学資保険は子供が生まれてから加入する保険で、中学、高校、大学までを考慮して保険金額や保険料を決めていきます。
しかし加入期間中に、保険料が払いきれなくなったり、保障内容が気にいらないなどの理由で学資保険を見直そうと考えている方もいますよね。
しかし学資保険を見直すと言っても、周りに実際に見直している人がいないため、どうしたらいいかわからないでしょう。
今回は学資保険の保障内容に疑問を持っている方向けに、学資保険はそもそも見直すべきなのか、また見直すとしたらどんなタイミングや注意点があるのかを解説していきます。
目次
原則!学資保険は加入後は基本的に見直さない
原則として、学資保険は加入後は見直さないのが基本です。
理由は以下の3つです。
- 元々長期的な加入を目的にしているから途中の変更が難しい
- 見直しで他の保険に切り替えられない
- 途中解約で解約返戻金が元本割れを引き起こす
以下で詳しく解説していきます。
元々長期的な加入を目的にしているから途中の変更が難しい
学資保険は、元々長期的な加入を目的にしているので、途中の契約変更が難しいです。
学資保険は子供が0歳~1歳のうちに加入して、高校卒業後に選ぶ進路に対応できるだけの教育費用を貯める目的で使用されます。
支払った保険料は保険会社が預かったうえで、安定している金融商品を利用して運用してくれます。
長期的な運用を目的にしているので、途中で支払い保険料を減らしたり増額するのは難しいのです。
保険の見直しは保障内容を変更する必要があるので、見直した後に契約内容を急に変更するのは難しいのです。
見直しで他の保険に切り替えられない
保険の見直しの結果、他の保険に切り替えたいと言っても、生命保険のように上手くはいきません。
学資保険は子供の年齢によって加入できるかが変わります。
最高でも小学校入学までに学資保険に加入しないと、それ以降には保険会社から加入を断られてしまいます。
見直した結果他の保険のほうが返戻率等の条件が良くても、子供の年齢が加入できる年齢制限を超えてしまっている場合には、対応してもらえません。
途中解約で解約返戻金が元本割れを引き起こす
仮に見直しで他の保険に切り替えられたたとしても、途中解約すると解約返戻金が元本割れを引き起こす可能性があります。
上述した通り、学資保険では長期運用を前提として保険料や保険期間が設定されています。
学資保険を途中で解約してしまうと、解約返戻金が支払った保険料よりも少なくなってしまう可能性が非常に高くなるのです。
他の保険に切り替えるときには「他の保険のほうが返戻率がいい」との理由が多いですが、元本割れでどの程度損をするかも考慮して算出しないと、かえって他の保険に切り替えたほうが損になることもあります。
学資保険を見直す3つのタイミング
保険料や返戻率のために学資保険を安易に見直して、契約を変更しようとするのは損をする可能性があります。
しかし以下の3つのタイミングに当てはまる場合には、学資保険の見直しを検討してみる必要があります。
- 家庭内での教育方針の変化
- 子供の希望進路が変わったとき
- 満期返戻金の受取設定日を間違えていたとき
以下で詳しく解説していきます。
①家庭内での教育方針の変化
家庭内での教育方針が変化した場合は、学資保険の見直しを検討してみることを検討してみましょう。
子供の性格はもちろんのこと、親の子供に求める将来像をもとに保険金を決定します。
しかし家庭内の環境が変化した時に、教育方針が変化した時に用意すべき教育費用も変わります。
ただし、離婚で両親が別れるときには、保険の契約者や保険料支払いの責任をどっちが持つかなど、決める必要がありますので見直しとはまた別の対応を取る必要があります。
②子供の希望進路が変わったとき
子供の希望進路が変わったときも、学資保険の見直しを検討してもいいでしょう。
子供が将来文系の職種につきたいといっていたのに、いきなり理系の職種を目指すこともあります。
希望進路によっては、学費が大きく異なります。
子供の希望進路が変わったタイミングで、子供の進路をかなえるにはどの程度お金が必要かを検討しましょう。
ただし子供の希望進路が変わったときは、基本的に学資保険以外に教育費用を用意することが多いです。
③満期返戻金の受取設定日を間違えていたとき
加入している学資保険野満期返戻金の受取設定日を間違えていた時も、学資保険の見直しが必要になります。
