みなさんは自転車保険に加入していますか?
自転車で事故が起こった際に補償を受けられる保険ですが、あまりメジャーではなく加入していない人も多いのではないでしょうか?
自転車保険はこれまで加入義務はありませんでしたが、ここ数年地方自治体を中心に義務化の動きが広まっています。
義務化…と聞くと何か罰則があるのでは?と考えてしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、自転車保険の加入が義務化したことで、どんな罰則が待っているのかを徹底解説していきます。
5分程度で読み終わる内容にまとめてありますので、是非参考にしてください。
目次
自転車保険の義務化って何?
そもそも自転車保険がなんで義務化されたのか、気になりませんか?
自転車保険は2015年に兵庫県で初めて義務化されて以来、日本全国の自治体にその動きが広まっています。
自転車は自動車よりは危険性が少ないと思われがちですが、歩行者にぶつかってしまった場合相手に大けがや障害を負わせてしまったり、最悪相手が亡くなってしまうこともあります。
更に自転車事故による訴訟では、加害者側に1億円近くの賠償命令が出ることもあります。
自転車保険は自動車保険のように、自賠責保険や保険会社の保険が無く強制力も薄いため、義務化して万が一補償する際でも保険を適用できるように備える狙いがあるのです。
自転車保険加入を義務付けられる人とは?
自転車保険の加入義務化の対象者は、自転車を利用する機会がある人全員に当てはまります。
そのため通学や通勤で自転車を利用する人だけでなく、買い物で少しでも自転車に乗る人や、サイクリングが趣味の人でも加入義務対象になるのです。
たとえ買い物がてらに少しだけ乗る場合でも、加入対象になるのです。
「少ししか乗らないから…」が通用しないことを覚えておきましょう。
自転車保険を義務化している地方自治体
自転車保険は上で紹介してきたように、国が義務化を進めているのではなく、地方自治体によって進められています。
また義務化している地方自治体は都道府県主体ではなく、市が中心となって進めているところもあります。
現時点で自転車保険を義務化している地方自治体は以下の12つです。
みなさんが住んでいる自治体に当てはまるかどうかを確認してみましょう。
- 兵庫県
- 滋賀県
- 大阪府
- 鹿児島県
- 京都府
- 愛知県名古屋市
- 埼玉県
- 石川県金沢市
- 静岡県
- 宮城県仙台市
- 長野県
- 神奈川県
- 東京都
東京都は2020年4月より義務化となります。
努力義務と指定している地方自治体もある
義務化とまではいかないまでも、努力義務として自転車保険への加入を進めている地方自治体もあります。
努力義務とは、義務よりも制約力はないものの可能な限り努めることです。
そのため特別な理由がない限りは加入すべきでしょう。
自転車保険の加入が努力義務である地方自治体は以下の9つです。
- 北海道
- 群馬県
- 千葉県
- 鳥取県
- 徳島県
- 香川県
- 愛媛県
- 福岡県
- 熊本県
自転車保険に加入しなくても罰則はない
実は自転車保険に加入していなくても罰則はありません。
義務化とされていますが、法的拘束力がないのが現状なのです。
上でも紹介したように、自転車保険の義務化を進めているのは都道府県や市町村などの地方自治体です。
地方自治体では自転車保険の加入義務や努力義務を条例で定めていますが、この条例には現在罰則が設けられていないのです。
これから罰則が設けられる可能性もありますが、現状ない以上加入しなかったからといって逮捕や罰金があるわけではないんです。
しかし罰則がないからといって、加入しなくていいわけではありません。
加入義務があってもなくても、加入して万一に備えることが重要なのです。
条例違反で通勤・通学の手段として認められない場合も
自転車保険の加入義務を怠ったとしても、特に大きな罰則はありませんが、生活に支障が出る場合もあります。
自治体によっては、通勤通学の手段として自転車を利用するために企業や学校に届け出る場合、自転車保険に加入していないと移動手段として認められないこともあります。
そのためどれだけ遠くとも自転車での通勤が認められないため、自分の首を自分で絞めることにもつながるのです。
自転車保険に加入しないと発生する2つのリスク
加入義務を守らなくても、特に罰則がないのであれば加入する必要はないのでは?と考える方も少なくともいるでしょう。
しかし自転車保険に加入しないことで、以下の2つのリスクが発生することになります。
- 賠償金額が膨大になる可能性
- 子供の自転車事故は親が賠償しなければならない
加入すれば避けられるあるいは緩和できるリスクです。
賠償金額が膨大になる可能性
自転車事故では、被害者に対する賠償金額が膨大な金額になる可能性があります。
平成26年に起きた事故では、自転車事故で亡くなった女性の遺族に対して4000万円以上の賠償命令が出ています。
他の事故の判決でも、2000万円以上や9000万円以上の賠償命令が出ており、自転車事故であろうとも多額の賠償金が請求されることもあるんです。
もちろん自転車保険に加入していないと全額自己負担になりますので、膨大な賠償金額を一生背負うことにもなりかねません。
自転車事故は発生件数は少ないものの、重大な事故につながる可能性がありますから、保険に加入しておいて万一の場合に備えておく必要があるのです。
子供の自転車事故は親が賠償しなければならない
自転車事故の加害者は大人だけではなく、子供もなる可能性が大いにあります。
実際2008年に兵庫県で起きた自転車事故では、当時小学5年生の男児が自転車で女性と衝突してしまった結果、女性は頭蓋骨を骨折し意識不明の重体になってしまいました。
この事故の裁判では、男の子の両親に1億円近い賠償金を支払う判決が出ています。
子供が起こした事故の責任は法律上親が負うことになってしまいますから、たとえ自分が直接の加害者でなくとも賠償を負う可能性があるんです。
実際大人よりも子供の方が自転車を使用する機会が多いですから、保険に加入させておかないとこれもまた賠償金を負う可能性があります。
自転車保険に加入するとどんな補償が受けられるの?
