自転車保険は家族型で加入すると安くなる?保険料や補償内容を解説します

私たちにとって一番身近な乗り物と言えば何と言っても「自転車」ですね。

自転車は子供からお年寄りまで誰でも乗れる便利さもあって幅広い年代層に利用されています。

しかし警察庁の発表では交通事故全体の発生件数は2004年をピークに低減傾向にある中で、自転車の交通事故発生比率は2016年の18.2%を底に2019年には21.1%にまで上昇してきています。

高額化する賠償額とも相まって「自転車保険加入義務化」へむけて地方自治体も大きな舵を切りつつあります。

ではその「自転車保険」について多彩な角度から解説していきましょう。

自転車の自由すぎる運転が招く責任はあまりにも重い

交通事故の発生比率を見る限り、残念ながら自転車事故に対する認識は甘いと言わざるを得ません。

道路交通法上自転車は「軽車両」に位置付けられています。

もし事故を起こした場合には「刑事上」「民事上」「道義的」の3つの責任を負うことになります。

特に民事では、被害者に重い後遺障害が残ってしまった場合や死亡させた場合など、一生をかけて償わなければならないほどの高額判決も出ています。

自転車事故とはいえその責任と代償はあまりにも重くて大きいのです。

加害者が未成年といえども容赦のない高額判決

賠償額 裁判所 判決日 自転車事故の概要
9,521万 神戸地裁 H25.7.4 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等で意識が戻らない状態となった。
9,266万 東京地裁 H20.6.5 男子高校生が昼間、車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。
6,779万 東京地裁 H15.9.30 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。

神戸地裁の判決は、賠償額が高額である上に、加害者が子供の場合でも親(監督義務者)が責任を負う場合があることを示した歴史的な判決としてマスコミで大きく報じられました。

もう一つの課題である「自転車スマホ」についても、統計を取り始めた2007年から10年間で事故件数は3倍以上にもなっています。

そもそも、スマホや携帯電話を使用しながらの自転車の運転は道路交通法や、各都道府県の交通規則の違反となり、その場合「5万円以下の罰金」が科せられることがあります。

加えて今年の6月30日には改正道路交通法が施行され、主に「妨害運転罪」いわゆる「あおり運転」が新設されましたが、実は自転車も対象となっています。

もう自転車に寛容という時代ではないのです。

着々と進む自転車保険加入義務化の流れ

これに呼応するかのように各地方自治体では次々と「自転車保険」の加入義務化を加速させています。

今年の4月からは新たに東京都、奈良県、愛媛県が加わっています。

全国の自転車保険加入義務化はまだまだ進んでいく

自転車保険の義務化は2015年10月に兵庫県で最初に導入されました。

2020年4月現在での全国の状況は「加入が義務」としているのは東京都、神奈川県、大阪府など15都府県、また「加入が努力義務」となっているのは北海道、千葉県、熊本県など11道県です。

こうした地域で自転車に乗る場合、そこの住民でなくても自転車保険の加入が必要ですが、現在では加入していないことによる罰則の規定はありません。

自転車保険との重複補償をチェックするポイント

次は無駄な保険料を払わないための大切な作業を解説します。

自転車保険の基本的な補償は「個人賠償」と「自分のケガ」の2つですが「加入義務」の目的は勿論「個人賠償」の方にあります。

1.「賠償責任保険」重複加入はここをチェック!!

まず自動車保険、火災保険、家財保険(賃貸の場合)、傷害保険などの特約として加入していないか確認しましょう。

また学校を通じての子供の加入や、クレジットカード付帯の「個人賠償責任保険」も要チェックです!!

その際、自転車事故でも適用されるかどうか念のため確認しておくことです。

2.「自分のケガ」に対する重複加入はここをチェック!!

学校での子供に加えてご主人の会社での「傷害保険」の加入や「医療保険」などをチェックしてみましょう。

特に「医療保険」は病気やケガで入院、手術をしたときに保険金が給付され、状況に応じて一時金が出るものもあるので必須です。

自転車保険の補償内容について詳しく解説します

では「賠償」と「自分のケガ」の補償内容について解説していきますが、保険期間は通常1年となっているので加入条件などは毎年見直しするようにしましょう。

1.自分のケガについてはの4つの基本項目

ケガの補償範囲については、自転車事故も含めた「交通事故全般を補償」するというのが主流となっています。

一方、補償内容については商品によって次のような違いがあります。

  • 入院保険金日額:事故によるケガで入院した場合
    但し事故の日を含めて180日以内の入院が条件で、限度日数は120日や180日などの違いあり
  • 通院保険金日額:事故によるケガで通院した場合
    但し事故の日を含めて180日以内の通院が条件で、限度日数も30日や90日などの違いあり
  • 死亡保険金:事故によるケガで事故の日を含めて180日以内に死亡した場合
  • 後遺障害保険金:事故の日を含めて180日以内に後遺障害が発生した場合
    支払額=第1~14級の等級割合のすべてか、1級から7級までしか担保しないという違いあり

