生命保険に加入している皆さんの中には、仕事の都合や留学を目的に、海外渡航を控えている方もいるでしょう。
海外は日本とは医療環境も生活環境も異なりますから、健康リスクや死亡リスクも高くなるので、生命保険を活用することも予想されます。
しかし生命保険の契約自体は国内で結んでいますので、「海外渡航先で何かあったときに保障を利用できるのかな…」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
今回は海外渡航を控えている方向けに、生命保険契約を維持するため条件や方法、注意点について徹底的に解説していきます。
目次
生命保険は海外渡航をする前に手続きすれば契約を維持できる
国内で事前に契約した生命保険は、海外渡航する前に手続きを済ませておけば、契約を維持できます。
一度契約しているものですので、保険料の支払いを継続しておけば保険の保障を打ち切る必要性はないためです。
また海外渡航中に起きた事故に関しても、契約している保険の保障を受けら荒れます。
請求時には国内にいる代理人に手続きを依頼するか、帰国後に手続きするかの2択で、海外から自分で直接やり取りすることはできません。
国内に連絡可能な住所・電話番号があるか
日本の生命保険に加入する場合は国内に連絡を取ることができる連絡先(住所・電話番号)が必要です。
海外へ居住後日本へ一時帰国した場合でも生命保険の加入は認められないため、日本の生命保険の保障を継続させたい場合は必ず国内に連絡可能な住所や電話番号を残す必要があります。
さらに海外へ居住する前には、国内における代理人の連絡先も登録しなくてはならないので忘れないようにしましょう。
通常海外へ移住が決まったら市区町村にて転出届を出し住民票を抜き、住民税や年金の支払いが免除されるため住民票を抜く事ばかりに目が行きがちですが、住民票を抜く前に生命保険の加入手続きを忘れず対応しましょう。
将来どこに居住するのか
生命保険の契約を継続させるためには、将来どこに居住するのかが重要となってきます。
たとえば今後海外へ居住するが将来的には日本に帰国する可能性があるならば、生命保険契約の継続は認められますが、海外へ永住し日本へ帰国する予定がない場合生命保険契約の継続は難しいでしょう。
しかし一時的な居住か永住かによって、保険契約の継続ができるか否かは保険会社によっても異なるため、念のため保険会社へ確認をとりましょう。
日本で加入している保険の取り扱い
日本で加入した生命保険は海外ではどのような取り扱いになるのか気になる方も多いでしょう。
日本で加入した生命保険の取り扱われ方を以下の観点でみていきたいと思います。
- 海外渡航通知書を提出した場合
- 保険金の請求方法
- 海外渡航後に死亡もしくは高度障害を患った場合
以下で詳しく見ていきましょう。
海外渡航通知書を提出すると国内と同じ扱い
加入済みの生命保険会社へ海外渡航通知書を提出すると、海外渡航後も日本で受けられる補償を海外でも受けられます。
保険料に関しても国内に本人名義の口座があれば口座引き落しによって保険料の振り込みは可能ですし、国内にいる代理人に保険料の支払いを依頼することも認められています。
しかし保険会社によっては保険料滞納を未然に防ぐべく、国内にいる代理人を指定する必要があるため注意しましょう。
一方契約者が国内に残り被保険者が海外渡航してしまった場合は、特に手続きの必要はありません。
帰国後に保険金の請求が可能
渡航中に発生した事故に対して保険金が支払われる場合、保険金の請求方法は以下の2通りあります。
- 国内にいる代理人が請求するケース
- 契約者自身が日本へ帰国したタイミングで請求するケース
保険金の請求方法は上記より好きな方を選ぶことができます。
渡航中に発生した事故は保険会社へ提出しなくてはならない書類の数が、国内で保険申請する場合よりも多くの書類が必要となります。
契約者が帰国後に保険金請求を行う場合、保険会社に提出する書類の中に現地でしか取得できない書類もあるため、帰国前に必要書類はしっかり確認しましょう。
さらに保険金を受け取る際、円で受け取りたい場合は円建て保険に加入する必要があり、外資で受け取りたい場合は外資建て保険に加入する必要があるため注意しましょう。
海外渡航後に死亡もしくは高度障害を患った
死亡保障が付随している保険に加入している被保険者が、海外で死亡した場合死亡保険金の受取人が保険会社へ連絡し、国内の自宅へ必要書類を送付してもらえるように手続きします。
保険会社へ連絡すると以下の4項目の質問が想定されるため、あらかじめ確認しておきましょう。
- 被保険者名と証券番号
- 死亡した日と死亡の原因(不慮の事故で死亡した場合は事故当時の状況説明)
- 保険金受取人の氏名と被保険者との続柄
- 請求書類の送付先
死亡保険は基本的に帰国してから保険金請求を行う流れなので、保険会社へ事前に連絡しておくことで現地で取得すべき書類を把握できます。
また不慮の事故が原因で所定の高度障害になった場合、高度障害保険金の支払い対象となる可能性は極めて高いものの、保険金支払いの対象であるか否かはしっかり確認する必要があります。