自転車保険に加入することで、実際にどんな補償が受けられるのかイメージがつかない方もいるのではないでしょうか?
以下は自転車保険に加入することで受けられる補償を紹介していきます。
被害者のケガや死亡時の補償
これまで紹介してきたように、自転車事故では被害者に対して,ケガの程度や障害によっては数千万円の損害賠償を課せられる場合もあります。
これらの補償をカバーしてもらうことができます。
1か月100円から加入でき、保険によっては少ない金額でも1億円の補償を受けることも可能です。
もちろん被害者の入院費用や治療費にも対応できます。
注意!自転車に乗る家族を全員追加しよう
自転車保険の個人賠償責任補償へ加入するときには、自転車の乗車頻度の高い人だけに絞ってしまうことがほとんど。
しかし自転車事故が起きる原因は、不注意だけではなく偶然が重なってしまうことにより、引き起こされることもあります。
普段乗り回していない人でも、十分に自転車事故を起こして加害者になってしまうことも十分にあり得るのです。
自転車保険の中には、家族単位で加入できるものもあります。
自転車に乗る機会がある全員に補償をつけて、万一事故が起きても対応できるようにしましょう。
自分が負ったケガや入院
自転車保険では、被害者の補償だけでなく自分が負ったケガや入院にかかった費用も補償してもらえます。
特に自転車同士の事故の場合、自分も相手もケガをすることがほとんどです。
転倒するだけだったら軽傷で済むかもしれませんが、骨折や打ちどころが悪ければ死亡してしまうこともあり得るんです。
自分も損害を被った場合も自転車保険ではカバーしてもらえます。
損害賠償請求額よりも治療費は安くなりますが、骨折など重傷を負っている場合は長期的な通院が必要になることもあります。
自転車保険に加入すれば、自動的に補償が付帯されることがほとんどなので、安心しててください。
弁護士費用
自転車による事故では、被害者のケガや状況によっては訴訟が起きることもあります。
もちろん訴訟となれば弁護士費用が発生しますから、賠償金と合わせて用意しなくてはなりません。
自転車保険では弁護士費用も補償しても羅えますので、もしもの際の負担を最小限にすることも可能なのです。
自転車保険はどこで加入できるの?
ここまで読んで、自転車保険の加入義務があるにしろないにしろ、加入しておこう!と考えてくださった方も少なからずいるのではないでしょうか?
自転車保険に加入できるのは以下の場所です。
- ネット
- 自転車屋
- コンビニ
最近では携帯会社でも自転車保険サービスを始めています。
また、コンビニやネットで簡単に加入できる保険もありますので、保険加入手続きが面倒な人でも気軽に加入できますよ!
保険料も支払い方法をそれぞれ選ぶことも可能ですし、支払額も月々1000円以下のものもありますので、家計の負担も少なく済みます。
自転車保険加入するときの3つの注意点
ここまで紹介してきたように、自転車保険は保険料も安く補償が充実していますが、加入する際には3つ注意していただきたいポイントがあります。
まとめると以下の3つです。
- 補償期間をチェックする
- 補償内容が他の保険と被っていないか
- 補償範囲をチェックする
以下で詳しく解説していきます。
補償期間をチェックする
自転車保険には補償期間が定められていることもあります。
保険にもよりますが、1年~2年が相場のようです。
補償期間の終了時は更新手続き開始期間と同義ですから、把握しておいて損はないでしょう。
補償内容が他の保険と被っていないか
自転車保険に加入する際は、他の保険と補償が被っていないかを確認するようにしましょう。
自転車保険で保障されるような個人に対する賠償は、保険の種類にもよりますが、すでに加入済みの保険で自転車の補償までカバーされていることがあります
補償内容が被っていると、無駄な保険料を支払ってしまうことにもつながります。
加入前に自転車に関する補償がついている保険に加入していないか確認しておきましょう。
また、自転車に関する補償がついていたとしても、額が少なければ意味がありません。
自転車事故での訴訟では数千万円の賠償金が請求される可能性があることも考慮すると、最低でも1億円分の補償をつけておくことが望ましいです。
現状加入している保険で自転車に関する補償がついている場合は、補償額も確認しておくようにしましょう。
補償範囲をチェックする
加入しようとしている自転車保険の補償範囲をチェックするようにしましょう。
自転車保険にもプランが複数あります。
加入者1人のみの補償のプランや、家族全員の補償を請け負ってくれるプランもあります。
もしも単身者であれば1人のみのプランで事足りますが、家族がいる方は自転車に乗る機会が多い1人のみの保険に加入していると、加入者以外の家族が事故を起こした際に補償範囲外となって悔しい思いをすることもあるんです。
加入する保険の補償範囲を確認して、自転車に乗る機会のある人全員の補償がある保険を選ぶようにしましょう。
自転車保険に加入して万一の場合に備えよう
いかがでしたか?
自転車は免許も必要ない手軽な乗り物ですが、事故に遭った際に膨大な賠償金を請求される可能性があります。
そのため地方自治体では、続々と自転車保険の加入を義務付ける動きが広まっていますが、加入しないからといって罰則が科せられるわけではありません。
しかし罰則がないからといって、加入しなくていいということにはなりません。
加入しないことで様々なリスクを負うことにもなりかねませんので、住んでいる自治体が加入を義務化してなくとも進んで加入するようにしましょう。