子を持つ親であれば、ワイドショーなどでも目にする「子どものいじめ問題」に関心を寄せるでしょう。
自分の目の届かない学校や友人と遊んでいるときに発生することが多く、「万が一自分の子どもが被害に遭っていたらどうしよう…。」と思いますよね。
子どもが楽しく生活できるなら親としてもできる限りのことはしてあげたいもの。
しかし学校や相手方がいじめの存在を否定したら、どうしたらいいのでしょうか。
効果的な手段を検討するために弁護士などの専門家に相談するといっても、気になるのが費用面。
実は最近、子どものいじめ問題にも活用できる弁護士保険が発売されているんです。
今回は時代に即した保険を開発された、エール少額短期保険会社の代表取締役社長、榛沢 知司(はんざわ ともじ)さんにインタビュー。
弁護士費用保険にいじめ関連の支援サービスを付帯したきっかけや、保険の内容について掘り下げていきます。
目次
実際にエール少額短期保険会社の榛沢社長にインタビュー!
今回いじめ保険について、なんとエール少額短期保険会社代表取締役社長、榛沢さんが疑問・質問にご回答してくださいました!
榛沢さんはアクチュアリーの資格も保有されており、弁護士保険分野の第一人者でいらっしゃいます。
少額短期保険会社を立ち上げたきっかけ、いじめ保険ではどんな補償が得られるのかについてまで、インタビュー内容をもとに徹底解剖していきます。
- 少額短期保険:保険金額が少額で、かつ1~2年の短期間の補償のみを扱う保険会社の保険商品
- 弁護士費用保険:弁護士の相談料や着手金・報酬金などの費用を補償する保険
いじめ保険って何?
エール少額短期保険(株)会社が販売しているいじめ保険とは、同社が販売している「弁護士保険コモン+」のことです。
プランが下記の3パターンあり、お試しならライトプラン、補償範囲を広げたいならレギュラー、ステイタスプランと広げていくことも可能です。
ファミリ―特約によって、家族で補償が適用されるのは配偶者と別居・同居問わない未婚の30歳未満の子までです。
免責金額は基本的に5万円、免責金額0特約を付ければ変更可能です。
ステイタス+プラン | レギュラー+プラン | ライト+プラン | |
---|---|---|---|
保険料 | 4,980円 | 2,480円 | 1,080円 |
通算限度額 | 3,600万円 | 1,200万円 | 360万円 |
法務費用保険金 | 事案限度額300万円/年間限度額600万円 | 事案限度額100万円/年間限度額200万円 | 事案限度額30万円/年間限度額60万円 |
基本てん補割合 | 着手金・手数料・報奨金・日当すべて100% | 着手金・手数料100%、報奨金・日当50% | 着手金・手数料100%、報奨金・日当0% |
法律相談料保険金 | 事案限度額5.5万円/年間限度額30万円 | 事案限度額2.2万円/年間限度額10万円 | 事案限度額1.1万円/年間限度額10万円 |
エール少額短期保険会社を立ち上げたきっかけ
Q1エール少額短期保険会社を立ち上げたきっかけを教えてください。
元々ですね、私が少額短期保険会社向けに商品開発のコンサルティングをやっていたんです。
それである少額短期保険の立上げをめざす会社から弁護士保険の開発依頼をいただいて、弁護士保険を作って提供したのがきっかけです。
当時、どんなトラブルも支払対象にするオールリスク型の弁護士費用保険は日本に存在していませんでした。そこで、私が依頼を受けたその会社のために初めて日本版の弁護士保険商品を作ったのです。
そんなこともありまして、今度は事業者向けの保険を扱う会社を自分の手で作ろうと思って自ら少額短期保険の会社を立上げたのです。それが、現在のエール少額短期保険(株)です。
商品開発だけでなく、弁護士保険をこの国に根付かせる仕事も自分の手でやり遂げたいと考えたのです。弁護士保険が普及すれば、多くの人が気軽に弁護士の助力を受けられるので、社会貢献にもなると信じて頑張っています。
いじめ保険としても役立つ「弁護士保険コモン+」の開発について
Q1.弁護士費用保険を開発する上で苦労したことはありますか?