日本へ帰国後には国内の医師が発行している、障がい診断書を利用して保険金の請求をする必要があります。
海外渡航後でも生命保険の契約を維持する条件
海外渡航後でも生命保険の契約を維持する条件は、以下の3つです。
- 国内に親族などの連絡先がある
- 国内の保険料支払い口座が利用できる状態である
- 海外に渡航する証明書がある
①国内に親族などの連絡先がある
海外渡航してしまうと時差や電話回線の違いの関係上、保険会社と直接連絡を取るのは非常に難しいですよね。
また国内に住所がない以上、保険会社からの書類を送付する宛てがありませんから、更新やお知らせの送付もできなくなってしまいます。
国内に書類や手続きを代行してくれる、親族などの連絡先がある場合にのみ保険契約を継続できます。
②国内の保険料支払い口座が利用できる状態である
保険料の支払いを口座引き落としに設定されている方は多いですよね。
国内の保険料支払い口座が利用できる状態であることも、海外渡航後も保険への加入を継続する1つの条件です。
保険料の支払いが滞りなくできるベースが整っていないと、保険会社としても保障を継続するのに不安が生じますよね。
ただし海外から国内口座に支払い分を入金するには、国内にいる代理人に依頼する必要があります。
カードでの支払いが認められる保険会社であれば、クレジットカード支払いに変更することも可能です。
③海外に渡航する証明書がある
生命保険を海外渡航後も継続して加入し続けるには、海外に長期で滞在する旨を証明できる書類が必要になります。
保険加入時に皆さんが住所や連絡先、健康告知をおこなったように、告知した内容に変化が生じる際には、保険会社に証明とともに告知する義務が生じるのです。
海外に渡航する証明書を取得して、渡航の事実を証明できるようにしておきましょう。
海外渡航を控えている方向けの生命保険の手続き方法
海外渡航を控えている方が生命保険の契約を維持するには、以下の流れで手続きを行いましょう。
- 保険会社に海外渡航をする旨を申告する
- 保険会社指定の書類に記入する
- 代理人を指定する
- 保険会社に書類を返送して承認を受ける
まずは保険会社指定の書類をもらうために、保険会社の専用ダイヤルに電話をかけて、海外渡航をするため保険会社に申告している内容を変更したい旨を伝えましょう。
保険会社に連絡するときには、皆さんの保険契約の情報を伝えなければならないので、保険証券を手元に用意しておくと便利でしょう。
保険会社から1週間程度で書類が送付されてくるので、指示されている通りに情報を記入しましょう。
また代理人の指定や海外渡航を証明する書類が必要になるので、同時に手配をすすめましょう。
内容に不備がないかを確認して、保険会社に書類を返送して承認を受けましょう。
海外渡航で生命保険の契約を維持するときの注意点
海外渡航で生命保険の契約を維持するためには、手続きさえすればOKとお伝えしましたが、条件を満たして手続きを進めても対応してもらえないこともあります。
生命保険の契約を維持する際には、以下の注意点を把握しておきましょう。
- 保険会社によって対応してくれないこともある
- 保険金の請求書類が複雑になることもある
- 保険金は日本円で支払われる
- 海外から日本の保険へ新規加入はできない
以下で詳しく解説していきます。
保険会社によって対応してくれないこともある
海外渡航後の保険契約を維持するための手続きは、すべての保険会社が対応してくれるわけではありません。
保険会社によって詳細な部分の対応の違いや、そもそも海外渡航後も保障を適用してくれないこともあるのです。
海外渡航をする前には、ご自身の加入している保険会社が海外渡航に関連する手続きを取り扱っているかを確認しておきましょう。
どうしても対応できない場合は保険を解約してほかの会社に切り替えることも可能です。
保険金の請求書類が複雑になることもある
海外で生命保険の保険金支払い対象になる事案が発生した場合、保険会社に対して書類を提出することになります。
しかし日本とは書類の形式も内容も異なりますから、提出する書類が複数枚に及ぶこともあるでしょう。
また国内と異なり現地の言葉で記載された書類になるので、現地の言葉に慣れていないと取得手続きに難航する可能性もあります。
保険金請求には請求に足る書類がなければ、支払いを受けられませんので注意が必要です。
国内で生活しているよりも請求の手続きが複雑になる可能性があることは覚えておきましょう。
保険金は日本円で支払われる
海外で生活していたとしても保険金は日本円で支払われることになります。
生命保険の保険金は指定した口座に入金されますが、外貨に変換するには為替を利用しなければなりません。
保険会社はそこまで対応してくれないので、外貨で利用したいときには自分で変換する必要があります。
すぐに使いたい!というときに、通貨の単位が異なることで手元に届くまで時間がかかる可能性が高いことは把握しておくべきでしょう。
海外から日本の保険へ新規加入はできない
加入途中に海外へ渡航した場合には保険の契約は維持できるものの、海外に渡航してから日本国内の保険に新規加入することはできません。
