保険金の受け取り方法の中で、お得な受け取り方法である「すえ置支払」ってご存じですか?
生命保険は加入して終わりではありません。
保険金を受け取って初めて、加入しておいてよかったと思う商品です。
今回は保険金の受け取り方法の一つである、すえ置支払について基礎から損をしない方法までを解説していきます。
これから生命保険に加入する人も、現在加入している人にも必ず役に立つ情報を発信しますので、必ず押さえておきましょう。
それでは解説していきます。
目次
すえ置支払とは保険金の受取方法の一つ
保険金を受け取るときに、生命保険会社によって受け取り方法は異なります。
その中で、保険金を受け取る方法の一つとして、すえ置支払と呼ばれる保険金の受け取り方法があります。
生命保険に加入するときは、受け取る方法まで考えていない人が多いと思いますが、生命保険は保険金を受け取って初めて効果を発揮できるものです。
加入するときには、保険金の受け取り方法までしっかり知識として蓄えておきましょう。
今回はまず、すえ置支払の基礎知識を解説していきます。
基本的な保険金の受け取り方
まず保険金の受け取り方法として、基本的には一括で受け取るケースが多くなります。
ベースとして、何か不幸があった場合、それに対する保障内容に沿った保険金を受け取ることとなります。
もちろん保険によって受け取り方法は異なりますが、基本的には一括で受け取ることが多いです。
受け取り方法が異なるのが、個人年金保険です。
個人年金は、
- 確定年金
- 終身年金
確定年金は、一定期間年金として保険金を受け取るものです。
終身年金は、一生涯年金を受け取ることができる保険です。
あわせて確認しておきましょう。
すえ置支払とは保険金を据え置く制度
次にすえ置支払の概要を解説していきます。
すえ置支払とは、保険金を一括で受け取らず、保険金をすえ置く制度を指します。
すえ置かれた保険金は、生命保険会社によって所定の利率によって利息が付けられます。
利率については、生命保険会社によって異なります。
すえ置く期間としては、基本的に最長10年が一般的と言われており、その間は請求しなければ、すえ置くことができます。
さらに引き出しについても、生命保険会社によって異なりますが、ある一定の金額以上の金額なら、いつでも引き出すことができます。
すえ置支払ができる3つの保険金
保険金の受け取り方法であるすえ置支払は、主に3つの保険金で活用することができます。
- 死亡保険金
- 学資金
- 満期保険金
もちろんこれも保険会社によって異なりますが、基本的には上記の3つの保険金です。
死亡保険金と学資金については、その時すぐに必要となる保険金として知られていますが、貯蓄などの関係ですぐに必要ではない人向けにすえ置支払という制度があります。
すえ置支払を活用した場合の3つのメリット
すえ置支払の基礎知識を学んだところで、続いてはすえ置支払を活用した場合のメリットを解説していきます。
メリットがなければ、だれも利用することはない制度なので、必ずメリットがあります。
ここでメリットを知っておけば、請求のときにも迷いなくすえ置支払を選ぶことができるでしょう。
今回は3つに絞って、すえ置支払のメリットを解説していきます。
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メリット①銀行より多くの利息が付く
1つ目のメリットは、銀行より多くの利息が付くことです。
基本的に銀行にお金を預けた場合、昨今の情勢に合わせて0.001%が通常です。
しかし、すえ置支払の利率は、生命保険会社によって異なりますが、0.01%です。
そのため、銀行の通常より10倍多く利息が付くため、お得な制度です。
また、今後の情勢によって上がる可能性もあるため、すえ置支払を検討しているのであれば、必ず該当の生命保険会社の利率は確認しておきましょう。
メリット②貯金として使える
2つ目のメリットは、貯金として使えることです。
通常の保険金の受け取り方法として、一括で受け取った場合、貯金している口座を選択して、保険金が振り込まれます。
そのため、新たに口座を開設してそこに入金をしない限り、今まで貯金していたお金と一緒になってしまいます。
いざ使うときになっても、どれくらいの金額を振り込まれていて、どれくらい使えるのかが分からなくなってしまいます。
しかし、すえ置支払は別で口座を持っているような形で貯金をすることができるため、いざというときの引き出しが便利です。
メリット③特に保険料が掛からない
最後のメリットは、特に保険料が掛からないことです。
すえ置支払の制度を活用するとき、保険料が掛かってしまうと心配される方もいらっしゃるかと思いますが、心配ありません。
保険料は一切かからず、すえ置を行い、請求に関しても特にお金はかかりません。
銀行の新規口座と同様の扱いをすることができるのも魅力の一つです。
理由として、基本的にすえ置く保険金は、満期や被保険者の死亡により契約が消滅する場合です。
なので、契約が続いているわけではないため、保険料が掛からないということです。
すえ置支払を活用した場合の3つのデメリット
すえ置支払のメリットがあったら、デメリットもあります。
デメリットも知ることで、いざというときのトラブルもなくなり、安心してすえ置支払の制度を活用することができます。
もちろん利用者の使い方によってはデメリットにならない場合もあります。
一般的なデメリットを解説していきますので、すえ置支払という制度をうまく活用するために役立ててください。
今回はメリット同様、3つに絞って解説していきます。
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デメリット①緊急時の欲しい時にすぐに引き出すことができない
まず1つ目のデメリットは、緊急時の欲しい時にすぐに引き出すことができないことです。
元々、保険金は何か不幸があった場合に、そこでかかる費用を補填するものです。
しかし、すぐには使わないからと言って、安易にすえ置支払をしてしまうと、緊急時にすぐに引き出しできない可能性があります。
