P2P保険(わりかん保険)って何?仕組みや加入するメリット・デメリットをわかりやすく解説

P2P保険

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カーシェアリングやブランド服のシェアなど、加入者同士で料金を支払ってモノをシェアするサービスが流行しています。

実際にシェアサービスに加入している方も多いでしょう。

そんな中登場したのが、加入者間でリスクをシェアして保険料を加入者間でで支払いあう、P2P保険です。

世界で販売されている形式を、株式会社justInCaseが2020年に初めて国内で導入しましたが、まだどんな保険かピンとこない方も多いでしょう。

そこで今回はP2P保険とはいったい何なのか、仕組みや加入するメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。

P2P保険=加入者間でリスクをシェアする保険

P2P保険とは、Peer to Peerの略称と保険を組み合わせたものです。

Peer=同等の立場にいる状態をあらわし、同じ立場同士でやり取りすることをさすIT用語です。

P2Pの考え方を保険に取り入れており、同じ保険の加入者間で、リスクをシェアする保険です。

保険の加入者の誰かが、加入期間中に保険金の支払いが行われた場合に、加入している全員でその分の保険料を支払います。

P2P保険の仕組み

P2P保険の仕組みは以下の通りです。

  • 加入者が受け取る保険金を全加入者で割り勘
  • 割り勘する保険料は年齢で決められている
  • 保障内容は極めてシンプル
  • 海外では次年度の保険金

以下で詳しく解説していきます。

加入者が受け取る保険金を全加入者で割り勘

P2P保険では1人の加入者が保険金支払いを受けた後に、保険金額分を加入者全員で割り勘して保険料として支払います。

そのため加入後は毎月保険料を支払うわけではなく、保険金支払いが発生してから支払いが発生する仕組みになっています。

2020年現在国内で販売されているP2P保険では、がん保険として発売されていますので、診断一時金も支払われます。

診断一時金は加入者の年齢や病状にかかわらず、一律80万円で支払いを受けられます。

例えば5000人の加入者がいて、保険期間中に保険金を1人が受け取ったとします。

当月には保険料を支払わず、翌月から保険金を受け取った人を除いた残りの加入者で、支払われた保険料を分割し、さらに保険会社の管理費を加えた金額を保険料として支払うことになります。

また定額の保険料を支払って、保険期間中に他の加入者で保険金支払いがなく集まった保険料の残高がある場合、保険料のキャッシュバックが受けられたり次年度の保険料が割引される制度もあるようです。

割り勘する保険料は年齢で決められている

P2P保険でも加入者の年齢層はバラバラです。

年齢層がバラバラのため、加入者間でも保険金の支払いを受けられるリスクが異なりますよね。

そのためP2P保険では年齢に応じて、保険料支払いの際には年齢に応じて負担割合を分配します。

若い加入者であれば病気のリスクが少ないですから、保険料は相対的に安くなりますし、高齢になるほど保険金支払いリスクが高まりますので保険料が高くなります。

保障内容は極めてシンプル

P2P保険は特約制度がなく、非常にシンプルな保障内容で販売されています。

細かい契約内容を確認する必要もないので、保険契約の維持が非常に簡単です。

保険期間は1年間ごとに設定されているので、定期的に加入を継続するかを検討できます。

P2P保険に加入する4つのメリット

P2P保険に加入するメリットは、大きく分けて以下の4つです。

  • 加入者全体で保険金支払がないと保険料支払いも免除
  • 支払った保険料の使用用途が毎月通知される
  • 加入者が多いほど保険料が安くなる
  • 年齢に応じて保険金を支払われる

