疾病のうちの一つであるがんは、今では2人に1人がかかる病気といわれています。
しかしがんは死亡リスクが高いため、治癒してもいろんな保険に加入できなくなる現実があります。
しかしがんは再発リスクも高く治療費も高額になることが多いですから、できるだけがん保険に加入して保障を受けたいですよね。
そこで今回は、過去にがんにかかった人にフォーカスして、がん経験者でもがん保険に入れるのか、入るための方法や注意点について徹底解説していきます。
5分程度で読み終わる内容にまとめてありますので、是非参考にしてみてくださいね。
目次
がん経験者でもがん保険に加入できる
結論から言うと、がん経験者でもがん保険に加入することは出来ます。
冒頭でも紹介した通り、がんは日本人の間で浸透している病気ですから、いつだれがかかってしまうかの予測がつきません。
がん保険に加入していない人ががんにかかってしまった場合の医療費を考慮して、最近ではがん経験者でも加入できる保険も登場しています。
もちろん健康な人と同様の告知内容や保険料での加入は出来ませんが、保険会社が定める一定以上の基準をクリアすることで、がん保険に加入できる資格を得られるのです。
がんは再発する病気として知られていますから、がんに罹患してから時間が経過していれば加入できる可能性もあるということです。
がん経験者ががん保険に入る2つの方法
がん経験者ががん保険に入るためには以下の2つ方法があります。
- がんに罹患してから5年経過後にがん保険に加入申請する
- 告知不要の無選択型保険に加入する
以下で詳しく解説していきます。
①がんに罹患してから5年経過後にがん保険に加入申請する
通常がんにかかってしまうと、がん保険に加入することは出来ません。
しかし最近では、がんに罹患して最後の治療を受けてから5年以上経過している場合、がん保険に加入できるようになってきました。
治療後5年経過して加入できる保険を、がん保険では「引受基準緩和型保険」といいます。
引受基準緩和型保険は、保険会社が保険加入時に審査する告知内容が少なく、持病や健康に不安がある方でも問題なく加入できるように考えられた保険です。
現在では多くの保険会社が導入しており、保険料や保障内容ごとに比較することができます。
告知内容が少ないだけなので、告知義務は当然発生しますので注意してください。
保険料は一般的ながん保険よりも高い
引受基準緩和型保険では、告知内容を少なくして加入のハードルを下げている分、保険料が高く設定されています。
最大で2倍まで増額する可能性がありますので把握しておきましょう。
また、引受基準緩和型保険でも免責期間が指定されていますので、加入時に確認しておきましょう。
②告知不要の無選択型保険に加入する
もしも引受基準緩和型保険で加入を断られてしまった場合、もう入れるがん保険はないのかと落胆してしまう人もいるかもしれません。
ですが無選択型保険に加入すれば、引受基準緩和型保険で加入を断られた方でもがん保険に加入できます。
無選択型保険とは、加入時に保険会社に申告する告知内容が無く、医師の診察なしに加入できる保険です。
もちろんがん経験者でも加入できますが、現在がんに罹患している人でも加入できる保険です。
しかし無選択型保険は、ただでさえ通常の保険料よりも高い引受基準緩和型保険の保険料よりもさらに保険料が高いといわれています。
保障内容も健康な人ががん保険に加入するときと比べて範囲が狭くなりますので、加入するメリットは少ないです。
また引受基準緩和型保険は定期タイプと終身タイプが選べますが、無選択型保険は5年・10年の定期のみの取り扱いになるので注意が必要です。
過去にがんにかかった人ががん保険に加入する2つのメリット
過去にがんにかかったとして完全に治癒しても、がんの特性上再発する恐れもありますから、備えておくことが重要です。
過去にがんにかかった人が、がん保険に加入するメリットが気になる方もいるでしょう。
加入するメリットは以下の2つです。
- 通常のがん保険と同水準の治療保証が受けられる
- 保険適用外治療も保証してもらえる
以下で詳しく解説します。
通常のがん保険と同水準の治療保証が受けられる
これは引受基準緩和型保険を選択した場合ですが、通常のがん保険路同水準の治療保証が受けられます。
がんは放射線治療や抗がん剤など長期的に治療していく手法や、患部を切除して根本から治療する手術もありますが、どれもお金が非常にかかります。
過去にがんにかかったことがある人は再発のリスクがあるため、また治療費に悩まされてしまうこともあるのです。
上に挙げたように保険料が増額になってしまいますが、がんの治療費の保証があるのは心強いはずです。
保険適用外治療も保証してもらえる
がん治療は上に挙げたような手術や投薬治療、放射線治療だけではありません。