その他「入院一時金」や「手術給付金」などもあるため、本当に必要な補償は何かを事前によく検討することが重要です。

2.相手への賠償を行う個人賠償責任保険

これは他人にケガや後遺障害を負わせてしまった、不幸にも死亡させてしまったという時や相手の物(車等)を壊してしまった時に負う法律上の賠償責任を担保するものです。

判決例なども踏まえて少なくとも1億以上、できれば無制限に加入しておきたいですね。

賠償責任については次の項目が重要となりますので必ず確認して下さい。

  • 示談代行サービスの有無
  • 自転車事故に限らず日常生活での事故による賠償責任を補償してくれるかどうか
  • 個人契約であっても補償の対象者は家族全員であるかどうか

3.その他の補償やサービスも会社や商品によって多種多様

商品によって違いはありますが次のように様々なラインナップが揃っています。

  • 示談代行サービス(賠償責任)
  • 自転車ロードサービス
  • 手術保険金
  • 入院一時金
  • 弁護士費用
  • 法律相談費用

この中で一番にチェックしておきたいのはやはり示談代行サービスの有無です。

示談代行はあなたが加害者になったときに、あなたに代わって交渉してくれるサービスです。

弁護士費用はもらい事故など被害者になったときに、弁護士が代わりに交渉してくれるというものですが、自動車保険の特約では自転車同士の事故や歩行中自転車にぶつけられた場合などは補償対象としていないところが多いようです。

家族型と個人型のどちらがお得?自転車保険の賢い選び方

1. そもそも家族型自転車保険って何なの?

これは家族が別々に加入するのではなく一件の申し込みで家族全員を補償するプランのことです。

自転車保険での家族は次のように定義されています。

  1.  本人またはその配偶者と同居の、本人またはその配偶者6親等以内の血族および3親等以内の姻族
  2.  本人またはその配偶者と別居の、本人またはその配偶者の未婚の子

この範囲であれば、個別に加入するより手間も省け管理も楽です。

2.家族型と個人型の保険料はどれくらいの差なのか検証してみた!!

まず家族みんなが自転車を利用しているようなら家族型がお勧めです。

また家族の数が多いほど割安な保険料となります。

では個人型と家族型の具体的な保険料の違いを見てみます。

商品名 eサイクル保険(東海日動)Cプラン セブンイレブン(三井住友)  Bycle (au損保)ブロンズコース
個人型 家族型 個人型 家族型 個人型 家族型
年間保険料 2,880円 4,510円 3,990円 7,210円 3,790円 7,440円
個人賠償額 無制限 3億 2億
死亡・後遺 200万 290万 250万(自転車事故500万)
入院日額 ×     4,000円 4,000円(自転車8,000円
手術給付金 × 入院4万、入院以外2万 入院4万、入院以外2万(自転車事故は各々2倍)
通院日額 × × ×
示談代行
弁護士費用 × × ×
その他 ケガは交通事故全般
賠償は日常生活まで補償
ケガは交通事故全般
賠償は日常生活まで補償・後遺障害は1~7級のみ支払・夫婦プランあり
ケガは交通事故全般
賠償は日常生活まで補償
2年契約あり(10%お得)
ロードサービス付き
ヘルメット着用死亡100万
自転車事故のケガ2倍補償

いずれの商品でも2人以上の家族で同一補償を可とするのであれば、個々に加入するより家族型の方が安いという結果になっています。

例えば4人家族でeサイクル保険に加入した場合、個々に加入すれば2,880円×4=11,520円のところ家族型だと4,510円で済んでしまいます。

なんと1年間で7,010円もお得だという事になります。

まとめ

さていかがでしたか?

「保険とは転ばぬ先の杖」の心が少しでもお分かり頂けたのであれば幸いです。

ところで高齢者の加入制限を設けているところが多い中、au損保ではシニア向けになんと70歳から89歳までを対象としたシニア向け自転車保険を販売しているのには驚きました。

自転車に乗りたての子供からお年寄りまでがお互いが責任をもって相手を気遣う。

そんな社会が見えてくるようで希望を感じました。

たかが自転車、されど自転車です。

皆さんが素敵な自転車ライフを楽しめるよう心からお祈りしています。