海外から加入することになると、現住所で保険に加入することになりますが、原則として日本で保険に加入するときには国内の住所でなければ加入が認められないことになっているためです。
既に海外渡航が決まっているが、子供のための学資保険や自分たちの医療保険へ加入しようとしている方は、事前に加入手続きを済ませておくことをおすすめします。
保険契約の延長・更新・解約時について
海外渡航する場合保険契約の延長・更新・解約の手続きをどうしたら良いのか迷う方も多いでしょう。
以下では海外渡航した際の保険契約の延長・更新・解約手続きの注意点や、保険を解約したい場合の方法について以下で詳しく見ていきましょう。
保険契約の延長・更新時は注意
現在の保険契約を延長もしくは更新したい場合かつ満期を迎えてしまった場合、海外渡航したままでは延長や更新の手続きを行うことができません。
国内への帰国が難しい場合は、被保険者の委任を受けた国内にいる代理人にて保険代理店で手続きを行う必要があります。
ただし必ずしも保険契約の延長や更新が可能なわけではありません。
告知内容や保険金請求内容によっては、契約の延長や更新が不可となる可能性もあるため注意しましょう。
保険解約の場合医は代理店へ連絡
保険の解約は契約者が書面で解約を申し出た日を解約請求日として扱い、満期までの年数が残っている場合は、未経過保険期間に該当するため保険料が返還されます。
しかし、未経過保険期間として返還される保険料は1か月ごと換算のため、未経過保険期間が1か月未満の場合は日割りでの算出はせずに返金はなしとなります。
よって未経過保険期間がどのくらい残っているかによって保険金の返還がされるか否かが決まってくるため、残りの期間によっては返還されない可能性もあることを念頭においておきましょう。
海外渡航前に生命保険の見直しを検討しよう
上述したように海外渡航した後は保険の新規契約ができません。
また保険の契約内容の変更手続きも手続きが面倒になる可能性もありますから、海外渡航前に生命保険の見直しを済ませておくことをおすすめします。
海外は日本と異なる医療水準であり、公的な保障の仕組みも異なります。
また滞在途中の年齢によっては必要になる保険の保障も変化する可能性もあります。
海外渡航する前に生命保険の見直しを済ませておいて、保険の保障を最適化したうえで渡航するようにしましょう。
海外渡航前に生命保険の見直しに活用できる保険相談窓口2選
「でも保険の見直しってどうすればいいの?」と疑問に思う方も中にはいますよね。
海外渡航前に生命保険を見直したいのであれば、無料で利用できる保険相談窓口を利用することをおすすめします。
保険相談窓口では、保険に関連する知識を多く持つスタッフが、皆さんの希望に応じて加入している保険にアドバイスをくれます。
また保険の追加加入や保障の見直しにも対応してくれるので、初めて保険を見直す方でも安心して利用できるでしょう。
以下では当サイトおすすめの無料保険相談窓口の中から、2つを厳選して紹介していきます。
保険見直し本舗
保険見直し本舗は、全国に300店舗以上を展開する無料の保険相談窓口です。
専門のスタッフが常時在中していて、保険に関連する相談を無料で請け負ってくれます。
生命保険だけではなく、医療保険や学資保険、また滞在中の家の火災保険の相談にも対応してくれますよ。
駅やビルにあるテナントでの店頭相談に限らず、自宅での訪問相談や電話での相談にも柔軟に対応してくれます。
取り扱い保険会社も生損保合わせて40社以上の取り扱いがあるので、大手の保険会社であれば問題なく相談できるでしょう。
以下の記事で保険見直し本舗の詳細なサービス内容について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
保険見直し本舗の実際の口コミ・評判からわかるメリット・デメリットを紹介!
保険見直しラボ
保険見直しラボは訪問相談専門の保険相談窓口です。
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実は保険相談を対応するスタッフは、業界経験歴が平均で12.1年のベテランばかり。
「海外渡航前に保険について相談しておきたいけど、信頼できる人じゃないと嫌だなぁ…」と不安に感じている方でも安心して利用できます。
取り扱い保険会社数も30社と多く、確実に経験者に相談したいのであれば、利用して損はありません。
以下の記事で保険見直しラボの詳細な情報について解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
保険見直しラボの口コミ&評判を分析!利用するメリット・デメリットを徹底解説
海外渡航前に生命保険を見直して保険契約を維持しよう
いかがでしたか?
海外渡航前は自宅の引き払いの手続きや、住所変更の手続きなどに追われていて保険にまで手が回らないこともあるかもしれません。
しかし保険会社に海外渡航をする旨をしっかりと申告していないと、保険金を受け取れない可能性もありますので、注意が必要です。
海外渡航前に保険の契約内容を確認して、代理人や口座の状況を把握しておくことをおすすめします。
また海外渡航後に保険の契約内容を変更するのではなく、事前に手続きを済ませておくことをおすすめします。