常にがんを根治させるために研究者は治療法を開発しているため、がんの治療中には先進医療といった新しい治療法を試せる機会に巡り合うこともあります。
しかし先進医療は保険適用外ですので、10割全額自己負担になってしまいます。
がん保険に加入して先進医療特約を付随することで、先進医療の保証を受けることも可能なのです。
過去にがんにかかった人ががん保険に加入する3つのデメリット
メリットがある以上、過去にがんにかかった人ががん保険に加入するデメリットも存在します。
デメリットは以下の3つです。
- 通常のがん保険より保険料が高い
- 補償額が減額されたり補償範囲が狭くなる
- 加入年齢制限が設けられている
以下で詳しく解説します。
通常のがん保険より保険料が高い
一度がんにかかってしまった以上再発するリスクがあるので、健康な人ががん保険に加入するよりも保険料が高く設定されています。
がん保険会社としても、保険金を支払わなくてはいけない人をできるだけ避けたい狙いがありますので、仕方のないこととも言えます。
保険料は毎月支払うものですから、高額になってしまうと家計にダメージがかかってしまいます。
また上に挙げたように無選択型保険は保障範囲が狭くなってしまうのにも関わらず、保険料が高いと損になってしまうことも想定されます。
保障額が減額されたり保障範囲が狭くなる
過去にがんにかかった経験がある方ががん保険に加入すると、健康な状態で加入するよりも保障額や保障範囲が狭くなります。
特に無選択型保険は、「既往症」という加入時に抱えている病気の保障を対象外として設定しています。
そのため加入時に「前にかかったがんの再発心配だから補償してもらおう」という目的があったとして、実際にがんの再発が起きた際に保障してもらえないのです。
引受基準緩和型保険も補償額が減額されているので、注意が必要です。
加入年齢制限が設けられている
過去にがんにかかったことがある人ががん保険に加入する際には、加入申し込みの年齢に制限が設けられています。
保険会社や保険商品によって違いはありますが、下は20歳、上は最大でも85歳までです。
恒例になればなるほど制限がかかりやすくなりますので、自身の年齢と保険の加入制限年齢を事前に照らし合わせておくことをすすめします。
がん経験者ががん保険に加入するときの注意点
これまで紹介してきたように、過去にがんを経験した人はがん保険に条件付ではありますが加入できると紹介してきました。
しかし加入を検討する際には、注意すべき点を把握しておかないと思わぬ落とし穴が待ち構えていることがあります。
以下で確認していきましょう。
確認!がんの治療が終了してから5年が経過しているか
がん経験者ががん保険に加入する際は、最後にがんを治療した日から5年経過していないと、告知が必要な保険引受基準緩和型保険のような保険には加入できません。
告知内容が軽減されているとはいえ、5年という長い期間が加入条件として提示されているのは少々ハードルが高いように感じられますよね。
また保険会社によっては「5年間の間にがんに関する入院や手術」あるいは「治療や投薬が行われていない」ことを問われることもありますので注意が必要です。
保険会社ごとに判定基準が異なるので、A社で加入できなくてもB社で加入できることもあります。
告知内容をしっかり確認しておく
告知内容をしっかり確認しておくことも重要です。
過去にがんを経験した人の中には、がん以外にも生活習慣病や心臓病などの疾患を抱えている人もいるでしょう。
引受基準緩和型保険に加入する際の告知内容は通常よりも軽減されているとはいえ、一定の疾患に関しては告知義務があります。
加入を検討している保険がある場合は、事前に告知内容を把握しておいてがん以外に何か引っかかるものがないかを確認しておきましょう。
保険料を確認して収入に見合ったものを選ぶ
過去にがんにかかった経験のある方ががん保険に加入する際は、何度もお伝えしている通り健康な人ががん保険を利用するよりも、保険料が高く設定されています。
保険料は月々支払っていくものですので、自身の収入に見合ったものを選ぶようにして行きましょう。
保険料だけでなく保障内容もしっかり考慮して、自分に合った保険に加入しましょう。
保険ごとの条件や制限を把握してがん経験者でもがん保険加入をめざそう
いかがでしたか?
がんにかかったことがあるからといって、がん保険に入れないわけではありません。
もちろん健康な人よりは保障金額や保障範囲に制限が設けられ、保険料が高く設定されてしまいますので注意が必要です。
無選択型保険には告知がありませんが、引受基準緩和型保険はがんの治療が終了してから5年経過している必要があるなどの条件が設けられていることもありますので、事前に告知内容を確認しておくことをおすすめします。
がん経験者ならではの条件や制限を把握して、がん保険の加入を目指してみてはいかがでしょうか?