一般的に学資保険ほ満期返戻金の受取設定日を、子供の進学タイミングに合わせる家庭が多いです。
しかし、稀に受取設定日を入学直前に設定していることもあります。
高校、大学や専門学校では、入学より1~2か月前に、学費の納入を済ませなければなりません。
学資保険の満期返戻金を入学金として使おうとしている家庭では、入学金が支払えなくてせっかく入れる予定だった学校を諦めなければならないこともあります。
満期返戻金の受取設定日を間違えていたと気付いたら、保険会社に問い合わせて対応できないかを聞いてみましょう。
学資保険を見直すときに注意すべきポイント
もしも上記のタイミングに当てはまっていて、学資保険をやむなく見直す時には、以下のポイントに注意しましょう。
- 解約は基本的にしない
- 祝い金・満期返戻金の受取時期・金額と進学時の経費を照らし合わせる
- 返戻率を高めたいなら保険料の払い込み方法を変更する
以下で詳しく解説していきます。
解約は基本的にしない
学資保険を見直すときには、解約は基本的にしないことを前提に進めていきましょう。
上述したように解約返戻金が元本割れを引き起こす可能性がありますので、一時的に手元にお金がもどってきたとしても、実質的には損をしていることになります。
解約は基本的にせず、今ある保障に追加で教育費を準備するかなど、他の方法を模索していきましょう。
祝い金・満期返戻金の受取時期・金額と進学時の経費を照らし合わせる
祝い金・満期返戻金の受取時期と進学時に必要になるであろう経費を、照らし合わせましょう。
祝い金や満期返戻金の受取時期を確認しておかないと、上述した通り入学前に入学金が用意できずに子供に悲しい思いをさせてしまうこともあります。
また子供が進学するたびに、どの程度の金額を祝い金や満期返戻金として受け取れるかも確認しておきましょう。
子供がいきなり文系から理系に転向した時、学費を賄えないこともあるのです。
文系の大学と理系の大学では、実習や施設費用もあり、私立大学だと100万円以上も年間納入学費に差が出ることがあります。
子供と進路について話しあって、追加で教育費用が必要なのであれば、別の方法で学費を用意することを検討しましょう。
返戻率を高めたいなら保険料の払い込み方法を変更する
学資保険の返礼率に悩んでいるるなら、保険料の払い込み方法の変更も検討してみてください。
学資保険の返礼率が他の保険商品のほうがいいからと言って、安易に保険を切り替えてしまうと元本割れで損した分と新規加入で得した分が相殺、あるいはさらに損をしてしまうこともあります。
保険に加入しながら返戻率を高めるには、保険料の払い込み方法を月払いからまとめて支払う年払いや一括払いを選択してみましょう。
保険会社に一気に保険料を納入することで、保険会社の運用期間が延びますので、返戻率を高められる可能性が高いです。
しかし、保険料を全期分一気に納入してしまうと、生命保険料控除に学資保険を利用できなくなってしまいますので、注意が必要です。
学資保険の見直しをするならFPか保険相談窓口に相談しよう
学資保険の保障内容に納得がいっていない、契約している保障内容では子供の進路に対応できるか不安…という方は、ファイナンシャルプランナーか保険相談窓口に相談してみましょう。
ファイナンシャルプランナーは、保険だけではなく家計の見直しのプロです。
家庭内のお金の動きを確認して、子供の教育費用を貯めるアドバイスをしてくれます。
また、相談と同時に家計の無駄も指摘してくれるので、家計診断にも友好的に利用できます。
また保険相談窓口では、子供の年齢が低ければ切り替え先の保険を提案してくれることもあります。
複数社の保険を取り扱っているので、比較しながら検討が可能です。
学資保険は加入時に慎重に決めよう
いかがでしたか?
学資保険は基本的には見直しをせずに、当初決めた保障内容で加入し続ける必要があります。
ただし加入期間中に契約内容を変更する必要があったり、教育方針の変更などで当初予定していた保険金では足りないとわかった場合には、保険を見直してみてもいいでしょう。
また、満期返戻金の受取時期を間違えていた場合も、同様に早期に見直して内容を変更することをおすすめします。
またこれから学資保険に加入する方は、加入時に慎重に確認して後々見直す必要がないように手続きを進めていきましょう。