甥っ子姪っ子など、相手に現金を上げたいけど、会う機会がない…そんな時は郵送でお金を渡せばいい!と考える方も多いことでしょう。
特に離れた地域に住んでいる場合は、頻繁に会うこともできませんから、出来るだけ早く渡してあげてたいという思いもありますよね。
しかし現金を郵便で郵送すると、法律で罰せられることをご存じでしょうか。
意外と現金の郵送に関しての法律は知られていないことが多く、気づかないうちに法律違反で罰金刑を受ける可能性があるのです。
今回はこれから現金を郵送しようと考えている方に向けて、禁止されている理由から代わりの郵送方法まで徹底的に解説していきます。
目次
法律で現金を郵送するのは法律で禁止されている
郵便物は何でも郵送できるように思われがちですが、現金を郵送する行為は下記の通り、郵便法という法律で規定あsれ体ます。
第十七条 現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留(第四十五条第四項の規定によるものを除く。)の郵便物としなければならない。
つまり普通郵便やゆうパックなどで現金を送ることは認められておらず、書留を活用する必要があります。
また規定されている通り、貴金属も同様に郵便で不通に送付することが禁止されています。
内国郵便約款では、貴金属類は下記のものが該当すると決められています。
第14条 現金又は次に掲げる貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、一般書留とする郵便物としていただきます。
(1) 金、銀、白金及びこれらを主たる材料とする合金並びにこれらを用いた製品
(2) ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、アレキサンドライト、クリソベリール、トバーズ、スピネル、エメラルド、アクアマリン、ベール、トールマリン、ジルコン、クリソライト、ガーネット、オパール、ひすい、水晶、めのう、ねこ眼石、とら眼石、くじゃく石、とるこ石、月長石、青金石、クンツアイト、ブラッドストーン及びヘマタイト並びにこれらを用いた製品
(3) 真珠及びこれを用いた製品(引用:内国郵便約款(現金及び貴重品の差出方法))
上記に該当しない宝石類を送付したいときでも、万が一のために書留で送付することをおすすめします。
違反すると30万円以下の罰金が科せられる
上記の法律に違反すると、下記の通り郵便法第八十四条に30万円以下の罰金が科せられることが決められています。
また郵便関連の仕事についている場合には、さらに重い刑が課されます。
第八十四条 不法に郵便に関する料金を免れ、又は他人にこれを免れさせた者は、これを三十万円以下の罰金に処する。② 郵便の業務に従事する者が前項の行為をしたときは、これを一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
郵便で現金を送るとバレる!仕組みを解説
法律で決められている通り、罰金刑の課される現金の郵送ですが、中には「封筒に入っているしバレないんじゃない?」と思う方も居るでしょう。
ですが郵便局側も対策を講じており、高い確率で現金を郵送していることがバレてしまいます。
バレる仕組みを下記で解説していきます。
郵便局での内容物のX線検査でバレる
郵便の現金郵送はレターパックの場合に郵便局での内容物のX線検査でバレてしまうこともあるようです。
集積所で職員が手触りをした結果、現金が入っている可能性があると考えられる場合に、X線検査を行う場合があります。
内容物が紙や小物類であればそのまま見過ごされますが、明らかに現金が入っていることがわかると郵便物が差出人宛てに返送されます。
日本郵便の公式HP上でもレターパックなどでは下記の通り、必要に応じてX線検査がされることがあると表記がありますので、注意が必要です。
レターパックに現金が入っている疑いがある場合は、差し出されたお客さまに郵便局へお越し
いただき、内容品に現金が含まれていないか確認させていただきます。内容品が現金である場合
や、内容品を確認できない場合は、差し出されたお客さまにお返しします。引用:日本郵便
郵便局員の手触りからバレるケースも
郵便局での仕分けの際には、実際に郵便局員の手で配達場所ごとに分類されていきます。
長年郵便局員を務めている方であれば、手触りで何が入っているかを確認出来ることもあるでしょう。
郵便局員が触って明らかに現金が入っていると判断される場合も、バレる原因の一つになります。
郵便局から直接警察に連絡が行くケースも
実は一回や二回現金を郵便で送ったとしても、厳重注意で済むことがあります。
しかし何回も郵便で現金を送付して注意を受けてしまうと、理解したうえで行っているとして悪質性の観点から上述した通り30万円以下の罰金が科せられることになります。
また中に入っている現金が明らかに金額が多い、あるいは違法性のある可能性がある場合には、警察に連絡が行きます。
警察に連絡が行った後は事情聴取をされる恐れもあります。
もちろん警察に連絡が行った時点で立件される可能性もありますので、注意が必要です。
その他の郵便物を送る時も現金の郵送はNG
「郵便局での郵送がダメなら宅配便で送ればいいんじゃない?」と思っているそこのあなた。
宅配便でも郵便法は適用されますので、現金の郵送はNGです。
宅配便の内容物に紛れさせて郵便物を送ってしまうと、同様にバレた時に罰則が適用されます。
現金を相手に届けたいときの3つの方法
現金をどうしても相手に届けたいときには、下記の3つの方法を試してみてください。
- 現金書留
- ネットバンキング
- プリペイドカードや商品券
郵送したいなら現金書留
現金を郵送したいなら、現金書留で送る方が一番確実な方法です。
現金書留を送る時には、基本郵送料金に加算して+435円を追加で支払いましょう。
しかし上記の金額は、1万円までの金額を送る時のみに適用されます。
万が一郵便事故が起きて途中で紛失してしまったときの、補償金を支払うためです。
1万円以上の現金を郵送する際には、5000円ごとに10円が料金に加算されていきます。
お祝い金などをのし袋付きなど、形式を保った状態で送りたい方にお勧めの方法です。
ネットバンキングで振り込む
形式を問わないのであれば、ネットバンキングで振り込むことも検討してみましょう。
みずほ銀行や三井住友銀行等、メガバンクであればネットバンキングサービスで、ネットから指定の口座に入金出来ます。
個人間での取引の際や、ネット上の友達に送付するときに活用してみましょう。
振込手数料がかかるため、完全無料で送金はできませんが、確実に相手に現金を送金できる方法です。
プリペイドカードや商品券で普通に郵送する
子供に対して現金を送金したいのであれば、プリペイドカードや商品券などの換金性の高いものに切り替えてみましょう。
プリペイドカードや商品券は、郵便法の禁止項目には含まれておらず、下記の通り日本郵便でも「一般書留や簡易書留」で送付できるとされています。
現金書留で送ることはできません。
現金ではございませんので、一般書留または簡易書留で送ることが可能です。ただし、現金と同封であれば現金書留として送付することは可能です。その際の賠償額は現金の額と商品券または、プリペイドカードとカード等の額面を合わせた金額となります。
引用:日本郵便公式HP
現金の普通郵便は違法!きちんと現金書留で送付しよう
いかがでしたか?
現金の普通郵便での郵送は違法です。
法律で規定されている通り、現金書留で送付しないと罰金刑が課される可能性があります。
現金書留で有れば紛失時の補償金も支払われますので、きちんとルールを守っておいた方が安全です。
送付金額を確認して、きちんと郵便局で手続きをしましょう。