近年、睡眠時無呼吸症候群と診断される人が増えています。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に無呼吸になってしまうことで、様々な病気のリスクとなってしまう怖いものです。
この睡眠時無呼吸症候群と診断されてしまうと、医療保険の通常加入が難しくなってしまいます。
今回は医療保険と睡眠時無呼吸症候群について解説していきます。
目次
引受基準緩和型の保険なら加入できる
睡眠時無呼吸症候群でなくても、持病がある場合に医療保険への加入を断られてしまう可能性が高いです。
持病のある人が医療保険への加入を断られてしまう理由は、保険が「相互扶助」の精神で成り立っているからです。
健康な人に比べて持病があることで、両者の間に保険給付金の受取りに差が出てしまう可能性があります。
「じゃあ持病がある人は医療保険に入れないのか?」いいえ。そんなことはありません。
近年はそんな持病がある人でも加入することが出来る「引受条件緩和型」と呼ばれる医療保険があります。
引受条件緩和型の特徴は健康告知内容が少ないこと・保険料が通常加入より割高になることがあります。
この引受条件緩和型が保険会社各社での取扱いがあるので、自分の加入したい保険会社にもあるのか担当者に確認してみることをおすすめします。
加入時の健康告知内容が少ない
医療保険に加入する際には健康告知が求められますが、引受基準緩和型の保険は通常加入するよりも告知内容が少なく設定されています。
重度の病気でなければ、告知の必要がないものもあります。
仮に健康診断や通院歴のせいで、医療保険に通常加入できなかったとしても、引受基準緩和型の保険であれば加入を認められる可能性があるんです。
「万が一のために医療保険で保障を得ておきたい」と加入を強く望んでいるなら、加入するメリットは大いにあるでしょう。
各保険会社で用意されている
引受条件緩和型の医療保険は、特定の保険会社のみという事ではなく、保険会社各社で取り扱いがあります。
この引受条件緩和型の医療保険は、保険会社によって引受基準が異なるので一つで断られてしまっても、違う保険会社では加入できることもあります。
保障内容なども保険会社によって異なるので、内容を比べるためにも色々な保険会社を調べてみるとをおすすめします。
引受基準が低い代わりに保険料が高い
持病のある人にとって、引受基準緩和型の医療保険の存在はありがたいですが、一方でデメリットもあります。
それが通常の医療保険より保険料が割高になってしまうという点です。
持病がある人は、入院や手術のリスクがある為、保険の給付を受ける可能性が健康状態の良い人よりも高くなります。
そのため保険自体の破綻を防ぐために、保険料を割高に設定して保っているのです。
保障内容が手厚くない
引受基準緩和型の医療保険は、持病のある人でも加入できる保険商品であるため、保障の内容が通常の医療保険より薄くなっているものがあります。
具体的には、加入後1年間は入院や手術の給付金が50%程度削減されてしまう保険商品もあります。
睡眠時無呼吸症候群の持病がある人が、引受基準緩和型の医療保険に加入した場合、睡眠時無呼吸症候群が原因の病気はもちろん、それ以外の病気やケガでも給付額が削減の対象となります。
ただ、1年を超えると通常の給付率に戻る保険商品もあるので、加入前に内容をしっかりと確認しましょう。
引受基準緩和型の医療保険は、保険会社によって保障内容も引受基準も異なります。
1社で断られてしまっても別の保険会社で加入できることもあるので、断られてしまったからと諦めるのではなく、保障内容を比べるためにも色々な保険会社の資料請求をしてみましょう。
しかし引受条件緩和型の保険は、通常の医療保険より保障が薄くなってしまうことを理解して加入することが大切です。
通常の医療保険では加入を断られる
睡眠時無呼吸症候群の人は、引受基準緩和型の医療保険には加入できるのですが、通常の医療保険への加入は断られてしまうことは、最初にもお話しました。
断られてしまう理由は、睡眠時無呼吸症候群と診断され通院している事が関係しています。
通院に対しても保険の給付を受けることができる医療保険では、通院中の人が加入することはできません。
また加入できたとしても、睡眠時無呼吸症候群に関係する部位の、不担保の扱いでの加入となるでしょう。
それらを理解してまずは通常の医療保険へ加入の申請を出してみる方法もあります。その後引受条件緩和型の医療保険を紹介してくれる可能性が大いにあります。
睡眠時無呼吸症候群で通院しているから
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に無呼吸状態になってしまうことで適切な睡眠を取ることが出来ない病気です。