以下で詳しく解説していきます。

加入者全体で保険金支払がないと保険料支払いも免除

P2P保険では1人の加入者が保険金支払いを受けた時に、ほかの加入者で保険金相当分を保険料として支払います。

つまり加入者が健康で保険金支払が1回も発生しなければ、保険料を支払わずに保障を得られるのです。

通常の保険であれば自分自身に保険を掛けるので、加入期間中に何も起こらなくても、積み立て式の保険でない限り保険料が返ってくることはありません。

保険料を必要な分だけ支払えるので、無駄な保険料支払いを避けながら保障を得たい方にはおすすめです。

支払った保険料の使用用途が毎月通知される

P2P保険では万一加入者の中で保険金支払いが発生した場合には、保険料がいくらになるかの通知が届きます。

また保険料の使用用途や管理費の割合も毎月届くので、自分の支払った保険料が何に使われているのかが明確です。

せっかく保険に加入していても、自分の支払った保険料が何に使われているかが不明瞭だと、不安になる方もいますよね。

支払った保険料が何につかわれているのかが確実にわかりますので、安心です。

加入者が多いほど保険料が安くなる

加入者間で保険料を割り勘する特性上、加入者が増えれば保険料が安くなります。

加入者間で1つの保険金支払い額を割って保険料を支払っていきますので、支払う人数が多ければその分自分の負担割合も減りますよね。

また、現在国内で販売されているP2P保険では、万一加入者で保険金支払いが多発した場合でも、支払う保険料の上限を定めています。

そのため加入者が増えて保険金支払のリスクも増えたからといって、保険料支払いが急に跳ね上がるリスクは低いです。

年齢に応じて死亡保険金も支払われる

国内で現在発売されているP2P保険では、保険金支払いリスクに応じて死亡保険金も支払われます。

保険金を受け取るリスクの少ない加入者は受け取れる保険金が高く、受け取るリスクの高い高年齢な加入者は受け取れる保険金額が少なくなります。

保険料支払いだけでなく、保険金支払でも加入者間の公平性が保たれています。

P2P保険に加入する4つのデメリット

P2P保険に加入するデメリットは、大きく分けて以下の4つあります。

  • 手厚い保障が得られない
  • 定期保険のみの加入なので長期保障は得られない
  • 加入できる年齢が74歳までと制限がある
  • 現状少額短期保険のみのため保険料控除が受けられない

以下で詳しく解説していきます。

手厚い保障が得られない

P2P保険は加入者間で保険料支払いを分配する特性上、保険の保障内容は非常にシンプルに作られています。

そのため特約を付加して、万一の保障を多く得ておきたい人は向きません。

また一時金に上限金額が設定されていたり、年齢に応じて保険金の支払額が変わるなど、加入者で保障内容をカスタマイズできません。

手厚い保障を得たい場合には、通常の保険に加入して自分の好みに合わせて特約を追加することをおすすめします。

定期保険のみの加入なので長期保障は得られない

P2P保険は保険期間を一定期間で設定して、期間内の保険金額に応じた保険料支払いが発生するシステムです。

そのため保険期間が定期的に更新されていきますので、長期保障を得るのには向いていません。

加入して20年、30年と長期間にわたって安心したいのであれば、通常の保険に加入したほうが安心です。

加入できる年齢が74歳までと制限がある

現在国内で販売されているP2P保険では、加入できる年齢に制限を設けています。

現状74歳までと言われていますので、さらに高齢になった場合の保障を確保できません。

P2P保険で保障を受けられなくなった年齢になって、再度他の保険に加入しようとしても、年齢の壁があり保険への加入を断られることだってあり得ます。

また高齢になるほど告知の必要な病歴を抱えていることもありますから、さらに保険へ加入しづらくなってしまいます。

若いうちのお金が少ない時期に集中して保障を受けるのであれば、P2P保険に加入してみてもいいかもしれません。

現状少額短期保険のみのため保険料控除が受けられない

国内で販売されているP2P保険は、少額短期保険のみの取り扱いです。

そのため支払った保険料を確定申告で申告して、保険料控除を受けられません。

保険に加入しながら節税対策をしたい方は、保険料を定期的にかつ一定金額支払える保険にかにゅうすることをおすすめします。

注意!国内で販売されているP2P保険は実験的運用中

国内で販売されているP2P保険は現在、国が運営している規制のサンドボックス制度を活用した、実験的運用段階です。

技術の進歩や人々の生活スタイルの変化により、様々なビジネススタイルが展開されています。

しかし国が定めている規制では、新しいビジネススタイルに対応できないこともしばしばあります。

サンドボックス制度では、国からの認可を受けたビジネスを実験的に運用し、データを採取して今後の規制をどう変えていくかを検討する材料として利用されます。

そのためサンドボックス制度の適用が終了し、今後も継続的に運用できないと判断された場合には、P2P保険自体が利用できなくなる可能性もあります。

もちろん加入期間中に運用中止が決定したとしても、次の満期までは保険に加入できるものの、今後もずっと販売が継続されるわけではないのです。

P2P保険がおすすめな人の特徴

P2P保険への加入がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。

  • 新しい保険を試してみたい人
  • 保険料をできるだけ抑えたい人
  • とりあえず保障を得ておきたい人

P2P保険自体が2020年に入ってから国内に導入された商品ですので、新しい保険をとりあえず試してみたい人に向いているといえます。

現状はがん保険として販売されていますが、ほかの保険に加入していても加入を認めてもらえます。

物は試しで加入してみるのも一つの手でしょう。

また、実際に発生した保険金支払い額に応じて保険料支払いが発生するので、保険料を極限まで抑えたい方にも向いているといえます。

最新のP2P保険の仕組みを理解して加入するかを検討してみよう

いかがでしたか?

P2P保険は2020年に新しく販売された保険の一つです。

まだまだ運用段階中ですので、制度が完璧に整えられているわけではありません。

しかし保障の分だけ保険料を支払えばOKですので、保険料を極限まで抑えられます。

加入するメリット・デメリットを把握して、加入してみるかを判断してみてください。

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