すでにトラブルが起こっている状態の人が保険に加入して、弁護士費用(相場数十万円)を浮かせるために保険金の請求をされると、月額数千円の保険料で加入する保険制度は成り立ちません。商品開発面では、この問題をどのように解決するかが、最初の関門でした。
その後、金融庁の登録を受けるためには多くのハードルがあったのですが、それらを一つずつ乗り越えて前に進んで行きました。
Q2.いじめ保険の立案に至ったきっかけを教えてください。
子どものいじめ問題は根深いにもかかわらず、子どもの問題に大人や法律家が介入するのはやりすぎという意見があります。しかし、子どもだけでいじめ問題は解決しません。
子どもがけがをして帰ってきて理由を聞いても何も答えないとき、親としてはどうしますか。そこで学校にいじめの調査を頼んだとして、学校側からいじめはなかったと言われたらどうでしょう。実際にけがをして、学校にも行きたくないというわが子をみれば、その結論はおかしいだろと思いますよね。
そういう時に外部の弁護士に関与してもらって、学校にきちんと対応してもらうことが大事だと思うのです。被害を被っている立場をきちんと主張していじめの再発を止めることが重要です。
私たちは弁護士保険がそんな場面で役立つだろうと思い、いじめに詳しい弁護士の電話相談などを付帯した形で、いじめ保険として売り出したのです。
いじめ保険としても役立つ「弁護士保険コモン+」の保障ってどんな感じ?
Q1.実際にいじめ保険を使って補償したケースがありましたら教えてください。
子供がいじめられている加入者からの相談は何件かあります。
弁護士のアドバイスは、基本的には証拠集めについてです。法的に学校や相手方に改善を要求するときには、本当にいじめられたという証拠をいじめられた側で用意しなければならないのです。証拠がなければ、いじめの事実もなかったことになる。
証拠を集める方法について弁護士がアドバイスし、そのとおりに証拠を集めることができれば、問題は半分以上解決したといえます。あとは、弁護士から学校や相手方に申し入れをしてもらい、必要な話し合いをすればほとんどのケースで解決に向かっていきます。
Q2.ネットストーカー対応とありますが、どこまで対応できるのでしょうか?
弊社の保険では、ネットストーカーやネットでの誹謗中傷についても、弁護士のサポートを受けられるようにしています。
ネットでの誹謗中傷・プライベートな書き込みで、知られたくないことをバラされたり、それがもとで鬱状態になったりするケースもありますが、書き込んだ人が誰なのかを突き止めてその人に対して、慰謝料などを請求することができます。
法的な措置をとるためには、問題の書き込みをした相手が誰かを突き止める必要があります。その上で、相手方に法的な手段を講ずるという流れになります。
初めから相手がわかっているケースは、弁護士を通じて直接相手に警告を発してもらい、これ以上書き込む場合は法的な措置を取ると伝えます。
相手がわからないケースは、はじめに情報開示請求をすることになります。
情報開示の大まかな流れは、現時点ではこの図のとおりです。ただ、SNSでの誹謗中傷が社会問題化したことをきっかけに、法改正が行われることが決まっていますので、より簡便な方法で相手方に責任追及できるようになります。
『弁護士保険コモン』に入っていれば、いじめ関連やネット関連のトラブルについて、詳しい弁護士が対応してくれます。
一人で解決するよりも問題解決力も増していきますし、日本にも必要だと感じている方も少なくないんじゃないかと思っています。
Q3.実際に弁護士に相談する場合は何処に連絡すべきでしょうか?