基本的には、保険金と同様の請求手続きとなるため、入金連絡が来るまで受け取ることができません。
もしすぐに引き出す可能性があるならば、すえ置支払の制度を活用しないで、一括で保険金を受け取りましょう。
デメリット②相続税の対象となる場合がある
続いてのデメリットは、すえ置支払中でも保険金は相続税の対象となります。
保険金のすえ置きは、契約上は預金契約と判断されます。
そのため、保険金を受け取る権利が確定しており、相続発生時には相続税の課税対象となります。
しかし、課税の対象とならないケースもあります。
それは相続税の決まりで、下記の金額以下は非課税対象です。
例えば、法定相続人が3人の場合、1500万円までは非課税対象となります。
そのケースとなった場合は、事前に確認しておきましょう。
デメリット③受け取り時期によっては利息が全く付かないことも
最後のデメリットは、受け取り時期によって利息が付かないケースがあることです。
利息が付かないケースとして、すえ置支払を開始してすぐに引き出した場合です。
生命保険会社によって異なりますが、基本的には1年以内の引き出しには利息は付きません。
少しでも利息を付けたいのならば、1年以上すえ置いてから引き出すようにしましょう。
すえ置支払の受け取り手続きの流れを解説
続いては、すえ置支払を引き出すときの手続き方法を解説していきます。
実際にすえ置支払を利用しても、引き出す方法が分からなければ、そのままになってしまいますね。
一部でも引き出すことができるすえ置支払を有効活用するためには、請求手順も併せて確認しておきましょう。
基本的な流れは、生命保険会社に連絡して、必要書類に記入して、連絡を待つのみです。
一般的な流れとなりますので、詳しい請求手順については、請求のときに確認するのが良いでしょう。
それでは解説していきます。
保険証書を用意して生命保険会社へ連絡しよう
まず初めに準備段階として保険証書を用意しましょう。
すえ置支払を利用したときに、必ず保険証券を受け取ることができます。
ない場合は該当の生命保険会社に連絡をすれば再発行してもらえます。
保険証書を用意したら、中身に証書番号が記載されています。
該当の証書番号を控えておきましょう。
引き出すすえ置支払が複数ある場合は、複数の証書番号を用意してください。
その証書番号と共に、該当の生命保険会社に連絡して、すえ置支払の請求を行いたい旨を伝えましょう。
ちなみに該当の生命保険会社に実店舗がある場合は、そこでも請求手続きを行えるので時間がある方は訪問しましょう。
必要書類に記入しよう
生命保険会社に連絡後、請求書類が自宅に届きます。
自宅に届いた請求書類に、必要な書類に記入します。
請求書と一緒に、提出しなければいけない書類があるので確認しておきましょう。
記入後は、該当の生命保険会社に送付し、連絡を待ちましょう。
実店舗にて請求を行う場合は、事前に連絡をして、準備しなければいけない書類を聞いておくと、1回の訪問で済みます。
入金連絡が来たら口座を確認しよう
最後は、入金連絡が来るまで待ちましょう。
入金連絡が来たら、請求書に記載した銀行口座を確認しましょう。
入金連絡のときに、入金金額も一緒に記載されているので、実際に入金されている金額と相違はないか確認してください。
これは実店舗で請求手続きを行った場合も同様です。
一部引き出しを行った場合では、すえ置支払の残高も確認しておくと良いかもしれません。
入金日時などは、該当の生命保険会社に連絡したときに確認しておきましょう。
すえ置支払を活用できる3つの場面
最後はすえ置支払を活用できる3つの場面を解説していきます。
利用する人にとってメリットになってほしいので、どのような場面で利用すれば良いのかが分かれば、うまく活用することができます。
逆にうまく活用することができなければ、損をしてしまう場合もあるため、必ず押さえておきましょう。
それでは解説していきます。
死亡保険金を受け取ったが使い道がない
まず1つ目の場面は、死亡保険金を受け取ったが使い道がなかった場合です。
葬儀もすべて済ましてしまった後に、死亡保険金を請求した場合に起こる場面です。
基本的に死亡保険金とは、葬儀代やお墓代として活用するのが、保険業界では当たり前です。
亡くなった方に子供がいれば、残された家族へという保険金です。
しかし、葬儀代やお墓代をすでに支払い終わり、生活もそこまで困窮せずに暮らせる場合は、すえ置支払を活用することをおすすめします。
使わない保険金を受け取るより、もしものために利息を付けて、貯蓄したほうがお得になりやすいですね。
学資保険をもう少し貯めておきたい
2つ目は学資保険をもう少し貯めておきたい場合です。
子供のために学資保険に加入していて、高校、大学に入学したときに受け取るよう設定していた場合は該当します。
高校や大学の学費が無償化となる場合もあり、学資金を学費に充当しようとしていたが必要にならなかったときは、すえ置支払の制度を活用するチャンスです。
子供の将来のために、お金を少しでも残しておこうと思うのであれば、すえ置支払を活用し、学資金を貯蓄に回しておくことも一つの手です。
保険金を別で取っておきたい
最後は、保険金を別で取っておきたい場合です。
序盤ですえ置支払の基礎やメリットの部分で記載した、保険金を別口座で持っておきたい場合に役立ちます。
新規口座を作って貯蓄しておくこともできますが、面倒となる場合もあるので、それならすえ置支払を活用しましょう。
「保険金はこの使い道でしか使わない。」と決めている方なら、特にすえ置支払をおすすめします。
すえ置支払を有効活用しよう
いかがでしたか?
すえ置支払は意外に知られていない便利な制度です。
また生命保険会社の職員の方も、あまりすえ置支払について説明することは少ないです。
基本的には一括で保険金を受け取る方が多いからです。
折角のサービスを最大限有効活用しなければ、生命保険に加入している意味がないので、使えるサービスは使いましょう。
保険金は何かあったときに受け取るお金です。
加入の時にも、受け取る方法は必ず確認して、損をしないようにしましょうね。