保険料が家計を圧迫している場合や大きな保障が不必要になったときは、すぐに解約して対処する以外にも減額して保険料負担を減らす方法もあります。
保険料も安くなるだけでなく他にもメリットがありますが、デメリットとなってしまうこともあります。
そこでこの記事では、生命保険を減額するとどうなるのか、メリット・デメリットを解説します。
目次
生命保険の減額とは
生命保険の減額とは、保障の一部や特約を解約して保障金額を下げることを指します。
死亡時に支払われる保険金額を1000万円としている場合、500万円の死亡保険金に変えることが減額です。
保険の一部を解約するので、解約返戻金が出るタイプであれば保険料が下がるだけでなく、解約返戻金も支払われるので家計の足しになります。
保障金額を下げる
生命保険の減額は、死亡時の保障をしているものでこれを減額することを指しています。
保障金額が高額になればなるほど、保険料は上がっていきます。
そのため家計状況が変わってしまい保険料が支払えない、子どもが独立したなどさまざまな事情から、それまでの保障金額が不必要になり保険金を減額して保険料を下げるという対処法を取ることもあります。
特約を解約する
保障金額を下げるのではなく、主契約以外に特約を付けている場合はそれを解約することで減額ができます。
最初は必要だと思いなんとなく付けている特約でも、じっくり考えてみると不必要なこともあります。
特約を付けているのであれば、一度特約を見直して解約するだけで生命保険に繋がります。
ただし主契約を解約して特約を残すことはできないため注意が必要です。
生命保険でつけるべき特約って?保険選びで注目すべきポイントを解説!
生命保険を減額すると得られる3つのメリット
生命保険の減額とは、保障金額を下げる・特約を解約することです。
これにより保険料を下げられるだけでなく、他にもさまざまなメリットを受けられます。
ほかのメリットを知り、減額するかの判断材料の一つにしてください。
ここでは生命保険の減額によって得られる3つのメリットを紹介します。
月々支払う保険料の負担を軽減できる
まず生命保険の保障金額を下げる・特約を解約し減額ができると、月々に支払う保険料の負担を減らせるのが大きなメリットといえます。
生命保険の減額を考える理由の一つが、毎月の保険料の負担を軽減したいということです。
その理由はさまざまで、保険料が大きな負担となってしまった、子どもが独立したり教育費を用意する必要がなくなったりと、家計や家庭状況が変わるタイミングが多くなっています。
このタイミングで保険料を減額し、保険料の負担を減らして家計状況の悪化を防いだり適切な保険料にできたりするのも、大きなメリットとなっています。
保険を解約せずに済むので保障が続く
生命保険を減額しても保障がそのまま続くのもメリットの一つです。
家計状況が変わり保険料が負担となってしまうと、保険解約を検討する人もいます。
しかし一度保険を解約してしまうとその時点で保障がなくなってしまいます。
保障がなくなり死亡してしまうと、まったく保険金が下りずに困ることにもなりかねません。
そのような不安を解消するためにも、解約ではなく減額をして保険料の負担を減らす対処法は有効な手段となっています。
解約した保障分の解約返戻金が受け取れることもある
養老保険のような生命保険を減額のために保障の一部を解約すると、解約した保障分の解約返戻金を受け取れる可能性があるのもメリットの一つです。
突発的にお金が必要になったときに、すべて解約して保障をなくしてしまうと不安ですが、一部解約で減額し保障を残しながらも無くした分の解約返戻金を受け取れるので、それを活用もできます。
これも大きなメリットの一つとなっています。
生命保険を減額すると発生するデメリット
生命保険を解約ではなく減額することで、保険料の負担軽減だけでなく保障を残せる・解約返戻金を受け取り活用できるなどのメリットがあることがわかりました。
すぐに解約を選ぶと保障がなくなるなど不安になることもありますが、減額でそのような不安を抱えることなく過ごせるのは大きなメリットと言えるでしょう。
しかし減額によって得られるのはメリットだけでなく、デメリットもあります。デメリットを知らずに減額してしまうと思いもよらぬところで後悔に繋がってしまう可能性もあります。
メリットだけでなくデメリットにも目を向け、検討して決めることが大切です。
ここではデメリットについて解説します。