「ただ睡眠が取れないだけ」と思う人もいるかもしれませんが、適切な睡眠が取れないことが、重大な病気のリスクにもなります。
睡眠時無呼吸症候群が原因となってしまう病気には、心疾患や脳卒中・糖尿病などがあり、どれも死亡に繋がる可能性のある病気です。
これらの重大な病気のリスクを上昇させる睡眠時無呼吸症候群で通院しているという事は、保険を利用する可能性が高くなります。
このことで保険加入者同士で差が出てしまうので不公平になってしまうと考えられるのです。
保険は相互扶助の精神で成り立っているので、破綻させないためにもリスクが高い睡眠時無呼吸症候群の人は加入を断られてしまうのです。
加入できても部位不担保になる
睡眠時無呼吸症候群の人でも、通常の医療保険に加入できる場合もあります。
しかし加入できたとしても部位不担保となってしまいます。
部位不担保とは、保険会社が定めた特定の部位のみ保険の保障外となってしまうものです。
睡眠時無呼吸症候群の人が通常の医療保険に加入する際には、この部位不担保の条件のもと、加入が認められる可能性があることを理解しておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群を隠して保険に加入するとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群の人の場合、通常の医療保険への加入が難しいことは何度もお伝えしてきました。加入が難しいなら黙っていればバレないのでは?と考える人もいるかもしれません。
しかし申告せずに加入することは絶対にやめましょう。なぜならば無申告で加入してしまうと、いざ保険金が必要となった際に支払いがされないことはもちろんの事、強制的に契約解除となってしまうこともあります。
最初は加入したいという軽い気持ちから、申告せずに加入しただけと思っていても重大な事態に発展してしまうので、絶対に避けるべき事です。
保険金が支払われない
睡眠時無呼吸症候群を申告せずに医療保険に加入してしまうと告知義務違反になってしまい、病気やけがになってしまっても保険金が支払われません。
睡眠時無呼吸症候群に人は通常の医療保険に加入するのは難しいです。
それは病気やケガのリスクが高く、健康な人と比べると保険を使う可能性が高いからというお話をしました。
そのため無申告で加入できたとしても、保険金を請求するときに既往歴が判明すると、告知義務違反で保険金が支払われないのです。
保険の強制的な契約解除
告知義務違反を犯して保険に加入すると、保険金が支払われないだけでなく、より悪質判断されてしまうことで保険の強制的な契約解除となります。
保険契約の強制解約になってしまうと、支払ってきた保険料の返還がなく、保険金も支払われないため金銭的にも大きな負担となってしまいます。
このように睡眠時無呼吸症候群を隠して医療保険に加入することは、告知義務違反に当たり保険金の支払いがされない措置や、保険契約の強制解約などの措置を取られてしまいます。
また1度告知義務違反をして加入した履歴が残ると、その保険会社の他の保険商品に加入することも難しくなってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群であるため医療保険に加入して、もしもに備えたい気持ちはわかりますが、隠して加入するのではなく、引受条件緩和型の医療保険を検討するなどの方法を取るようにして、医療保険への加入を目指しましょう。
持病に関して心配や不安がある人は、保険会社の担当者や保険相談窓口などを利用して保険について相談してみてはいかがでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群の治療は迅速に行おう
今回は、睡眠時無呼吸症候群と医療保険についてお話してきました。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を下げてしまうことで、様々な重大な病気のリスクを高めてしまう恐ろしい病気です。
最近夜もしっかり寝ているはずなのに、昼に眠気が強くて仕事にも影響を及ぼしている、メタボ体形、家族から無呼吸症状を指摘されるなどの思い当たる症状がある場合には、すぐに病院へ行きましょう。
近年は睡眠時無呼吸症候群を専門に見てくれる病院も数多く存在し、専門的な先生も多くいます。気になることがあれば受診するようにしましょう。
治療をすることで睡眠時無呼吸症候群は改善されるため、他の病気のリスクも軽減されます。
睡眠時無呼吸症候群と診断を受けた際には、通常の医療保険の加入は難しくなってしまいますが、引受条件緩和型の保険なども保険各社が取り揃えているので、保障内容と合わせて調べてみましょう。
その際にわからないことがあれば、保険相談窓口なども利用してみてはいかがでしょうか。