保険に付帯している「あんしんサポート」をご利用頂いて弁護士を探すか、自分で探した弁護士に相談するかの2パターンです。
『弁護士保険コモン+』に付帯している「あんしんサポート」を利用すれば、自由に電話相談が可能です。
対面で弁護士に相談したい場合は有料になりますが、弊社で保険適用になるか事前に判断させて頂きますので、弁護士相談に行く前に弊社にご連絡頂くことになります。保険適用できるケースであれば、後日弊社から保険金をお支払いします。
Q4.等級制度とはどのようなものでしょうか?
自動車保険のノンフリート等級と同じようなものだと考えてください。
等級は1~20まで、スタートは10等級から始まります。
等級の上がる条件 : 前年度の保険利用がなく、更新した場合
自動車保険は保険を使うと等級がダウンして、保険料が高くなりますし、無事故だと等級がアップして保険料が安くなりますよね。
弊社の弁護士保険にもこの等級制度と同じ考えを導入していて、トラブルがない方については保険料を段々とお安くしてゆく形になっています。
Q5.相談できる弁護士はどのような基準で選んでいるのでしょうか?
基本的には、お客様に自分が相談したい弁護士を選んでいただきます。
ただし自分で弁護士を探すのが難しいケースについては、弊社でマッチングのサポートをしています。弊社が提携している弁護士関連サービスの運営会社や、当社に普段から協力頂いている弁護士さんなどの中から、お客様自身で選んでいただくのが基本です。
なお、ハラスメントやいじめのトラブルであれば、「ヘルプナビ」を設けていますので、そこに電話をすればそれらの分野に詳しい弁護士さんが出てくれます。
最初は無料の相談から始まり、依頼したいと思っていただけたらそこでお繋ぎすることも可能ですし、合わない場合は、別の弁護士に再度無料相談をして頂くこともできるようにしています。
当社側で弁護士を押し付けるようなことはありませんので、ご安心ください。
そもそも、誰にとっても良い弁護士というのはいないのです。テレビドラマみたいに必ず勝てる弁護士もいません。あくまでも自分のために最善を尽くしてくれる弁護士を見極めることが大事なのですが、当社としても評判の良い弁護士さんをご案内できるよう尽力していきたいと考えています。
Q6.契約する場合はどこで手続きをすればいいでしょうか?
インターネットから加入できます。
もしも書面での契約をご希望の場合には、電話でお申し付け頂ければ対応しています。
最後に記事を読んでいる読者にメッセージをお願いいたします!
一般の方が抱く保険のイメージは、何か取り返しのつかない事故が起こったときに、経済的な補填をするために保険金がおりるというものだと思います。
生命保険なら死亡時に遺族が保険金を受け取る、自動車保険なら交通事故で発生した損害をカバーしてもらう、医療保険なら入院・手術の治療費を請求するというものですよね。
家族が亡くなった場合や事故で何かが壊れた場合など、元には戻らない「決着した」事象に対して保険金が支払われますというのが従来の保険です。
弁護士保険もトラブルが起こったときに必要な弁護士費用を補償するものですが、従来の保険とは異なる側面があるのです。
それは、トラブルがまだ決着してない段階で、そのトラブルを解決するために利用するものだという点です。弁護士保険は取り返しのつかない事故をお金の力で解決するためのものではなく、まだ決着していないトラブルを自分が納得できる方向に向かわせるためのものだということを、今回お伝えしたいと思いました。
多くの方が、エール少額短期保険の『弁護士保険コモン+』に関心を持って頂けたら幸いです。
エール少額短期保険会社の基本情報
社名 | エール少額短期保険会社 |
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設立 | 2015年10月1日 |
資本金等 | 522百万円(資本準備金を含む、2020年11月30日現在) |
所在地 | 東京都中央区湊2-2-8 CKビル4階 |
代表者 | 榛沢 友司(はんざわ ともじ) |
登録番号 | 関東財務局長(少額短期保険)第76号 |