保障範囲が狭くなる
生命保険を減額してしまうことで保険料の負担は減らせますが、その分保障範囲が狭くなってしまうのがデメリットの一つです。
保険料を負担に感じて安易に減額してしまうと、保障範囲が狭くなってしまい必要なときに必要な保障を得られなくなってしまう可能性があります。
あとから保険金額が足りないと思っても新規加入となり、また健康告知が必要となります。
そのため思ったような保障に加入できるとは限りません。
このようなデメリットがあるため、減額には慎重にならなくてはいけないのです。
リスクをカバーできなくなる
保障範囲が狭くなることでたくさんあるリスクをカバーできなくなってしまう可能性が高いのもデメリットです。
子どもに教育費がかかる年齢で保障金額を下げてしまい支払い事由が起きてしまっても、必要な保険金を受け取れず困ってしまうことも考えられます。
リスクをカバーできなくなってしまうというのはこのようなことを指し、大きなデメリットとなります。
最低限のリスクがカバーできるように減額するように注意してください。
保険期間が短くなることも
デメリット3つ目は、減額することで保険期間が短くなってしまうこともあげられます。
保険期間が短くなってしまうと、一番必要な時期に保障がなくなってしまい子育て中の人などにとっては、不安材料の一つになります。
保障金額を下げることが保険期間を短くしてしまうことにもなってしまうことを知っておき、減額が正しい対処法なのかをじっくり検討することが大切です。
生命保険を減額せずに済む場合もある
生命保険の減額について解説してきましたが、減額だけが対処法というわけではありません。
家計状況の変化で保険料が負担になってしまった場合、減額以外にも対処は可能です。
さまざまな対処法を知っておき、状況や目的に応じた選択をすることが大切です。
ここでは生命保険減額以外の方法を3つ紹介します。
他の保険料の安い保険に切り替える
減額ではなく保険そのものを加入しているものから安いものに切り替えるのも、対処法の一つです。
生命保険はたくさんの会社が販売しており、特にインターネットから加入できる会社のほうが、対面販売の生命保険よりも保険料が安いものを多く取り扱っています。
保険料が安い生命保険に切り替えると保険料の負担軽減になります。
ただ保険の切り替えは新規加入となるため、健康告知が必要になり健康状態によっては加入できない可能性もあります。
このようなデメリットを考え、契約する前に解約するのは辞めましょう。
今すぐお金が必要なら契約者貸付の方法も
今すぐお金が必要で減額した際の解約返戻金が目的の場合、減額ではなく契約者貸付を利用する方法もあります。
契約者貸付とは、保険を継続したまま解約返戻金の一部を借りる仕組みです。
契約者貸付を利用できる保険は限られていますが、利用できるのであればこれを利用すれば保険を継続したまま必要なお金を作れるのがメリットです。
ただ貸付には利息がかかるため、早めに返済していかないと利息が膨らんでしまい大きな借金となってしまうため注意が必要です。
もし貸付金を返済中に契約者が死亡した場合には、保険金から差し引かれてしまうことも知っておいてください。
払い済み保険に変更する
3つ目の対処法は、払済保険に変更する方法です。
払済保険とは、保険料の支払いを中止しその時点での解約返戻金をそれ以降の保険料に充て、保障を継続する方法です。
この方法のメリットは、保険料の支払いがなくなること・保険継続が可能なこと・保険期間が変わらないことです。
一方でデメリットは、解約返戻金がなくなってしまうこと・受け取る保険金額が少なくなってしまうことなどがあります。
保険料の支払いがキツイ人にとっては、保険を継続したまま保険料の支払いが必要ないことが、減額するよりも大きなメリットとなるでしょう。
生命保険が家計を圧迫するなら見直そう! 負担を減らすポイントを解説します
生命保険の減額は慎重に行動しよう
生命保険の減額について解説しました。減額することで、保険料の負担軽減や保障が継続できる、解約返戻金が受け取れる可能性があります。
ただ保険期間が短くなるなど、気を付けなければいけないデメリットもありました。
減額以外にも保険料負担を軽減させる方法はいくつかあるため、減額で対処するべきなのかじっくりと検討することが大切です。
もし自分だけでは決められない・悩んでしまうという人は、保険のプロに相談しながら最適な方法を選べるように考えてみてください。